遊戯王ARC―V TAG FORCE VS   作:鉄豆腐

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ズァークの効果判明やゴヨウ・ガーディアンが去勢されて釈放されるとかで驚く中、一番驚いたのはコズミック・ブレイザー・ドラゴンのOCG化。
もうこれで何がカード化しても驚かない。新作主人公の藤木君が霞んじゃったよ……。


第69話 俺もいるぞ!

「やれ!レヴォリューション・ファルコン!『古代の機械三頭猟犬』を攻撃!レヴォリューショナル・エアレイドォッ!」

 

オベリスク・フォースR LP1100→0

 

オベリスク・フォースS LP1800→0

 

オベリスク・フォースT LP200→0

 

「ぐぉぉぉぉぉっ!?」

 

「こっちもクライマックスだ!『EMディスカバー・ヒッポ』!『EMオールカバー・ヒッポ』!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』で攻撃!螺旋のストライク・バースト!!」

 

オベリスク・フォースU LP500→0

 

オベリスク・フォースV LP800→0

 

オベリスク・フォースW LP2600→0

 

「がぁぁぁぁぁっ!!」

 

砂塵舞う遺跡エリア。そこでは復活した遊矢と隼が猛威を奮っていた。飛び交う革命のハヤブサと2色の眼を持つ真紅の竜。あとカバ。まるで嵐の如く2人は誰にも止められない。

互いに背を合わせ、不敵に笑いながらデュエルディスクを構え直す。その様は長い間共に闘っていた戦友のように固い信頼に溢れている。

 

「ガッチャ!良いデュエルだったぜ、隼!お前さっきより強くなってるんじゃないか?」

 

「当然だ。今ならお前にも負けんぞ」

 

『言われているぞ遊矢』

 

「うっし、もう1回デュエルするか?」

 

「上等だ、貴様のカバを焼き尽くしてやる」

 

互いに軽口を交わし合い、口喧嘩を始める2人。喧嘩する程仲が良いと言う事だろうか、歯を剥き出しにしてメンチを切り合う2人の様子を見て、ユートが呆れて溜め息を吐き出し、苦笑する。

こんな光景、隼が憎しみに捕らわれていた頃では考えられなかっただろう。それも彼を救ってくれた遊矢のお蔭か。ギャーギャーと騒ぎ、互いの頬をつねる2人を保護者よろしく生暖かい目で見つめる。

うん、うるさい。ここら辺は前の方が良かったかもしれない。

 

「大体何だそのカバは!お前の武器はペンデュラムだろう!アドバンス召喚する事無いんだから今すぐデッキから抜け!横でチラッと目が合うとそのカバ、ムカつくドヤ顔しやがった!」

 

「抜きません~!ヒッポは『超カバー・カーニバル』でどこからでも持って来れるって言うメリットがあるんです~!それに皆の人気者だしぃ?ボッチの隼とは違うんです~!」

 

「ボッチじゃない!ユートとかアレンとかサヤカは……俺の事どう思ってるか分からんが謝り倒して仲直りする予定だし――」

 

思い返すのはエクシーズ次元でいた頃、ある少女が親切心と友情の証で妹に本人にとっても大切なカードだったのにも関わらず、一方的に軽はずみの行動と決めつけ、渡そうとしたのを乱暴に弾いた事。

もしもエクシーズ次元へと戻った時、彼女には何としてでも謝りたいと隼は思う。

 

「お、お前もいる……」

 

「お、おう……な、なんか照れるな、へへ……」

 

「……い、今更照れるんじゃない、し、親友、だろ……?」

 

何これ。目の前の茶番を一部始終見て、ドン引きするユート。喧嘩をしていると思ったら直ぐ様2人は頬を染め、鼻の頭を擦って目を逸らしている。正直親友のユートでさえ隼がここまでデレるとは思ってなかった。

しかし男のツンデレなんて誰得な上にユートの守備範囲から大きく外れている為、気持ち悪いだけである。

 

「ええい良い加減にしろ!任務外だから見逃そうと思っていたら男同士でイチャイチャと気持ち悪い!」

 

「おい……放っておいてやれ、俺達の今回の任務にはデュエルは入ってないんだ」

 

と、そこでユートの心中を代弁するかのような叫び声が木霊する。遊矢と隼、そしてユートがその先へと視線を移してみると、そこにいたのは2人のオベリスク・フォース。

しかし身に纏う闘気は他のオベリスク・フォースとは比べ物にならない。どうやら大物の登場らしい。3人は一気に気を引き締め、警戒を示す。

 

「ふん、少しはマシな奴が来たと言う事か」

 

「ハッ!この俺様を他の雑魚共と一緒にするな。あんなデュエリストの誇りも知らん奴とは違う!」

 

「……どう違うんだ?隼、俺にはコピペにしか見えないんだけど」

 

「手抜きじゃない!好きでこんなダサい格好せんわ!こっちにも色々事情があってだな……!まぁ、良い、俺様の事はオベリスク・フォース・サンダーとでも呼ぶが良い!」

 

「なら俺はオベリスク・フォース・エアーとでも名乗っておこう」

 

仮面の額に青い宝玉を嵌め込んだサンダーが遊矢のコピペ発言に激昂し、名乗りを上げ、黄色い宝玉を嵌め込んだエアーもそれに続く。

しかしエアーが名乗った瞬間、その場全員が驚愕しながら彼の方へ振り向き、サンダーも声を震わせながらエアーを指差す。

 

「あれ……エアーいたの?」

 

「いたよっ!ずっと前から!お前とは2人1組で行動してるだろっ!このやり取り何回目だよ!?」

 

「……気づいたか遊矢。あのエアー?とか言う奴、全く気配が無かった……!出来る……!」

 

「ああ、何も無い所からいきなり現れ、……また消えた……!?」

 

『馬鹿な……!』

 

「いるよ!消えて無い所か一歩も動いてないよ!馬鹿にしてんのか!」

 

どうやらこのエアーと言う男、影が薄いらしい。この場全員が彼の存在の無さに戦慄し、エアーが苛立ち、顔を真っ赤に染めて地団駄を打つ。仮面なので真っ赤なのかは分からないが。

エアー、その名に恥じない空気っぷりである。しかしそれを認めない彼は怒り、左腕に巻きつけたデュエルディスクより剣型のプレートを展開する。

 

「デュエルだ!そんな気は無かったがこうなったらデュエルで俺の存在を認めさせてやる!」

 

「良いぞエ、エアー?やっべ、本名もうろ覚えだ……その意気だ!」

 

「何でお前までうろ覚えなんだサンダー!?」

 

仲間であるサンダーにまで本名を忘れられそうな男、エアー。まるで漫才のような2人のやり取りを見て、遊矢と隼、そしてユートは呆気に取られながらもデュエルディスクを構える。

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

先攻はエアーだ。彼は鼻息荒くデッキより5枚のカードを引き抜き、その実力を発揮させ始める。

 

「俺は魔法カード、『テラ・フォーミング』を発動し、フィールド魔法、『岩投げエリア』をサーチし、発動!そして『電磁石の戦士γ』を召喚!」

 

電磁石の戦士γ 攻撃力800

 

現れたのは緑色の体躯に電気を帯びた磁石の戦士。『マグネット・ウォリアー』シリーズの新たなモンスターだ。どうやらこの2人は他のオベリスク・フォースとは本当に違うらしい。

その事実に隼は違和感を覚える。どんなに強い者であろうと、オベリスク・フォースならば『アンティーク・ギア』を使う筈だが――。

 

「γの効果!手札からレベル4以下の『マグネット・ウォリアー』、『電磁石の戦士β』を特殊召喚!」

 

電磁石の戦士β 攻撃力1500

 

次にエアーが召喚したのは赤い金属の身体に頭、手に磁石を嵌め、電気を帯びた『マグネット・ウォリアー』。

 

「βの効果により、デッキから『電磁石の戦士α』をサーチ、永続魔法、『強欲なカケラ』を発動。カードを1枚セットしてターンエンド」

 

オベリスク・フォース・エアー LP4000

フィールド『電磁石の戦士β』(攻撃表示)『電磁石の戦士γ』(攻撃表示)

『強欲なカケラ』『岩投げエリア』

手札1

 

2体のモンスターを展開し、岩石族モンスターを戦闘から守る『岩投げエリア』を発動、手札には『電磁石の戦士α』。まずまずの出だしだ。

これだけでは別段他のオベリスク・フォースと変わらないが――隼は微かな違和感を覚えながら、デッキからカードを引き抜く。バトルロイヤルルールでは全てのプレイヤーが1ターンを終えねば攻撃は不可能。となれば、守備を固めるべきだ。

 

「俺のターン、ドロー!俺は『RR―ミミクリー・レイニアス』を召喚!」

 

RR―ミミクリー・レイニアス 攻撃力1100

 

現れたのはイエローカラーを基調としたボディの鳥獣族モンスター。本来ならばフィールドに出る事は少なく、デッキから直接墓地に送る事が多いのだが、手札に来てしまっては仕方無い。

 

「そして速攻魔法、『スワローズ・ネスト』を発動。ミミクリー・レイニアスをリリースし、デッキから同じレベル4の鳥獣族モンスター、『RR―バニシング・レイニアス』を特殊召喚!」

 

RR―バニシング・レイニアス 攻撃力1300

 

次に特殊召喚したのは『RR』の切り込み役、緑色のカラーリングをした機械鳥だ。翼を広げ、空高く飛翔する。

 

「墓地のミミクリー・レイニアスを除外し、『RR―トリビュート・レイニアス』をサーチし、バニシング・レイニアスの効果で特殊召喚!」

 

RR―トリビュート・レイニアス 攻撃力1800

 

お次は青く煌めく鋭い嘴と周囲に浮遊したファンネルが特徴的な『RR』。これにより、ミミクリー・レイニアスが手札に来てしまった事を帳消しにする。

 

「トリビュート・レイニアスの効果でデッキから『RR―レディネス』を墓地に送る。そして永続魔法、『RR―ネスト』を発動!効果により、デッキから『RR―ファジー・レイニアス』をサーチ!そして2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!冥府の猛禽よ、闇の眼力で真実を暴き、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!エクシーズ召喚!『RR―フォース・ストリクス』!」

 

RR―フォース・ストリクス 守備力2000

 

2体の猛禽が重なり、1体の梟となって姿を見せる。天空に来る『RR』のキーカード。このカードが隼の布陣を強固なものへと変える。1ターン目から容赦無しの隼へと、ユートが檄を飛ばす。

 

『いけ、隼!』

 

「俺はフォース・ストリクスのORUを1つ取り除き、デッキから『RR―シンギング・レイニアス』をサーチし、特殊召喚!」

 

RR―シンギング・レイニアス 守備力100

 

RR―フォース・ストリクス 守備力2000→2500

 

「更にフィールドに『RR』が存在する事でファジー・レイニアスを特殊召喚!」

 

RR―ファジー・レイニアス 守備力1500

 

RR―フォース・ストリクス 守備力2500→3000

 

更なる展開、仲間の『RR』の囀ずりと翼の下に2体の『RR』が駆けつける。これで再びレベル4のモンスターが2体、隼はその左腕を突き出し、カッ、と鋭い目を見開く。

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『RR―フォース・ストリクス』!」

 

RR―フォース・ストリクス 守備力2000→2500×2

 

「そして2体目のORUを取り除き、『ミミクリー・レイニアス』をサーチし、墓地に送ったファジー・レイニアスの効果で同名をサーチ!カードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 

「この瞬間、βをリリースし、効果発動!デッキからレベル4の『マグネット・ウォリアー』、『磁石の戦士δ』を特殊召喚!」

 

磁石の戦士δ 守備力1400

 

エアーがその手を翳し、電磁石の戦士が放電により発光し、音を立てて変形する。現れたのは三角形の身体をバネで組み合わせ、頭、手、足に磁石を纏わせたモンスター。随分と前衛的なフォルムをしており、玩具のようだ。

 

「δが召喚、特殊召喚した時、デッキから『磁石の戦士α』を墓地に送る」

 

黒咲 隼 LP4000

フィールド『RR―フォース・ストリクス』(守備表示)×2

『RR―ネスト』セット1

手札4

 

「ふん、やっと俺のターンか、試してやろう貴様達の実力がアカデミアに通じるか。ドロー!俺は手札の『サンダー・ドラゴン』を捨て、デッキから同名カードを2体サーチ!魔法カード、『テラ・フォーミング』を発動。フィールド魔法、『ユニオン格納庫』をサーチし、発動。効果処理としてデッキから『A―アサルト・コア』を手札に加え、召喚!」

 

A―アサルト・コア 攻撃力1900

 

サンダーの手より召喚されたモンスターはオレンジがかったイエローボディの蠍を模したような機械のモンスター。脚の裏にあるキャタピラを回転させて移動し、尾に装備にしたレーザー砲で敵を狙い撃つ。

 

「そして『ユニオン格納庫』の効果発動!自分フィールドに機械族、光属性のユニオンモンスターが召喚、特殊召喚された場合、そのモンスターに装備可能な同名以外の機械族、光属性のユニオンモンスター1体をデッキから装備する!」

 

「デッキから装備だと!?」

 

これぞ『ユニオン格納庫』の恐るべき効果。発動処理としてカードを1枚サーチした上、そのサーチしたユニオンを召喚すれば更に対応するユニオンを装備する。結果的に2枚のカードをサーチしているのだ。そしてフィールド魔法である為、このカード自体のサーチ手段も多い。

 

「俺は『B―バスター・ドレイク』を装備!」

 

ガシャン、サンダーのフィールドに緑色の機竜が登場する。飛行機のような薄い翼に2連のカノン砲を背負い、小型恐竜の如く低い姿勢で現れたそのモンスターは身体を分断、変形させ、アサルト・コアの尾の左側に装備にされる。

 

「永続魔法、『前線基地』を発動!手札より『C―クラッシュ・ワイバーン』を特殊召喚!」

 

C―クラッシュ・ワイバーン 攻撃力1200

 

更に現れるユニオンモンスター。紫色の体躯を持ち、身体の半分以上を占める翼を広げ、後退した脚と刺々しい尾を伸ばし、ミサイルを装備した、飛竜を模したモンスター。これでフィールドにA、B、C、3体のユニオンモンスターが揃った。

 

「そしてA、B、Cの3体を除外し、融合召喚!『ABC―ドラゴン・バスター』!!」

 

ABC―ドラゴン・バスター 攻撃力3000

 

ガシャン、3体のモンスターがそれぞれパーツを分裂させ、変形して合体する。アサルト・コアのキャタピラにバスター・ドレイクの翼を、尾に2体の竜が張り付き、その背にクラッシュ・ワイバーンの翼が、竜の身体の側面に、カノン砲とミサイルポッドが装備される。

ユニオン合体、完成、『ABC―ドラゴン・バスター』。その姿に遊矢が興奮し、目を輝かせる。

 

「合体だ……合体した……!」

 

「チープな合体モンスターだな。俺のアルティメット・ファルコンの方が数段格好良いぞ、遊矢。ん?」

 

『張り合うな』

 

「ふぉぉぉぉぉ」と感動する遊矢を見て、何故か対抗心を燃やした隼がしきりに自分のモンスターの格好良さを力説する。実はこの男、遊矢の事をかなり気に入っているのでは無いだろうか?そう言えば、とユートは彼がライズ・ファルコンのプラモを手作りした事を思い出す。そうして見ると造形の方にも対抗意識があるのかもしれない。

 

「フ、見惚れるが良い!手札を1枚捨て、フォース・ストリクスを対象としてドラゴン・バスターの効果発動!対象のモンスターを除外する!」

 

「何――?ぐっ!」

 

手札1枚を相手カード1枚の除外へと変える効果。単純ながらも強力なものだ。ドラゴン・バスターの発射するレーザー、キャノン、ミサイルを受け、フォース・ストリクスが異次元へと葬られる。墓地を頻繁に利用する『RR』にとってこれは手痛い。

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ。良い事を教えてやろう、ドラゴン・バスターの効果は相手ターンだろうと発動可能だ!」

 

『ッ、そう来るか』

 

更に驚くべき事実。この強力な効果が相手のターンでも発動出来る等、考えたくも無い。恐ろしいカードだ。ユートの言葉に頷きながら遊矢は気を引き締める。

間違いない。相手は他のオベリスク・フォースよりも高い実力を有している。

 

オベリスク・フォース・サンダー LP4000

フィールド『ABC―ドラゴン・バスター』(攻撃表示)

『前線基地』セット1

『ユニオン格納庫』

手札1

 

「俺のターン、ドロー!俺は『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』と『EMドラネコ』でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

「『EM』……?それが雑魚共を倒した貴様の武器か!俺は手札を1枚捨て、ドラゴン・バスターの効果により、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を除外する!正しくドラゴン・バスターと言う訳だ!フハハハハ!」

 

「速攻魔法、『禁じられた聖杯』!これでドラゴン・バスターの効果を無効に――」

 

『よし、これで――』

 

「見事――と言いたいが、雑魚の足掻き程滑稽なものは無い!チェーンしてドラゴン・バスターの最後の効果を発動!このカードをリリースし、除外されている機械族、光属性のユニオンモンスター、3種を特殊召喚する!逆順処理だ!A、B、Cを特殊召喚!」

 

A―アサルト・コア 守備力200

 

B―バスター・ドレイク 守備力1800

 

C―クラッシュ・ワイバーン 守備力2000

 

ドラゴン・バスターが自ら『融合解除』し、3つに分かれ、それぞれのパーツを取り戻し、3体がフィールドに舞い戻る。チェーン3、これで終了し、チェーン2へと時は逆巻いていく。

 

「チェーン2、遊矢の聖杯が処理されるが――」

 

「対象のモンスターがフィールドに存在しない為、不発ぅ!そして最後の処理により、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を除外!それが貴様のエースなのだろう?除外されてしまえば再利用も難しい。不様を晒したな!」

 

遊矢の無効化、それは一見して正解に見えたものだった。しかし、ドラゴン・バスターの分裂により、その効果が不発となり、エースカードである『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』をむざむざ失ってしまった。唇を噛み、拳を握り締める遊矢。これではルーンアイズやビーストアイズを召喚出来ない。しかも相手は3体の素材を残した。

 

『落ち着くんだ遊矢。確かに痛手を被ったが、強力なモンスターなら俺のダーク・リベリオンがいる。それにビーストアイズは『降竜の魔術師』を使えば何とかなる。何よりお前の武器は『EM』の多彩な効果とコンボだろう?』

 

「……そうだな、エースがいないからって開演を諦めるなんてエンタメデュエリスト失格だ。ありがとうユート。そうだ、俺の武器は楽しいコンボと諦めない根性だ!」

 

『フ、行くぞ遊矢!』

 

「応!」

 

焦る遊矢を見かね、ユートが叱咤する。エースを失ったからと言って焦っていてはそれこそ不様。遊矢の武器は他にもある。

遊矢はそれに気づかされ、頬を両手でパンッ、と叩く。ジンジンと熱が頬を覆う。2人は改めて覚悟を決め、デュエルディスクを構える。良いコンビだ。確かな信頼がそこにはある。

 

「ええい生意気な……不様に慌てていれば良いものを!」

 

「悪いね!これ位でへこたれてられないからさ!俺は『EMチェーンジラフ』をセッティング!これでレベル2から4のモンスターを同時に召喚可能!揺れろ!魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!『EMインコーラス』!」

 

EMインコーラス 守備力500

 

現れたのは赤、青、緑、と信号機の色合いのようにカラフルな3羽のインコ達。その囀りは正にコーラス、美しき音色がフィールドに響き渡る。

 

「鳥獣族の『EM』か、鳥獣族は良いぞ、遊矢」

 

登場したモンスターを見て、隼がうんうんと頷きながら鳥獣族の良さをしきりに語り出す。人の趣味にまで口を出して友達を失うような男である。ユートは溜め息混じりに呆れ返り、悪影響が及ばないように遊矢の耳を塞ぐが、生憎彼は実体を持っていない。だがその様子は過保護な兄そのものである。横のシスコンよりはマシだが。

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ。今はまだ開演を告げる音楽だけ、ですが次のターンからもっともっと盛り上げて見せましょう!」

 

「この瞬間、γをリリースし、『磁石の戦士δ』を特殊召喚!」

 

磁石の戦士δ 守備力1400

 

「あ、エアーいたんだ」

 

「いるよ!ずっとね!δの効果で『磁石の戦士β』を墓地に送る!」

 

榊 遊矢 LP4000

フィールド『EMインコーラス』(守備表示)

セット1

Pゾーン『EMチェーンジラフ』『EMドラネコ』

手札0

 

全てのプレイヤーが1ターン目を終了し、いよいよ攻撃が可能となる2ターン目、隼はその目付きを鋭くし、デッキから1枚のカードを引き抜こうと手を翳す。

 

「俺のターン!」

 

「俺のターンだっ!」

 

「――何――?」

 

「――何――?じゃない!何でビックリしているんだ!こっちがビックリだぞ!ナチュラルに忘れるな!」

 

エアーのターンである事を、いや、エアーの存在そのものを忘れ、自身のターンへ移行しようとする隼に対し、エアーが激昂して自分のターンである事を主張する。突然彼が声を張り上げた事に隼は本気で驚愕し、瞠目する。

 

「す、すまん、つい……」

 

「ええい!俺のターン、ドロー!この瞬間、『強欲なカケラ』にカウンターが1つ溜まる!」

 

強欲なカケラ 強欲カウンター0→1

 

「手札の『サンダー・ドラゴン』を2枚に増やし、『電磁石の戦士α』を召喚!」

 

電磁石の戦士α 攻撃力1700

 

青筋を立て、エアーが召喚したモンスターは磁石の盾と槍を構えたスマートなフォルムの戦士。他の『マグネット・ウォリアー』とは違い、どこか近未来的な姿をしている。

 

「αの召喚時、デッキから『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』をサーチし、フィールドの『電磁石の戦士α』、墓地の『電磁石の戦士β』、『電磁石の戦士γ』を除外し、特殊召喚!!」

 

電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン 攻撃力3000

 

まるでサンダーのドラゴン・バスターのように、α、β、γが分裂し、それぞれのパーツが電磁石の力で合体する。αをメインとし、βが脚に、γが上半身の装甲となり、両肩に装着される。

3体合体、完成、『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』。その雄々しき勇姿がフィールドに降り立ち、バチバチと稲妻が地を走り抜ける。

 

「ここで俺は罠発動、『撹乱作戦』!相手の手札を入れ換える!」  

 

「そして墓地の『磁石の戦士α』を除外し、フォース・ストリクスを対象として破壊する!」

 

「ッ!」

 

墓地のモンスターを除外する事で発動される破壊効果。ドラゴン・バスターとは違い、相手ターンでも発動出来ない上、除外では無い為、ドラゴン・バスターに劣るがそれでも優秀な効果だ。しかもこれで隼のフィールドはがら空きとなってしまった。フォース・ストリクスを2体も失った事も手痛い。

 

「δの表示形式を変更し、バトルだ!δで黒咲に攻撃!」

 

「墓地のレディネスを除外し、このターンのダメージを0にする!」

 

襲い来るエアーのモンスター。がら空きの所にδの攻撃を防ぐ為、隼は墓地の罠を除外し、ダメージを0にする。これでこのターン、隼は安全圏に逃れた。

 

「2体目のδで榊 遊矢の『EMインコーラス』に攻撃!」

 

「インコーラスの効果!デッキの『EMロングフォーン・ブル』を特殊召喚する!」

 

EMロングフォーン・ブル 守備力1200

 

インコーラスの囀りを聞き、頭にかけられた受話器を鳴らし、青い牡牛のモンスターがフィールドに召喚される。

 

「ロングフォーン・ブルの効果で『EMヘイタイガー』をサーチ!」

 

「リクルートモンスターだったか、ベルセリオンでロングフォーン・ブルを攻撃!」

 

最後に残されたベルセリオンの攻撃、手に握った槍を振るい、雷を牡牛へと落とし、黒焦げに焼き尽くす。

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンドだ」

 

オベリスク・フォース・エアー LP4000

フィールド『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』(攻撃表示)『磁石の戦士δ』(攻撃表示)×2

『強欲なカケラ』セット2

『岩投げエリア』

手札0

 

「俺のターン、ドロー!俺はトリビュート・レイニアスを召喚!」

 

RR―トリビュート・レイニアス 攻撃力1800

 

「効果でデッキのミミクリー・レイニアスを墓地へ落とし、除外する事で2枚目の『RR―レディネス』をサーチ!そしてファジー・レイニアスを特殊召喚!」

 

RR―ファジー・レイニアス 守備力1500

 

「ネストの効果でミミクリー・レイニアスをサーチ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!『RR―フォース・ストリクス』!」

 

RR―フォース・ストリクス 守備力2000

 

「フォース・ストリクスのORUを1つ取り除き、デッキからバニシング・レイニアスをサーチ!ファジー・レイニアスの効果で同名をサーチ!そして魔法カード、『RUM-レイド・フォース』を発動!」

 

「罠発動、『撹乱作戦』!再び手札を交換させる!」

 

「チッ、オーバーレイ・ネットワークを再構築!獰猛なるハヤブサよ激戦を切り抜けしその翼翻し寄せ来る敵を打ち破れ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!現れろ!『RR―ブレイズ・ファルコン』!」

 

RR―ブレイズ・ファルコン 攻撃力1000

 

フォース・ストリクスの翼が炎に包まれ、燃え上がり、天高く飛翔して雲を突き破る。舐めるように炎がめくれ、その姿を新たなものとして猛禽が生まれ変わる。真紅に煌めくボディ、その周囲でレーザービットを浮遊させたランク5の『RR』。その姿を見て、遊矢が拳を握り締める。

 

「そうか、ブレイズ・ファルコンなら……!」

 

『しかも遊矢のフィールドにモンスターはいない!』

 

「そう言う事だ!ブレイズ・ファルコンのORUを1つ取り除き、効果発動!相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊し、その数×500ダメージを与える!6体を破壊し、お前達に3000のダメージを与える!」

 

モンスターを全て破壊した上で相手にダメージを与える効果。遊矢にも影響は渡るものの、これならばブレイズ・ファルコンの攻撃も合わせ、1人は脱落させられる。

ブレイズ・ファルコンのビットより稲妻状の光線が放たれ、焼き尽くそうとした瞬間――。

 

「俺もいるぞ!罠発動!『蟲惑の落とし穴』!モンスター効果の発動を無効にし、破壊する!」

 

エアーの手により発動されたカードがそれを跳ね返し、雷が天に飛翔するハヤブサを撃ち落とす。まさかの反撃に隼の表情に動揺が走る。

 

「黒咲 隼、アカデミアの戦力を退けて来たお前の実力、戦略は既に俺の耳にも届いている。何時までも通じると思わないよう気をつけるべきだな」

 

「ならば更に革命の道を突き進むまで!速攻魔法、『RUM-ラプターズ・フォース』発動!このターン、自分フィールド上で『RR』エクシーズモンスターが破壊された場合、墓地の『RR』エクシーズモンスターを特殊召喚し、ランクが1つ高い『RR』をそのモンスターに重ね、エクシーズ召喚する!オーバーレイ・ネットワークを再構築!誇り高きハヤブサよ。英雄の血潮に染まる翼翻し革命の道を突き進め!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!現れろ!『RR―レヴォリューション・ファルコン』!」

 

RR―レヴォリューション・ファルコン 攻撃力2000

 

まるで忠告のようなエアーの言葉を受けながら破壊された事を利用し、2回連続ランクアップ。ブレイズ・ファルコンが墓地より蘇り、火炎に包まれその姿を変形させる。更にその翼を大きく広げ、灰色に染まったランク6の『RR』。破壊が駄目ならば戦闘で。如何にも隼らしい考えだ。

 

「レヴォリューション・ファルコンのORUを1つ取り除き、このターン、このカードは相手モンスター全てに攻撃出来る!さぁ、バトルだ!レヴォリューション・ファルコンで全てのモンスターに攻げ――」

 

「残念だったな!永続罠、『デモンズ・チェーン』!貴様のレヴォリューション・ファルコンの効果と攻撃を封じる!」

 

と、そこでサンダーのフィールドに渦が逆巻き、その中より鎖が4本飛び出してレヴォリューション・ファルコンの身動きを封じ込める。ギチギチと翼までにも絡み付かれてしまったら開閉して爆薬を落とす所か飛翔する事もままならない。

 

「く、カードを2枚伏せ、ターンエンドだ」

 

黒咲 隼 LP4000

フィールド『RR―レヴォリューション・ファルコン』(攻撃表示)

『RR―ネスト』セット3

手札3

 

「フン、俺様のターン、ドロー!A、B、Cの3体で融合!融合召喚!『ABC―ドラゴン・バスター』!!」

 

ABC―ドラゴン・バスター 攻撃力3000

 

再び3体を合体させ、フィールドに現れるドラゴン・バスター。リリースする事で効果を確実にし、素材を揃え、次のターンでまともや合体する。この調子ではまた繰り返されるだろう。

 

「手札を1枚捨て、レヴォリューション・ファルコンを除外する!バトルだ!黒咲にダイレクトアタック!」

 

「罠発動!『RR―レディネス』!除外してダメージを0にする!」

 

「何時までもつかな!ターンエンドだ!」

 

オベリスク・フォース・サンダー LP4000

フィールド『ABC―ドラゴン・バスター』(攻撃表示)

『前線基地』『デモンズ・チェーン』

『ユニオン格納庫』

手札0

 

「俺のターン、ドロー!ペンデュラム召喚!『EMヘイタイガー』!『EMインコーラス』!」

 

EMヘイタイガー 攻撃力1700

 

EMインコーラス 守備力500

 

遊矢のターンに渡り、彼の首にかけられたペンデュラムが閃き、2体のモンスターがフィールドに登場する。1体は3色3羽のインコ達。もう1体は赤い軍服を纏った2立歩行の虎だ。

 

「バトルだ!ヘイタイガーで『磁石の戦士δ』を攻撃!この瞬間、罠カード、『幻獣の角』を発動!ヘイタイガーに装備して攻撃力を800アップ!」

 

EMヘイタイガー 攻撃力1700→2500

 

「『岩投げエリア』の効果!デッキから『磁石の戦士γ』を墓地に送り、戦闘破壊を無効に!」

 

「ッ!だがダメージは与える!」

 

オベリスク・フォース・エアー LP4000→3100

 

『幻獣の角』による強化を受け、ヘイタイガーがエアーのフィールドのδへと剣を振るう。ブォンッ、と空気を裂くその一撃はδへと炸裂するも、その鋼の如く変化した硬度を得たδ自体は破壊出来ない。『幻獣の角』とヘイタイガーの効果はどちらも戦闘破壊で発生する効果だ。これでは発動出来ない。

 

「俺はこれでターンエンド!」

 

榊 遊矢 LP4000

フィールド『EMヘイタイガー』(攻撃表示)『EMインコーラス』(守備表示)

『幻獣の角』

Pゾーン『EMチェーンジラフ』『EMドラネコ』

手札1

 

「俺のターン、ドロー!」

 

強欲なカケラ 強欲カウンター1→2

 

「2つのカウンターが溜まったカケラを墓地に送り、2枚ドロー!」

 

オベリスク・フォース・エアー 手札1→3

 

「黒咲のフィールドはがら空き、バトルだ!マグネット・ベルセリオンでダイレクトアタック!」

 

「永続罠、『闇次元の解放』!除外されている『RR―フォース・ストリクス』を特殊召喚!」

 

RR―フォース・ストリクス 守備力2000

 

フィールドはがら空き、2枚目のレディネスも除外し、丸裸になった隼。しかし遊矢は彼がこの程度では無い事を知っている。そうで無ければ彼のデュエルであんなにも苦労する筈が無いのだ。その読み通り、隼が自らのフィールドにドラゴン・バスターの効果で除外されていたフォース・ストリクスを呼び出す。

 

「フォース・ストリクスに攻撃!」

 

「それを待っていた!速攻魔法、『RUM-デス・ダブル・フォース』を発動!破壊されたフォース・ストリクスを素材としてその倍のランクのエクシーズモンスターへとランクアップさせる!オーバーレイ・ネットワークを再構築!勇猛果敢なるハヤブサよ。怒りの炎を巻き上げ、大地をも焼き尽くす閃光となれ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!飛翔しろ!『RR―サテライト・キャノン・ファルコン』!」

 

RR―サテライト・キャノン・ファルコン 攻撃力3000

 

フォース・ストリクスの戦闘破壊を条件に、隼が更に『RR』をランクアップさせる。雲を突き抜け、大気圏を突破し、宇宙へと飛翔するフォース・ストリクス。その小さな姿を輝かせ、純白の装甲を纏い、巨大な砲門を地へと向ける。新たに登場したランク8の『RR』、天よりも高く飛び立った。

 

「その効果で貴様達の魔法、罠を全て破壊する!」

 

「ッ!2体のδを守備表示に変更し、永続魔法、『禁止令』を発動。『RR―ブレイズ・ファルコン』を宣言。ターンエンドだ」

 

オベリスク・フォース・エアー LP3100

フィールド『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』(攻撃表示)『磁石の戦士δ』(守備表示)×2

『禁止令』

手札2

 

「俺のターン、ドロー!俺はトリビュート・レイニアスを召喚!」

 

「俺は『増殖するG』を捨て、効果を使う!」

 

RR―トリビュート・レイニアス 攻撃力1800

 

「効果でミミクリー・レイニアスを墓地へ送り、除外する事で『RR―レディネス』をサーチ!ネストの効果で『RR―シンギング・レイニアス』をサーチし、ファジー・レイニアスを特殊召喚!」

 

RR―ファジー・レイニアス 守備力1500

 

榊 遊矢 手札0→1

 

「更にシンギング・レイニアスを特殊召喚!」

 

RR―シンギング・レイニアス 守備力100

 

榊 遊矢 手札1→2

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!雌伏のハヤブサよ。逆境の中で研ぎ澄まされし爪を挙げ、反逆の翼翻せ!エクシーズ召喚!『RR―ライズ・ファルコン』!」

 

RR―ライズ・ファルコン 攻撃力100

 

榊 遊矢 手札2→3

 

3体の猛禽が突如発生した渦に飛び込み、渦が集束して爆発を起こし、砂粒を巻き上げる。吹き荒れる砂塵をその翼を広げて引き裂き、現れたのは巨大な爪を持つ機械鳥。その異様な体躯とは裏腹に、攻撃力は100と低い。しかし、2人のオベリスク・フォースは侮る事はしない。

 

「ライズ・ファルコンのORUを1つ取り除き、マグネット・ベルセリオンの攻撃力を吸収する!」

 

RR―ライズ・ファルコン 攻撃力100→3100

 

「ライズ・ファルコンは全てのモンスターに攻撃可能!マグネット・ベルセリオンを引き裂け!ブレイククローレヴォリューション!この瞬間、サテライト・キャノン・ファルコンのORUを取り除き、ベルセリオンの攻撃力をダウン!」

 

電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン 攻撃力3000→0

 

「手札の『クリボー』を捨て、ダメージを0に!破壊されたベルセリオンの効果で除外されている『電磁石の戦士α』、『電磁石の戦士β』、『電磁石の戦士γ』を特殊召喚!」

 

電磁石の戦士α 守備力1000

 

電磁石の戦士β 守備力1500

 

電磁石の戦士γ 守備力2000

 

榊 遊矢 手札3→4

 

まるでサンダーのドラゴン・バスターのようにベルセリオンも分裂し、素材である『マグネット・ウォリアー』が舞い戻る。強固な壁だが――全体攻撃を持つライズ・ファルコンの前では格好の餌食だ。

 

「αの効果で2枚目のベルセリオンを、βの効果で『磁石の戦士α』をサーチ」

 

「だが攻撃は続く!やれ!ライズ・ファルコン!ドラゴン・バスターに攻撃!」

 

「無駄だ!ドラゴン・バスターをリリースし、こちらも分裂!」

 

A―アサルト・コア 守備力200

 

B―バスター・ドレイク 守備力1800

 

C―クラッシュ・ワイバーン 守備力2000

 

榊 遊矢 手札4→5

 

「3体に攻撃!」

 

「墓地へ送られたバスター・ドレイクの効果でデッキから『Y―ドラゴン・ヘッド』をサーチ!」

 

「続けてエアーのモンスターへ攻撃!」

 

「この瞬間、3体の電磁石の戦士をリリースし、α、β、δを特殊召喚!」

 

磁石の戦士α 守備力1700

 

磁石の戦士β 守備力1600

 

磁石の戦士δ 守備力1400

 

榊 遊矢 手札5→6→7→8

 

「δの効果でデッキの『磁石の戦士γ』を墓地へ」

 

「全てのモンスターに攻撃!」

 

「δが破壊された瞬間、墓地の『磁石の戦士α』、β、γを除外し、デッキから『磁石の戦士マグネット・バルキリオン』を特殊召喚!!」

 

磁石の戦士マグネット・バルキリオン 守備力3850

 

榊 遊矢 手札8→9

 

δの効果により、墓地の『マグネット・ウォリアー』がフィールドに飛び交い、パーツが分解して合体する。2枚の翼を広げ、剣を握って現れる磁石の戦神。

 

「チッ、だがサテライト・キャノン・ファルコンでサンダーを攻撃!エターナル・アベンジ!」

 

「ぐぅぉっ!?」

 

オベリスク・フォース・サンダー LP4000→1000

 

サテライト・キャノン・ファルコンが猛スピードで飛翔し、暗闇に光を散らす宇宙へと辿り着き、砲門からレーザーを放ち、サンダーのLPを大幅に削り取る。ついにこのデュエルを動かす大ダメージが入った。

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

黒咲 隼 LP4000

フィールド『RR―サテライト・キャノン・ファルコン』(攻撃表示)『RR―ライズ・ファルコン』(攻撃表示)

『RR―ネスト』セット2

手札1

 

4人共、苛烈な猛攻続くバトルロイヤル、優位に立ったのは遊矢と隼だ。しかし、オベリスク・フォースとて手札を充分に補充した。何より2人はまだ――切り札を隠している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遊矢君大好き黒咲さん。これからも彼には遊矢君の兄貴分として場を和ませます。綺麗な黒咲、白咲さんなんだぜ。
オベリスク・フォース・サンダー……一体何者なんだ……。

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