海鳴のスカさん家   作:ピーナ

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ただ、温めの温泉なんじゃないかとも思ってしまいます。


第八話 温水プールって凄い贅沢だと思う

ども、大和っす。

今日俺達はなのは、すずか、アリサ、ユーノ、なのはのお姉さんの美由希さん、すずかのお姉さんの忍さん、すずかの家のメイドのファリンさんとノエルさんと一緒に温水プールに来ているっす。

ウォータースライダーやら流れるプールやらがある所で俺達は思い思いに楽しんでる。

……燃費がいいからっていう理由でフェレットモードでいるユーノと早々荷物番している兄貴は楽しんでいるのか分からないけどさ。いや、兄貴は楽しんだか。俺と競泳で競争したし。

ちなみに結果は俺の勝ち。……なんだけど、兄貴は潜水で25メートル泳ぎ切ったから、速さで勝ってもあんま達成感無いんだよなあ。

 

 

そんな感じで各々楽しんでいたら、

 

『皆! ジュエルシードが発動してる!』

 

ユーノがそうやって知らせてくれるけど、突然過ぎて反応できないぜ⁉ デバイスも手元にある訳じゃないし。俺のは更衣室のロッカーの中だ。自分の身を守る事位なら出来るけど、せめてここに持ち込んだ荷物と一緒に持ってこりゃ良かったな。

そんな事を考えてたらプールの水面にやたらデカい水の化け物が現れた。……ジュエルシードってすげえなあ。

 

「「きゃああああ!」」

 

悲鳴が上がったからそっちの方に行くと、プールに居たアリサとすずかが水の化け物に捕まってた。なんだけど……

 

「コイツ、何なの⁉」

「脱がされちゃう……」

「やらしい動きすんなあ!」

 

……命の危険性はなさそうだな。ってか、あのジュエルシードを発動させた奴は何なの? どうしようもない変態なの?

 

「ってか、大和とユーノはこっち見んなあ!」

 

アリサからのお叱りの言葉で俺とユーノは慌てて目をそらす。

 

「なあユーノ、あれってどうなんだ?」

「多分だけどあのジュエルシードを発動させた人は捕まった更衣室荒らしなんじゃないかな」

 

……何だかなあ。ジュエルシードの暴走体が危ないのはこの前の一件で分かってるんだけど、これじゃない感が凄いんだけど。

 

「っていうか大和、デバイスは?」

「更衣室のロッカーの中。泳ぐ時に邪魔だと思って」

「……どうしようか?」

「……どうするかねえ」

 

今ここには捕まってる二人(アリサ、すずか)、攻撃性能が高くない魔導師(ユーノ)、デバイスの無いあまり役に立たない魔導師(俺)のみ。

今回のは攻撃性は低いから少し安心できるけど、このままにしておいても良いわけでもない。

 

「「きゃああああ!」」

 

再度悲鳴が上がったから、振り返ると、水着を剥ぎ取られた二人が水の化け物に投げ飛ばされてた。って、プールの外にそこそこの高さから投げられたから危ない! どっちかでも受け止めに行かないと! 間に合うか怪しいけど!

 

「……ったく、人が気持ちよく昼寝してたのにさ~」

 

転移魔法で現れた兄貴がそう愚痴を言いながらも水で出来た球体を作り出し、それで二人を受け止めた。

その後二人にタオルを渡すあたり、さすがは兄貴だなあ。

 

「兄貴はデバイス持ち込んでたのな」

「パーカーのポケットの中にね」

「その手があったか!」

 

兄貴もこういう事があると思ってたんなら言ってくれれば良かったのにさ~。

 

「大和、二人の事ちゃんと護ってろよ」

 

と振り向かずに言って水の化け物に相対する。

……やっぱカッコいいよ俺の兄貴は。俺の憧れだけあるぜ。

ウチの中心は間違いなく兄貴だ。

母さんが亡くなってから、一番立ち直るのが早かったのは兄貴だった。「母さんの変わりが出来るのは僕だけだから」と家事を一手に引き受けてそれを当たり前の日常にしていった。

冷たそうに思えるかもしれないけど、俺は知っている。一時期、兄貴は無茶をするようになって、夜一人で泣いていた事を。

俺達と話しているよりも恭兄と話している方がしっくりくるくらい大人びてるけど、兄貴は俺と同い年。ただ、母さん譲りの強がりで弱い所を見せない。父さんや士郎伯父さんには見せるけど、俺達の前では絶対に。その時期も少しずつその二人の力で元の兄貴に戻っていったと思うし。

俺としてはそれは少し寂しくて悔しい。だから、俺の目標は「兄貴に頼られるようになる」。それには兄貴に追いつけないとな。

 

「だーっ、プールに出来てやがるから再生してキリが無い! こうなったら、全部ぶっ飛ばす! エクスプロージョン!」

 

……アレを一撃で吹き飛ばすような兄貴に追いつけるのかねえ?




時系列的にはまだ4月の終わり位なのですが、そんな時期に温水プールって結構な贅沢ですよね。


大和・スカリエッティ

自慢の兄は目標。困難な壁程挑みたくなるタイプ


次回は少しオリジナルな話です。
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