海鳴のスカさん家   作:ピーナ

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この幼馴染が誰を指すのか、まあ、皆さん分かっているでしょう。


第十三話 幼馴染との再会

ども、大和っす。この前の一件で朝と放課後の魔法特訓に刀奈と簪の二人も参加するようになった。朝は兄貴が転移魔法で迎えに行き、放課後は聖祥大付属と海女の大体中間にある公園に集まっている。

ちなみに、刀奈は俺に近い前衛タイプ、簪がなのはに近い中衛タイプ。どっちも中々の実力者だ。

今日は珍しく一人で帰っている。というのも、アリサとすずかは習い事、兄貴は図書館→スーパーの定番コース、なのははユーノとの魔法特訓で俺はJFCの練習試合に向けた連携の確認をチームメイトとするために放課後のグラウンドで練習をしていたからだ。

 

「今日の晩飯、なんじゃろなっと」

 

車道と歩道を分けるブロックを渡りながら、適当にリズムを付けて口ずさんで帰る。ウチの学校は弁当で今日は練習もあるから兄貴がかなり多めに作ってくれたんだけど、それでも今はかなり腹ペコだ。

 

「マスター、ジュエルシード反応です」

 

ジュエルシードの一件が始まって、俺の相棒にも一定範囲内のジュエルシードの反応を感知できるように父さんに改造してもらった。そのお蔭で気付けたな。

 

「とりあえず、近くに居そうなユーノとなのはに連絡頼む!」

「了解」

 

 

 

武蔵の案内で現場に向かうと既に戦闘が始まっていた。

だけど、俺達の仲間ではない。しかし、俺はその戦っている女の子の事を知っている。

 

「フェイト!」

 

思わず、彼女の名前を呼んだ。いや、呼んでしまった。

普通の道端ならともかく、今はジュエルシードの異相体との戦闘中でフェイトは戦っているのだ。一瞬俺の方に気を取られたフェイトは隙を生んでしまう。そして異相体はその隙を見逃さなかった。

 

「間にあってくれよ! 蒼波刃!」

 

なんとか異相体の攻撃が届く前に蒼波刃で撃ち落とす事が出来た。

 

「や、大和⁉ どうしてここに⁉」

「久しぶり、フェイト。ま、詳しい事はこいつを倒してからな」

 

幸い、フェイトがダメージを与えていたから、もう一押しで決着が着くはず。

 

「アークセイバー!」

「絶風刃!」

 

鎌と剣、二人の武器から放たれた金色と緑の衝撃波で異相体が吹き飛ばされ、その中からジュエルシードが現れる。

 

「ジュエルシード、封印!」

 

 

 

一件落着となり、現場近くの林の中に降りて、近くに良い感じにあった大き目の岩に座って話始める。

 

「それで、大和はどうしてここに?」

「そりゃ、この近くに俺達の家があるからなあ」

 

そういや、父さんとフェイトの両親が昔からの知り合いで、会う時はいつもミッドかフェイトの家が所有する次元空間内に存在している『時の庭園』だったからなあ。

 

「そうだったんだ」

「次は俺。どうしてフェイトはジュエルシードを集めているんだ?」

「それは……言えない」

 

それだけ言ってフェイトは口を閉じてしまう。言えない事なのか、言いたくない事なのか……。いくら幼馴染で親しいと言っても話せない事位はあるだろうし、無理に問いただしても教えてくれるとは限らない。

 

「分かった。じゃあ聞かない」

「ゴメン」

「それとさ、何か困ったら俺を頼ってくれよ。兄貴に比べると頼りないかもしれないけどさ」

「そんな事ないよ!」

 

ぐっと顔を近づけて結構な勢いでそう言うフェイト。

 

「お、おう、そうか」

 

フェイトの勢いに押されてるけど、確実に兄貴の方が頼れると思うんだよなあ。まあ、そう言ってくれるならその期待に応えたいとは思う。

 

「それと、ここで私と会った事は秘密にしておいて欲しいな」

「OK、分かった」

 

与市は兎も角、父さんと兄貴から隠しきれるかは分からないけどな。正直、自信ない。

 

「んじゃ、またなフェイト」

「うん、またね大和」

 

 

 

フェイトと別れた後の帰り道、俺は歩きながらどうしてフェイトがジュエルシードを必要としているかを考えていた。

ユーノが「遺跡発掘やロストロギアの発見なんかは魔導研究者や考古学者はもちろん、その道に興味のある人でもアンテナさえしっかり張ってれば知れるんだ」って言ってたし、フェイトのお母さんであるプレシアさんがジュエルシードを知っている可能性はかなりあると思う。

だけど、ジュエルシードは結構危険なロストロギア。いくらフェイトに凄い魔法の才能があるからと言って、かなりフェイトを溺愛しているプレシアさんが何かの為に集めるとは思えない。という事はフェイトが自主的に動いているって事になる。「秘密にしておいて欲しい」っていうのは友人である父さん経由でここに居るのを知られたくないからって事だと思う。

ただ、なんでフェイトがジュエルシードが必要なのかは分からない。ユーノが父さんにジュエルシードの事を話してた気がするけど……覚えてないからなあ。あんまり興味無かったし、とりあえず、封印すればいいんだろって思ってたから。

ま、良いや。考え事は俺には合わねえし、いざという時に動けるように心構えしとけば良いだろ。




という訳で、新年一発目の更新、フェイト登場回をお送りしました。


フェイト・テスタロッサ

マンガ版INNOCENTの要素によって実子になった、テスタロッサ家次女で大和のヒロイン候補。大和たち三兄弟とは幼馴染。
原作では母親の指示だが、本作では……?

テスタロッサ家とスカリエッティ家の関係

ジェイルとプレシアが学生時代からの友人。プレシアの夫(フェイトの父親)とも友人だったので家族ぐるみの付き合いがあった。


次回は今回の話で出て来たサッカー回。しかし、それよりも大事な事が起こります。
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