遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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刻剣の効果を忘れたり日影と月影を間違えたりして何回か書き直した回。何とか修正しました。



第35話 FREEDOM

「オレのターン、ドロー。刻剣の効果発動!白竜を除外!」

 

「墓地の『スキル・プリズナー』を除外、白竜をモンスター効果から守る!」

 

「魔法カード、『モンスター・ゲート』!刻剣をリリース、通常召喚可能なモンスターが出るまでデッキトップからカードを墓地へ送り、出たモンスターを特殊召喚する!7枚のカードを墓地へ送り、『E・HEROフォレストマン』を特殊召喚!」

 

E・HEROフォレストマン 守備力2000

 

「ペンデュラム召喚!『慧眼の魔術師』!『刻剣の魔術師』!」

 

慧眼の魔術師 攻撃力1500

 

刻剣の魔術師 攻撃力1400

 

「速攻魔法、『禁じられた聖杯』!白竜の効果を無効にし、攻撃力を400アップ!」

 

白竜の忍者 攻撃力2700→3100

 

「墓地より『ギャラクシー・サイクロン』を除外、影縫いの術を破壊!これでビッグベン―Kは戻って来る!」

 

だがこれだけでは終わらない。コナミは右手を天、いや、床へと翳し、背後に宇宙を凝縮させた渦を出現させる。

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!我が戦いはここから始まる!白き翼に望みを託せ、現れろ!No.39!エクシーズ召喚!希望皇ホープ!」

 

No.39希望皇ホープ 攻撃力2500

 

雄々しき咆哮を上げ、金色の鎧を纏った白き皇が現れる。腰より引き抜かれる二刀、肩に描かれた39の紋様。異色のエクシーズモンスター。

この舞網市ではLDSでもなければ扱う者がいない稀少なモンスターに月影は警戒を深める。コナミの場には2体の強力なモンスター。そして厄介な効果を持つ『刻剣の魔術師』。だが日影は焦る様子など全く見せず、此方の様子を伺っている。

 

「バトルだ!ビッグベン―Kで『白竜の忍者』を攻撃!」

 

「『白竜の忍者』をリリースし、永続罠、『忍法 分身の術』を発動!デッキより『渋い忍者』と『赤い忍者』を裏側守備表示で特殊召喚する!」

 

「分身の術にチェーンして『増殖するG』を切る!」

 

渋い忍者 守備力2200→2500

 

赤い忍者 守備力300→600

 

コナミ 手札0→1

 

ボフンッ、と『白竜の忍者』が姿を消すと同時に銀と赤の強烈な色彩を放つ『忍者』が見参し、木目のある隠れ蓑で姿を隠す。ピタッ、と貼りついた簑は壁と一体化し、本当にいるのかどうか疑ってしまう。

 

「セット状態の『渋い忍者』へ攻撃する!」

 

「『渋い忍者』がリバースした時、手札、墓地より『忍者』モンスターを任意の数だけ裏側守備表示で特殊召喚する!拙者はシンゲツとHANZOをセットする!」

 

黄昏の忍者―シンゲツ 守備力100→400

 

忍者マスターHANZO 守備力1000→1300

 

コナミ 手札1→2

 

ボフン、またもや煙がモクモクと立ち上がり、新たな『忍者』が天井や畳へと隠れていく。次々と芋づる式に現れるモンスターにコナミは渋い顔を見せる。

 

「希望皇ホープでSASUKEに、『刻剣の魔術師』で『赤い忍者』へ攻撃!」

 

風魔 日影&風魔 月影 LP4000→3300

 

白刃を輝かせ、皇と『魔術師』が日影のモンスターを切り裂く。これでもまだ相手フィールドにモンスターが存在するのだから面倒だ。

 

「メインフェイズ2、『刻剣の魔術師』とシンゲツを除外する。道連れになってやるよぉ!」

 

「『エフェクト・ヴェーラー』を捨て、刻剣の効果を無効!」

 

「墓地の『スキル・プリズナー』を除外、刻剣を対象にするその効果を無効!」

 

一体何のスイッチが入ったのか、コナミが口の端を持ち上げ、らしからぬ顔芸を見せると同時にシンゲツが異次元に穴に落ち、それを守るように『刻剣の魔術師』が手を掴み、共に落ちていく。

 

「オレはカードを2枚セット、ターンエンドだ」

 

コナミ&権現坂 昇 LP2600

フィールド『超重武者ビッグベン―K』(守備表示) 『No.39希望皇ホープ』(攻撃表示)

セット1

Pゾーン『賤竜の魔術師』 『竜穴の魔術師』

手札0(コナミ)手札3(権現坂)

 

コナミのターンが終了すると同時に再びフィールドが変形する。壁に隔てられ、日影が移動しようと踵を返したその時。

ズガァァァァァンッ!と激しい轟音と共に壁が破壊され塵埃が舞う。誰もが予期できないだろう突然の出来事に唖然とした表情をその場にいた月影も合わせて壁に向ける。

 

「言っただろう。ここから先は思い通りにはならないと」

 

憮然とした顔で瓦礫を足で退かしながら現れたのはコナミだ。右手を強く握っているが拳で砕いたのだろうか。圧倒的な身体能力に忍者である2人ですら戦慄する。

マスクで隠された口がピクピクと動き、「うそやろ……?」と驚愕しているようにも見える。

 

「そして……修理代は払わない……!」

 

屑である。絶対に払わないと確固たる意志を持つその瞳はどこぞの元キングに似ている。苦労するのはM字デコの箒頭である。

 

「これから先、オレはこのフィールドを壊して壊して壊しまくる。モンスターと共に地を蹴り砕き、宙を舞い踊り、フィールド内を粉砕する。これがアクションデュエルだ」

 

「その理屈はおかしい」

 

アクションデュエル(物理)の開始を宣言するコナミに思わず日影がツッコミを入れる。だが成程、これより先は忍者の力を全力で行使せねばならないようだ。

 

「拙者のターン、ドロー!」

 

「罠発動、『貪欲な瓶』!墓地のカードを5枚デッキに戻し、ドロー!」

 

コナミ 手札0→1

 

「墓地の『シャッフル・リボーン』を除外、『破邪の魔法壁』をデッキに戻し、ドロー!」

 

風魔 月影 手札4→5

 

「拙者は『忍者マスターHANZO』を反転召喚」

 

忍者マスターHANZO 攻撃力1800

 

「速攻魔法、『捕違い』発動!このターン、互いにドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加えられない!」

 

「くっ、ならば魔法カード、『強欲で貪欲な壺』!」

 

風魔 月影 手札4→6

 

「このカードは『忍者』モンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる!HANZOをリリースし、アドバンス召喚!『黄昏の忍者将軍―ゲツガ』!!」

 

黄昏の忍者将軍―ゲツガ 攻撃力2000

 

月影がタンッと後ろに跳び障子を破る。どうやら外は最初に対面した時の庭園のようだ。月影の背後より三日月を2つ重ねた兜を被り、背に太陽と月、そして雲を象ったような紋様が描かれた旗を差した3つ腕の『忍者』が矛を手にして現れる。

 

「墓地のSASUKEとHANZOを対象としてゲツガの効果発動!このカードを守備表示に変更し、対象のモンスターを特殊召喚する!」

 

忍者マスターSASUKE 攻撃力1800

 

忍者マスターHANZO 攻撃力1800

 

「そして魔法カード、『モンスター・ゲート』!HANZOをリリースし、デッキトップから通常召喚可能なモンスターが出るまでカードを墓地に送り、モンスターならば特殊召喚する!1、2『黄昏の中忍―ニチリン』を特殊召喚する!」

 

黄昏の中忍―ニチリン 攻撃力2300

 

HANZOが太陽を背に煙となって消える。そして巨体を誇る『忍者』へと変化する。日輪を模した仮面、赤いマフラー、膨れ上がった筋肉を持つ新たな『忍者』の登場にコナミはデュエルディスクを構え直す。

 

「バトル!ニチリンで攻撃!この瞬間、手札から『ジュラゲド』を特殊召喚!」

 

ジュラゲド 攻撃力1700

 

「効果でLPを1000回復!」

 

風魔 日影&風魔 月影 LP3300→4300

 

「攻撃続行!ニチリンでホープへ!」

 

「希望皇ホープのORUを1つ取り除き、攻撃を無効にする!ムーンバリア!」

 

「続けてSASUKEでビッグベン―Kへ攻撃!」

 

「ホープの効果発動!」

 

SASUKEが幾つものクナイや手裏剣を投擲し、ビッグベン―Kを破壊しようとする。しかしビッグベン―Kの前にホープが現れ、自らの翼を盾として差し出す。

金属がぶつかり合う音が響き、クナイや手裏剣がカランと音を立てて落ちる。

これで攻撃は凌いだが、同時にホープのORUが無くなった。

 

「『ジュラゲド』でホープを攻撃!」

 

「ORUのないホープが攻撃対象となった事で破壊される……!」

 

「メインフェイズ2、カードをセットし、リバースカード、オープン!魔法カード、『エクスチェンジ』を発動!互いの手札を1枚交換する!拙者は『モンスター・ゲート』を奪い、発動!SASUKEをリリースし、1、2、3、4……来い、『霞の谷の巨神鳥』!」

 

霞の谷の巨神鳥 攻撃力2700

 

SASUKEが煙に包まれ、中より金色の翼が伸びる。羽ばたきと共に煙は晴れ、SASUKEの姿の代わりにそこにはオレンジ色の鶏冠を持つ金色の怪鳥の姿。

金切り声の如く高く張りつめた鳴き声を天へと放ち、コナミを睨む。

 

「ターンエンド。『シャッフル・リボーン』の効果で手札を1枚除外」

 

風魔 日影&風魔 月影 LP4300

フィールド『黄昏の忍者将軍―ゲツガ』(守備表示) 『黄昏の中忍―ニチリン』(攻撃表示) 『霞の谷の巨神鳥』(攻撃表示)『ジュラゲド』(攻撃表示)

『忍法 分身の術』

手札2(日影) 手札1(月影)

 

再びフィールドが変形する為に壁が現れ、3人を分断しようとする。しかし今のコナミには無駄。壁に向かって駆け、握り締めた拳を振り抜く。

ズガァッシャァァァァァッ!と激しい破壊音が響き、新たなフィールドに足を踏み入れる。

 

「……漸く合えたな……権現坂」

 

「……お前も無茶をするな」

 

「男なら無茶の1つもする」

 

ガラガラと崩れる壁を尻目に木造の道場へと降りるコナミ。そんなコナミに苦笑いを溢し、呆れた様子を見せる権現坂。

これで漸く2対2のタッグデュエルらしくなってきた。

 

「後、すまんが俺のデッキはフルモンでな。モンスター以外を墓地に送られては少し困る。申し訳ないが」

 

「む、気をつけておこう」

 

並び立つコナミと権現坂。2人はその口元に笑みを描き、拳をぶつけ合う。コツン、その動作だけで2人は友達の友達から、ただの友達になれた気がした。

 

「さて、俺のターン、ドローッ!」

 

ゴウッ、権現坂が眉根を上げ、キリッとした表情で勢い良くドローする。烈風を引き起こすそれは塵埃を巻き上げ、フィールドを晴らしていく。

 

「スタンバイフェイズ、刻剣とシンゲツが戻る。刻剣と巨神鳥を除外!」

 

「墓地の『スキル・プリズナー』を除外し防ごう!」

 

「ペンデュラム召喚!『カードガンナー』!」

 

カードガンナー 攻撃力400

 

「効果発動!デッキトップから3枚のカードを墓地に送り、攻撃力1500アップ!」

 

カードガンナー 攻撃力400→1900

 

「墓地の『シャッフル・リボーン』を除外、『カードガンナー』を戻してドロー!」

 

権現坂 昇 手札3→4

 

「俺は『超重武者タマ―C』を召喚!」

 

超重武者タマ―C 攻撃力100

 

「俺はレベル8の『超重武者ビッグベン―K』にレベル2の『超重武者タマ―C』をチューニング!荒ぶる神よ、千の刃の咆哮と共に砂塵渦巻く戦場に現れよ!シンクロ召喚!いざ出陣!『超重荒神スサノ―O』!」

 

超重荒神スサノ―O 守備力3800

 

木造の道場に翡翠の武神が姿を見せる。守備力3800。その圧倒的な数値に日影達も動揺を示す。

 

「俺は手札の『超重武者装留ダブル・ホーン』を2回攻撃の装備カードとしてスサノ―Oに装備する!バトルだ!スサノ―Oでゲツガと巨神鳥へ攻撃!クサナギソード・斬!」

 

巨大な角の装飾がついた鎧を纏い、スサノ―Oが自慢の太刀を振るう。鋭き斬撃は怪鳥を真っ二つに裂き、更にはゲツガの喉元へ届こうとする。

 

「手札の『青い忍者』を捨て、ニチリンのもう1つの効果発動!このターン、自分フィールド上の『忍者』モンスターと忍法カードは破壊されない!」

 

風魔 日影&風魔 月影 LP4300→3200

 

しかしゲツガの前に日輪を模した障壁が発生し、スサノ―Oの刀を防ぐ。まさか2つの効果を有していると思わなかったのか、権現坂は苦い顔を見せる。

 

「メインフェイズ2、『刻剣の魔術師』を守備表示に。これで俺はターンエンドだ。『シャッフル・リボーン』の効果で手札を1枚除外」

 

コナミ&権現坂 LP2600

フィールド『超重荒神スサノ―O』(守備表示) 『刻剣の魔術師』(守備表示)

『超重武者装留ダブル・ホーン』

Pゾーン 『賤竜の魔術師』 『竜穴の魔術師』

手札1(コナミ) 手札1(権現坂)

 

ガコン、またもフィールドが変形しようとするも無意味。コナミが隔てられようとする壁を掴み、強引にこじ開ける。ミシミシと壁に亀裂を走らせ、悲鳴が上がる。

その驚異的な握力を前にして忍者兄弟は冷や汗を垂らす。

 

「どうした?お前のターンだろう。日影」

 

「ッ!拙者のターン、ドロー!シンゲツを反転召喚!魔法カード、『マジック・プランター』!分身の術をコストにドロー!」 

 

風魔 日影 手札2→4

 

「速攻魔法、『魔力の泉』!3枚ドローし、1枚捨てる!」

 

風魔 日影 手札3→6→5

 

「ゲツガを攻撃表示にし、効果発動!HANZOとSASUKEを蘇生!」

 

「手札の『D.D.クロウ』を捨て、HANZOを除外!」

 

忍者マスターSASUKE 攻撃力1800

 

「ぬぅっ、3枚の永続魔法、『冥界の宝札』を発動。ゲツガと『ジュラゲド』をリリース!アドバンス召喚!『黒竜の忍者』!」

 

黒竜の忍者 攻撃力2800

 

日影のフィールドに新たなる『忍者』モンスターが姿を見せる。黒い装束に身を包み、恐ろしい竜の姿をした影を這わせた青年型のモンスター。その不気味な姿に権現坂のフィールドに座すスサノ―Oが刀に手をかける。

 

「『冥界の宝札』の効果により、計6枚のカードをドロー!」

 

風魔 日影 手札1→7

 

「フィールド魔法、『チキンレース』!LPを1000払い、1枚ドロー!」

 

風魔 日影&風魔 月影 LP3200→2200

 

風魔 日影 手札6→7

 

「魔法カード、『貪欲な壺』!墓地のモンスターを5体デッキに戻し、2枚ドロー!」

 

風魔 日影 手札6→8

 

「手札の『機甲忍者アクア』と『機甲忍法ゴールド・コンバーション 』を墓地へ送り、スサノ―Oを対象として『黒竜の忍者』の効果発動!対象としたモンスターを除外する!」

 

「墓地の『スキル・プリズナー』を除外してスサノ―Oを対象とする黒竜の効果を無効!」

 

「させぬ!速攻魔法、『禁じられた聖槍』!黒竜の攻撃力を800ダウンし、魔法、罠への耐性を与える!」

 

黒竜の忍者 攻撃力2800→2000

 

「この効果は黒竜がフィールドより離れれば元に戻るが……構わない。さぁ、バトルだ!シンゲツで刻剣へ攻撃!」

 

「墓地の『超電磁タートル』を除外、バトルフェイズを終了!」

 

「カードを2枚セット、ターンエンド」

 

風魔 日影&風魔 月影 LP2200

『黄昏の中忍―ニチリン』(攻撃表示)『黒竜の忍者』(攻撃表示) 『黄昏の忍者―シンゲツ』(攻撃表示)『忍者マスターSASUKE』(攻撃表示)

『冥界の宝札』×3セット2

『チキンレース』

手札3(日影) 手札0(月影)

 

最早、聞き慣れた歯車の音が響き、フィールドが回転する。窓を突き破る日影と月影を追い、コナミ達が出たそこはーー城の外。瓦が敷き詰められた屋根だ。ガシャガシャと音を鳴らし、コナミは青い空を仰ぐ。

 

「ーー空は広いな」

 

「……コナミ?」

 

バサバサとジャケットを風に靡かせ、コナミはゴーグルごと赤い帽子を抑えて呟く。

視線の先には流れいく白い雲。そして広く澄みきった青い空。輝く太陽を見上げ、コナミは手を翳す。まるで、掴み取るように。

 

「世界は広い。オレの見てきたものはまだまだ狭いものだったと思い知らされる。見た事の無いカード、闘った事の無いデュエリスト。想像するだけでワクワクが止まらない!閉じた世界でなんてジッとしていられない!」

 

ニィッと満面の笑みを貼りつけ、コナミは両腕を広げる。こんな場所では危険な行為だが持ち前の平衡感覚がコナミを支える。

そして他の3人、いや、デュエルを見守る暗次やねねも観戦室でその晴れやかな笑顔に見とれて言葉が出ない。

 

「舞網チャンピオンシップーーそこへ行けば、これ以上のワクワクを味わえるのか?」

 

口元に弧を描き、日影と月影の2人へ問いかけるコナミ。2人はフッ、と呆れたように溜め息を吐き、真剣な表情でコナミに答える。

 

「それはーー自分の目で確かめてみよ」

 

「……フッ、その為に、勝利を頂こう!オレのッ、ターン!!」

 

そのドローは、虹色のアークを空に描く。まるでそれは、コナミの行く先を祝福するかのように眩き光に満ち溢れていた。

 

「黒竜の効果発動!手札の『忍者』と『忍法』を墓地へ送り、刻剣を除外!」

 

「墓地の『スキル・プリズナー』を除外、黒竜の効果を無効にする!」

 

「まだだ!速攻魔法、『禁じられた聖槍』!黒竜の攻撃力を800ダウンし、耐性を与える!」

 

「ならこっちはアクションマジック、『透明』を発動し、刻剣を守る!」

 

「ぬぅっ!永続罠、『スピリット・バリア』!モンスターがいる限り、戦闘ダメージを0に!」

 

黒竜の忍者 攻撃力2800→2000

 

「『チキンレース』の効果でドロー!」

 

コナミ&権現坂 昇 LP2600→1600

 

コナミ 手札2→3

 

「魔法カード、『強欲で貪欲な壺』!」

 

コナミ 手札2→4

 

「永続魔法、『闇の護封剣』相手の場全てのモンスターをセット!」

 

「ニチリンの効果をチェーン!『忍者』を手札から捨て、『忍者』に戦闘耐性を与える!」

 

「墓地の『シャッフル・リボーン』を除外、『闇の護封剣』を戻してドロー!」

 

コナミ 手札3→4

 

「『刻剣の魔術師』の効果でシンゲツと共に除外!更にニチリンと黒竜をリリースし、お前達のフィールドに『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』を特殊召喚!」

 

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム 守備力2500

 

「『黒竜の忍者』はフィールドを離れ、スサノ―Oが特殊召喚される!」

 

超重荒神スサノ―O 攻撃力2400

 

コナミの鮮やかなプレイによってスサノ―Oがフィールドに舞い戻る。だがまだだ。まだコナミが勝利するには、まだ一手足りない。

だから呼ぶのだ。自身が信頼するカードを。

 

「揺れろ!光のペンデュラム!虚空に描け魂のアーク!ペンデュラム召喚!」

 

コナミのペンデュラムゾーンに存在する『魔術師』が広大なる青空に光の魔方陣を作り出し、振り子を揺らす。右へ左へ、左へ右へ。赤、青、黄、七色の色彩を放ち、天空より2体の竜がその雄叫びを大気に震わせて現れ出でる。

 

「出でよ、絶望の暗闇に差し込む、眩き救いの光!『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』!世にも珍しい二色の目を持つ龍!『オッドアイズ・ドラゴン』!」

 

オッドアイズ・ドラゴン 攻撃力2500

 

オッドアイズ・セイバー・ドラゴン 攻撃力2800

 

出でたるは主にそっぽを向く白銀の鎧を纏い、金色の剣を背負った竜と赤と緑、2色の眼を宿し、胸に宝玉を抱いた真紅の竜。まるで惹かれ合うように共鳴し、雄々しい咆哮を上げる。

 

「さぁ、バトルだ!オットセイでラヴァ・ゴーレムへ攻撃!効果により、SASUKEを破壊!」

 

コナミが右手を突き出し、指示を飛ばすと同時『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』が斬撃を放つ。その鋭い刃はラヴァ・ゴーレムとSASUKE、2体のモンスターを容易く薙ぎ倒す。

 

「スサノ―Oでダイレクトアタック!」

 

「墓地のアクアを除外、攻撃を無効に!」

 

「これでーー終わりだ!『オッドアイズ・ドラゴン』!ダイレクトアタック!スパイラルーーフレイムッ!!」

 

風魔 日影&風魔 月影 LP2200→0

 

真紅の炎が渦巻き、日影達の視界を焦がす。光の粒子が舞い散り、空に赤き竜の咆哮が響き渡る。権現坂、そしてコナミは今、舞網チャンピオンシップへの出場資格をーーその手に、掴んだ。

 

ーーーーーー

 

舞網市のある一角、そこでは4人のデュエリストが対峙し、互いの想いをぶつけ合っていた。4人の内、3人はLDSの各コーストップの3人組、光津 真澄。刀堂 刃。志島 北斗。

そして反対方向で立つ男はーー赤いスカーフを巻き、草臥れたコートを纏い、猛禽類のような目付きをした男ーー黒咲 隼。

 

「成程。確かに貴様等は今までの奴等とは違い、少しは骨があるようだーーだが」

 

黒咲がその手をデッキへと翳し、スッ、と目を細める。3人のフィールドには『ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ』。『XX―セイバーガドムズ』。『セイクリッド・トレミスM7』。それぞれの切り札が集い、黒咲のエクシーズモンスター、『RRライズ・ファルコン』を打ち砕いた。しかし、その程度では黒咲に敗北など欠片もない。そんな時。

 

『乱入ペナルティ、2000ポイントダメージ』

 

不意に、ノイズがかった音声が響き渡る。その音声に黒咲が一早く反応し背後を振り返る。

太陽を背にし、つばの欠けた黒い帽子を被り、首に重々しいヘッドフォンをかけた少年。その傍らには白い装甲を纏い、金色に光輝く翼を広げた自身の4本の腕と6本の攻撃的な爪が伸びた腕を持つ皇。

 

「……なん……で……?」

 

真澄の口より、掠れた声が漏れる。黒い、死神。その姿を確認すると同時にーー3人の意識が、途切れた。




と言う訳で6連戦決着。最後の方は3人組が強化されてるし多少はね……?返しのターンでソウルシェイブフォースでレヴォリューションされますが。
黒いの「来ちゃった☆」
茄子「もう……勝手に離れるのやめてクレメンス……」
と言う感じ。デュエル終了後、黒いのはまた別行動して黒咲さんは原作通りにLDSに入り、3人組は記憶を消されました。怖いね。
次回はデュエル無し回です。

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