DECADE ~記憶を辿る旅~   作:ソルラス

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ディケイド

「………来流さん……? その姿は……?」

 

突然目の前で姿が変わった来流に戸惑いながらも大和は声をかける。

 

「…………俺にもよく分からない。けど………分かる。俺がどうすべきなのかが……!」

 

そういうと来流は左腰のカードホルダーを手に取る。

 

「これをこうして……!」

 

更にグリップと先端部を展開すると刃先が伸び、剣に変わった。

この剣を『ライドブッカー』ということも来流は何故か分かっていた。

 

「うおおおっ!!」

 

ライドブッカーを構え、来流は怪人に突貫していく。

そして高速で剣を振るい、敵を次々と切り裂いていく。

 

「すげえ……体が覚えているみたいだ…!」

 

と、別の怪人が仲間を乗り越えて飛び掛かってきた。

来流はすぐさまライドブッカーの刃先を収納、グリップを稼働して形状を銃に変えるとその怪人に向けて撃つ。

 

「グアアアアッ!?」

 

「銃にもなるのか……!」

 

「来流さん!」

 

大和が声を張り上げる。

すぐにそちらに目をやると蛹のような怪物が突如脱皮し、昆虫のような姿になる。

 

「ッ!? 進化したのか……?」

 

警戒して構える来流だがその昆虫怪人の姿が消えた。

 

「消え………ぐぁっ!?」

 

相手の姿が消えた直後、何処からか攻撃を食らう。

その一発に止まらず、次々に攻撃が加えられ、その体を吹き飛ばされた。

 

「来流さん!!」

 

「……くそっ。鬱陶しいな!!」

 

しかしすぐさま立ち上がるとライドブッカーから新たなカードを取り出し、ベルトに装填する。

 

 

[KAMEN・RIDE KABUTO]

 

 

するとベルトを中心にディケイドの姿が波紋状に変化。

真っ赤なヒヒイロノカネのアーマーが身を包み、最後に顎のカブトホーンが起き上がることで姿が完全に変わる。

『仮面ライダーカブト』と呼ばれる戦士へ。

 

そしてすぐさま別のカードを装填。

 

 

[ATTACK RIDE CLOCK UP]

 

 

と、来流と怪人以外の全ての時間がスローになった。

即座にライドブッカーを抜くと迫ってくる怪人を次々と切り裂く。

 

「グギャアアアアア!!」

 

来流に斬られた昆虫怪人は一斉に緑の炎を上げて爆死した。

と、ベルトからカードが飛び出し、姿がディケイドに戻った。

 

「………なんで俺、これを使ったんだ……?」

 

カブトの顔が描かれているカードを見つめながらそんな疑問を呟く。

 

「……? なんだあれ?」

 

と、彼の視界に気がかりなものが見えたため、近づいてみる。

 

「これは……バイク?」

 

しかもそのバイクは色や意匠がディケイドに酷似していた。

そのバイクに触れた瞬間、来流の脳裏に再び言葉が浮かび上がる。

 

「……『マシンディケイダー』……俺のバイクなのか…?」

 

とりあえずそのバイクに跨がり、発進。

未だに呆然としている大和に近くに停めた。

 

「大和。大丈夫か?」

 

「いえ……来流さんこそそれは一体………」

 

「………ディケイドっていうらしい。それ以上は俺にも分からない」

 

「ディケイド……?」

 

「………とりあえず、鎮守府に戻ろう」

 

「……そうですね。提督のことも心配です」

 

戦っているうちに鎮守府から大分離れてしまっていたらしい。

大和はマシンディケイダーの後ろに乗り、来流はエンジンを吹かした。

 

「…………残状ですね」

 

僅か数時間前は綺麗に整えられていた場所のあちこちが崩壊している。

そんな風景を大和は悲しそうに見ていた。

 

故に、その奇襲に気づけなかった。

 

 

「…………ッ!! きゃあ!?」

 

「大和!!」

 

鏡の中から飛び出した触手で地面に引き落とされた大和に気づき、マシンディケイダーを急停止させる来流。

そして鏡から現れた機械的なモンスターが大和に襲いかかる。

 

「くッ……!!」

 

艤装のダメージが大きく、砲撃が出来ない。

それを見て来流はカードを装填する。

 

 

[KAMEN RIDE RYUKI]

 

 

ディケイドの体に三体の幻影が重なり、騎士風の鎧を纏う。

そして赤に染まり、『仮面ライダー龍騎』に変身した。

 

 

[ATTACK RIDE ADVENT]

 

 

更に別のカードを装填。

と、何処からか赤い龍、『ドラグレッダー』が飛来。モンスターを薙ぎ倒した。

 

「な、何ですか!?」

 

「離れてろ! 大和!!」

 

 

[ATTACK RIDE SWORDVENT]

 

 

来流の手にドラグレッダーの尾を模した剣、『ドラグセイバー』が握られる。

それとライドブッカーによる二刀流でモンスターを次々と切りさばく。

 

「はっ! たっ! りゃあ!!」

 

適格に急所を斬られたモンスター達は倒れ、爆散していく。

一通りを倒すとまたもカードが排出され、元のディケイドに戻った。

 

「またか……なんなんだ……?」

 

「ギシャアアアア!!」

 

不快な呻き声が聞こえ、そちらを見ると悪魔のような怪人が蠢いているのが見えた。

即座にカードをまた別のものに変える。

 

 

[KAMEN RIDE WIZARD]

 

 

ディケイドの左側に赤い魔方陣が出現。

それが彼を通過すると赤い宝石のような『仮面ライダーウィザード』に変化。

 

 

[ATTACK RIDE WIZARSWORDGUN]

 

 

両手に手の着いた銀色の銃、『ウィザーソードガン』を召喚すると悪魔に向かって乱射する。

敵を連続で撃ち倒していく中、彼は別のことを考えていた。

 

「(俺は戦い方を知っている……いや、覚えている……これを使ったことがあるのか……?)」

 

悪魔を全滅させるとカードが排出され姿も戻る。

更にディケイドの変身も解除され、元の来流の姿になった。

 

「………来流さん」

 

「ああ。大和……」

 

気づけば鎮守府は目の前。そこまでの損傷は見当たらなかった。

 

「康紀さん!!」

 

「提督!」

 

「おお。二人とも。無事だったか」

 

執務室に入ると康紀は無事だった。

 

「………よかった……一先ずは……守れたのか」

 

「あっ、来流さん!」

 

疲労が来たのかグラリと傾いた来流を大和が支える。

そのまま来流の瞼はゆっくりと閉じた。

 

 

∥∥∥∥∥∥∥∥∥∥∥∥

 

 

「………また、この空間……」

 

来流が気付くと先程見た空間に立っていた。

 

「…………あれ? 侵食が……」

 

「俺達の力で崩壊を一時的に抑えている」

 

トイカメラを下げた男が再び来流の前に現れる。

 

「………なあ、お前は何者なんだ? いい加減教えてくれてもいいじゃないか」

 

「俺は『通りすがりの仮面ライダー』だ。これからはお前もこの名を語るけどな」

 

そう言いながら男性は指差す。

 

「この世界達に本来仮面ライダーは存在しなかった。が、奴らが侵食してきた為、俺達がその世界に住む人物に仮面ライダーの力を与えた。だが………」

 

と、地球達がグニャリと歪み始める。

 

「これはあくまでも一時凌ぎの苦肉の策。このまま仮面ライダーがその世界と融合してしまったらその世界は正しい歴史を取り戻せなくなる」

 

「…………もしかして、俺の世界も……?」

 

「お前の居る『艦娘の世界』はこの余波を受けただけだ。全てが解決すれば自然に元に戻る」

 

「………じゃあ、俺は何をすればいい?」

 

「15の世界を巡れ。そこに存在する『侵食の元凶』をその世界の仮面ライダーと共に倒せ。そうすれば奴らも仮面ライダーの力も自然とその世界から離れる」

 

「……………」

 

来流はいつの間にか持っていたカードを見る。

『ディケイド』を初め、

鍬形の角を持つライダー。

竜の顋を携えたライダー。

騎士の面のようなライダー。

Φの文字を象ったライダー。

スペードが描かれたライダー。

紫の鬼のようなライダー。

赤い甲虫を模したライダー。

電車と桃太郎のライダー。

蝙蝠に似通ったライダー。

緑と黒に分かれたライダー。

鷹を彷彿させるライダー。

ロケットに見えるライダー。

宝石の顔を持つライダー。

武将を彷彿させるライダー。

自動車に似せたライダー。

 

彼らと出会うこと。それが自分の使命だと来流は悟った。

 

「………旅はもう始まっている」

 

「あ…ちょっと……!」

 

呼び止めようとするが眩い光が発せられ、来流の意識は途絶える。

 

そして気がつくと再び鎮守府だった。

 

「来流。大丈夫か?」

 

「康紀さん……ああ。なんとかな」

 

ゆっくりと来流は起き上がる。

そして近くにいた大和に近づくと、

 

「大和。俺がこの世界を救ってみせる。鎮守府の皆も全部」

 

「来流さん………」

 

 

その時。執務室にかけられていた掛け軸がくるくると捲れ、再び開くと別の絵柄に変わっていた。

 

「な、なんだ……?」

 

その掛け軸の絵は、赤い鍬形のような戦士が座り込んでいる金髪の少女に向かってサムズアップをしている様子が描かれていた。

 

「むう……? こんな掛け軸に見覚えは無いが……」

 

「……まさか!!」

 

来流は慌てて外に飛び出す。

と、そこにあったのは海ではなく、簡素な住宅街。

加えて鎮守府も周りの雰囲気に似た建物に変わっていた。

 

「………世界が変わったってことか……?」

 

バイクのエンジンが聞こえたのはその時だった。

 

来流の目前を黒い学生服を着た青年がバイクで駆け抜ける。

そしてその青年は構えを取り、こう叫んだ。

 

 

「変身!!」

 

 

と、彼の腰に現れていたベルトが中心に胴、腕、脚、頭と変化していき、姿が完全に変わる。

 

それを見届けた来流は知らず知らずにこう呟くのだった。

 

 

 

「『怪異とクウガの世界』……」

 

 




次回予告

「クウガ……?」

「僕が『阿良々木暦』だ」

「私に何か用かしら?」

「怪異ってのは一体なんなんだ?」

「やあ阿良々木君。何か良いことでもあったのかい?」

「お前……ディケイドだったのか!」

「生きていたのね……ディケイド……来流」

「聞くなら死ぬまで覚えときな……通りすがりの仮面ライダーだ!!」

→『化物語』と『仮面ライダークウガ』が融合した世界

全てを繋ぎ、記憶を紡げ!!
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