海鳴のスカさん家   作:ピーナ

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もう年の瀬ですね~。

八雲の強化イベントと共にやりたかった事です。


第十一話 凄い兄(姉)を持った弟(妹)のお話

ども、大和っす。

兄貴と楯無さんの手合せから始まって、俺も皆と稽古して、食事もご馳走になって、今は食休みとして縁側でのんびりしている。

 

「ひあー、疲れたー」

 

いつもの稽古とは違う感じの疲労がありながらも、いつも以上に充実した稽古が出来たと思う。楯無さんも実さんも凄く強かったし。やっぱり、強い人と戦うのは楽しいねえ。

兄貴もそうだし、士郎伯父さん、恭兄に美由希さんとの戦いもテンションが凄く上がる。

 

「えと……大和君、横良いかな?」

 

ぼーっとしてたら、話しかけられた。話しかけてきたのは今日知り合った、この家の御嬢さんである簪。

 

「良いぜ」

「ありがとう」

 

簪は俺の横に腰掛けた。少しだけ間が空いてから彼女は話始めた。

 

「お兄さん、凄いね」

 

多分、今日の兄貴と楯無さんの試合の事を言ってるんだろう。圧倒的に格上の楯無さんに食らいついて行っただけではなく、その最中に御神流の奥義の一つにたどり着いたんだし。単純に腕相撲とか足の速さとかなら勝てる自信はあるけど、いきなり何かを極める所まで行くなんて事は俺には出来ない。

 

「だよなあ。流石は自慢の兄貴だぜ」

「……でも、周りから比べられない?」

 

文武両道、品行方正と非の打ちどころのない兄貴と比べられる。それはたまに有る事だ。「よくある事」で無いのは、俺は俺で翠屋JFCで活躍している事を知ってる人が多くて、一概には比べられないと思われているから。

 

「あるにはあるけど、気にしねえなあ」

「どうして?」

「だって、俺は俺だもん。兄貴じゃねえから、兄貴と同じような真似は出来ない。だから俺は俺のやり方で行く。その上で兄貴を超える」

 

これは母さんに言われた事。

あれは、御神流を習い始めた頃だった。兄貴はスポンジで水を吸収するようにどんどん新しい事を覚えていく。それに比べると俺はかなり覚えるのが遅かった。兄貴に負けたくない一心で結構な無茶をした。それを母さんが止めてさっきの言葉を言ってくれた。

後で士郎伯父さんが教えてくれた事だけど、母さんも俺と近い歳の頃、伯父さんや美沙斗伯母さんと比べられる事があったらしい。その頃は周りから見て痛々しく思えるくらいの努力をしていた。だけど、祖父ちゃんに俺に言ってくれた言葉を言われて、俺達のよく知っている母さんになっていったらしい。

その時から兄貴を意識しない……のは無理だから兄貴を身近な目標に置いて、自分のペースで頑張っていこうと思えるようになった。

 

「……でも、越えられないかもしれないよ?」

「かもな」

「努力が無駄になるのかもしれないよ?」

「傍から見たらそうかもな。だけどさ、それが無駄かどうかを決めるのも自分自身が決める事だろ」

 

よく、伯父さんに誘われて草野球に行く。中には甲子園やプロ入りを目指して凄い頑張った人だっている。翠屋JFCのメンバーでサッカー選手になりたい奴も一杯いる。

だけど、皆が皆上手く行く訳ではない。傍から見たらそれは無駄だった努力に見えるだろう。だけど、本人にとってはそうじゃないと思う。今の俺は充実してるし、大人になってからも充実していたと言い切れる自信があるから。

 

「自分自身で決める……か。そうだね、その通りかも。ありがとう、話を聞いてくれて」

「これ位、大した事じゃ無いさ」

 

ただ、話を聞いて自分の考えを言っただけだし。

 

「……話は変わるんだけど、ヒーローが好きな女の子ってどう思う?」

「良いんじゃないか? ウチは日曜の朝、皆で見てるぜ。父さんは発明家だから、自分で変身アイテム作るし」

 

しかも、デバイスの技術を応用しているから本物の様に変身できる。外では使えないけど、家の中ではかなりの頻度で使っている。

ちなみに、皆特撮全般好きだけど俺と兄貴はライダー、与市は戦隊、父さんは光の戦士が特に好きだ。

 

「見てみたい!」

 

今日一のテンションだな。

 

「んじゃ、今度持ってくるか、俺の家にでも……」

 

そう言おうとした瞬間、辺りの景色が変わる。これは……結界⁉ それに気付いた瞬間、俺達の前にはジュエルシードの異相体が現れる。最初の時のに似た奴だな。

多分、発動の為に魔力が集まっているのに気付いた兄貴が展開したんだろう。

 

「な、何アレ……」

 

って、なんで簪が居るんだよ⁉ 兄貴が魔力を持たない人を入れる様なへまをするとは思えんし……。まさか、なのは達と同じって事か?

 

『大和、聞こえるか!』

 

念話で兄貴の声が聞こえる。珍しくかなり焦っている声色だ。

 

『兄貴、簪が!』

『……一緒に居たのなら良かった。後は刀奈を「簪ちゃん!」』

 

タイミングよく、刀奈が現れた。

 

『刀奈もこっちに居るぜ。ただ、ジュエルシードの方の近くだけど』

『もうすぐ着く、それまでに二人を「二人とも、逃げましょ!」』

 

簪の手を取り、動き出す刀奈。当たり前の行動だけど、今回は不味かった。逃げる二人に向けて異相体は攻撃を仕掛ける。それに気付いて動きが止まる二人。……そんな事、俺の目の前で

 

「「やらせるかよ!」」

 

簪の前に俺、刀奈の前に兄貴が立ちはだかり、攻撃を切り払う。……肩で息をしている辺り、兄貴は全力でここまで来たんだな。

……さて、どうやって戦うかねえ。




この出稽古編は後々に起こる簪のコンプレックスの緩和の為でもあります。

大和・スカリエッティ

ひょっとしたら三兄弟の仲で最も主人公向きな存在。
仮面ライダーでは平成より昭和派。

更識簪

大和のヒロイン候補。ヒーロー好きはこの頃から。多分切っ掛けは日曜朝7時30分から9時の流れのせい。

八雲・スカリエッティ

スペック的には主人公よりもライバル向き。ただし、性格は主人公っぽい。
仮面ライダーでは平成派。

ジェイル・スカリエッティ

実は地球に移住を決めた理由が特撮だったりする。
日本の文化の勉強している時にハマり、移住を決定した。ちなみに奥さんとのなれ初めも
資金稼ぎの一環と趣味でヒーローショーの音響のバイトをしていた時にヒーローショーの司会をしていた奥さんと出会うという物。

次回は戦闘回。大和が頑張ります。早めに上げる予定です。
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