遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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サブタイで察した人はピカーリの神にソイヤッ!!ソイヤッ!!されます。


第17話 デュエルガ デキテ タノシイナ♪

漢達が己の精神と肉体と野球とデュエルを極限まで鍛え上げる地上最強の場所、そこが少森寺塾である!

 

舞網市の大通りの中心部に構えられた中華風の巨大な建物、少森寺塾の石畳で作られた廊下を、1人の男性と3人の少年、1人の少女が靴を鳴らし、歩んでいた。壁などで外の景色が遮断されていない為、外からの日差しが眩しく、暖かい。青空に照り輝く太陽の光を左手で防ぎながら目を慣らすコナミ。

そんな彼の隣で歩く中華風の服装をした、癖の強い髪の毛の少年、梁山泊塾所属の勝鬨 勇雄が声を掛けてくる。

 

「貴様……コナミと言ったな、言っておくが道場破りは自分が先に申し込んだのだ。貴様は後だ」

 

「む……オレとて先にデュエルがしたいぞ」

 

コナミを睨みつけ、威嚇する勝鬨と、それに対して唇を尖らせ、反論するコナミ。何時もなら流されるように二つ返事で頷くコナミだが、それがデュエルとなれば別だ。コナミは妙なところで頑固者なのだ。口数が少ないながらも、その瞳は雄弁に火花を散らす。

 

「兄貴、こいつやっちゃいます?」

 

「だっダメですよう、暗次君」

 

そんなコナミに良かれと思い、袖を捲り、コキコキと肩を鳴らす暗次と、暗次を止めようともう片方の袖を引っ張るねね。

勝鬨が拳を構え、リアルファイトまで発展しようとした時、一筋の風が2人の間を舞い、ゴガガガガと激しい破壊音と共に、石畳の廊下を削る。余りにも現実離れした光景に、ポカンと口を開く4人。

 

何と言う事でしょう、あんなに整然とし、美しかった石畳の廊下が一瞬の内に災害にでも見舞われたかの如く、崩壊しているではありませんか。

風の通った方向を辿ると、そこにはニコニコと笑顔でコナミ達を見る、整った顔立ちをした講師の姿が。これぞ匠の技でしょうか?

 

女性に見間違えられそうなその顔つきや、柔らかい雰囲気からは想像も出来ないであろう。と言うか到底人間に出来る事ではない。彼の何事も無かったような笑顔を見て、コナミ以外の3人はサァーと表情から血の気が引く。

あのコナミですら「やっべぇ……」と声を漏らしている。

 

「申し遅れました。私はこの少森寺塾で講師をしている巫 紅虎と言う者です。話し合いをするのは構いませんが、喧嘩などで騒ぐと、次は本気で当てますよ?」

 

何と言う事でしょう、今の廊下を破壊した技は本気では無かったのです。その化け物染みた宣言に、口元を引き吊らせる一堂。

大人しく従っておこう。問題児達が一致団結した奇跡の瞬間であった。一瞬で皆、無言となり、靴が石畳を叩く音のみが辺りに響く。

 

「着きましたよ、ここが対決房です」

 

ホンフーが口を開く事によってビクリと肩を震わせる4人、着いた場所は柱が幾つも並び、中心部が大きく開いた部屋。どうやらここでデュエルを行うようだ。

 

「天月君、札田君、こちらへ」

 

ホンフーが対決房でデュエルを行っている2人の少年を呼ぶ、が、何やら変だ。2人がコナミ達に近付くにつれて、その違和感は大きなものへとなっていく。彼等がコナミ達の目の前に立った途端、その違和感は確信へと変わった。

 

「何だ、この……何なのだこれは!?」

 

勝鬨が理解不能と言った様子で叫ぶ。それもそうであろう、目の前の彼等は言葉では言い表せない程に“変”なのだから。

赤いつばの白の野球帽とそれに合わせた紅白のユニフォームを着た少年……。少年なのだろうか?

 

その頭は饅頭のような形となっており、顔の大半を占める大きな瞳以外は器官は見受けられないそれだけには留まらず、身体は円錐のようになっており、手は丸く、足に置いては身体と繋がってすらいない。

果たしてこれは人間なのだろうか。人と種別するには余りにも珍妙過ぎて、勝鬨が勝鬨る。それは暗次とねねとて同じである。唯、ねねに至っては「意外と可愛いかもしれません……」と呟いているが。

 

「ホンフーさん、どうしたんですか?彼等は?」

 

口を開い……いや、口など何処にも無いが、喋ったのは天月と呼ばれた少年、彼は怪しいものを見るような目付きでコナミ達を見る。

怪しいのは天月と札田の方である。

 

「話を進めるのか……」

 

「彼等は道場破りに来た、他塾の者です。帽子の彼が遊勝塾のコナミ、癖毛の彼が梁山泊塾の勝鬨君、黒の道着の2人は男の子が黒門君、女の子が光焔さんです」

 

「なんで道場破りを入れているのでやんすか……」

 

ホンフーの余りの無警戒さに札田と呼ばれた眼鏡の少年が呆れ返る。当然の反応である。普通、道場破りと名乗る怪しい者など、門前払いするに限る。

ましてや大手の塾なのだ、そんな有象無象など無視して当たり前、にも関わらず、ホンフーはニコニコと友好的にもてなしてすらいる……。

 

多少の例外はあったが、それでも道場破り自体を許可するなど余程の愚か者か、懐が広いのか……何か考えがあるのか。その笑みの裏にはとんでもない化け物を飼っているのか、と疑ってしまう。

 

「では天月君、札田君、彼等の相手をしてあげてください。タッグデュエルです」

 

「何!?デュエルと言えばアクションデュエルではないのか!?」

 

ホンフーが手をパン、と合わせ、視線を集める。そしてその口から飛び出たのは今回行うデュエルのルール。てっきり1対1のアクションデュエルを行うと思っていた勝鬨はまたもや勝鬨る。随分と忙しない少年である。しかし、これは当然とも言える。

 

「まぁ勿論、アクションタッグデュエルですけどね、こちらがルールを決めるのは当然でしょう?ここは私達の塾で、貴方達はアポも取らずに挑みに来たんですから、しかも道場破り、あー怖い!怖くてつい有利なルールに運んでしまいます」

 

「ぐっ……!」

 

実に正論である。むしろまだ良心的と言えよう。何せ彼等は伝統ある塾の看板を賭けているのだ。道場破りで勝ち星を稼ごうとするコナミとは、失う物が余りにも違い過ぎる。

しかし、彼等もまた、何らかのハンデを背負っていないとは限らない。

 

「ホンフー先生、無理でやんす!天月君の肩はまだ、治っていない筈でやんす!だから今もリハビリを!」

 

「札田君、殴りますよ?」

 

「何時も思うけど、ホンフー先生はオイラに対して厳しいでやんすよ……ホンフー先生に殴られたら、オイラ死んじゃうでやんす……」

 

ホンフーの笑顔による脅迫に眉を伏せ、たじろぐ札田。確かにあの大地を抉る竜巻のような拳を受ければデュエリストとは言え、唯ではすまないだろう。と言うか最悪死ぬ。

 

札田が本気で命の危機を感じている中、くるりとホンフーが天月へと振り返る。先程までのニコニコとした人当たりの良い笑顔はなりを潜め、真剣な表情となっている。天月の方はと言うと、苦々しい表情で俯いている。

 

「……俺は……」

 

「知っていますよ、もう、怪我は治っていると。進藤先生から聞きましたから」

 

「!」

 

「もし貴方が断るなら、この塾の未来は札田君に掛かっています。それでもいいんですか?」

 

「どう言う意味でやんすか……」

 

「分かり……ました」

 

渋々と言った様子で頷く天月。余程、札田だけでは不安なのだろう。天月が承諾した事に笑顔で頷くホンフー。そこへ無遠慮な勝鬨の声が響く。

 

「話は終わったか?ならとっとと始めて貰おうか」

 

「もう、空気を読まない人ですねぇ、分かりましたよ。では貴方達はコナミ君と勝鬨君、こちらは天月君と札田君でアクションタッグデュエルを始めましょう」

 

その一言を切欠に4人が指定の位置へ、暗次とねね、ホンフーはフィールド外へと出る。フィールド内へ残され、隣り合い並ぶコナミと勝鬨。

意外にも、先に口を開いたのは勝鬨であった。

彼はギン、と鋭い視線を一際細め、コナミを睨みつける。

 

「タッグを組む以上、足は引っ張るな、分かったか?」

 

当然と言うか予想通りと言える、突き放した台詞が飛ぶ。知り合いでもない2人だ。仕方無いのかもしれない。

コナミとしてもこう言ったタッグパートナーは初めてではない為、帽子のつばを抑え、何時も通りの返事を返す。

 

「ああ、全力を尽くそう」

 

左腕に金色に輝くデュエルディスクを装着するコナミ。それを切欠に、残る3人のデュエリストがデュエルディスクを次々と装着する。

それと同時に、デュエルフィールドが大きく姿を変える。柱は消え去り、華々しい近未来のスポーツのスタジアムへ。

 

「『U.A.スタジアム』か……」

 

そして、アクションデュエル恒例の口上が光輝くスタジアムに響き渡る。

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

 

口火を切ったのは勝鬨、彼はつまらなそうに鼻を鳴らし、腕を組んで、堂々とした様で仁王立ちする。

 

「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い!」

 

次に無い口を開いたのは札田だ。特徴的な丸い手を突き出し、怪しく眼鏡を光らせる。

 

「フィールド内を駆け巡る!」

 

コナミが口元に笑みを作り、更なる口上を紡ぐ、デュエルディスクより、光輝くプレートが展開され、戦いの渦へと飛び込む。

 

「見よ、これぞデュエルの最強進化形」

 

3人とは別に、溜め息を溢しながら、デュエルディスクを構える天月、その態度はとてもやる気があるようには見えない。

 

「「「「アクショーン!!」」」」

 

更なるデュエルを求める為に、自らの渇きを潤す為に、その場凌ぎの為に、支える為に。

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

デュエルは始まる。何かを得る為に。

 

「……俺のターンか」

 

デュエルディスクのランプが赤く輝く。先攻は少森寺塾組の天月。

彼は先程よりも重々しい溜め息を吐きながら、デッキよりカードを5枚引き抜く。

 

「俺は『U.A.ファンタジスタ』を召喚」

 

U.A.ファンタジスタ 攻撃力1200

 

選手入場の入り口より、激しい駆動音が駆け抜ける。クラッカーの花吹雪を浴び、現れたのは緑の輝くラインが走ったメカメカしいユニフォームに身を包んだ、電光のサッカー選手。

ファンタジスタの名に恥じぬ足捌きで巧みに雷を纏うサッカーボールを弄ぶ。余りにも速いそのプレイングは音を残し、光の軌跡を描いていく。

とんだ超次元サッカーである。

 

「更に、アクションフィールド『U.A.スタジアム』の効果、自分フィールドに『U.A.』モンスターが召喚された場合、デッキから『U.A.』モンスター1体を手札に加える。俺は……『U.A.パーフェクトエース』を手札に加える」

 

天月 手札4→5

 

一瞬、彼がその手を止めたのは何故だろうか?彼は迷いを振り払うかのように1枚のカードを手に取り、その効果を発動させる。

 

「早速だが、選手交代だ。手札の『U.A.パーフェクトエース』の効果、『U.A.パーフェクトエース』以外の『U.A.』モンスターを手札に戻し、このカードを特殊召喚する。俺は『U.A.ファンタジスタ』を手札に戻し、『U.A.パーフェクトエース』を特殊召喚!」

 

U.A.パーフェクトエース 守備力2500

 

ファンタジスタの退場と共に入場したのは青い機械の翼を生やした野球選手。彼は天高く飛翔した後、自らの指定席、ピッチャーマウンドに登板する。

その堂々たる姿、威圧感溢れる姿は正しくその名の通り、完全無欠のエースピッチャー。

 

「『U.A.スタジアム』の第2の効果、1ターンに1度、自分フィールドに『U.A.』モンスターが特殊召喚した場合、自分フィールド上のモンスターの攻撃力を500ポイントアップする。……守備表示だから関係ないがな、カードを一枚伏せ、ターンエンドだ」

 

天月&札田 LP4000

フィールド 『U.A.パーフェクトエース』(守備表示)

セット1

手札4(天月) 手札5(札田)

 

天月のターンが終了する。短いながらも彼は強力な壁モンスターを召喚して見せた。パーフェクトエースより発せられる気迫はまごうことなく本物、あのエースをマウンドから引き摺り降ろすのは骨が折れそうだ。

コナミは右肩をこきりと鳴らし、笑みを浮かべる。

 

「プレイボールだ、オレのターン、ドロー」

 

コナミの手よりカードの軌跡が描かれる。チラリと目を配らせたカードは期待通りの1枚。早速、コナミはそのカードをデュエルディスクに差し込む。

 

「手札を1枚捨て、魔法カード『ペンデュラム・コール』を発動。デッキからカード名の異なる『魔術師』ペンデュラムモンスターを2体、手札に加える」

 

これにより、デッキの『竜穴の魔術師』と『竜脈の魔術師』を手札に加え、自らの武器であるペンデュラム召喚を決め、パーフェクトエースを降板させる……筈であった。

 

「っ!?」

 

ゴウッと土煙を纏った剛球がコナミのバットである『ペンデュラム・コール』を貫く。背後を振り返れば、そこにはプスプスと灰色の煙を上げ、ボロボロになった野球ボールが壁にめり込んでいる。

そう、コナミのカードを貫いた正体は、ピッチャーマウンドに立つ、パーフェクトエース。彼とコナミの距離は200メートル以上離れており、コナミはスタジアムの真上に浮かぶ光のプレートの上に立っていると言うのに、その球速は凄まじいものがあり、そのコントロールは驚異的なものがある。これには流石のコナミも顔を青くする。

 

「……デッドボール寸前だぞ、審判を呼んで欲しいものだな」

 

冷や汗を浮かべながら皮肉るコナミ。そもそも一体、どう言う原理や効果で自分の『ペンデュラム・コール』が破壊されたのか、気になるところである。しかもデュエルディスクの反応を見る限り、効果まで無効にされたようだ。

 

「『U.A.パーフェクトエース』の第2の効果、相手ターンに1度、魔法、罠、モンスターの効果が発動された時、手札を1枚捨て、発動できる。その効果を無効にし、破壊する」

 

そのカラクリは単純。不動のエースは天月の与えたボールにより、カードの真価を封殺したのだ。その強力な効果に観客席の暗次とねねが抗議の声を上げる。

 

「なんだそりゃあ!?インチキ効果も大概にしやがれ!手札を捨てるんだったら俺も欲しいです!」

 

「私の『シャドール』にも使えるじゃないですかぁ!?シェキナーガさんの素材にも是非!」

 

ただ単に羨んでいるだけであった。因みに前者は『暗黒界』の効果は発動できないので無意味である。きっと捨てると言う言葉に過剰反応してしまったのだろう。

 

「正しくエースか、ならこちらも1番バッターを打席に立てよう、来い、『カメンレオン』」

 

カメンレオン 攻撃力1600

 

『1番、『カメンレオン』』

 

スタジアムにウグイス嬢の声が響く。赤いヘルメットを被り、その長い舌でバットを握り、パーフェクトエースに対峙するようにバッターボックスに『カメンレオン』が現れる。

動物は選手として扱われるのか、仮面を被っているのはルール上良いのか、などは問い詰めてはいけない。前者は擬人化すれば、後者は変身ヒーローが打席に立った前例がある。きっと大丈夫である。

 

「『カメンレオン』の効果、このカードが召喚に成功した時、墓地の守備力0のモンスター1体を選択して守備表示で特殊召喚する。但し、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。オレは『ゴブリンドバーグ』を特殊召喚」

 

ゴブリンドバーグ 守備力0

 

『2番、『ゴブリンドバーグ』』

 

ウグイス嬢の呼び声と共に、『カメンレオン』が地面に黒い渦を作り出し、バットごと舌を突き刺す。バットにしがみつき、現れたのは、同じく赤いヘルメットを被った『ゴブリンドバーグ』。

『ゴブリンドバーグ』はバットを手に持ち、上空を旋回し、左側のバッターボックスに降り立つ。

 

「さて、3番バッターの登場だ。オレは2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」

 

バッターボックスの後方に、輝く星が浮かぶ幻想的な渦が巻き起こり、その渦の中へと『カメンレオン』と『ゴブリンドバーグ』が螺旋状の光を描き、吸い込まれる。

 

「我が戦いはここから始まる、白き翼に望みを託せ、現れろNo.39、エクシーズ召喚!希望皇ホープ!!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500

 

渦から手が伸び、バットを掴む。手に持ったバットが黄金に輝き、渦を引き裂く。バッターボックスに立つは、純白の翼を広げ、腰に2刀を携えた、黄金の鎧を纏った皇の姿。右肩に浮かぶ39の文様、その圧倒的な威圧感はパーフェクトエースに劣らない。

彼は踵をトントンと慣らした後、残された赤のヘルメットを被り、バットを構える。

 

『3番、『No.39希望皇ホープ』』

 

背番号ならぬ肩番号39、脅威の強打者がパーフェクトエースを鋭い眼光で睨み付ける。

 

「プレイボール!あっ、間違えた……バトル!希望皇ホープで『U.A.パーフェクトエース』に攻撃!ホープけ、何?今はバット?……ホープバットバッティング!」

 

ホープがふるふるとコナミのサインを拒否する。攻撃名が決まった事により、野球好きの皇が再びバットを構え、パーフェクトエースがその鉄腕から剛球を放つ。オーバースローで投げられたその球はホープの目の前で急激に伸び、稲妻の如き爆発的な速度で電光を散らす。

 

「アクションマジック!『エクストリーム・ソード』!ホープの攻撃力を1000アップする!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500→3500

 

ホープのバットが更なる光を放つ。俺のバットが火を吹くぜ。そう言わんばかりの強烈な音を発し、風を引き裂き、パーフェクトエースの剛球の真芯を捉える。凄まじい打撃音、先ずは1点先取、コナミが最早、野球にシフトしかけた時。

 

「アクションマジック『ティンクル・コメット』!『No.39希望皇ホープ』の攻撃力を1000ダウンさせ、お前に500ポイントのダメージを与える」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力3500→2500

 

コナミ&勝鬨 勇雄 LP4000→3500

 

パーフェクトエースの剛球が更に加速し、バットに食らいつき、彗星の如き、重い球になる。ミシリ、嫌な音を立て、ホープのバットが砕け散る。まるで地球に落下するかのような鋭角に落ちるフォークボール。

思わずホープはバットをその手から落とす。見事、そう言う他ないだろう。

黄金のバットは魔球の前に敗れた。

 

「……3者凡退……フッ、カードを一枚伏せ、ターンエンドだ」

 

コナミ&勝鬨 勇雄 LP3500

フィールド 『No.39希望皇ホープ』

セット1

手札2(コナミ) 手札5(勝鬨)

 

清々しい笑みを浮かべ、1枚のカードをデュエルディスクにセットするコナミ。まだまだ1回の裏が終わったばかり、スコアボードが0を描いたその時。

 

「……何!?これはデュエルではないのか!?」

 

勝鬨が尤もな事で勝鬨た。




趣味に走り過ぎて最後に自分も勝鬨った。今週のアニメよりカオスではないと思いたい。勝鬨君が空気になってしまっている。……野球次元恐るべし。

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