「随分と暗い顔だね。もしかして最近寝てないのかい?」
コンテナの上に立った少年、八雲が旧友に再会したかのようにユートへと声を投げかける。目を細め、口元を三日月のように持ち上げられた幼子を思わせる笑みだ。対するユートはと言うと先程より微動だにしない。
呆然と八雲を見上げるのみ、まるで亡霊にでも相対したかのような、蜘蛛の巣に張りつけられた感覚。鳶が上空に旋回し、船の汽笛が吹き、冷たい海風が頬を撫でる。
「無視とは酷いなぁ。ああ、隼や瑠璃、瑠那は元気かな?」
やれやれ、と芝居がかった仕草で頭を振る八雲。絶えずユートに話しかける。巣にかかった獲物にジリジリと迫るような口調だ。表面上は笑顔を浮かべているが内心では何を考えているのか分からない。
「……ふぅ、ここに来てまでだんまりか……感動の再会なのにねぇ」
「……にが……」
呆れた顔を見せる八雲に対し、漸くユートが変化を見せる。奥歯に力を入れ、キュッ、と口元が引き締められる。その顔色は上空で飛ぶ鳶の影が差し込み、伺い知れない。
だが八雲には手に取るように理解できる。これから先の展開を予測し、笑みを浮かべる。
「何が、感動の再会だッ!!お前が裏切ったから……俺達は多くの仲間を失ったと言うのに……!」
激昂。ギリッ、と奥歯を噛み締め、冷静沈着を心掛けていたユートが怒りを見せる。裏切り者、目の前の少年をそう評し、ユートが左腕のデュエルディスクを構える。
そんな彼を制したのは意外な人物だった。
「待て、少年。奴には私も思うところがある」
先程ユートと話をしていた男だ。彼はユート程激昂してはいないが、温和で人が良さそうな表情から一転、真剣な顔つきで眉根を寄せ、八雲を睨んでいる。
「……ん?ああ、何処かで見覚えがあると思えば……確かバレットさんでしたっけ?傷は大丈夫ですか?」
柔らかい態度で男、バレットへと好青年のような笑みを向ける八雲。どうやらユートだけでなく、バレットとも面識があるようだ。惚けるような言葉に一瞬ではあるが眉をぴくりと動かせる。
「お陰様でな……貴様とこうして会うとどうしても自分が戦士である事を自覚させられる」
皮肉気に一笑し、デュエルディスクを構えるバレット。好戦的な2人のデュエリストに八雲は頬を掻き、参ったな、と苦笑する。
「やれやれ、本当はどちらか1人とデュエルをしたい所だけどね……そうだ!タッグデュエルにしようか!」
「……タッグデュエルだと……?お前にはパートナーがいないようだが……?」
「やだなぁ、ユート。デュエルするのは僕じゃないさ」
妙に芝居がかった口調で指を鳴らす八雲。それに答えるように八雲の背後より2つの影が飛び出し、ユート達の眼前に降り立つ。
「人の心に淀む影を照らす」
1人は随分と大柄で太った男だ。モヒカンに上半身裸の上にマント、顔の左半分を機械で覆った奇抜な姿、額と腹部には星のマークが描かれている。
「眩き光」
もう1人も個性的な衣装を纏っている。羽織に袴、顔には夜叉の面の下半分を模した飾り、切れ長の瞳と長髪と美丈夫な男。
「「人は我等を、ナンバーズハンターと呼ぶ」」
デュエルディスクを構え、ユート達に敵意を見せる2人のナンバーズハンターを名乗るデュエリスト。その顔には見覚えがある。
「お前達は……料理担当のイビルーダーと飛車角!?」
やはりユートの知り合いのようだ。しかしその顔は驚愕に染まっている。まるで、いるはずの無い人物を目にしているように。
「さぁ、君達の相手はこの2人だ。折角の感動の再会、感謝してくれよ?ユート」
「八雲……!2人に何をした!?」
「なぁに、少し洗脳のようなものをね」
面白いだろう?と冗談染みた口調でユートを煽る八雲。その非道な行いにユートは怒りを燃やし、拳を握り締める。
「……すまないバレットさん、力を貸してくれ……!」
たったさっき知り合ったばかりのバレットへ振り向き、頭を下げるユート。無礼は重々承知している。だがそれでも、目の前の八雲の行いを許せない、仲間を救いたい。ユートの意志の籠った瞳を見て、バレットも頷く。
「元よりそのつもりだ。ここで会ったのも何かの縁、共に闘おう」
「話は終わったかい?なら――」
八雲が早く早く、と急かすと共にナンバーズハンターが虚ろな目でデュエルディスクより光のプレートを展開する。ユートとバレットも無言で光のプレートを展開する。
斯くして、本来敵である2人は手を組み、闘いに望む。まだ――2人はその事を知らずに――。
「「「「デュエル!!」」」」
先攻を取ったのはユートだ。デュエルとなれば冷静さを取り戻し、場を固めようとモンスターを召喚する。
「俺のターン、俺は『幻影騎士団ラギッドグローブ』を召喚」
幻影騎士団ラギッドグローブ 攻撃力1000
現れたのは青い手甲を纏わせた巨大な腕が特徴的なモンスターだ。下半身は青白い炎が吹き出し、上半身はデッサン人形のような形をしている。
「更に、自分フィールドに『幻影騎士団』モンスターが存在する場合、『幻影騎士団サイレントブーツ』は手札より特殊召喚できる」
幻影騎士団サイレントブーツ 守備力1200
雷より駆け抜けるのはボロ切れとも言って良い程のローブを纏ったブーツだ。首に当たる部位には重々しい首輪が嵌められており、両腕の手錠と鎖で繋がれている。これでレベル3のモンスターが2体、どちらかがチューナーでは無い事を考えれば次の手も限られるだろう。
「俺は、2体のモンスターでオーバレイ・ネットワークを構築!戦場に倒れし騎士達の魂よ。今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ!エクシーズ召喚!現れろ!『幻影騎士団ブレイクソード』!」
幻影騎士団ブレイクソード 攻撃力2000→3000
ユートの場に来るは鎧の黒馬と一体化した首なしの騎士。左手にはその名の由来であろう壊れた剣を持っており、鎧の隙間からは青い炎が上がっている。
「……エクシーズモンスターか……」
ユートの隣に立つバレットが一瞬、眉をひそめる。本当に一瞬の事だ、ユートはそれを見逃し、デュエルを続行する。
「ラギッドグローブが闇属性エクシーズモンスターの素材となった事により、ブレイクソードは攻撃力を1000アップする効果を得る。俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」
ユート&バレットLP4000
フィールド 『幻影騎士団ブレイクソード』(攻撃表示)
セット2
手札1(ユート) 手札5(バレット)
これでユートの場には攻撃力が3000と化したブレイクソードが1体、バックのカードは2枚。まずまずの出だしと言ったところか。ユートに続き、ターンを引き継いだのは太った男、イビルーダーだ。彼はその巨体とは裏腹に、静かな動作でドローする。
「私のターン、ドロー。相手フィールド上にエクシーズモンスターが存在する場合、『スターシップ・スパイ・プレーン』は手札から特殊召喚できる」
スターシップ・スパイ・プレーン 攻撃力1100
上空に旋回したるは丸い円盤状のモンスターだ。その姿は巨大、思わずユートはそのモンスターを見上げ、眉を寄せる。
「このカードが手札からの特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の魔法、罠カードを1枚選択して持ち主の手札に戻す。右の伏せカードを戻そう」
「くっ……!」
「更に私は手札より『スターシップ・アジャスト・プレーン』を召喚」
スターシップ・アジャスト・プレーン 攻撃力500
「『スターシップ・アジャスト・プレーン』の効果により、スパイ・プレーンとこのカードのレベルはレベルの合計、7となる」
スターシップ・スパイ・プレーン レベル4→7
スターシップ・アジャスト・プレーン レベル3→7
これでレベル7のモンスターが2体、ユートはその顔に警戒を示す。イビルーダーのデュエルは見た事が無いが自分と同郷の者だ、狙ってくるだろう。そして恐らく、パートナーである飛車角も。
「私は2体のモンスターでオーバレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚!発進せよ!!No.42!!スターシップ・ギャラクシー・トマホーク!!」
No.42スターシップ・ギャラクシー・トマホーク 守備力3000
上空より激しい耳鳴りが響く。その主はイビルーダーの召喚したエクシーズモンスターだ。
圧倒的な巨体を誇る機体。その登場にユート達は驚愕し、目を見開く。ステルス攻撃機特有のエイのような形状、尾のようなパーツも相まって良く似ている。そして機体の前方、左翼部分には42の赤き紋様が鈍く、禍々しい輝きを見せている。
「ナン……バーズ……!?」
そう、『No.』その名には聞き覚えがある。自分の仲間である黒帽子の少年が扱うモンスターと同じだ。眼前で異様な程の力を放つモンスター、そのプレッシャーに膝をつきそうになるが何とか持ちこたえる。
「私はカードを3枚伏せ、ターンエンド」
イビルーダー&飛車角 LP4000
フィールド 『No.42スターシップ・ギャラクシー・トマホーク』(守備表示)
セット3
手札1(イビルーダー) 手札5(飛車角)
ターンがバレットへと回る。目の前の巨大なモンスターを前にしても彼の表情は変わらない。ただ坦々と観察をし、どう手を打つか思考しているようだ。
「私のターン、ドロー。……ふむ……私は『キャリア・センチネル』を召喚」
キャリア・センチネル 攻撃力1000
フィールドへライトを光らせ、現れたのは小さなトラックのようなモンスターだ。隣に立つユートは見慣れないカードに興味を示す。
「『キャリア・センチネル』の召喚時効果により、デッキから獣戦士族モンスター、『漆黒のワーウルフ』を手札に加え、魔法カード、『融合』を発動。牙剥く戦場の狼よ、歴戦の番兵と一つになりて、新たなる雄叫びを上げよ!融合召喚!現れ出でよ!『獣闘機パンサー・プレデター』!!」
獣闘機パンサー・プレデター 攻撃力1600
渦を背にし、バレットがその手を合わせる。現れたのは半身を機械に改造され、火花を散らす鋭い眼光の黒豹の戦士。
「……『融合』……」
登場したモンスターを見て、ユートが顔をしかめる。彼にとって『融合』は並々ならぬ因縁があるが、今は味方と踏んだのだろう。何とか持ち直す。
「パンサー・プレデターの効果、1ターンに1度、このカードの攻撃力の半分のダメージを与える。正攻法は嫌いではないが……私はこう言った戦法が性に合っていてね」
イビルーダー&飛車角 LP4000→3200
「永続罠、『幻影剣』を発動。『幻影騎士団ブレイクソード』の攻撃力を800ポイントアップする」
幻影騎士団ブレイクソード 攻撃力3000→3800
ブレイクソードの持つ剣、その折れた刃先が紫色に光り、強化される。これで敵のモンスターの守備力を上回った。伏せカードが気になる所だが、攻められる時に攻めるべきだろう。
幸い、『幻影剣』には対象となったモンスターの破壊を肩代わりする効果がある。バレットは覚悟を決め、戦闘に移る。
「バトルだ。ブレイクソードでスターシップ・ギャラクシー・トマホークへ攻撃」
黒馬が蹄を鳴らし、大きく跳躍する。まるで鳥類の飛翔のようなそれ。ブレイクソードはギャラクシー・トマホークの左翼に飛び乗り、自らの刃を赤い紋様目掛けて突き立てようとする。
「無駄だ。永続罠、『ナンバーズ・ウォール』!このカードがフィールドに存在する限り、『No.』と名のついたモンスターはカードの効果では破壊されず、『No.』は『No.』との戦闘以外では破壊されない!」
だが、無意味。ギャラクシー・トマホークの紋様が輝き、ブレイクソードの足元へ巨大化して浮かび上がる。剣は紋様によって防がれ、反発してブレイクソードが振り落とされる。
「……随分と面倒なものを……メインフェイズ2に入り、ブレイクソードのORUを1つ使う。私の場の『幻影剣』と貴様の場の『ナンバーズ・ウォール』を対象とし、破壊する」
バレット達の場に存在する『幻影剣』がブレイクソードの折れた刃先に吸収され、剣の形を取り戻す。そしてその刃先を衝撃波とし飛ばし、イビルーダーの場に存在する『ナンバーズ・ウォール』を真っ二つに切り裂いた。
パリン、硝子の割れるような音と共に砕け散る『ナンバーズ・ウォール』。これで耐性は無くなった。
「私はカードを2枚伏せ、ターンエンド」
ユート&バレット LP4000
フィールド 『幻影騎士団ブレイクソード』(攻撃表示) 『獣闘機パンサー・プレデター』(攻撃表示)
セット2
手札1(ユート) 手札2(バレット)
「オレのターン、ドロー。オレは『ラインモンスターKホース』を召喚」
ラインモンスターKホース 攻撃力800
飛車角が召喚したのは将棋の駒の桂馬を頭部に貼り付け、上半身が鎧武者、下半身が馬のモンスターだ。攻撃力は低く、心許ない。
「Kホースが召喚に成功した時、相手の魔法、罠ゾーンにセットされているカード1枚を選択し、確認して罠カードであった場合、そのカードを破壊する!左のカードを見せてもらおう」
バレットが舌打ちを鳴らし、左に伏せられたカードがオープンされる。確認したカードは『業火のバリア-ファイヤー・フォース』、罠カードだ。Kホースは一足飛びに駆け、手に持った斬馬刀で切り裂く。
「更に、この効果で罠カードを破壊した時、手札から地属性、レベル3モンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する!来い!『ラインモンスタースピア・ホイール』!」
ラインモンスタースピア・ホイール 守備表示500
2体目のラインモンスターが飛車角の元へ躍り出る。次なるカードは黒い輪の中心に香車の駒をつけ、周りに槍を刺したモンスターだ。随分と変わったカードを使う、バレットは感心にも似た表情を見せ、観察を続ける。
「スピア・ホイールの効果!このカード以外の自分フィールド上の獣戦士族、レベル3のモンスター1体を選択し、選択したモンスターとこのカードのレベルはそれぞれの星を合計した数値となる!」
ラインモンスターKホース レベル3→6
ラインモンスタースピア・ホイール レベル3→6
これでレベル6のモンスターが2体フィールドに揃った。手際の良いものだ。本当にこいつ等料理担当か?ユートは感心するよりも呆れてしまう。
「オレは、2体のモンスターでオーバレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ!『No.72ラインモンスターチャリオッツ・飛車』!!」
No.72ラインモンスターチャリオッツ・飛車 攻撃力2500
現れたのは先の2体よりも奇妙なモンスター、塔のような姿をし、胸部に当たる部分は右は赤、左は黄色になっており、特徴である72の紋様が刻まれている。
下半身はまるで昆虫のような4本脚となっており、周囲に飛車の駒に突起物をつけたリングを合成した物を浮かべている。
「……また『No.』か……!」
2体目となる『No.』の登場にユートが唇を噛む。1体でも持て余しているようなものなのに2体目だ。正直勘弁願いたい。
「永続罠、『鉄鎖の獣闘機勲章』発動。相手フィールドにモンスターが特殊召喚された場合、この効果を1度だけ発動できる。このカードが存在する限り、そのモンスターは攻撃できず、表示形式の変更もできない」
バレットの発動したカードより頑強な鎖が伸び、チャリオッツ・飛車を絡めとる。しかし、飛車角は読んでいたとばかりに左手を突き出す。
「その一手は読んでいた!チャリオッツ・飛車のORUを2つ取り除き、『幻影騎士団ブレイクソード』と『鉄鎖の獣闘機勲章』を選択し、発動!選択したカードを破壊する!……この効果を発動したターン、お前が受けるダメージは0になるがな」
チャリオッツ・飛車の周囲のORUが弾け飛び、2つの車輪が回転し、鎖を砕き、勢いを増してブレイクソードに迫る。ブレイクソードも手に持った剣で防ぐが、高速回転する車輪により破壊されてしまう。
「ブレイクソードの効果!エクシーズ召喚されたこのカードが破壊された場合、自分の墓地の同じレベルの『幻影騎士団』モンスター2体を対象とし、レベルを1つ上げて特殊召喚する!」
幻影騎士団ラギッドグローブ 守備力500 レベル3→4
幻影騎士団サイレントブーツ 守備力1200 レベル3→4
ユートが手を翳すと共に、フィールドに2体の『幻影騎士団』が復活する。カードを破壊されても後続のエクシーズモンスターに繋げられる効果、優秀な効果に飛車角は舌打ちを鳴らす。
「ギャラクシー・トマホークのORUを2つ取り除き、効果発動!自分フィールド上に『バトル・イーグル・トークン』を可能な限り特殊召喚する!この効果を発動したターン、お前が受けるダメージが0になるが……些細な事だ」
バトル・イーグル・トークン 攻撃力2000×3
ギャラクシー・トマホークの中より3機のステルス機が姿を見せる。ダメージが無いとは言え、強力だ。後続が残せない事にユートが歯軋りする。
「安心しろ少年。1体位なら後続を残そう」
隣に立うバレットがユートを安心させるように微笑む。どうやら八雲を前に彼本来の冷静さを失っていたようだ。
ポン、と背中を押してくれたバレットを見て、心を落ち着かせる。頼もしい背中だ。彼は常に冷静にデュエルを行っている。自分も見習わねば、とユートは気を引き締める。
「更に永続罠『暴走闘君』!このカードが存在する限り、自分フィールド上のトークンの攻撃力は1000アップし、戦闘では破壊されない!」
バトル・イーグル・トークン 攻撃力2000→3000×3
「さぁバトルだ!チャリオッツ・飛車でラギッドグローブを攻撃!」
チャリオッツ・飛車の車輪が回転し、ラギッドグローブの手甲を砕く。砕け散った手甲の欠片がユート達へ襲いかかり、肌を傷つける。
ダメージがない筈なのに、痛みが現実を侵食している――。別段おかしな事ではない。今までユートは何度も経験してきた事、しかし、その痛みの強さが違う。恐らくは――『No.』の影響か――。
「『バトル・イーグル・トークン』でサイレントブーツを攻撃!」
『バトル・イーグル・トークン』が低空飛行でサイレントブーツへ迫る。
下腹部に当たる部分よりガトリング砲が展開され、銃弾の雨が降り注ぐ。
「2体目の『バトル・イーグル・トークン』でパンサー・プレデターを攻撃!」
続けて2体目の『バトル・イーグル・トークン』が両翼よりレーザーを発射し、パンサー・プレデターの身体を溶かしていく。ダメージが無いとは言え、その余波は強大だ。舞い上がる土煙にユートとバレットは苦い顔を見せる。
「これでお前達の駒は全て無くなった――」
フッ、と飛車角が仮面の下で笑う。だがしかし、バレットは微動だにせず、余裕を見せる。そう、土煙が上がったそこには――2体のモンスターが存在していた――。
「何ぃ!?」
「パンサー・プレデターが戦闘によって破壊された場合、融合素材となったモンスター1組を特殊召喚する」
漆黒の戦士 ワーウルフ 攻撃力1600
キャリア・センチネル 守備力1600
バレットのフィールドに現れたのは黒い毛並みの狼男とトラックのようなモンスター。
「チィッ!3体目の『バトル・イーグル・トークン』で『漆黒の戦士ワーウルフ』を攻撃!」
最後の攻撃がバレットのモンスターへ襲い来る。戦艦の強力な力により、『キャリア・センチネル』以外のモンスターが全て消滅した――。
「1体残ったか……オレはカードを2枚伏せ、ターンエンドだ。この瞬間、『バトル・イーグル・トークン』は母艦へと帰る」
イビルーダー&飛車角 LP3200
フィールド『No.42スターシップ・ギャラクシー・トマホーク』(守備表示) 『No.72ラインモンスターチャリオッツ・飛車』(攻撃表示)
『暴走闘君』セット2
手札1(イビルーダー) 手札2(飛車角)
これで互いの最初のターンが終了する。敵の場には2体の『No.』。さぁ、どう攻略するか――。ユートは眼をキッと吊り上げ、デッキの上へと手を置く――。
八雲とイビルーダーと飛車角は漫画ゼアルのオリキャラです。
スターシップ・アジャスト・プレーンは漫画オリカ、バレットさんの獣闘機はアニメオリカ。
ユートとバレットさんは今の所、互いが敵と言う事に気づいてません。大体寝不足のせい。
料理担当班は意外と強かったりします。でも表で働きたくない。ユート達のデュエルに沢渡さんの子分のごとく茶々を入れるだけ。