どうも、八雲です。
ジュエルシードの収集が終わった2日後、僕達今回の事件に関わったメンバーは時の庭園に来ています。今日はここで全てのジュエルシードの再封印をします。ジュエルシードのあった遺跡に封印の術式の書かれた古文書もあったらしく、この2日でユーノから教えてもらいました。
なぜ、僕が教えてもらったかというと、その古文書にあった術式の説明よると、この術式には大量の魔力が必要で、それを補えるのが僕しかいなかったから。時の庭園で行うのは万が一のことを考えてで、どこかの無人世界でも良かったんだけど、それだと管理局の許可申請やらで時間が掛かる。大魔力をぶち当てた強制封印は不安定なので出来る限り早い方が良いというのが皆の共通認識だったから、持ち主であるプレシアさんが許可を出した。
皆が居るのは何かあった時に対処するため。
「じゃあ、再封印始めるよ。ユーノ、サポートよろしく」
「分かってる。いつでも大丈夫だよ」
ども、大和っす。
兄貴が封印を初めて10分位、ここまでは特に異常もなく進んでいたのだけど、突然、ジュエルシードが反応しだした。
『艦長! クロノ君! ジュエルシードから高エネルギー反応! このままじゃかなりヤバいよ!』
「皆! 急いでここを出るわよ!」
リンディさんの合図で皆動き出す。慌ててないのは、今回の一連の事件で度胸が付いたからなのか? まあ、避難訓練でも慌てないって言われるから良い事なんだろうと思う。
「八雲! お前も早く逃げろ!」
一歩も動かなかった兄貴にクロノがそう叫ぶ。
「無理だね。封印してるから分かるけど、時間稼がなきゃ避難できないよ。だから、僕はここでやってるよ」
「馬鹿を言うな! 一個でも次元震を起こす可能性のあるジュエルシードが21個もあるんだぞ!」
「そんな事は分かってるよ」
暴走し始めているジュエルシードから目を逸らさずに兄貴は答える。頑固な兄貴の事だ。決めてしまったからもう誰にも止められない。この中で一番付き合いの長いクロノやなのはは気付いているだろう。
「……ユーノ、転移魔法を頼む」
「クロノ!」
「……僕は管理局員だ。被害を抑えるために最善の手段を取る」
そう言い切ったクロノの拳からは血が流れ出ていた。クロノ自身も選びたくない決断だったんだろう。
……この状況じゃ誰もが無力だ。皆分かっているから、クロノの言葉に何も言えない。
「転移魔法、発動……」
転移する直前に俺達が見たのは、どんどん光を大きくしていくジュエルシードと、その前で必死に魔法を展開する兄貴だった。
俺達がアースラに戻った直後、時の庭園は大規模な次元震が発生し、その影響で起こった次元断層に飲み込まれていった。
それはつまり、兄貴の捜索も出来ない。事実上死んだという事だ。こんなのって無えよ……こんなのって……
短いですが、区切りのいいところで。