DECADE ~記憶を辿る旅~   作:ソルラス

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時間軸 『なでこスネイク』の直後


『化物語』と『クウガ』の世界
怪異


その世界では古の戦闘民族。『グロンギ』が人間を対象とする殺戮ゲーム、『ゲゲル』を行っていた。

止められるのはかつてグロンギを全て封印した戦士、『クウガ』のみ。

そのクウガの力は、とある最強の吸血鬼の眷属に与えられていた。

 

 

 

「く、来るな!!」

 

人通りが少ない小路。

此処を歩いていたサラリーマンらしき男性がグロンギに襲われていた。

 

「ボセゼガンジュグビン……ゴドバギブギブ!」

 

そのイカのようなグロンギの体温が上昇、口から何かを吐き出そうとする。

それが出される直前、

 

 

「ハアッ!!」

 

 

バイク、『ビートチェイサー2000』に乗った赤い戦士、『仮面ライダークウガ』がそのまま体当たり、グロンギを弾き飛ばした。

 

「早く逃げてください!」

 

サラリーマンが逃げていったのを確認するとクウガはビートチェイサーから降りてグロンギに相対する。

 

「ジャラグスバ……クウガ!!」

 

「うおおっ!!」

 

クウガはグロンギに掴みかかるとそのまま力任せに投げ飛ばす。

立ち上がったグロンギは口から墨のような液体を吐き出すがクウガは回転してそれをかわす。

墨を回避しながらグロンギに近づいたクウガはパンチを顔面に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

「はあ…はあ………」

 

「ゴ……ゴベセ!!」

 

そのままクウガは構えるとグロンギに向かって走る。

そして跳躍し、空中で一回転。

右足を突き出して必殺の『マイティキック』を叩き込む。

 

「おりゃああああああ!!!」

 

「グガアアア!!」

 

強烈な一撃を食らったグロンギは大きく吹っ飛ぶ。

刻まれた封印の紋章が光ると苦悶の声をあげながら爆散した。

 

「はあ……はあ……よし……倒した……!」

 

回りを見渡し、誰もいないことを確認したクウガは変身を解く。

アホ毛と学生服が特徴的な青年に戻るとビートチェイサーに跨がり、その場を後にした。

 

そんな一連の出来事を来流は影から見ていた。

 

「あれがクウガ……この世界に生まれた仮面ライダー……」

 

「来流さーん!!」

 

と、そんな彼を大和が追いかけてきた。

 

「もう………いきなり出ていかないでくださいよ……」

 

「ああ。悪い……大和は見たか?」

 

「え?」

 

ビートチェイサーで走り去っていく青年を見つめ、来流は尋ねた。

 

「一瞬だけ……あの人も来流さんみたいに変身していましたね……」

 

「………よし」

 

と、近くに停めておいたマシンディケイダーに乗り込む来流。

 

「ど、どうするんですか?」

 

「考えていても仕方ない。接触してコンタクトを取る」

 

後部座席に大和を乗せるとエンジンを吹かし、発進させた。

 

 

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ビートチェイサーを走らせていた青年が辿り着いたのは廃ビル。

学習机が積み重なっている辺り、どうやら学習塾跡らしい。

そんな廃ビルの前にバイクを停めた青年は中に入る。

古びた階段を上がっていき、1つの教室に入る。

そこにいたのは金髪でアロハシャツ、煙草という奇抜な風貌の中年よりの男性。

その人物は青年の姿を確認するや否や話しかけた。

 

「やあ阿良々木君。何か良いことでもあったのかい?」

 

「良いことか……グロンギを倒して人の命を助けられたから良いことはあったな」

 

「そうかいそうかい。じゃあこれで倒したグロンギは25体を越えたね」

 

と、青年はフラフラと床に座り込んだ。

 

「……やっと25体か……全然終わりが見えない」

 

「そもそも終わりなんてあるのかな?」

 

「怖いこと言わないでくれ……」

 

げっそりした様子の青年に男性は可笑しそうに笑っていた。

 

「ところで……君が連れてきたのは友人か何かかな?」

 

「え……? ッ!?」

 

バッとすぐさま立ち上がり、警戒する青年。

それに合わせて階段から来流と大和が姿を現した。

 

「………なんだ。お前達」

 

「落ち着いてくれ。俺達は廃ビルに何故かバイクが停まっていたから誰か居るのかなと思って見にきたんだ」

 

「…………そうなのか?」

 

「勝手に使わせてもらっているよ。それよりも君達最近は危ないからあまり出歩かない方がいいよ」

 

「………それはどういう…?」

 

「もうニュースとかで聞いてるだろう? 最近は現れた未確認生命体が人を襲っていることを」

 

「み、未確認生命体?」

 

「正式には『グロンギ』って言うらしいけどね。コイツらは怪異と違って、ただただ人を殺す残忍な奴らだ。だから夜に出掛けるのは危険なんだよ」

 

男性は軽い口調だが真面目に忠告を言う。

 

「それと阿良々木君。そろそろ日も暮れてきたし、戻った方がいいんじゃないかい? 君の妹達も心配しているだろうしね」

 

「ああ……そうさせてもらう……お前達も早めに帰った方がいいぞ。なんだったら送っていこうか」

 

青年は二人にそう問いかけるが来流は手を振って遠慮した。

 

「いや。大丈夫だ。それよりもお前らの名前を聞いてなかったな。俺は来流。彼女は大和だ」

 

「……僕は『阿良々木暦』だ」

 

「僕は『忍野メメ』。まあとりあえず気をつけて帰りなよ」

 

 

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「なあ阿良々木。………なんか呼びにくいな」

 

「暦でも構わないぞ?」

 

廃ビルの階段を降りながら来流は暦にそう話しかけた。

 

「ならいいけど………あのメメって人……なんか変な人だな」

 

「来流君……ストレート過ぎますよ」

 

大和は思わず諌めるが暦の返答は、

 

「そうなんだよな。本当に変な奴だよ」

 

「え、ええ……?」

 

「………あの人、一体何者なんだ?」

 

「それは……」

 

と、階段の踊り場に出るとゴーグル付きのヘルメットを被り座り込んでいる少女に遭遇した。

 

「……………」

 

「あっ…………」

 

その少女を見た大和は気づき、小さく声をあげる。

掛け軸で見た少女と同じだったのだ。

 

「………………」

 

何も喋らない少女の隣を素通りし、階段を降りていく暦。

しばらく降りてようやく口を開いた。

 

「……ああいうのを専門にしているのが忍野だ」

 

「ああいうの……?」

 

「あいつは『忍野忍』。吸血鬼のなれの果てだ」

 

「吸血鬼!?」

 

「…………そういえばさっき忍野が言ってた『怪異』ってのは一体なんだ?」

 

来流が訊ねると暦は振り返らずに答えた。

 

「『怪異』はこの世に在らざるもの。言い方を変えれば怪談とか怪奇現象とかオカルトとか都市伝説とかそういうのだ」

 

「…………それを専門にしているってのは……解決しているのか? そういう事件を」

 

「そういうことだ。本人は『助けているんじゃない。勝手に助かるだけ』って言ってるけどな」

 

そんな会話をしているうちに廃ビルの外に出た。

マシンディケイダーの隣に停まっているビートチェイサーを起動させる。

 

「じゃあ、僕は行くからな。また会えたら会おう」

 

「ああ。そうだな………ッ!! 大和!! 危ない!!」

 

と、来流が大和を押し倒すようにして突き飛ばす。

そして大和が立っていた場所に超重量の鉄球が叩きつけられた。

 

「なっ……!?」

 

「グロンギ……!」

 

それを見て暦は即座に行動を開始する。

 

「逃げろ! 二人とも!!」

 

そういうと暦は腰に手を当てる。

そしてベルト、『アークル』が出現すると右手を前に構える。

 

「変身!」

 

そしてクウガに変身するとグロンギに立ち向かった。

 

「らあっ!!」

 

豪腕の一撃を受け止め、反撃の拳を叩き込む。

が、相手の固い表皮に苦戦する。

 

「クウガ……ヅヅグ!!」

 

「うおお……おらあ!!」

 

続けて脚、肘鉄を打ち込む。

 

「………あれが……クウガですか……」

 

「ああ……。!? 暦!!」

 

「なっ!? ぐあっ!!」

 

突如として現れた二体目のグロンギがクウガの上空から襲撃。

爪で引き裂かれたクウガは地面を転がる。

 

「バビゾギデギス!!」

 

「ボギヅゾボソグ……ジャラザゲゲル」

 

「二体一……くそ。厄介だ……」

 

二体のグロンギの攻撃をクウガは巧みな身のこなしでかわしていく。

しかし段々と追い詰められてく。

 

「来流さん!!」

 

「ああ……もう隠していられないな。どうせ協力してもらうんだからな!!」

 

それを見ていた来流はディケイドライバーを取り出すと装着し、カードを構える。

 

「変身!」

 

 

[KAMEN RIDE DECADE]

 

 

ディケイドに変身した来流はライドブッカーをグロンギに向けて発砲。

油断していたグロンギに直撃した。

 

「!? ジギョグザゾ!!」

 

「ズギグヂギダゴラゲバギグバ」

 

「!? 来流さん……? グロンギの言葉が……?」

 

「ああ……何故か分かる!」

 

そのままグロンギに挑みかかるディケイド。

 

「あれが……ディケイド…?」

 

クウガはディケイドに変身した来流を見てそう呟くがすぐにグロンギに意識を向ける。

ディケイドの方は蝙蝠のようなグロンギを圧倒していた。

 

「ゲゲルボロブデビザ バンザ!?」

 

「ビガラバゴビ ゴギゲスバ!」

 

グロンギに何かを尋ねたディケイドだったが相手は一蹴する。

そんなグロンギを殴り飛ばしたディケイドはカードを取りだし、

 

「だったら何も聞かねえよ!!」

 

 

[FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DECADE]

 

 

ディケイドとグロンギの間に16枚のカードの幻影が現れる。

それを潜り抜けながら敵に飛び蹴りをするディケイドの必殺技。『ディメンションキック』がグロンギに炸裂。

悲鳴を挙げてグロンギは爆発四散した。

 

「ゴ! ゴボセ!!」

 

クウガと戦っていたグロンギはそれを見るとすぐさま逃げ出した。

 

「あいつ……! 追うぞ暦!」

 

ディケイドはすぐにマシンディケイダーに乗ろうとする。

しかし、

 

「うおおっ!!」

 

クウガはディケイドに対して殴りかかってきた。

 

「来流さん!? 暦君!?」

 

「グッ!? どういうつもりだ!?」

 

「ディケイド……まさかお前が悪魔だったなんてな!!」

 

激しい敵意をむき出しにしてクウガはそう叫んだ。

 

「うっ!? 悪魔ってなんの話だ!?」

 

攻撃を受け止め、抑え込みながらそう言い返す。

 

「とぼけても無駄だぞ!! お前はこの世界を滅ぼす悪魔だって聞いている!!」

 

「なんだと……!?」

 

「ハアッ!!」

 

「ぐあっ!!!」

 

クウガの蹴りを食らい、ディケイドは後退する。それに対してクウガは更に追撃を仕掛けた。

 

 

 

そんな彼らを見下ろしている女性が一人。

彼女はディケイドを見て静かに呟いた。

 

「生きていたのね……ディケイド……来流」

 




・仮面ライダークウガ=阿良々木暦
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