どうも、八雲です。今日は大和が選手で、僕がマネージャーとして所属している翠屋JFCの試合の日です。
最初はなのは、アリサ、すずかの三人が応援に来るって話だったけど、練習の時に言った刀奈と簪、図書館ですずかが話したはやても来ている。
すずか以外初対面のはやてもあっという間に仲良くなっていった。今は皆楽しそうに話している。見た感じ、アリサと刀奈とは話が合うらしい。……結構違うタイプだと思うんだけどなあ。
さて、ウチのチームからのキックオフなんだけど、センターサークルに居る大和には凄い視線が集中している。というのも今日応援に来てくれているメンバーからの声援のせいだ。……アイツ、怪我しないよなあ?
皆さん初めまして、月村すずかです。今日は皆と一緒に翠屋JFCの試合を見に来ています。
実は、私は大和君を始めとした翠屋JFCの応援以外に目的があった。それは、はやてちゃんを皆、特に同じ想いを持っているアリサちゃんと刀奈ちゃんに会わせる為。
普通、物語なんかでは同じ男の子が好きならば、いがみ合いそうなんだけど、この三人は、
「へえ~、八雲君って強いんやねえ。図書館で会ったから、インドア派なんかと思ってた」
「私からすると、読書してる八雲君が想像付かないわねえ」
「八雲は文武両道だからね。二人の見た八雲の違いがらしさだと思うわ」
八雲君の事で盛り上がってる。どうやら、私の心配はいらない事だったみたい。
「そういえば、私はクラスメイトだけど、二人はどうやって八雲に会ったのよ?」
「大した事じゃないで? ちょっと高い所の本を取ろうとしてたんを手伝ってくれたのが切っ掛けやね」
「八雲君らしいね。私の時はね、翠屋にケーキを買いに行く途中の公園で木から降りれない猫を見つけてどうしようかって思ってたら、話しかけてくれたのが切っ掛けかな」
「それ、八雲君から聞いたよ。木を見上げてた女の子っていうのは刀奈ちゃんの事やったんやね」
八雲君と刀奈ちゃんがそんな所で出会ってたなんて私達も知らなかったなあ。
「しかし、意外だったわ。刀奈となのはが知り合い、ってか幼馴染だったなんて」
「なんだかんだ小学校に入る前から一月に一回くらいは会ってたからね。アリサはどうなの?」
「確かに気になるなあ。いくらクラスメイトでも話す切っ掛けみたいな物があったんやろ?」
「……言いたくない」
まあ、アリサちゃんからしたらあんまり言いたくない事だもんねえ。
「すずかちゃん、なのはちゃん、教えてくれへん?」
「良いよー」
「なのは!」
なのはちゃんの口を塞ぎに行こうとするアリサちゃんを私と簪ちゃんで両手を抱えて止める。じたばた暴れるけど、アリサちゃんより運動神経に自信にある私と、武道をやっている簪ちゃん相手には分が悪い。
「えっとねー、小学校に入ってすぐの頃、アリサちゃんがすずかちゃんにちょっかい掛けてた時があって、私が二回注意して、三回目に実力行使しようとした時に、八雲君が偶然来てね。それで、私達は仲良くなれたし、八雲君達がアリサちゃんとすずかちゃんと仲良くなったのもそれが切っ掛けだよ」
あの時八雲君が言った「折角クラスメイトになったのに、会っていきなりケンカしちゃ台無しだぜ。だから、言いたい事全部言っちゃえよ」って言葉で引っ込み思案な私は変われたし、日本という異国と小学校という新しい場所で不安だと言うアリサちゃんの気持ちも知れた。
「……なんか八雲君ってお兄ちゃん役が板についてるね」
「私を含めて同い年の中で自然とそういう風になってたんだと思うよ」
八雲君達は三つ子で大和君と与市君はどっちが上かたまにわからなくなるけど、八雲君がお兄さんっていうのはかなりはっきりしてる。大和君は「兄貴が恭兄と話しててもあんま違和感無えもん。同級生って言っても信じれるぜ」って言ってた。
そう考えていると、グラウンドの方で動きがあった。どうやら、翠屋JFCの選手が怪我をしたらしい。代わりの選手は……八雲君⁉
一応、僕は選手登録されている。背番号は8。チームの皆が僕の名前にちなんでくれた。一桁台はスタメンだと思うから、マネージャーの僕じゃなくて、他のメンバーがつけた方が良いと思うんだけどなあ。ちなみにポジションはDMF。
ただ、僕はサッカーが上手いという訳ではない。特にドリブルは苦手でドリブルでディフェンスを抜くなんて出来ない。だけど、武道で培った一対一の呼吸を活かしたディフェンスと大和のシュート練習の時のラストパスを出す相手として付き合っているのでキックの精度には自信がある。なので、セットプレーのキッカーも任される。後、マルチタスクを活かした視野もだね。
ほら今も大和へのマークが緩んでる。
「行けっ!」
二列目の底から最前線、ディフェンスラインとキーパーの間へのロングパス。大和は俊足を生かしてディフェンスを振り切り、パスを受け取る。そして、少しした後にはスコアレスの状態を打開する一点が入るのだった。
この後は一点目のパスに警戒した相手チームが僕にマークを集中させたお蔭で攻撃がスムーズにできて終始ウチのチームはペースを握って試合が出来た。攻撃の良い流れは守備の良い流れも作り、試合にももちろん勝利。
今日は勝てたし、美味しい晩御飯が作れそうだね。
というわけで、サッカー回にかこつけたヒロインたちの遭遇回にでした。
大和・スカリエッティ
翠屋JFCでのポジションはCFで背番号は9。この試合では4得点を挙げハットトリックを達成。
八雲・スカリエッティ
この試合では2アシスト、1得点(直接FK)。翠屋JFCの秘密兵器。
月村すずか
三兄弟以外で初の語り手を担当。この回の目的であるはやてとその他のヒロインの出会い的には両方を知っている彼女が適任だと思ったので。
次回もなのは本編のキャラが出てきます。