遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

61 / 202
オッドアイズ・レイジング・ドラゴン「チィーッス、センパァーイwww」

オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン「」

ろくな活躍がなかったオベリオン君、ついに互換が出る。
バーンに3回攻撃が出来るとは言え、格下しか破壊出来ないから架空デュエルで使いにくい。
オベリオンのお墓を立てるウラ……。


第56話 邪悪な竜

「俺のタァァァァンッ!!」

 

開始された遊矢対勝鬨のデュエル。先攻は遊矢だ。彼はその身に纏ったどす黒い瘴気を右腕に集わせ、デッキから5枚のカードを引き抜く。

普段の遊矢よりも荒々しさを増したような挙動だ。思わず勝鬨は額から汗を伝わせる。一体どんなカードで攻めて来るのか分からない。それこそが遊矢の恐ろしい所だろう、対策しようにも、予想だにしていない手を隠している。

 

「魔法カード、『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキトップから10枚を除外し、2枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札4→6

 

「魔法カード、『手札断殺』!互いに2枚の手札を入れ替える」

 

「ならば自分は手札の1枚をアクションカードで代用しよう」

 

「俺は『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』と『EMインコーラス』でペンデュラムスケールをセッティング!インコーラスのペンデュラム効果を発動!このカードのスケールを7に変更、これでレベル5から6のモンスターが同時に召喚可能!」

 

天上に伸びる2つの柱、その中に遊矢のエースモンスターである真紅の体躯にオッドアイを輝かせ、その胸に宝玉を抱き、三日月を背負った竜、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』とエンターテイナーである遊矢を表す『EM』モンスターの1体、色彩が派手な3羽のインコが並んだカード、『EMインコーラス』が現れる。更に晴れた青空に光の線が幾重にも結ばれ、巨大な魔方陣が描かれる。そして――。

 

「揺れろ魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!出でよ、我が僕のモンスター!『EMキングベアー』!」

 

EMキングベアー 攻撃力2200

 

魔方陣に孔が開き、輝く柱がフィールドに落ちる。瞬間、纏われた光は粉となって霧散し、中よりモンスターが姿を見せる。

その巨躯に見合わぬ小さな王冠を頭に被り、威風溢れるマントを靡かせた大熊の『EM』。その爪を振るい、獰猛に吠える。

 

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド。この瞬間、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』のペンデュラム効果を発動!このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスター、『EMペンデュラム・マジシャン』をサーチする!」

 

榊 遊矢 LP4000

フィールド『EMキングベアー』(攻撃表示)

セット1

Pゾーン『EMインコーラス』

手札2

 

「自分のターン、ドロー!随分と大人しい出だしだな、自分としてはもっと暴れてくれても構わないがな……!自分は2枚の永続魔法、『炎舞―「天枢」』を発動し、『暗炎星―ユウシ』を召喚!」

 

暗炎星―ユウシ 攻撃力1600→1800

 

勝鬨が召喚したのは山吹色に燃える熊を従えた勇猛な武人。熊には熊をと言う事なのか、その効果もキングベアーに通じるものだ。狙い澄ましたようなカードの登場、その主である勝鬨は不敵に笑う。

 

「キングベアーは攻撃表示の場合、魔法、罠では破壊されない……しかし、モンスター効果は別だ。ユウシはフィールドの『炎舞』カードをコストにモンスターを破壊する。そしてその前に、天枢の効果で『勇炎星―エンショウ』を召喚!」

 

勇炎星―エンショウ 攻撃力1600→1800

 

2体目の『炎星』モンスターはユウシと同じく、夕日のように燃え盛る大猿を背負った武人。このカードはユウシと対になるカードだ。『炎舞』カードをコストに、魔法、罠を破壊する効果を持つ。

 

「エンショウの効果を使い、『炎舞―「天枢」』をコストに『EMインコーラス』を破壊!」

 

「墓地の『スキル・プリズナー』を除外し、『EMインコーラス』をモンスター効果から守る」

 

「さて、ユウシの効果発動!『炎舞―「天枢」』を墓地に送り、キングベアーを破壊する!バトルだ!ユウシでダイレクトアタック!」

 

熊の形をした炎がキングベアーへと襲いかかり、その巨躯を焼き尽くす。同じ熊でもユウシの熊は動物が最も恐れる炎だ。如何に王者の名を冠していてもそれは変わらず、破壊され、追撃の火の粉が遊矢へと降りかかる。

だがこの程度の火の粉を浴びる程、遊矢は甘くは無い。王者が倒れようと、覇王は決して屈する事なく、逆に食らいつく。

 

「永続罠発動――『EMピンチヘルパー』!1ターンに1度、相手の直接攻撃を無効にし、デッキから効果を無効にして『EM』モンスターを特殊召喚する!俺は『EMジンライノ』を特殊召喚する!」

 

EMジンライノ 守備力1800

 

ユウシの攻撃を無効にし、遊矢が壁として呼び出したのは鋼鉄の肉体を持つ犀のモンスターだ。

守備力は1800、勝鬨のモンスターを上回っており、後の展開の布石となる効果を有したカード、その登場に勝鬨は「ほう」と小さく呟く。

 

「ならばメインフェイズ2に移行し、2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『魁炎星王―ソウコ』!」

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力2200

 

次なる手はエクシーズ、勝鬨は2体の獣戦士族を素材に、炎の白虎を纏った『炎星』の王を召喚する。その溢れんばかりの闘気はその場全員の肌をピリピリと緊張させ、虎の咆哮は空気を震撼させる。

 

「ソウコがエクシーズ召喚した時、デッキから『炎舞』魔法、罠カードをセットする!『炎舞―「天キ」』をセットし、オープン!デッキのレベル4以下の獣戦士族モンスター、『立炎星―トウケイ』をサーチし、獣戦士族モンスターの攻撃力を100アップする!」

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力2200→2300

 

「カードを2枚セットしてターンエンドだ」

 

勝鬨 勇雄 LP4000

フィールド『魁炎星王―ソウコ』(攻撃表示)

『炎舞―「天キ」』セット2

手札2

 

「俺のターン、ドロー!俺は『EMラクダウン』をペンデュラムスケールにセッティングし、インコーラスのスケールを7に変更、ペンデュラム召喚!『EMキングベアー』!『EMペンデュラム・マジシャン』!」

 

EMキングベアー 攻撃力2200

 

EMペンデュラム・マジシャン 攻撃力1500

 

現れたる2体の『EM』モンスター。1体は先程のターンに姿を見せた熊の王者、キングベアー。もう1体は『EM』のキーカードとなる厄介なモンスター、派手な赤の衣装に身を包み、振り子を手にしたマジシャン、『EMペンデュラム・マジシャン』だ。

このカードが登場すれば『EM』達は右へ左へと駆け回る大忙しのサーカス団となる。

 

「ペンデュラム・マジシャンの効果!特殊召喚時、自分のフィールドのカードを2枚まで破壊し、デッキから『EM』を破壊したカードの数だけサーチする!俺はペンデュラムゾーンの2枚を破壊し、『EMドクロバット・ジョーカー』と『EMギタートル』を加える!そして『EMドクロバット・ジョーカー』を召喚!」

 

EMドクロバット・ジョーカー 攻撃力1800

 

ステップを刻み、ペンデュラム・マジシャンと並ぶ『EM』の大役者が姿を見せる。トランプのマークを衣装に散りばめ、黒い仮面とシルクハットを被った道化のカード。

彼はその腕にボロボロのデュエルディスクらしいものをポン、と煙を上げて出現させ、デッキトップを黄金色に輝かせ、そのカードをドローして遊矢に投げる。

 

「ドクロバット・ジョーカーの召喚時、デッキから『EMリザードロー』をサーチし、ギタートルと共にセッティング!ギタートルの効果で1枚ドロー!更にリザードローを破壊し、1枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札1→2→3

 

この流れこそ遊矢の『EM』デッキの特徴、ペンデュラム・マジシャンでカードをサーチし、サーチしたカードで更に手札を増やす。これによりフィールドのカードを増やしながら手札は減っていないと言う結果が生まれるのだ。『EM』には優秀なサーチが揃っており、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』のペンデュラム効果が加わる事によってその確率は更に高まる。

 

「ペンデュラム・マジシャンとドクロバット・ジョーカーの2体でオーバーレイ・ネットワークを構築!漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!エクシーズ召喚!現れろ!『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』ッ!!」

 

そして2体のレベル4モンスターを束ね、反逆の逆鱗を唸らせる漆黒の竜がフィールドに降り立つ。鋭利な刃物となった両翼と尾を振るい、霧を晴らし、身体中に走る真紅の紋様を妖しく輝かせる。何より目を引くのは顎より伸びた牙。赤き雷を迸らせ、ユートの竜が今、降臨した。

 

「『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』のORUを2つ取り除き、ソウコを対象として効果発動!ソウコの攻撃力を半分にし、その数値をダーク・リベリオンに加える!トリーズン・ディスチャージ!」

 

「させん!永続罠、『炎舞―「天権」』を発動!メインフェイズ1の間、ソウコの効果は無効となり、このカード以外の効果を受けない!そして共通効果により、攻撃力を300上げる!」

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力2200→2500

 

ダーク・リベリオンの両翼の宝玉より赤き雷が駆け抜け、ソウコへと襲いかかる。『フォース』を内蔵した強力で汎用性の高い効果だ。

しかし勝鬨とて負けてはいない。直ぐ様永続罠を使う事で、ソウコの周囲に緑色の炎が吹き出し、雷を防ぐ。同時に攻撃力の強化を行う事で、ダーク・リベリオンと並ばせた。

 

「バトル!キングベアーの効果を発動し、フィールドの『EM』カードの数×100攻撃力をアップする!」

 

EMキングベアー 攻撃力2200→2600

 

フィールドに存在する『EM』はモンスターゾーンのキングベアー自身とジンライノ、魔法、罠ゾーンの『EMピンチヘルパー』とペンデュラムゾーンの『EMギタートル』の4枚。よって上昇値は400、ソウコの攻撃力と並んだ。

 

「ソウコを攻撃!」

 

「アクションマジック、『ティンクル・コメット』!キングベアーの攻撃力を1000ダウンし、500のダメージを与える!」

 

EMキングベアー 攻撃力2600→1600

 

榊 遊矢 LP4000→3500

 

ここで勝鬨が反撃の手を打つ。これでキングベアーの攻撃力が1000ダウンし、ソウコの攻撃力が上回る。打点勝負においては勝鬨が上なのか、ソウコのカウンターが炸裂し、火炎が遊矢を襲う。

 

榊 遊矢 LP3000→2500

 

「……俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

榊 遊矢 LP2500

フィールド『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』(攻撃表示)『EMジンライノ』(守備表示)

『EMピンチヘルパー』セット1

Pゾーン『EMギタートル』

手札2

 

エクストラデッキや手札のカードを補充し、アドバンテージを稼ぐ遊矢とモンスターの攻撃力を上げる事で迎撃し、ペースを自分のものとする勝鬨。

手数を増やし、一気に仕掛けて来た所で流れを変えられたのは大きいだろう。流石は優勝候補の1人と言えよう。

 

「自分のターン、ドロー!その邪悪な竜が原因か?何故か見ていると酷く落ち着かん。自分は天権を墓地に送り、魔法カード、『マジック・プランター』を発動!デッキから2枚ドローする!」

 

勝鬨 勇雄 手札2→4

 

「そして永続魔法、『炎舞―「揺光」』を発動!手札のトウケイを捨て、表側表示で存在する『EMピンチヘルパー』を破壊し、獣戦士族モンスターの攻撃力を100アップする!」

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力2200→2300

 

ソウコの背後で燃える虎が吠え、遊矢のフィールドの永続罠、『EMピンチヘルパー』を割る。攻撃無効に加え、デッキから『EM』をリクルートするカードだ。2回攻撃を防ぐ事が出来るこのカードは早めに処理しておきたい。

 

「まだ行くぞ!チューナーモンスター、『炎星師―チョウテン』を召喚!」

 

炎星師―チョウテン 攻撃力500→600

 

フィールドに現れる『炎星』達を導く轟炎導師。他の『炎星』とは違い、動物の形をした炎を伴わず、自身が炎の精霊となっている。

 

「チョウテンの召喚時効果により、墓地の守備力200以下の炎属性、レベル3モンスター、『立炎星―トウケイ』を守備表示で特殊召喚!」

 

立炎星―トウケイ 守備力100

 

チョウテンの導きを受け、紫色の炎の鶏がフィールドを飛翔し、2振りの短槍を肩に担いだ武将が姿を見せる。

 

「トウケイが炎星モンスターの効果で特殊召喚に成功した時、デッキから『炎星』モンスター1体を手札に加える!自分がサーチするのは『勇炎星―エンショウ』!そして揺光を墓地へ送り、デッキの『炎星―「天枢」』をセット、オープン!新たに得た召喚権でエンショウを召喚!」

 

勇炎星―エンショウ 攻撃力1600→1800

 

「そしてエンショウの効果で天キを墓地へ送り、そのセットカードを破壊する!」

 

エンショウの効果を使い、遊矢の防御壁を破壊する勝鬨。伏せられていたカードは『臨時収入』。ドローソースだ。

 

「レベル3のトウケイにレベル3のチョウテンをチューニング!シンクロ召喚!『炎星候―ホウシン』!」

 

炎星候―ホウシン 攻撃力2200→2300

 

エクシーズに続き、シンクロ召喚、星を繋ぐ召喚法により、炎の馬に跨がった武人が駆け抜ける。攻撃力は2200。決して高い数値とは言えないが、『炎舞』カードのサポートで400ポイント引き上げられる。

 

「ホウシンがシンクロ召喚した時、デッキから炎属性、レベル3モンスター、『英炎星―ホークエイ』を特殊召喚!」

 

英炎星―ホークエイ 守備力1500→2000

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力2600→2800

 

炎星候―ホウシン 攻撃力2600→2800

 

勇炎星―エンショウ 攻撃力2100→2300

 

ホウシンの効果により、黄金の鷹の形をした炎を連れた弓の武人がフィールドに降り立つ。その効果は『炎舞』が存在する場合、『炎星』達の攻守を500アップする戦闘補助。これで更にモンスターが強化される。

 

「バトル!エンショウで『EMジンライノ』を攻撃!」

 

エンショウの攻撃により、鉄壁の硬度を持つ犀が砕かれる。そしてモンスターを破壊した事により、エンショウの効果が発動される。

 

「エンショウが戦闘によってモンスターを破壊し、墓地に送った時、デッキから『炎舞』魔法カードをセットする。『炎舞―「天キ」』をセット!そしてホウシンでダーク・リベリオンを攻撃!この瞬間、永続罠、『炎舞―「天セン」』を発動!ホウシンの攻撃力を700アップ!共通効果で全体を300アップ!」

 

炎星候ホウシン 攻撃力2800→3800

 

魁炎星王ソウコ 攻撃力2800→3100

 

勇炎星エンショウ 攻撃力2300→2600

 

英炎星ホークエイ 攻撃力1000→1300

 

「手札の『EMバリアバルーンバク』を捨て、戦闘ダメージを0にする」

 

ホウシンが炎の馬を駆り、赤き稲妻走らせる邪悪な竜を打ち倒す。断末魔の咆哮を上げ、フィールドから散る竜を確認し、これで遊矢の呪縛も解けるかと勝鬨は無言で視線を運ぶが――。

 

「まだ、のようだな」

 

相も変わらず、遊矢の顔つきは険しいまま、それ所か先程よりも身に纏う闇の瘴気が濃くなっている。真紅の眼は血を思わせるものになっており、勝鬨を射抜かんばかりに睨んでいる。一応言葉は通じるようだが、やはり遊矢では無い。人間離れした何かの気配をひしひしと勝鬨は感じ取る。

 

「遊矢……!こうなっては俺も……!」

 

「待て権現坂。ここは最後まで自分が闘おう。自分の男としての覚悟を通させてくれ」

 

様子の変わらない遊矢を見て、我慢の限界だと言わんばかりに権現坂がデュエルディスクを構えるが、勝鬨がそれを制する。これは1対1のデュエル、確かに2人で遊矢を止める事は正解だろう。しかし、それは勝鬨の意地が許さない。闇に生きた者にしか分からない事もある。勝鬨の覚悟が籠った目を見て、権現坂が引き下がる。

 

「……分かった……だがもしもお前でも止められない場合は――」

 

「分かっている。自分もそこまで馬鹿ではない」

 

「……」

 

「おい、何だその、いや、馬鹿じゃね?と言う目は。まぁ良い。ソウコでダイレクトアタック!」

 

続く猛虎の炎撃、白き炎を吹き上げ、地中を通して激しい火柱が遊矢へと駆け抜け襲いかかる。

これが通れば勝鬨の勝利、しかしそう簡単にいくなら遊矢はここまで勝ち上がっていない。この程度、遊矢にとって逆境でも何でも無いのだ。

 

「手札の『EMギッタンバッタ』を捨て、墓地の『EMバリアバルーンバク』の効果発動!守備表示で蘇生する!」

 

EMバリアバルーンバク 守備力2000

 

先程遊矢をダメージから守った風船のように丸いバクが墓地より浮かび上がり、炎を受け止め、弾け飛ぶ。これでこのターンの攻撃を防ぎ、ダメージも0、しかもこの効果で蘇生したバリアバルーンバクは除外されない為、手札にコストさえあれば直接攻撃を1回は防ぐ事が出来ると言う訳だ。

手札を増す事が容易な『EM』では条件は揃えやすいだろう。

 

「フ、やはり手強いな……メインフェイズ2に入り、天キをオープンし、チョウテンをサーチ、獣戦士族モンスターの攻撃力をアップする」

 

魁炎星王―ソウコ 攻撃力3100→3200

 

炎星候―ホウシン 攻撃力3800→3900

 

勇炎星―エンショウ 攻撃力2600→2700

 

英炎星―ホークエイ 攻撃力1100→1200

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ。さて、邪悪な竜が消えた今、どう出る……?」

 

勝鬨 勇雄 LP4000

フィールド『魁炎星王―ソウコ』(攻撃表示)『炎星候―ホウシン』(攻撃表示)『勇炎星―エンショウ』(攻撃表示)『英炎星―ホークエイ』(守備表示)

『炎舞―「天枢」』『炎舞―「天キ」』『炎舞―「天セン」』セット1

手札1

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、『金満な壺』を発動!エクストラデッキのリザードローと墓地のドクロバット・ジョーカー、ペンデュラム・マジシャンの3体のペンデュラムモンスターをデッキに戻し、2枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札0→2

 

「そして『EMペンデュラム・マジシャン』をスケールにセッティング!ギタートルの効果で1枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札1→2

 

「そして『EMヘイタイガー』を召喚!」

 

EMヘイタイガー 攻撃力1700

 

遊矢が召喚したのは赤い軍服を着用した虎の兵士。戦闘で相手モンスターを破壊した上で墓地に送る事で『EM』をサーチする効果を持ち、ドクロバット・ジョーカー等の登場で価値は下がったものの、それでも充分な効果だ。

 

「ペンデュラム召喚!『EMインコーラス』!『EMラクダウン』!」

 

EMインコーラス 守備力500

 

EMラクダウン 守備力1800

 

次に振り子の召喚でフィールドに現れたのは色鮮やかな3羽のインコとシルクハットを被ったラクダのモンスター。低いステータスであり、守備表示と戦闘に介する事は無いだろうが、遊矢の狙いはそこではない。

ペンデュラム召喚自体がこの状況に亀裂を入れる。

 

「この瞬間、ペンデュラム・マジシャンの効果により、『EM』モンスターの攻撃力を1000アップする!」

 

EMヘイタイガー 攻撃力1700→2700

 

EMインコーラス 攻撃力500→1500

 

EMラクダウン 攻撃力800→1800

 

そう、フィールドに『EM』モンスターがペンデュラム召喚された場合、ペンデュラム・マジシャンには『EM』モンスターの攻撃力を1000アップする効果がある。この効果を使い、ヘイタイガーの打点を上げたのだ。

 

「バトル!ヘイタイガーでホークエイを攻撃!」

 

「ホークエイが相手に破壊された場合、デッキの『炎舞』魔法カードをセットする!天キをセット!」

 

「ヘイタイガーの効果で『EMドクロバット・ジョーカー』をサーチ!カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

榊 遊矢 LP2500

フィールド『EMヘイタイガー』(攻撃表示)『EMインコーラス』(守備表示)『EMラクダウン』(守備表示)

セット1

Pゾーン『EMギタートル』『EMペンデュラム・マジシャン』

手札1

 

「自分のターン、ドロー!天キをオープンし、『微炎星―リュウシシン』をサーチ!」

 

魁炎星―ソウコ 攻撃力2700→2800

 

炎星候―ホウシン 攻撃力2700→2800

 

勇炎星―エンショウ 攻撃力2200→2300

 

「天キを墓地へ送り、エンショウの効果でギタートル破壊!そしてリュウシシンを召喚!」

 

微炎星―リュウシシン 攻撃力1800→2300

 

フィールドに現れる山吹色の火竜を何体も引き連れた武人。流れるような展開、迷う事無き動作が遊矢を追い詰める。

 

「フィールドの天キと天センを墓地へ送り、リュウシシンの効果発動!墓地のトウケイを蘇生する!」

 

立炎星―トウケイ 攻撃力1500→1600

 

「トウケイの効果で『炎星師―チョウテン』をサーチ!そしてエンショウとリュウシシンでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『間炎星―コウカンショウ』!」

 

間炎星―コウカンショウ 攻撃力1800→1900

 

2度目のエクシーズ、紅冠鳥を肩に乗せた大導士が姿を見せる。攻撃力は低いが、その効果は強力。暗黒寺とのデュエルでも大きく貢献した。それが今、遊矢へと向かう。

 

「そしてトウケイの効果で天枢とデッキの『炎舞―「玉衝」』を交換する!」

 

「ッ!罠発動!『エンタメ・フラッシュ』!相手フィールド上の攻撃表示モンスター全てを守備表示にする!」

 

玉衝はセットされた魔法、罠の発動を封じるカード、遊矢は本能でその危険性を感じ取り、先手を打つ。これで勝鬨のモンスターはこのターン、遊矢を攻撃出来なくなった。しかし効果は無効化されていない。勝鬨は即座に切り替え、コウカンショウの周囲で回転するORUを弾け飛ばせる。

 

「コウカンショウのORUを2つ取り除き、自分の墓地の天キと天枢と、お前の墓地の『EMジンライノ』とフィールドの『EMペンデュラム・マジシャン』をデッキにバウンスする!自分はこれでターンエンドだ」

 

勝鬨 勇雄 LP4000

フィールド『魁炎星王―ソウコ』(守備表示)『間炎星―コウカンショウ』(守備表示)『炎星候―ホウシン』(守備表示)『立炎星―トウケイ』(守備表示)

セット2

手札3

 

「ドクロバット・ジョーカーを召喚!」

 

EMドクロバット・ジョーカー 攻撃力1800

 

「召喚時効果でリザードローをサーチ、ギタートルとセッティングして破壊!ギタートルと合わせて2枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札0→1→2

 

「魔法カード、『ペンデュラム・コール』を発動!デッキの『相克の魔術師』と『相生の魔術師』をサーチ!墓地の『シャッフル・リボーン』を除外し、ギタートルをデッキに戻して1枚ドロー!そして『強欲で貪欲な壺』を発動!」

 

榊 遊矢 手札2→3→4

 

苛烈でありながら鮮やかなタクティクス。研ぎ澄まされた本能が理性をも支配し、遊矢のデュエルを加速させる。惜しむらくは相手が本物の榊 遊矢では無い事か、見事な手管も闇に堕ちていなければ素直に称賛出来ただろう。そして今、2体の『魔術師』が遊矢のフィールドに柱となって伸びていく。

 

「『相克の魔術師』と『相生の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル3から7のモンスターを同時に召喚可能!ペンデュラム召喚!雄々しくも美しく輝く2色の眼!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力2500

 

真紅と翡翠の眼を輝かせ、燃えるような赤の体躯を震わせる遊矢のエースカード。その背に三日月を負い、胸に青き宝玉を抱いた竜。雄々しい遠吠えが大気を震撼させ、勝鬨がおもわず後ずさる。

 

「手札のアクションカードを1枚墓地へ送り、魔法カード、『カード・フリッパー』発動!相手モンスター全ての表示形式を変更する!更にフィールドの『オッドアイズ』とラクダウンをリリース!灼熱の地より生還せし獣よ!龍の眼と一つとなりて新たな力を生み出さん!出でよ!野獣の眼光りし獰猛なる龍!『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』ッ!!」

 

ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力3000

 

勝鬨のエクシーズ、シンクロモンスターに対抗し、遊矢が両手を合わせ、融合モンスターを特殊召喚する。青い毛並みを伸ばし、獣の骨を身体に纏った野生の竜。その額では黄金の眼が開き、敵と見定めた獣戦士を睨む。

 

「バトル!ヘイタイガーでトウケイを、ドクロバット・ジョーカーでコウカンショウを攻撃!」

 

勝鬨 勇雄 LP4000→3900

 

虎の兵士と道化師による双撃がトウケイとコウカンショウに炸裂し、2体を破壊する。ドクロバット・ジョーカーは相討ちだが、ペンデュラムモンスターの為、そう簡単な話では無いだろう。

 

「ヘイタイガーの効果でEMカレイドスコーピオンをサーチし、ビーストアイズでソウコを攻撃!ヘルダイブバーストッ!!」

 

獣の眼が見開き、ビーストアイズはそのアギトより獄炎を放つ。強大な炎の波はソウコの白虎をも呑み込み、炎が相手でも焼き尽くす。

ソウコの効果は『炎舞』カードを3枚墓地に送らなければ使用できない。魔法、罠カードのスペースを空けたいが為とは言え、迂闊だったと勝鬨は舌打ちを鳴らす。

 

勝鬨 勇雄 LP3900→3800

 

「更にビーストアイズの効果により、素材となったラクダウンの攻撃力800のダメージを与える!」

 

勝鬨 勇雄 LP3100→2300

 

ビーストアイズの攻撃が実体化し、火の手が勝鬨を焦がさんばかりに燃え盛る。合計1600のダメージ。しかしLPよりも身体へのダメージが大きく、あの勝鬨さえも苦悶の表情を作り、息を切らす。土を鳴らしながら後退り、足跡の形が抉れていく。たたらを踏みながらも倒れる事が無いのは流石と言うべきか。

 

「……ッ!効かないな……笑えもしないぞ、今のお前の攻撃ではな……!」

 

ニヤリと口角を吊り上げ、その額から冷や汗を垂らしながら必死に強がる勝鬨。だがあながち、これは嘘では無い。

勝鬨にとって本当に笑えるデュエルは遊矢本来のエンタメデュエル。闇に堕ちた彼は見ているだけで黒歴史を掘り起こされて苦笑いしかでない。

 

「ッ!カードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

榊 遊矢 LP2500

フィールド『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』(攻撃表示)『EMヘイタイガー』(攻撃表示)『EMインコーラス』(守備表示)

セット1

Pゾーン『相克の魔術師』『相生の魔術師』

手札1

 

「自分のターン、ドロー!リバースカードオープン!『炎舞―「玉衝」』!セットカードの発動を封じ、獣戦士族モンスターの攻撃力を100アップ!そしてホウシンを攻撃表示に!」

 

炎星候―ホウシン 攻撃力2200→2300

 

「『炎星師―チョウテン』を召喚!」

 

炎星師―チョウテン 攻撃力500→600

 

「チョウテンの効果で墓地のトウケイを蘇生する!」

 

立炎星―トウケイ 守備力100

 

「トウケイの効果で『暗炎星―ユウシ』をサーチ!そして玉衝を墓地に送り、3枚目の天枢をセット、オープン!効果でユウシを追加召喚!」

 

暗炎星―ユウシ 攻撃力1600→1700

 

「天枢を墓地に送り、ユウシの効果でビーストアイズ破壊!」

 

山吹色に燃える炎を操り、ユウシがビーストアイズを撃破する。これで難関を突破した。残るモンスターはヘイタイガーとインコーラス、厄介なのはインコーラスか。

このモンスターは戦闘で破壊されればペンデュラムモンスター以外の『EM』の呼び出す。バリアバルーンバクを呼ばれれば手こずる上に手札のカレイドスコーピオンを捨てて蘇生されてしまう。だが――それでも、進むしかない。

 

「更にレベル3のトウケイにレベル3のチョウテンをチューニング!シンクロ召喚!『炎星候―ホウシン』!」

 

炎星候―ホウシン 攻撃力2200

 

「ホウシンの効果でデッキの『英炎星―ホークエイ』を特殊召喚!」

 

英炎星―ホークエイ 守備力1500

 

「バトルだ!ホウシンでヘイタイガーを攻撃!」

 

「罠発動――『幻獣の角』!発動後、ヘイタイガーの装備カードとなり、攻撃力を800アップする!」

 

EMヘイタイガー 攻撃力1700→2500

 

ホウシンがヘイタイガーに向かい、破壊を試みるも届かない。遊矢の発動したカードにより、ヘイタイガーの頭に2本の角が生え、両手の爪が禍々しさを得て伸びていく。兵士から猛虎へと変わったヘイタイガーが逆にホウシンを切り裂く。

 

勝鬨 勇雄 LP2300→2000

 

「ヘイタイガーの効果で『EMペンデュラム・マジシャン』をサーチ!『幻獣の角』の効果で1枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札2→3

 

「チッ、面倒な……!ユウシでインコーラスを攻撃!」

 

「インコーラスの効果で『EMロングフォーン・ブル』を特殊召喚!」

 

EMロングフォーン・ブル 守備力1200

 

インコーラスが破壊される間際、美しい音色を運び、それに応えるべく、角にかけた電話を鳴らしながら牡牛のモンスターが姿を見せる。

 

「ロングフォーン・ブルが特殊召喚に成功した場合、デッキからペンデュラムモンスター以外の『EM』を手札に加える!『EMバリアバルーンバク』を手札に!」

 

「ホウシンでロングフォーン・ブルを攻撃!」

 

勝鬨のモンスターによる攻撃と遊矢のカード効果による応酬が火花を散らす。結果的にヘイタイガー以外のモンスターを制したものの、状況は遊矢の方が有利だ。

優勝候補と互角以上の闘いを繰り広げる素晴らしい成長振りだが喜ぶ事は出来ない。戦術は遊矢のものであっても、デュエルをしているのは遊矢では無いからだ。むしろ勝手に遊矢の戦法を、カードを使う何者かの存在が苛立たしい。

 

「自分はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 

勝鬨 勇雄 LP2000

フィールド『炎星候―ホウシン』(攻撃表示)『暗炎星―ユウシ』(攻撃表示)『立炎星―トウケイ』(守備表示)

セット2

手札1

 

「俺のターン、ドロー!ペンデュラム召喚!『EMカレイドスコーピオン』!『EMペンデュラム・マジシャン』!『EMラクダウン』!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力2500

 

EMカレイドスコーピオン 守備力2300

 

EMペンデュラム・マジシャン 攻撃力1500

 

EMラクダウン 守備力1800

 

フィールドに集う4体のモンスター、『オッドアイズ』と『EM』。雄々しき竜と愉快なカード達がデュエルを更に加速させる。特にペンデュラム・マジシャンの厄介さは最早言うまでも無いだろう。

 

「ペンデュラム・マジシャンの効果でペンデュラムゾーンの2枚を破壊し、『EMオッドアイズ・ユニコーン』と『EMマンモスプラッシュ』を手札に加える!そのままセッティングし、魔法カード、『置換融合』を発動!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』と『EMペンデュラム・マジシャン』を融合!融合召喚!出でよ!秘術ふるいし魔天の龍!『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』ッ!!」

 

ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力3000

 

魔天の龍が宙を駆る。背の三日月を、満月を思わせる金色のリングへと変え、左目を金属で覆った真紅の竜。遊矢のデッキではビーストアイズと共に最高の攻撃力を有するモンスターだ。

その効果も強力無比、フィニッシャーに相応しい性能だ。

 

「この瞬間、マンモスプラッシュのペンデュラム効果発動!エクストラデッキから『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を特殊召喚!!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力2500

 

更にマンモスプラッシュの効果を使い、たった今エクストラデッキに送られたばかりの『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』がフィールドに戻る。だがまだまだ、遊矢の手は止まらない。

 

「墓地の『置換融合』を除外し、墓地の融合モンスター、『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』をエクストラデッキに戻し、1枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札1→2

 

「フィールドの『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』とラクダウンをリリースし、『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を特殊召喚!!」

 

ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力3000

 

再びフィールドに現れ、魔天の竜の隣に並ぶ獣の眼。知性と野生、2つの相反する力を宿したオッドアイの竜、その双眸と獰猛なる咆哮が勝鬨に吹き荒れる。

紫雲院 素良の影響を受け、発現した融合の力、強力な切り札が今、フィールドに顕現する。

 

「更にヘイタイガーを対象にカレイドスコーピオンの効果発動!このターン、ヘイタイガーは特殊召喚された全てのモンスターに攻撃出来る!やれ!ヘイタイガー!」

 

勝鬨 勇雄 LP2000→1700→800

 

「ヘイタイガーと『幻獣の角』の効果発動!『EMシール・ウール』をサーチし、3枚ドロー!」

 

榊 遊矢 手札3→6

 

カレイドスコーピオンの全体攻撃とヘイタイガーのサーチ効果、『幻獣の角』のドロー効果を合わせた強力なコンボ、それにより大量の手札が遊矢へと渡る。合計手札6枚、ここまで展開しておいて尽きる所か増えている。

 

「この瞬間を待っていた!罠発動!『裁きの天秤』!お前のフィールドと自分のフィールドと手札の差、4枚をドローする!」

 

勝鬨 勇雄 手札1→5

 

しかし勝鬨も反撃の手を取る。『炎星』デッキには相性が良いとは言えないが、この状況では強力なドローソースだ。

 

「止めだ!ルーンアイズ、ビーストアイズで攻撃!」

 

「手札の『バトルフェーダー』を特殊召喚し、バトルフェイズを終了する!」

 

バトルフェーダー 守備力0

 

勝鬨が手札からデュエルディスクに差し込んだのはバトルフェイズ自体を終了させる最上級の防御札。これならばルーンアイズの効果を受けない効果もすり抜ける事が出来る。

小さな悪魔のモンスターが鐘を鳴らし、バトルフェイズを終了する。

 

「俺はカードを3枚伏せ、ターンエンド」

 

榊 遊矢 LP2500

フィールド『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』(攻撃表示)『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』(攻撃表示)『EMヘイタイガー』(攻撃表示)『EMカレイドスコーピオン』(守備表示)

『幻獣の角』セット3

Pゾーン『EMオッドアイズ・ユニコーン』『EMマンモスプラッシュ』

手札3

 

互いに凌ぎを削る熱きデュエル。次第に遊矢が押していく中、それでも勝鬨は諦めない。どれだけ傷つこうと、肩で息を切らしながらもその瞳からは闘志は消えない。

闇の中は暗く、冷たく、何より、寂しい。苦しみもがく友を見捨てる事等、彼には出来ない。彼が自分を救ってくれた時のように、勝鬨もまた、救いの手を差し伸べる。闇の瘴気に包まれ、血色の眼を向ける遊矢。そんな彼は、勝鬨の知る遊矢ではない。彼の知る遊矢は――。

 

「……遊矢――自分は――」

 

不意にその口元に薄い笑みを描き、目を細める勝鬨。思い起こすのは、昔、自分が梁山泊塾へと入る前の記憶。

とぼとぼと歩む彼の目に、河川敷でデュエルする親子の輝く笑顔が写り込む。その眩い笑顔は、夕日に映え、彼には何よりも暖かいものに見えて――。

 

「お前に、憧れていたんだ――!」

 

蘇るありし日の記憶。ぽつぽつと呟き始める勝鬨に、遊矢は答えない。だが――闇に堕ちた今の彼に、勝鬨は光を見出だす。

その光は――昔見た、夕日の暖かさと、似ていた――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ロジェ長官のカードのOCG化やレベステの禁止とアニメで超融合が出たりと最近色々衝撃を受ける中、一番驚いたのはコナミ君がデュエルリンクスでメタルスライム扱いで登場するらしいと聞いた事です。良かったねコナミ君。
ところでタッグフォースはまだです?デュエルリンクスのモブ可愛いから攻略したいんですけど。SP?まずブルーアイズをリリースしてブルーアイズを出すのをやめてね、攻略キャラも少ないし、早くバレットさんとデュエルしたい。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。