遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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バレンタインの小ネタ

真澄「こっ、コナミこれ!チョコ!かか勘違いしないでよねっ!?義理チョコよ!義理チョコ!」

コナミ「む、ありがとう」トゥルン↑

真澄「……んん?今の音何?」

コナミ「?気のせいだろう?」

刃「おーい、コナミ!ちょっとパック買いすぎてさ、一個やるよ」

コナミ「ああ、ありがとう」トゥルルルン↑↑

真澄「刃ぁ!あんたには負けないわよ!!」

刃「えっ、何?何で俺お前に掴みかかられてんの?ちょっホントやめ!あっ、アッーーー!!!」


第26話 女ストロング

「……何で……?どうして、どうして諦めないのっ!?」

 

舞網市にある海野占い塾。占いの名を冠するだけあり、不気味な洋館のような見た目をした建物内にて、榊 遊矢は3連戦目のデュエルを行っていた。

相手はふわり、と柔らかい赤毛を揺らし、手に林檎の形を模した水晶を持った少女、方中ミエル。

2人のデュエルはミエルの思い通り、いや、ミエルの占い通りに運んでおり、遊矢の防戦一方、アクションカードにも恵まれない始末である。なのに、だと、言うのに。

 

「何で……笑ってるの!?」

 

ミエルの大きな目が見開かれる。そうだ、ミエルの言う通り、デュエルが上手くいかないのに、危険に晒されていると言うのに、彼の眼は決して光を失わず、その意志は全く折れない。

何故?どうして?彼が口元に浮かべる笑みに疑問が飛ぶ。その疑問に答えたのは無論、目の前のデュエリスト。榊 遊矢だ。

 

彼はニィッと口角を持ち上げ、デュエルディスクを構えたままミエルへと笑いかける。ボロボロの姿とは対照的に輝く笑顔。その笑顔を見たミエルは頬を赤らめ、息を詰まらせる。

 

「確かに……運命は決まっているのかもしれない。でもさ、俺は占い師じゃない。……デュエリストなんだ。君の占いは凄いよ……だけど、俺が信じるのは自分のデッキだ。自分自身だ!どんな逆境だろうと立ち向かうって思って作った俺のデッキなんだ!」

 

決して折れない、決して逃げない。胸に秘めたるはあの日の父の姿。――泣きたい時こそ笑え――。焼きついた言葉が遊矢の闘志に火を灯す。

心に刻んだのはライバルとの約束。――オレが一番楽しんでやる――。輝いた誓いが闘志を燃え上がらせる。

 

――いいや、楽しむのは――俺だ――!

 

「俺はエンタメデュエリストだ!まだデュエルは始まったばかり!運命の女神だって笑顔にして、華麗なる逆転劇をお見せしましょう!」

 

ビシリ、右手の人差し指がミエルへと向けられる。勝てないなんて諦めは、デュエルが終わってみないと分からない。分からないこそ、デュエルは楽しい。まるで幼子のような無邪気な笑顔を貼り付けて、未熟なエンタメデュエリストはその翼を広げる。

 

まだ小さな小さな、見えない程の翼。だけど彼は成長している。一歩ずつ、確実に。アクションフィールド『フォーチュン・テラー』の階段を上がっていく。コツ、コツ、と小さくも重々しい音が響く。

 

「ーっ!なら、ミエルが見せてあげる!運命には逆らえないって事を!」

 

迷いを振り払うかのように吠えるミエル。だが、言葉とは裏腹に、ミエルの胸はトクトクと脈打っていた。抱いたものは期待か、羨望か、それとも――。

2人のデュエリストは火花を散らし、更なる闘いの中へと身を投じる。そんな中、遊矢はこのデュエルで、大きな何かを感じ取る。頭に浮かぶは、真紅の体躯を持つ、巨大な竜。その遠吠えは確かに、遊矢の耳へ届いた――。

 

(そんなに急かさなくても――お前の出番は、もうすぐだっ!)

 

自然とその足は駆け足となり、ミエルの待つ頂上へと向かっていく。バサバサと靡く学生服、キラリと光るゴーグル、首から掛けた振り子が揺れる。力が溢れる、笑いが止まらない。

そんな彼に負けまいと、ミエルもまた笑みを溢す。

 

「お楽しみはっ!これからだ!」

 

闘いはまだ、始まったばかり――。

 

――――――

 

「オレは手札より『E・HEROブレイズマン』を召喚」

 

E・HEROブレイズマン 攻撃力1200

 

コナミの場に現れたのは炎の鬣を持つ『HERO』。コナミの扱う『融合』にとって命綱とも言えるモンスターだ。その効果は実に優秀。召喚時、デッキより『融合』をサーチする、素良にとっての『ファーニマル・オウル』と同質のもの。初手で引き込めたのは大きいだろう。

 

「ブレイズマンの召喚時効果により、『融合』を手札に加え、発動。場のブレイズマンと手札の『竜脈の魔術師』で融合!融合召喚!『E・HEROガイア』!」

 

E・HEROガイア 攻撃力2200

 

地を引き裂き、黒き巨人が姿を見せる。その巨体に柚子が緊張するも、攻撃力が自らのモンスターに届かない事を踏んだのだろう。直ぐに安堵した表情となる。確かに攻撃力は低い。だが、コナミの操る『E・HERO』にはそれを打破する能力があるのだ。

 

「『E・HEROガイア』の効果。『幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト』の攻撃力を半分にし、その数値分、このカードの攻撃力をアップする」

 

「そんなっ!?」

 

『フォース』内蔵効果。単純ながらも強力な効果に柚子はその目を見開く。コナミの実力を侮っていた訳では無い。だが、こうも早く攻略されるなど思いもしなかったのだ。

 

E・HEROガイア 攻撃力2200→3600

 

幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト 攻撃力2800→1400

 

「さぁ、バトルだ。ガイアでマイスタリン・シューベルトに攻撃!コンチネンタルハンマー!」

 

ガイアの発する重力にマイスタリン・シューベルトが地に膝をつく。空中へと逃げようとするも無意味。力を吸収し、加速したガイアがその剛腕を振るう。

 

「罠発動!『ガード・ブロック』!ダメージを0にして、1枚ドローする!」

 

柊 柚子 手札2→3

 

「成程……手札を確保したか。俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

コナミ&紫雲院 素良 LP2200

フィールド『E・HEROガイア』(攻撃表示)

セット2

手札3(コナミ) 手札4(素良)

 

コナミのターンが終了すると同時にアユのデュエルディスクにランプが灯る。自分のターンが来た事により、満面の笑みを見せる。

 

「私のターン、ドロー!」

 

明るく、活発な笑顔を見せ、デッキより1枚のカードを引き抜くアユ。この遊勝塾の塾生の為か、随分と楽しそうにデュエルをする彼女を柚子は暖かい眼差しで見守っている。

 

「行くよ!私は手札から『アクアアクトレス・グッピー』を召喚!」

 

アクアアクトレス・グッピー 攻撃力600→1800

 

現れたのは帽子にリボン、手にステッキを持った可愛らしい魚。遊矢の『EM』にも似たそのモンスターは身の丈以上の尾びれをひらひらと宙に靡かせ、アユの周りを泳ぐ。

 

「『アクアアクトレス・グッピー』の効果発動!手札の『アクアアクトレス』モンスターを特殊召喚するよ!私が特殊召喚するのは『アクアアクトレス・アロワナ』!」

 

アクアアクトレス・アロワナ 攻撃力2000

 

グッピーの導きにより現れたのは何とも豪華な衣装を纏った巨大な魚の婦人。手に持ったパイプからはプクプクと泡が立っている。

攻撃力は2000。上級にしては低く、ガイアを破壊する事が出来ない。が、『アクアアクトレス』の恐るべき力は個々の力では無く、サポートカードによって発生する力。

 

「『アクアアクトレス・アロワナ』の効果!デッキから『アクアアクトレス』モンスターを手札に加えるよ!デッキから『アクアアクトレス・テトラ』を手札に!更に『二重召喚』を発動!『アクアアクトレス・テトラ』を召喚!」

 

アクアアクトレス・テトラ 攻撃力300→1500

 

3体目の『アクアアクトレス』がフィールドに跳ねる。ネオンテトラをモチーフとしたモンスターは青と赤の身体を漂わせ、グッピーと共にアユの傍を泳ぐ。

 

「更に行くよ!『アクアアクトレス・テトラ』の効果でデッキから『アクアリウム』カードを手札に!私が加えるのは『水照明』!そのまま発動!」

 

フィールドへ泡に包まれた光が幾つも下りていく。このカードの発動により、コナミが少しばかり顔を青くする。彼はセレナと共にアユの教育を行っていた為、知っているのだろう。彼女の戦術を。

 

「まだまだ行くよ!永続魔法『水舞台』。このカードの効果で私のフィールドの『アクアアクトレス』は水属性モンスター以外の戦闘では破壊されず、相手モンスターの効果を受けない!」

 

続けてフィールドを侵食するのは、煌びやかな珊瑚礁や水草、大磯砂。『アクアリウム』の名の通り、『アクアアクトレス』にとって住みやすい環境が次々と揃えられていく。

 

「最後はこれっ!永続魔法『水舞台装置』っ!水属性モンスターの攻撃力を300ポイントアップ!更に『アクアアクトレス』モンスターの攻撃力を300ポイントアップするよ!」

 

アクアアクトレス・アロワナ 攻撃力2000→2600

 

アクアアクトレス・グッピー 攻撃力1800→2400

 

アクアアクトレス・テトラ 攻撃力1500→2100

 

フルコンボである。最後に発動したカードによってフィールドに小さな城が立ち、雅な水車や貝などが散らばっていく。全ての『アクアリウム』が合わされた光景は幻想的で美しい。まるで御伽噺に出てくる竜宮城である。

 

しかし、見とれてはいられない。アクションフィールド『湿地草原』の効果も合わさり、アユのモンスターは万全たる強化を受けたのだ。しかしこうまで打点が上げられるのは、やはり師であるセレナの影響か。

気のせいか、得意気に胸を張り、むふんと息をつく姿がセレナと被る。このままではあの可愛らしいモンスター達に1キルされかねない。

 

「『アクアアクトレス・アロワナ』で『E・HEROガイア』を攻撃!『水照明』の効果!『アクアアクトレス』モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時、アロワナの攻撃力を倍にする!」

 

アクアアクトレス・アロワナ 攻撃力2600→5200

 

驚異の攻撃力5000超え、あの『F・G・D』をも超えるその攻撃力がコナミに迫る。だが、それだけでコナミは負ける程、安くはない。

 

「手札から『クリボー』の効果!戦闘ダメージを0にする!」

 

突如、毛むくじゃらの悪魔が現れ、コナミをダメージから守る。『速攻のかかし』には劣るかもしれないが、この状況ではこのカードの方が有能だろう。しかし、危機は去った訳ではない。むしろここからが本番。

 

「『アクアアクトレス・グッピー』でダイレクトアタック!」

 

「罠発動!『ピンポイント・ガード』!墓地の『竜脈の魔術師』を守備表示で特殊召喚!」

 

竜脈の魔術師 守備力900

 

コナミの場に膝をつくのは白いコートを羽織った『魔術師』。『ピンポイント・ガード』の恩恵を受けている為、このターンの攻撃を防げる。

 

「やっぱり、そう簡単にはいかせてくれないか。私はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

柊 柚子&鮎川 アユ LP4000

フィールド『アクアアクトレス・アロワナ』(攻撃表示) 『アクアアクトレス・グッピー』(攻撃表示) 『アクアアクトレス・テトラ』(攻撃表示)

『水照明』 『水舞台』 『水舞台装置』 セット2

手札3(柚子) 手札0(アユ)

 

アユの圧倒的なエンタメ(脳筋)を無事、凌ぎきったようだ。内心、コナミは自分自身でも良く防げたなと思う。しかし依然、危機は去っていない。だがコナミも素良もその眼に諦めは無い。それどころか、どう攻略してやろうかと探っているようだ。

 

「僕のターン、ドロー!僕は魔法カード『ワン・フォー・ワン』を発動!手札のモンスターを捨て、デッキから『ファーニマル・マウス』を召喚!」

 

現れたのは小さな身体でドーナツを持った緑と白のカラーリングの鼠。良く見ると頬っぺたがハートの形になっていたり、羽をパタパタと動かす辺り、何とも珍妙な生物だ。

 

「いっくよー!『ファーニマル・マウス』の効果発動!デッキから『ファーニマル・マウス』を2体特殊召喚!」

 

ファーニマル・マウス 攻撃力100×2

 

ポンポン、と小さな爆発と共に新たな『ファーニマル・マウス』が現れる。良く見るとデザインが異なるようだ。

2匹目は真っ白の身体に青いリボンを2つ結び、おさげのようにしている。手に持っているのはオールド・ファッション。

3匹目は随分と容姿が異なる。太い眉毛に口を覆う黒の模様、頭に被った安全ヘルメット。右手にはスコップを握り、左手にはポ○デリ○グ……いや、良く見ると違う。ポン○ライ○ンの首である。どこから狩ってきた。

 

「更に魔法カード『融合』発動!フィールドの『ファーニマル・マウス』3体と手札の『エッジインプ・シザー』で融合!悪魔の爪よ!鋭い牙よ!神秘の渦で1つになりて、新たな力と姿を見せよ!融合召喚!現れ出ちゃえ!全てを引き裂く密林の魔獣!『デストーイ・シザー・タイガー』!」

 

デストーイ・シザー・タイガー 攻撃力1900→2200

 

3体の鼠が鋏を束ねた悪魔に引き裂かれ、次々と縫われていく。現れたのは緑の毛並みをし、胴体を巨大な鋏で支えた虎。その身体は所々綻びを見せ、鋭い牙の間からは不気味な赤眼が覗いている。

素材を4体も要求したモンスターだ。それに『融合』の欠点を説いた素良のものと来れば、強力なものに違いない。柚子のその予想は的中する。

 

「『デストーイ・シザー・タイガー』の効果!このカードが融合召喚に成功した時、融合素材としたモンスターの数までフィールドのカードを破壊するよ!」

 

「と言う事は……4枚も破壊!?」

 

「と言っても『水舞台』の効果でモンスターは対象に出来ないけどね!『アクアリウム』3枚!右の伏せカードを破壊!」

 

「なら永続罠!『安全地帯』!『デストーイ・シザー・タイガー』を選択!そしてこのカードが破壊された時、選択したシザー・タイガーを破壊するよ!」

 

カードの特性を考えた上での発動だろう。『安全地帯』によって選択されたモンスターは戦闘や効果では破壊されない一種の無敵状態となる。しかしデメリットとして直接攻撃出来ず、このカードが破壊されてしまえば選択したモンスターも破壊される。

効果を逆手に取り、見事シザー・タイガーを撃破した。だがその代償として『アクアアクトレス』の強化は『湿地草原』のみ。

 

アクアアクトレス・アロワナ 攻撃力2600→2000

 

アクアアクトレス・グッピー 攻撃力2400→1800

 

アクアアクトレス・テトラ 攻撃力2100→1500

 

「やるねぇ……!魔法カード!『魔玩具融合』発動!フィールド、墓地のモンスターを素材に『デストーイ』モンスターを融合召喚する!『エッジインプ・シザー』と『ファーニマル・マウス』2体で融合召喚!『デストーイ・シザー・ウルフ』!!」

 

デストーイ・シザー・ウルフ 攻撃力2000

 

今度は3体の素材を使っての融合モンスターが登場する。青い毛並み、鋏で足を支え、牙の間に潜んだ眼光を唸らせた狼。

攻撃力は低いがこのモンスターより放たれるプレッシャーはシザー・タイガーにも劣らない。ズラリと並んだ牙はガチガチと鈍い音を立て、今にも飛び出しそうだ。

 

「シザー・ウルフは融合素材としたモンスターの数まで攻撃できる。素材は3体!よって3回の攻撃を可能!『竜脈の魔術師』を攻撃表示に変更し、バトルだ!シザー・ウルフで『アクアアクトレス・テトラ』を攻撃!」

 

青狼が駆け、その大口を開き、熱帯魚を食らう。中で嫌な音が響き、それに怯えたアユが涙目となる。

 

柊 柚子&鮎川 アユ LP4000→3500

 

「まだまだぁ!シザー・ウルフで『アクアアクトレス・グッピー』を攻撃ィ!」

 

2度目の攻撃、青狼は隣で漂うグッピーを赤き眼で睨めつける。それに怯えたグッピーが逃げようと宙を泳ぐが、やはりその真価を発揮するのは水中のみ。『アクアリウム』を失った事により、失速したグッピーはバタバタと駆ける狼に丸呑みにされてしまう。

 

柊 柚子&鮎川 アユ LP3500→3300

 

「さぁ最後だ!シザー・ウルフで『アクアアクトレス・アロワナ』を攻撃!」

 

「相打ち!?」

 

最後の攻撃は相打ち狙いの自爆特攻。それも仕方無いだろう。本来ならシザー・タイガーの強化効果により攻撃力を増したウルフで3回攻撃とシザー・タイガーの攻撃でLPを削ろうと想定していたのだが、まさかアユが反撃をするとは思ってなかったのだ。

だが例え相打ちでも素良の場にはまだ『竜脈の魔術師』が存在する。ここは思い切ろうと考えたのだ。

ウルフは牙をアロワナに突き立て、アロワナも長い尾でウルフへ反撃した後、どちらも消滅した。

 

「『竜脈の魔術師』でダイレクトアタック!」

 

柊 柚子&鮎川 アユ LP3300→1500

 

ここに来て初めての大ダメージがアユ達を襲う。あの『アクアアクトレス』のフルコンボが1ターンで巻き返されたのだ。やはりこの少年は只者ではない。

 

「僕はこれでターンエンド。さぁ、どう出るかな?」

 

コナミ&紫雲院 素良 LP2200

フィールド『竜脈の魔術師』(攻撃表示)

セット1

手札2(コナミ) 手札0(素良)

 

強い。柚子は目の前のタッグを見据え、確信する。いや、今まで疑っていた訳じゃない。だがどうにもこうして闘ってみないと実感出来なかったのだ。何時も遅くまで寝ているコナミとお菓子ばかり食べている素良の姿を見ていると想像が出来ないのだ。

 

今では分かる。目の前の2人の力が。だが負けてはいられない。遊矢だって、権現坂だって前に進んでいる。強くなるまで待っていて、など自分らしくない台詞なんて言えるものか。同じ舞台に立つのだ。遊矢とコナミは約束した。闘おうと、誓ったのだ。自分だってその舞台に立ちたい。せめて、置いていかれないように――。

 

「Ledies and Gentlemen!!お楽しみは、これからよ!!」

 

だから笑おう。自分だって、遊勝塾の生徒だ。エンタメデュエルは何も遊矢だけの真骨頂ではない。コナミや素良、アユの顔が、何より柚子の顔に笑みが咲き誇る。

 

「私のターン、ドロー!さぁいくわよ?魔法カード、『融合』!手札の『幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト』と『幻奏の音女カノン』で融合!至高の天才よ!気高き共鳴よ!タクトの導きにより力重ねよ!融合召喚!」

 

『融合』の渦が巻き起こり、柚子のモンスターが吸い込まれる。その先に現れたのは、美しき花弁。

その中より可愛らしい青い眼の乙女が咲き誇り、花吹雪に羽衣が揺れる。コナミが見てきた中でも幻想的なモンスターだ。その華麗な姿にこの場にいる全員が見とれる。そのモンスターの名は。

 

「今こそ舞台に勝利の歌を!『幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ』!!」

 

今正に、柚子の切り札が開花した。

 

「さぁ、ストロング柚子のエンタメ劇場、開幕よ!」

 

柚子がウインクを飛ばし、その左腕の指でピン、とコナミ達を差し、ブレスレットが揺れる。

気は抜けない、だが――思わずコナミ達は、その顔中に笑みを貼り付ける。ああ、間違いなく、目の前の少女は――“強さ”を、持っていた――。

 

 

 




取り敢えず遊矢君を格好良く書けてたら満足。この遊矢君は間違いなくち○ちん生えてますわ。
え?アニメの遊矢君にもちん○ん生えてる?…………え?




え?

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