海鳴のスカさん家   作:ピーナ

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前回の後書きで書いた後一話で無印本編に突入は無理ですね。思いつきの弊害です。


第二話 八雲と水色髪の女の子と猫

どーも、こんにちわ八雲です。ちょっと前に大和に「エイトクラウドよ!」と呼ばれて一瞬何のことか分かりませんでした。

ちなみにその後「……エイトって言ってるからクラウドは複数形じゃないの?」と突っ込で見たら沈黙で返されました。でも、雲って数えられなさそうだから複数形ってあるのかな? その辺、気が向いたら英語ペラペラなアリサに聞いてみよ。

と、それは置いておいて、僕は学校帰りほとんど毎日海鳴市立図書館に行きます。

その理由はまず、家から近い事。学校と家の通り道に図書館が有ります。それ以外にも総合病院も近くにあったりします。

次に近所のスーパーからも近い事。家から行くより少しだけですが近いんです。

最後にそのスーパーが毎日夕方の五時からタイムセールをやっている事。学校が終わるのが大体午後三時前後なので二時間ぐらい間があります。家でやりたい事や皆と遊ぶ時、買い物が無い時は兎も角、買い物がある日は図書館で時間を潰しています。

それに読書はお菓子作りと並んで数少ない僕の趣味ですし。料理? あれは完全に僕の家での仕事ですから。

今は学校から図書館の最短ルートにある公園を通り抜けています。この公園は大通りと大通りが交わる交差点にあるかなり大きな物で公園内の通り道的な遊歩道を除けば全面芝生で、木もたくさん植えてあるから自然豊かな公園って感じ。週末になるとピクニックに来た人たちで賑わうしね。

公園の中の道も半分過ぎた頃、遊歩道の端っこの方で木を見上げている同い年くらいの女の子が居た。それだけならあんまり気にならなかったんだけど、若干おろおろしていたから気になった。

 

「どしたの?」

「えっ⁉」

 

僕が突然話しかけられた事に驚いたのか、その女の子は僕の方を向いた。赤い瞳に水色の髪の可愛い子。僕の幼馴染三人も抜群に可愛いけど、この子も引けを取らないレベル。

ただ、気になるのは何故かこの子も僕の幼馴染達と同じでリンカーコアを持っている事。……いつから海鳴市は魔導師の卵が何人も居る街になったんだ?

っと、それは置いておいて話を戻そう。

 

「あっ、いや、歩いてたら何か困ってたようで木を見上げてたからさ、気になって」

「そうなんだ。アレを見て?」

 

彼女の指を差した方を見ると木の上には三毛猫が一匹。

 

「あの猫がどうしたんだ?」

「怪我をしてるみたいで降りられないみたいなの」

 

良く見ると確かに右の前足の毛が少し変な感じで切れている。血は止まってるみたいだけど。上の方を見てみると折れた枝が二つくらいある。

多分上の枝が折れて落ちたあの猫が今いる枝に落ちるまでの間にもう一つの枝に引っかけてそれで怪我をしたんだろう。……大体三メートル位か。これ位なら楽勝だね。

 

「ちょっとこれを持ってて」

「う、うん」

 

僕は背負っていたランドセルを下に置いて、制服の上着を彼女に預けてから僕はその木に登った。するすると登っていって、その猫のいる枝まで来る。

 

「よし、良い子だからそのまま動くなよ……」

 

慎重に近付いてその猫を抱き上げる。猫の抱き上げるのと撫でるテクニックはすずかの家で磨き上げたから野良猫でも腕の中で暴れたりしない。

おっ、この子、男の子じゃん。三毛の男の子ってかなり珍しいんじゃなかったっけ? ま、とりあえず降りますか。

僕はその場から飛び降りる。

 

「よっと」

「うわっ、いきなり降りて来て、ビックリした~」

「ゴメンゴメン。さ、お前ももうあんなドジするなよ~」

 

下に降りてからその猫を離してやる。その子は普通に走り出していく。

 

「怪我大丈夫かな?」

「大丈夫だろ。血は止まってたし」

「良かった~」

 

猫の無事にほっとした様子。とりあえず一段落かな。

 

「ありがとね。私だけじゃどうしようもなかったから」

「どういたしまして」

「あっ、そうだ制服返すよ。それで、これって聖祥大付属小の制服だよね。私の幼馴染やお父さんの友達の娘さんも通ってるんだ~」

「へえ。ひょっとしたらその人達と会ってるかもね。なんていう名前なの?」

「私の幼馴染がアリサって子でお父さんの友達の娘さんがなのはって子。知ってる?」

 

……偶然だけど、僕の幼馴染にも同じ名前の女の子がいるんだけど、同じ名前の子だよね? 一応確認してみようかな。

 

「アリサ・バニングスと高町なのはなら知ってるけど」

「その二人! 友達?」

「うん、小1からずっとクラスメイトで友達だよ。なのははもっと前から知ってるけど」

「ひょっとして、アリサの言ってた、三兄弟の男友達って君の事?」

 

アイツそんな話別の学校の子と話してたのな。……そういや、自己紹介してないな。

 

「僕は八雲・スカリエッティ。聖祥大付属小の三年生でアリサの言ってた三兄弟の長男だよ。よろしく」

「へえ……君が。私は更識刀奈。海女(うみじょ)の四年生だよ。よろしくね八雲君。あっ、敬語は要らないし、名前で良いよ」

「分かったよ、刀奈」

 

海女、正式名称は『海風館女学院(かいふうかんじょがくいん)』は海鳴市、いやこの地域でも有名な小学校から小中高一貫の女子校。所謂『お嬢様学校』だ。名門校と言う意味で海鳴市の二大名門校とも言える。桃子さんに聞いた話だと「教育ママはこの二つの入学を目指すのよ」って言ってた。

ちなみに、アリサ達三人が聖祥大付属を選んだのは単純に近いかららしい。

 

「海女ってここから少し遠くない?」

「今日はお母さんの誕生日で翠屋にケーキを取りに行く途中だったんだ」

 

僕は海女と翠屋の位置関係を思い浮かべる。確かに通り道だね。

 

「それなら、もうちょっとしたら翠屋混むから早めに行った方が良いよ」

「そうなの⁉ それじゃ、私はもう行くね! またね、八雲君!」

「うん、またね」

 

駆け出していく刀奈の後ろ姿を見送った後、僕も当初の目的通り図書館に向かう。

しかし……なんで海鳴市にはこんなに魔法の素質、リンカーコアの所持者が多いんだろ?




キャラや本作独自の設定です

八雲・スカリエッティ

家計を握る彼は節約の為にタイムサービスをフル活用する。その技術は主婦ばりで近所の奥様の人気者。この世界観でアイマスがあるなら、間違いなく好きなアイドルは高槻やよい。
運動神経も抜群。
アリサとすずかの家で犬猫の撫でるコツを掴んだので、遊びに行くと犬や猫に囲まれる。本人は動物好きなので超ハッピーらしい。

更識刀奈

ISの登場キャラで本作の八雲のヒロイン候補。
本作独自の設定でアリサとなのはの幼馴染。(ただし二人は知らない)そして、魔導師の素質を持つ。
現状は八雲の事を「幼馴染で親友のアリサの好きな人で、お人好し」という印象。しかし、恋の花の種はもう植えられた模様。
登場させた理由は本作の一話を書いている時に大学の友人が実家の事情で一人暮らしを終えて実家に帰る際に引っ越しの手伝いをしたら、猫の刀奈のフィギュアをお礼として貰ったから。

海女(海風館女学院)

刀奈を出すためだけに考えられた学校。同じ学校でも良いかなと思ったけど、何か違う気がしたので即興で誕生。

次回は八雲と言えば、なあの子が登場します。
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