遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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ふと思いついた小ネタ

沢渡「お前確か遊勝塾のインターホン改造してたよな?俺の家もゴージャスにしてくれよ」
沢渡パパン「頼んだゾイ」
コナミ「ゴージャス……ふむ……」

その後

フトシ「沢渡の家のインターホン、グランドジオウの変身待機音が鳴るらしいぜ!」
アユ「1人連続で100回鳴らしたらジラーチが出るってホント!?」

沢渡「ピンポンダッシュが止まんねーんだけどぉ!?」
コナミ「ハッハッハ」

タツヤ「あ、ホントにジラーチ出た」

コナミ「!?」


第170話 先んずれば人を制す

「……は?今、何と……?」

 

「言った通りだ。それとももうそんな歳か?」

 

時は、舞網チャンピオンシップ終了後、その翌日にまで遡る。

場所は融合次元、アカデミア。総帥であるプロフェッサーの玉座が存在する大広間でその主、赤馬零王と、彼の最も信頼する部下、アカデミア幹部、バレットが向かい合っていた。

 

「いえ、聞こえてはいます。しかし……セレナ様を無断で連れ去り、その上連れ帰れなかった私が、この程度の処罰とは……」

 

「確かに、お前のした事は本来であれば辞職ものだな」

 

「え、ええ。それが一週間にも満たぬ数日間の謹慎、他の幹部の部下への降格、減給など……」

 

バレットは納得がいかない、と言う渋い顔でむむむと唸る。

彼はこのアカデミアに戻る前、プロフェッサーの大事な計画に必要な少女を本人の意志があるとは言え、プロフェッサーの許可を得ずに連れ出し、敵地であるスタンダード次元へと置き去りにしたのだ。

本来であれば許される事ではない。せめて自分の失態は自分で取り返せと今すぐにでもスタンダード次元へと向かわせるなりなんなりあるだろう。

自分でやってしまった失態に対し、処罰が軽すぎると逆の意味で納得出来ない。如何にも真面目な彼らしい考えだった。尤も、今の彼を真面目と言えるのかは疑問であるが。

 

「長い付き合いだ、情故に、と言うのもある。しかしそれよりもお前と言う戦力を失う訳にはいかん」

 

「もったいなき言葉です」

 

「確かにこのアカデミアには戦力は幾らでもある。しかし、量より質と考えれば、な。何よりお前は最も信頼出来る。今回の失態を考えても尚な」

 

想像以上に自分を買われているプロフェッサーの言葉に、バレットが恐縮する。今までの積み重ね、と言う事だろう。真面目にやって来たからよー。年季が他と違うのだ。

 

「デュエルの腕は総司令や覇王、響姉弟に比肩し、仕事も早く、内容も申し分無い。教官としての腕も高く、故に人望もある。髪もある」

 

「……ん?最後の方、何と?」

 

「人望もある」

 

「……」

 

「使いやすい、動かしやすい。困ったら取り敢えずお前に頼ってしまう。だからだ。だからお前がいなくなった際、色々と穴を埋めるのに大変でな」

 

ハァ、と零王が普段は見せない、長い付き合いの部下にしか見せない顔で溜め息を吐く。これが他の者、特にプロフェッサーを信奉しているサンダースならば目を剥いていただろう。

 

「申し訳ありません」

 

「いや、完全にこちらの不手際だ。それと帳消し……と言う訳ではないが、故に処罰も軽減した。これからの仕事も出来る限り減らそう」

 

「そう言う訳には……」

 

「我々の事を思ってと考えてくれ。お前が仕事をし過ぎると、他が駄目になってしまう。聞いたぞ、普段は覇王が半分以上遊び呆けて、その割りを食らっていると」

 

「奴もやる時はやるのですが……」

 

「甘やかすな!兎に角、今日から暫くお前は謹慎とする。と言うのはまぁ、建前だ。反省は当然してもらうが、外で休んで来い。久し振りに家に戻ったらどうだ」

 

「と言っても家族もいませんし……」

 

零王なりの気遣いのつもりなのだろう。バレットは恭しく頭を下げ、何をすれば良いのだろうかと思案しながら広間を出ようとする。

するとガチャリ、ノックもせずに、影が1つ入って来る。威圧感のある、刺々しい黒い甲冑、赤いマントを纏った男、話題の男、覇王だ。

 

「ノックをしろと何時も言っているだろう……」

 

「ここにいたかバレット。お前の為に僕の仕事を半分残していたんだ」

 

「ふむ、見せてみろ」

 

「甘やかすな!」

 

しれっと自分の仕事を押しつける覇王に対し、自然と仕事を押しつけられようとするワーカホリック、バレット。

そんな彼等をプロフェッサーが一喝する中、パラリと落ちた1枚の髪に、いや紙にバレットの視線が吸い込まれる。

そこには今回の戦いでの結果や、それに貢献した者達の氏名が書き連ねられている。その中の1つを見て、バレットがそうだ、と真っ白だった予定を決める。紫雲雲 素良。と言う文字を見て。

 

――――――

 

「先んずれば人を制す、私のターン!」

 

シンクロ次元、シティ、柚子と素良がデュエルを始めたと同時に、遊矢とバレットもまた、デュエルを開始していた。先攻はバレットだ。彼が5枚のカードをデッキから引き抜く中、遊矢は冷静に自身とバレットの力量を分析する。

バレットとは1度闘った事があるが、それは2対1、権現坂と組み、やっとの思いで勝ったと言う程の実力。とは言えあれが彼の全力だったとは考えにくい。しかし遊矢とて数多くの闘いを経、成長しているのだ。互角に渡り合える筈と目を細める。

 

「私は永続魔法、『補給部隊』を発動。そして『漆黒の豹戦士パンサーウォリアー』を召喚!」

 

漆黒の豹戦士パンサーウォリアー 攻撃力2000

 

先陣を切るのは輝くサーベルを持った2足歩行の黒豹。逞しい四肢に見合い、高い攻撃力を持ったモンスターだ。とは言えモンスター1体をリリースしなければ攻撃宣言出来ないデメリットを持っている為、それ程脅威とはならない。

 

「カードを2枚セット、ターンエンド。さぁ、君のターンだ」

 

バレット LP4000

フィールド『漆黒の豹戦士パンサーウォリアー』(攻撃表示)

『補給部隊』セット2

手札1

 

静かな立ち上がりだ。場を整える程度。今まで闘って来た者が派手で強力なモンスターを呼んで来た為、少々拍子抜けしてしまう。だが、油断は出来ない。何せ相手はバレットなのだ。

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『マジカル・ペンデュラム・ボックス』を発動!2枚ドローし、その中のペンデュラムモンスターを手札に!1枚のみだ」

 

榊 遊矢 手札5→7→6

 

「『時読みの魔術師』と『EMオッドアイズ・ライトフェニックス』をでペンデュラムスケールをセッティング!」

 

「手札の『増殖するG』を捨てる」

 

早速得意のペンデュラム。彼のデュエルディスクの両端に2枚のカードが設置され、間にPENDULUMの文字が虹色に灯る。そして背後に2本の柱が出現、中に『魔術師』とオッドアイの不死鳥が姿を現し、天空に光の線を結び、魔方陣を描く。

準備は整った。遊矢はその瞳から静かに闘志を燃やす。

 

「揺れろ、魂のペンデュラム、天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!『相克の魔術師』!」

 

相克の魔術師 攻撃力2500

 

バレット 手札0→1

 

魔方陣から孔が開き、中より一筋の光が轟音を鳴らし、地に落ちる。現れたのは大剣を持った青年『魔術師』。いきなり攻撃力2500の上級の召喚。これこそペンデュラムの特性だ。

 

「『調律の魔術師』を召喚!」

 

調律の魔術師 攻撃力0

 

次は真っ白な法衣を纏い、桃色の髪を揺らした可愛らしい少女の『魔術師』。遊矢がサムから預かり、ジャックに返し損ねたチューナーモンスターだ。彼女はクルリとその場で舞い、横ピースをしてウィンクする。

 

「召喚時、相手はLPを400回復し、自分は400ダメージを受ける」

 

バレット LP4000→4400

 

榊 遊矢 LP4000→3600

 

そして空いたもう片方の手もピース、ハイテンションでイエーと1人盛り上がっているが、手に持っていた杖が滑り落ち、ガツンと遊矢の頭部を打つ。てへぺろと舌を出す調律。どじっ子である。

 

「おごぉ……!お、俺はレベル7の『相克の魔術師』に、レベル1の『調律の魔術師』をチューニング!剛毅の光を放つ勇者の剣!今ここに閃光と共に目覚めよ!シンクロ召喚!『覚醒の魔導剣士』!」

 

覚醒の魔導剣士 攻撃力2500

 

バレット 手札1→2

 

ペンデュラムに続き、シンクロ召喚。『調律の魔術師』が光のリングとなって弾け、『相克の魔術師』を包み込み、シンクロモンスターへと進化する。白い鎧を纏う、二刀流の魔導剣士。彼が初めて会得したシンクロカードだ。このシンクロ次元で培ったものを引き出し、バレットへぶつける。

 

「ほう……シンクロまで会得していたか」

 

「効果で墓地の魔法カード、『マジカル・ペンデュラム・ボックス』を回収!発動!良し、両方ペンデュラムだ」

 

榊 遊矢 手札2→4

 

「バトルだ!『覚醒の魔導剣士』でパンサーウォリアーへ攻撃!」

 

「だが……甘い。罠発動、『幻獣の角』!パンサーウォリアーに攻撃力800アップの装備カードとして装備する!」

 

「なっ、しまった――!」

 

漆黒の豹戦士パンサーウォリアー 攻撃力2000→2800

 

形勢逆転、『幻獣』としての力を得たパンサーウォリアーが『覚醒の魔導剣士』の白刃を剣で逸らし、返しの刃で胸を切り裂く。剣は圧倒的な力で鎧を砕き、心の臓までも届く。

 

榊 遊矢 LP3600→3300

 

「『幻獣の角』の効果でドロー」

バレット 手札2→3

 

最悪だ。折角出した新たな武器が初見にして、しかもカウンターで撃破されてしまった。闘いの勢いに乗る意味でも、この攻防の結果は重い。

片や低レベルの効果モンスター、片や高レベルのシンクロモンスターなのだ。ショックだが、何とか冷静になろうと息を整える。

 

「新たに得た力で私の意気を削ごうとしたか、それとも士気を上げようとしたか。まだまだ青いな。シンクロ召喚せず、『相克の魔術師』で攻めれば『時読みの魔術師』で罠を封じられただろうに」

 

僅かな落胆を見せ、目を細めるバレット。彼の言う通りだ。『覚醒の魔導剣士』で一気にダメージを与えようとせず、確実な方法を取れば変わっていただろう。急がば回れと言う事か。

 

「バトルフェイズ終了時、手札の『クリボーン』を捨てる事で、このターン戦闘破壊された俺のモンスターを呼び出す。来い、『覚醒の魔導剣士』!」

 

覚醒の魔導剣士 守備力2000

 

バレット 手札3→4

 

仕切り直しだ。遊矢はフゥと息を溢し、気持ちを切り替える。勝負は始まったばかりなのだ。

 

「カードを1枚セット、ターンエンド」

 

「速攻魔法、『スケープ・ゴート』を発動!私のフィールドに4体の『羊トークン』を特殊召喚する」

 

羊トークン 守備力0×4

 

バレットが『スケープ・ゴート』のデメリットを軽減する為、相手エンドフェイズでの発動を見せる。パンサーウォリアーのコストに使う為のトークンだろう。単純であるが有効な手だ。

 

榊 遊矢 LP3300

フィールド『覚醒の魔導剣士』(攻撃表示)

セット1

Pゾーン『時読みの魔術師』『EMオッドアイズ・ライトフェニックス』

手札2

 

「私のターン、ドロー!速攻魔法、『手札断殺』!互いに手札を2枚交換、魔法カード、『置換融合』を発動!フィールドの『羊トークン』2体で融合!融合召喚!『始祖竜ワイアーム』!」

 

始祖竜ワイアーム 攻撃力2700

 

ここでバレットが最も得意とする融合召喚を披露。現れたのはワイバーンのように翼と一体化した腕を持ち、脚の無い巨大な竜だ。青い鱗を纏い、真っ赤な眼で遊矢のモンスターを射抜く姿は大迫力、正しく伝説上の生物だ。

 

「『幻獣機ブルーインパラス』を召喚」

 

幻獣機ブルーインパラス 攻撃力1400

 

続け様に召喚されたのはインパラとアクロバット飛行機をモデルにした青い戦闘機。彼がスタンダード次元に来て投入したカード群の1枚であり、レベル3のチューナーだ。

 

「ブルーインパラスを素材としてシンクロ召喚する場合、機械族シンクロモンスターしか呼べず、他の素材は手札、フィールドの『幻獣機』でなければならない。私は手札のレベル4の『幻獣機ブラックファルコン』に、レベル3の『幻獣機ブルーインパラス』をチューニング!シンクロ召喚!『幻獣機コンコルーダ』!」

 

幻獣機コンコルーダ 攻撃力2400

 

シンクロ召喚、遊矢も行った召喚法を使い、フィールドに飛翔せしはコンドル型の黄金旅客機。一気にシンクロと融合、2つの召喚法の披露、まるでセルゲイのようだ。

だが、この程度では今更驚きはしない。何しろこの男は融合、シンクロ、エクシーズと3種の召喚法を自在に使いこなす事が出来るのだ。一通りの召喚が終わった事により、彼はワイアームに騎乗、巨大な翼を羽ばたかせ、フィールドを飛翔しながら指示を出す。

 

「バトルだ、パンサーウォリアーで『覚醒の魔導剣士』を攻撃!『羊トークン』をリリース!」

 

「罠発動、『ハーフ・アンブレイク』!このターン、『覚醒の魔導剣士』は戦闘破壊されず、俺の受けるダメージは半分になる!」

 

「『覚醒の魔導剣士』は守備表示、切れ味も届かんか……良かろう。私はカードを2枚セット、ターンエンド」

 

バレット LP4400

フィールド『漆黒の豹戦士パンサーウォリアー』(攻撃表示)『始祖竜ワイアーム』(攻撃表示)『幻獣機コンコルーダ』(攻撃表示)『羊トークン』(守備表示)

『補給部隊』『幻獣の角』セット2

手札0

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『暗黒界の取引』、手札を交換、魔法カード、『ブラック・ホール』!相手モンスター全てを破壊!」

 

「カウンター罠、『魔宮の賄賂』!魔法、罠の発動を無効にし、破壊、相手は1枚ドローする!」

 

榊 遊矢 手札1→2

 

「なら魔法カード『アームズ・ホール』!デッキトップを墓地に送り、デッキの装備魔法、『団結の力』をサーチ!魔法カード、『金満な壺』!墓地のペンデュラムモンスター3体をデッキに戻し、2枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札1→3

 

「墓地の『シャッフル・リボーン』を除外し、『EMオッドアイズ・ライトフェニックス』をデッキに戻し、ドロー!」

 

榊 遊矢 手札3→4

 

「『降竜の魔術師』をセッティング!ペンデュラム召喚!『相克の魔術師』!『EMドラミング・コング』!」

 

相克の魔術師 攻撃力2500

 

EMドラミング・コング 攻撃力1600

 

振り子は勢いを増し、上級2体を同時召喚、見事なものだ。とは言えその攻撃力はワイアームよりは高くない。『魔術師』は技巧派であり、打点での突破は『EM』のコンボによる仕事の為、仕方無いだろう。

 

「『覚醒の魔導剣士』を攻撃表示に変更!装備魔法、『団結の力』を『覚醒の魔導剣士』に装備!」

 

「カウンター罠、『八式対魔法多重結界』!モンスターを対象とする魔法の発動を無効にし、破壊!」

 

「くっ、なら『降竜の魔術師』のペンデュラム効果でパンサーウォリアーをドラゴン族に変更!これで『幻獣の角』は墓地に送られる。バトルだ!『相克の魔術師』でパンサーウォリアーへ攻撃!」

 

「アクションマジック、『ダメージ・バニッシュ』!ダメージを0に!『補給部隊』の効果でドロー!」

 

バレット 手札0→1

 

「『覚醒の魔導剣士』でコンコルーダへ攻撃!そして戦闘破壊時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!」

 

「ほう……!」

 

バレット LP4400→2000 

 

「ぐぅぅぅぅっ!?」

 

『覚醒の魔導剣士』が魔法で宙を駆け回り、2対の魔剣でコンコルーダの巨体を真っ二つに切り落とす。見事な一撃。コンコルーダは火炎と黒煙を吹き出しながら地に沈む。

 

「コンコルーダの効果、トークンをリリースし、『幻獣機ブラックファルコン』を特殊召喚!」

 

幻獣機ブラックファルコン 守備力1700

 

「ドラミング・コングで攻撃!自身の効果で攻撃力を600アップ!」

 

EMドラミング・コング 攻撃力1600→2200

 

「カードをセット、ターンエンドだ」

 

榊 遊矢 LP3300

フィールド『覚醒の魔導剣士』(攻撃表示)『相克の魔術師』(攻撃表示)『EMドラミング・コング』(攻撃表示)

セット1

Pゾーン『時読みの魔術師』『降竜の魔術師』

手札0

 

大ダメージを与え、一気に勢いに乗る遊矢。モンスターの質もドラミング・コングによって牽制は出来る。たがやはり油断は出来ない。

 

「私のターン、ドロー!見事なものだ。私も負けてられんな。『イピリア』を召喚!」

 

イピリア 攻撃力500

 

「召喚時、1枚ドロー!」

 

バレット 手札1→2

 

「バトルだ!ワイアームでドラミング・コングへ攻撃!」

 

「罠発動、『パワー・ウォール』!デッキトップからカードを3枚墓地に送り、戦闘ダメージを防ぐ!」

 

「カードを2枚セットし、ターンエンドだ」

 

バレット LP2000

フィールド『始祖竜ワイアーム』(攻撃表示)『イピリア』(攻撃表示)

『補給部隊』セット2

手札0

 

「俺のターン、ドロー!ペンデュラム召喚!『EM・ドラミング・コング』!」

 

EMドラミング・コング 攻撃力1600

 

「バトルだ!」

 

瞬間、バリィィィィンッと甲高い音を鳴らし、遊矢のフィールドのカードが全て砕け散る。ギョッと目を剥く遊矢。一体何が起こっているのか、一瞬で全てのカードの破壊、余りにも突然過ぎて理解が追い付かない。

 

「罠発動、『砂塵の大嵐』、『バーストブレス』。前者でペンデュラム2枚を破壊、そして後者でワイアームをリリースし、その攻撃力以下の守備力を持つモンスターを全て破壊させてもらった。『イピリア』も破壊されるが、『補給部隊』の効果でドローする」

 

バレット 手札0→1

 

成程、漸く理解した。2枚のカードを駆使し、『イピリア』もろとも遊矢のカードを破壊したと言う事か。これで互いにモンスター0、0からのスタートだ。バレットはワイアームからブロックへ飛び乗り、遊矢の行く手を観察する。

 

「豪快な……カードを1枚セット、ターンエンドだ」

 

榊 遊矢 LP3300

フィールド

セット1

手札0

 

「私のターン、ドロー!墓地の『置換融合』を除外、ワイアームをエクストラデッキに戻し、1枚ドロー!」

 

バレット 手札2→3

 

「悪くない、私は『キャリア・センチネル』を召喚」

 

キャリア・センチネル 攻撃力1000

 

現れたのはトラック型の機械族モンスター。彼の『獣闘機』を中心としたデッキにおいて重要な位置にあるモンスターだ。

 

「召喚時、デッキから獣戦士族モンスター、『漆黒の豹戦士パンサーウォリアー』をサーチ、魔法カード、『融合』を発動!手札のパンサーウォリアーとフィールドの『キャリア・センチネル』を融合!獰猛なる黒豹よ、歴戦の番兵と1つとなりて新たなる雄叫びを上げよ!融合召喚!現れ出でよ、『獣闘機パンサー・プレデター』!!」

 

獣闘機パンサー・プレデター 攻撃力1600

 

ここで現れたのはバレットのエースモンスター。左半身を緑の機械でサイボーグ化し、翼を伸ばしたパンサーウォリアー。サーベルでガリガリと地を削り、火花を散らして、雄叫びを上げる。

 

「パンサー・プレデターの効果!このカードの攻撃力の半分のダメージを与える!」

 

榊 遊矢 LP3300→2500

 

「うくっ……!」

 

「バトルだ!パンサー・プレデターでダイレクトアタック!」

 

「させるか!墓地の『タスケナイト』の効果発動!俺の手札が0の状態で攻撃宣言を受けた時、このカードを特殊召喚してバトルを終了させる!」

 

タスケナイト 攻撃力1700

 

「む……カードを1枚セット、ターンエンド」

 

バレット LP2000

フィールド『獣闘機パンサー・プレデター』(攻撃表示)

『補給部隊』セット1

手札0

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『ペンデュラム・ホルト』!エクストラデッキにペンデュラムモンスターが3種以上加わっている為、2枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札0→2

 

「良し、『EMディスカバー・ヒッポ』を召喚!」

 

EMディスカバー・ヒッポ 攻撃力800

 

現れたのは遊矢のデッキのマスコット。ピンク色のカバの『EM』モンスターだ。最近では同じくピンクな『調律の魔術師』にマスコット枠を食われ気味であり、デッキの仲間にも可愛がられているが、マスコットを譲るつもりは毛頭無い。その目に炎を燃やし、頼もしい所を見せる為、自分の背を叩き、遊矢に乗れと言わんばかりにアピールする。しかし。

 

「ディスカバー・ヒッポの効果で俺はこのターン、レベル7以上のモンスターを追加召喚可能!タスケナイトとディスカバー・ヒッポをリリース、アドバンス召喚!雄々しくも美しく輝く二色の眼!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力2500

 

遊矢がそれを汲み取るとは限らない。直ぐ様リリース要員にされた事にガビンとショックを受けるも、自身の効果を有効活用されただけマシかと思い直し、前足を振るって退場するヒッポ。そして墓地でカバちゃんダサーいと『調律の魔術師』に煽られる彼と入れ替わりに現れたのは榊 遊矢のエースモンスター。

真紅の体躯を唸らせ、赤と緑の眼を輝かせるドラゴン。『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』だ。遊矢は『オッドアイズ』の背に飛び乗り、頭部から伸びる2本の角をハンドル替わりに騎乗、フィールドを駆ける。

 

「バトルだ!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』で『獣闘機パンサー・プレデター』へ攻撃!螺旋のストライクバースト!」

 

「通す訳にはいかんな!永続罠、『デモンズ・チェーン』!『オッドアイズ』の攻撃と効果を封じる!」

 

だがその鳥類の嘴を思わせるアギトに火炎を集束し、撃ち出そうとしたその時、首に鎖が巻き付けられ、縛り上げて地面に叩き伏せられる。反動でポーンと遊矢の軽い身体が投げ出されるも、その身体能力の高さで右腕を輝くブロックの上へ着地、そのまま押し出す要領でバック転を披露して立ち上がる。

 

「あっぶな……!クソッ、中々上手くいかないもんだな……ターンエンドだ」

 

榊 遊矢 LP2500

フィールド『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』(攻撃表示)

セット1

手札0

 

「私のターン、ドロー!パンサー・プレデターを守備表示に変更し、効果発動!」

 

榊 遊矢 LP2500→1700

 

「うっ……!」

 

「ターンエンドだ」

 

バレット LP2000

フィールド『獣闘機パンサー・プレデター』(守備表示)

『補給部隊』『デモンズ・チェーン』

手札1

 

「俺のターン、ドロー!『EMセカンドンキー』を召喚!」

 

EMセカンドンキー 攻撃力1000

 

「セカンドンキーの召喚時、デッキの『EMバリアバルーンバク』を墓地へ送る。そして『オッドアイズ』とセカンドンキーをリリース!出でよ!野獣の眼光りし獰猛なる龍!『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!」

 

ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力3000

 

遊矢もバレットに負けじと融合モンスターをフィールドに呼び出す。獣骨の鎧を纏い、青い体毛を伸ばし、額に獣の眼を開く野性の龍。雄々しき咆哮を放ち、自らの首に繋がれていた鎖を引き千切る。

 

「バトル!ビーストアイズでパンサー・プレデターへ攻撃!ヘルダイブバースト!」

 

ビーストアイズが口内を発火、青い炎を生み出し、螺旋の回転を加えてパンサー・プレデターへ放つ。パンサー・プレデターもサーベルを振るうも抵抗虚しく着弾、爆発が巻き起こり、バレットの身をも焦がす。

 

「くっ、パンサー・プレデターの効果でこのカードの素材となった2体を蘇生、『補給部隊』の効果でドロー!」

 

「ビーストアイズの効果により、このカードの素材となった獣族モンスター、セカンドンキーの攻撃力分のダメージを与える!」

 

バレット LP2000→1000 手札1→2

 

漆黒の豹戦士パンサーウォリアー 守備力1600

 

キャリア・センチネル 守備力1600

 

「ターンエンドだ!」

 

榊 遊矢 LP1700

フィールド『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』(攻撃表示)

セット1

手札0

 

「私のターン、ドロー!流石に手強いな、魔法カード、『マジック・プランター』!『デモンズ・チェーン』をコストに2枚ドロー!」

 

バレット 手札2→4

 

ビーストアイズが引き千切り、ガラクタと化した鎖に小さな光が灯り、光がバレットのデッキに移り、引き抜かれる。これで手札が3枚。

 

「魔法カード、『融合』を発動!私はフィールドの『キャリア・センチネル』と手札の『ヴォルカニック・バレット』で融合!融合召喚!『起爆獣ヴァルカノン』!」

 

起爆獣ヴァルカノン 攻撃力2300

 

現れたのは肩から赤い銃口を伸ばした鋼鉄の獣。この状況でこのモンスター。遊矢にとってかなり不味いカードだ。

 

「ヴァルカノンの融合召喚時、ビーストアイズとこのカードを破壊し、破壊したビーストアイズの攻撃力分のダメージを与える!」

 

「やらせて堪るか!罠発動、『レインボー・ライフ』!手札のアクションマジックを捨て、このターンのダメージを回復に!」

 

榊 遊矢 LP1700→4700

 

「かわすか……だがビーストアイズは消えた。『補給部隊』の効果でドロー!」

 

バレット 手札1→2

 

「モンスターとカードを1枚セット、ターンエンドだ」

 

バレット LP1000

フィールド『漆黒の豹戦士パンサーウォリアー』(守備表示)セットモンスター

『補給部隊』セット1

手札1

 

「俺のターン、ドロー!良し、『カードガンナー』を召喚!」

 

カードガンナー 攻撃力400

 

引き抜いた1枚に視線を移し、遊矢が直ぐ様フィールドに呼び出す。ガラスの頭部に赤いボディ、両腕から大砲を伸ばし、下半身が青いキャタピラになったモンスター。墓地肥やし、ドローブースト、加えてアタッカーとしても運用が可能なユニークなモンスターだ。

 

「効果発動!デッキトップの3枚を墓地へ送り、攻撃力を1500アップ!」

 

カードガンナー 攻撃力400→1900

 

「バトルだ!『カードガンナー』でパンサーウォリアーへ攻撃!」

 

「罠発動、『デストラクト・ポーション』!パンサーウォリアーを破壊し、その攻撃力分回復!『補給部隊』でドロー!」

 

バレット LP1000→3000 手札1→2

 

「ならセットモンスターへ攻撃!」

 

「セットモンスターは『幻獣機ハムスラット』!リバース効果により、『幻獣機トークン』を2体生成!」

 

「だが既にハムスラットの戦闘破壊は決定している!」

 

「承知の上だ!」

 

幻獣機トークン 守備力0×2

 

ハムスター型の給油輸送機が現れ、ポコポコと2体のトークンを生成、フィールドを飛翔、旋回するその1体にバレットが飛び乗る。

 

「ターンエンド!」

 

榊 遊矢 LP4700

フィールド『カードガンナー』(攻撃表示)

手札0

 

「私のターン、ドロー!『幻獣機ハリアード』を召喚!」

 

幻獣機ハリアード 攻撃力1800 レベル4→10

 

現れたのは鬣を持つ肉食獣と戦闘機を合成したモンスター。

 

「ハリアードの効果!『幻獣機トークン』をリリースし、手札の『幻獣機メガラプター』を特殊召喚!」

 

幻獣機メガラプター 攻撃力1900 レベル4→7

 

幻獣機ハリアード レベル10→7

 

次は小型肉食恐竜を模した青いステルス戦闘機。『幻獣機』の中でも優秀な効果を持ち、ハリアードとも相性の良いカードだ。

 

「メガラプターの効果!『幻獣機トークン』をリリースし、デッキから『幻獣機ブルーインパラス』をサーチ!そしてハリアードの効果!このカードの効果以外でモンスターがリリースされた事で『幻獣機トークン』を特殊召喚!」

 

幻獣機トークン 守備力0

 

幻獣機ハリアード レベル4→7

 

幻獣機メガラプター レベル4→7

 

「墓地の『ヴォルカニック・バレット』の効果!LPを500払い、同名モンスターをサーチ!」

 

バレット LP3000→2500

 

「そして魔法カード、『手札抹殺』を発動!手札を全て捨て、捨てた枚数分ドロー!魔法カード、『二重召喚』!再び得た召喚権で『エンジェル・トランペッター』を召喚!」

 

エンジェル・トランペッター 攻撃力1900

 

現れたのは獣戦士族でも機械族でもない、植物族のチューナーモンスター。通常モンスターの為、ワイアームの融合素材にでも使用すべく投入したのだろう。

 

「バトルだ!メガラプターで『カードガンナー』へ攻撃!」

 

「うぐぁっ!」

 

榊 遊矢 LP4700→3200

 

メガラプターが銃弾を乱射、雨のように降り注ぎ、『カードガンナー』を粉砕する。

 

「『カードガンナー』が破壊された事で、1枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札0→1

 

「ハリアードでダイレクトアタック!」

 

「墓地の『光の護封霊剣』を除外し、ダイレクトアタックを封じる!」

 

続くハリアードが空から襲撃を仕掛けるも、地面から光の剣が出現、柵のように重なり、遊矢を守る盾となる。『カードガンナー』の効果で落ちていたか、遊矢もつくづく悪運が強い。バレットが呆れるような笑みを溢し、これ位当然かとメインフェイズ2へと移行する。

 

「私はメガラプターとハリアードでオーバーレイ!」

 

「ッ!」

 

メガラプターとハリアード、レベル7となった2体の『幻獣機』が光となって天空で交差、空に開いた渦に吸い込まれ、小規模なビッグバンを巻き起こす。そして瞬間、バレットの右の手の甲に赤い光の線が浮かび上がり、42の数字を描き出す。今から現れるのは間違いなく――『No.』。

遊矢としては2連戦で『No.』と向き合う事となる。嫌が応でも思い出し、『No.』が放つ圧力が脳裏に過り、額から汗が伝う。

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!発進せよ!『No.42スターシップ・ギャラクシー・トマホーク』!」

 

No.42スターシップ・ギャラクシー・トマホーク 守備力3000

 

エクシーズ召喚、黒煙を裂き、ゴゴゴゴゴ、と凄まじい音を鳴らし、姿を見せたのはエイを思わせる平べったい――とは言っても人間の目からすれば分厚い鋼のボディから尾を伸ばす、ステルス巨大母艦。その翼に42の赤い数字が浮かび上がり、圧倒的な存在感を見せつける。

 

「そしてレベル3の『幻獣機トークン』に、レベル4の『エンジェル・トランペッター』をチューニング!シンクロ召喚!『幻獣機コンコルーダ』!」

 

幻獣機コンコルーダ 攻撃力2400

 

エクシーズからシンクロへ、続け様に再び姿を見せる黄金の『幻獣機』。トークンより跳躍したバレットを受け止めるように飛行し、その背へと着地させる。これでバレットのコンボは揃った。

 

「『No.42スターシップ・ギャラクシー・トマホーク』の効果発動!ORUを2つ取り除き、自分フィールドに風属性、機械族、レベル6、攻撃力2000、守備力0の『バトル・イーグル・トークン』を可能な限り特殊召喚する!」

 

バトル・イーグル・トークン 攻撃力2000×3

 

巨大母艦よりこれまた巨大な戦艦が飛び出す。『幻獣機』にも似たトークン生成能力と高い守備力。それがこの『No.』の能力だ。尤も、デメリットも大きく、発動後、与えるダメージが0になる――はバトルを行っている為、解消されているが、もう1つ、ターン終了時にこのトークンは破壊され、母艦の下へと帰ってしまう。だが、そこはバレット。対策済みだ。

 

「ターンを終了、この瞬間、『バトル・イーグル・トークン』は破壊されるが、コンコルーダの効果でトークンに破壊耐性が与えられている!」

 

つまり『バトル・イーグル・トークン』のデメリットは消えただけでなく、戦闘、効果破壊耐性を持った攻撃力2000のモンスターへと進化したと言う事だ。

モンスターの力を理解し、組み合わせる発想、そしてそれを実現させる力。流石はバレットと言った所か。遊矢は苦笑いを浮かべるしかない。

 

バレット LP2500

フィールド『No.42スターシップ・ギャラクシー・トマホーク』(守備表示)『幻獣機コンコルーダ』(攻撃表示)『バトル・イーグル・トークン』(攻撃表示)×3

『補給部隊』

手札0

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『金満な壺』を発動!墓地の『EMドクロバット・ジョーカー』、『曲芸の魔術師』、エクストラデッキの『時読みの魔術師』をデッキに戻し、2枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札1→3

 

「『EMギタートル』と『EMゴムゴムートン』でペンデュラムスケールをセッティング!ギタートルのペンデュラム効果でドロー!」

 

榊 遊矢 手札1→2

 

「スケールは6と1、レベル2から5のモンスターが同時召喚可能と言う事か」

 

「ペンデュラム召喚!『EMドラミング・コング』!」

 

EMドラミング・コング 守備力800

 

このターンは壁となるモンスターを呼び出す事に専念したのか、遊矢のフィールドに膝をつけた胸がドラムとなったゴリラが現れ、遊矢を守るように前に出る。忠誠心からか、友情からか、どちらにせよモンスター達と充分信頼を築いている証だろう。

 

「永続魔法、『補給部隊』を発動。ターンエンドだ」

 

榊 遊矢 LP3200

フィールド『EMドラミング・コング』(守備表示)

『補給部隊』

Pゾーン『EMギタートル』『EMゴムゴムートン』

手札1

 

「私のターン、ドロー!悪くない布陣だ。だが……突け入る隙はある墓地の『ヴォルカニック・バレット』の効果発動!」

 

バレット LP2500→2000

 

「速攻魔法、『魔力の泉』を発動。君のフィールドの表側表示の魔法、罠の数4枚分ドローし、私のフィールドの表側表示の魔法、罠の3枚分を捨てる」

 

バレット 手札1→5→2

 

「墓地の『シャッフル・リボーン』を除外し、『No.42スターシップ・ギャラクシー・トマホーク』をエクストラデッキに戻し、1枚ドロー!」

 

バレット 手札2→3

 

「『No.』を……!?」

 

理屈的には納得は出来る。ORUを失ったこのカードはトークンを生成出来ず、ただの守備力が高いエクシーズモンスターとなるだけ。素材として墓地に送り、例え蘇生してもORUが無いなら効果は使えない。

ならばエクストラデッキに戻す事でORUを持った状態でエクシーズ召喚した方が良いと思ったのだろう。『No.』を持っていても、この男はその力に頼り切りにならない。

 

「魔法カード、『融合回収』。墓地の『融合』と『キャリア・センチネル』を回収、そして召喚!」

 

キャリア・センチネル 攻撃力1000

 

「召喚時効果で『漆黒の戦士ワーウルフ』をサーチ」

 

これで手札は4枚、中々の回復力だ。

 

「魔法カード、『融合』を発動!フィールドの『キャリア・センチネル』と手札の『ヴォルカニック・バレット』で融合!融合召喚!燃え上がり飛翔せよ!『重爆撃禽ボム・フェネクス』!」

 

重爆撃禽ボム・フェネクス 攻撃力2800

 

現れしは黒鉄の翼を広げる太陽色の不死鳥。強力な効果を持っており、制限カードにも指定されているモンスターだ。このカードは遊矢も所属する遊勝塾のジュニア組の1人、山城 タツヤのエースモンスター。そして、彼に融合を教えたのはバレットだ。

バーン効果もある為、ヴァルカノン同様にバレットが使っていても不思議ではない。不思議では無いが……今この状況でこのモンスターの登場は重く、何よりこのモンスターの効果は遊矢にとって天敵と言って良い。

 

「君も私も、戦術的にフィールドに多くのカードを残しやすい。それがこのカードの真価を発揮させる!カードを2枚セット!そしてボム・フェネクスの効果発動!フィールドのカード1枚につき300のダメージを与える!フィールドのカードは13枚!よって3900のダメージだ!不死鳥大空襲!」

 

「墓地の『ダメージ・ダイエット』を除外し、このターンの効果ダメージを半分に!」

 

榊 遊矢 LP3200→1250

 

炎の嵐が遊矢の身体に降り注ぎ、LPを大きく削り取る。半減しても1950、1枚のカードが与える効果ダメージとしては強力だ。

 

「堪えると思っていた。魔法カード、『一騎加勢』!『バトル・イーグル・トークン』の攻撃力を1500アップ!」

 

バトル・イーグル・トークン 攻撃力2000→3500

 

「バトルだ!『バトル・イーグル・トークン』でドラミング・コングへ攻撃!」

 

「モンスターが破壊され、『補給部隊』の効果でドロー!」

 

榊 遊矢 手札1→2

 

「コンコルーダでダイレクトアタック!」

 

「手札の『EMジンライノ』を墓地に送り、『EMバリアバルーンバク』を特殊召喚!」

 

EMバリアバルーンバク 守備力2000

 

「攻撃変更!」

 

「ゴムゴムートンのペンデュラム効果発動!戦闘破壊から守る!」

 

「アクションマジック、『ハイダイブ』!『バトル・イーグル・トークン』の攻撃力を1000アップ!」

 

バトル・イーグル・トークン 攻撃力2000→3000

 

「攻撃!」

 

「墓地の『EMジンライノ』を除外し、戦闘破壊から守る!」

 

「もう1体のトークンでバリアバルーンバク攻撃!」

 

巨大な戦闘機の強襲も何のその、モンスター達の力を合わせ、乗り越える遊矢。バレット相手に互角に渡り合っている。

 

「堪えると思っていた。私はこれでターンエンド。『シャッフル・リボーン』の効果で手札を除外」

 

バレット LP2000

フィールド『重爆撃禽ボム・フェネクス』(攻撃表示)『幻獣機コンコルーダ』(攻撃表示)『バトル・イーグル・トークン』(攻撃表示)×3

『補給部隊』セット1

手札0

 

融合、シンクロ、エクシーズにペンデュラム。互いが得た全ての武器でぶつかる2人、今こそ、成長を見せる時。


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