DECADE ~記憶を辿る旅~   作:ソルラス

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戦場

戦いの場は公園へと移る。

クウガはディケイドを殴り付けるがそれを抑えつけて殴り返す。

 

「俺は悪魔じゃない! お前を助けに来たんだ!!」

 

「戯言を!!」

 

蹴り飛ばし、相手を突き放したクウガは再度構えを取り直す。

 

「超変身!」

 

目と胴体が緑に染まり、クウガは感覚に優れた『ペガサスフォーム』に変化。

落ちていた水鉄砲を取り、『ペガサスボウガン』に変化させるとディケイドに向けて発射した。

 

「うあっ!!」

 

地面を転がるようにして回避したディケイドだが起き上がったところを狙撃される。

何発か食らって膝をついたディケイドは、

 

「このやろ……もう頭来たぞ!!」

 

 

[KAMEN RIDE AGITO]

 

 

体が金色の光を発し、『仮面ライダーアギト』へと姿を変える。

 

 

[FORM RIDE AGITO・STORM]

 

 

更に左腕と胴体が青く変色し、『ストームハルバート』を持った『ストームフォーム』に変わる。

クウガが放った弾丸をDアギトはストームハルバートを高速回転させ、全て叩き落とした。

 

「なっ!? ……超変身!」

 

すぐさまクウガはペガサスフォームから青くスピードに長ける『ドラゴンフォーム』に。

木の枝を作り替えた『ドラゴンロッド』を振り回し、ストームハルバートと打ち合う。

 

「皆は……僕が守る!」

 

「御大層なことだがいい加減に話を聞け!!」

 

ガン!! ガギン!!

両者巧みに得物を振って打ち合うがお互いの突きが直撃。地面を転がる。

 

「超変身!」

 

 

[FORM RIDE AGITO・FLAME]

 

 

クウガは力に優れる紫の『タイタンフォーム』。Dアギトは右腕と胴体が赤い『フレイムフォーム』になる。

そして『タイタンソード』と『フレイムセイバー』で唾競り合う。

 

「タイタンに張り合うのか!?」

 

「アギトのパワーを嘗めるな!!」

 

タイタンソードを弾いて一閃。

しかし固い表皮によって傷は無い。

 

「埒が開かないな……」

 

そういうとアギトの姿からディケイドに戻り、別のカードを装填。

 

 

[ATTACK RIDE INVISIBLE]

 

 

「!!消えた!?」

 

クウガの目の前でディケイドの姿が消えた。

警戒するが攻撃もされない。逃げ出したのだろう。

変身を解いた暦は拳を握りしめる。

 

「………次は絶対に倒す」

 

「意気込むのは悪いことではないけれど、こんな夜中にドンパチするのは犯罪者のやることよ」

 

突然背後から聞こえた声に暦は背筋が凍りつく。

 

「………せ、戦場ヶ原……」

 

「私は阿良々木君がクウガだと言うことを知っているから構わないけど、普通夜中に町中が騒がしかったら周囲の人々が不審に思うのは当たり前。それが分からないということは貴方は小学生以下かしら?」

 

「い、いやガハラさん……これは深いわけが」

 

「怒られたのに素直に謝れないなんて幼稚園生以下ね」

 

冷たい視線が暦に突き刺さる。

 

「………ごめんなさい」

 

「じゃあ詳しく話を聞かせてもらうわ。羽川さんも交えて」

 

「それだけはご勘弁をぉぉぉ!!!」

 

 

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大和の下に戻ったディケイドは変身を解除すると座り込んだ。

 

「来流さん!」

 

「いてて……アイツ、マジで攻撃しやがって……」

 

打たれた腹を擦りながら来流は吐き捨てる。

と、そんな彼を案じて大和は傷を優しく撫でた。

 

「無茶はしないでくださいね」

 

「…………善処するよ。じゃ、帰るか」

 

そうして大和と共に鎮守府に戻った来流は念のため康紀に治療してもらい、その日は休んだ。

 

 

翌朝、

 

「来流。大和。あったぞ。ほらこれだ」

 

康紀が持ってきた新聞を来流と大和が広げる。

そこには未確認生命体の事件に関する記事が掲載されていた。

 

「………やはり、被害は結構出ているんだな」

 

「でも……クウガも『未確認生命体四号』として扱われているんですね」

 

「………本人は皆の為に戦っているのに世間は怪物扱いするなんてな。皮肉な話だ」

 

「人間はそういうものだからの。自分がよく分からないものは恐怖して遠さげる身勝手なものだ。だがだからこそ戦っている人間は崇高なのだよ」

 

康紀の言葉に二人は思わず顔を見合わせる。

 

と、インターフォンが鳴った。

 

「! はーい! 今行きます!」

 

大和が出るとそこにいたのは、

 

 

「お忙しいなか失礼します」

 

 

眼鏡と三つ編みの少女とストレートヘアの少女、そして暦が立っていた。

 

 

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「どうぞ」

 

「ありがとう。頂くわ」

 

康紀が差し出したコーヒーを飲む少女。

暫く沈黙が続く。

 

「……昨夜はすまなかった!!」

 

そんな沈黙を破り、暦はテーブルに手をついて勢いよく頭を下げた。

 

「僕はよく分からない存在の言葉だけでお前を悪だと決めつけて殺そうとした……本当にすまない!」

 

「もういいよ。気にしてないし。……ところでそっちの二人は?」

 

来流が訊ねると彼女達は名前を名乗る。

 

「私は『羽川翼』です。阿良々木君の友達」

 

「私は『戦場ヶ原ひたぎ』よ。阿良々木君がちゃんと謝るかどうかを見に来たの」

 

「お前は僕の保護者か!!」

 

暦のツッコミは華麗にスルー。

代わりに翼が話を切り出した。

 

「私が来たのにはもう1つ理由があるんです」

 

「なんだ?」

 

「……………貴方達は、何者ですか?」

 

ぴたり、とコーヒーを飲む手が止める。

 

「………どういうことだ?」

 

「私は今まで『クウガ』以外の戦士を見たことはありません」

 

「それにそもそも此処は喫茶店じゃなかったかしら?」

 

ひたぎの意見に翼も頷く。

そんな彼女達に対して、

 

「………まあ特に隠せとも言われてないしな。俺達は別の世界から来た」

 

「………別の世界? パラレルワールドということか?」

 

来流は頷き、続きを大和が受け持つ。

 

「私達の元々居た世界は他の世界の余波を受けて崩壊しかけています。止めるためには他の世界での異変の現況を止めなくてはいけないのです」

 

「なんでもいい。何か知っていることがあったら教えてくれ」

 

そう言われると翼は少し考え込む。

 

「別の世界……貴方が変身するという『ディケイド』もその世界特有の力ということかしら?」

 

「いや。ディケイドの力は……ちょっと違う気がする。まあ感覚的な問題なんだけど」

 

「………少しいいですか?」

 

と、翼が手をあげた。

 

「手がかりになるかは分かりませんが……1つ心当たりがあります」

 

「!! 教えてくれ」

 

「この町の山に廃れた神社があるんです。最近そこに謎の石碑が現れたらしくて………」

 

「……石碑……か」

 

「それが発見されたのはグロンギが現れ始めたのと同時。それに結界が貼ってあるみたいで……」

 

「その石碑に刻まれている文字がグロンギの使っていた文字と同じだって聞いたことがあるわ」

 

二人の証言を合わせるとその石碑がグロンギの謎に深く関わっているのは間違いない。

 

「……その神社っていうのは何処にあるんだ?」

 

「案内する。一緒に来てくれ」

 

そういうと暦は立ち上がる。

 

「分かった。大和、此処は任せたぞ」

 

「はい。お気をつけて」

 

「阿良々木君」

 

と、ひたぎが暦に声をかける。

 

「無茶はしないように。死んだら殺すから」

 

「二度死に!? しかも彼女の手にかけられるのか僕は!?」

 

「ほら、行こうぜ暦」

 

背中を軽く叩いて送り出す来流。

そんな二人が退出したのを見計らって翼は呟いた。

 

「まあ……阿良々木君が無茶しないっていう可能性は0に近いけどね」

 

「……確かにそうね」

 

「そうなんですか?」

 

ビートチェイサーとマシンディケイダーで走っていく二人を窓から見届けた大和は二人に訪ねた。

 

「だったらどうして止めなかったんですか? あんな風に言うくらいなら……」

 

「言っても余り意味がないのよ」

 

 

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二台のバイクが疾走。

暫く飛ばしていくとやがて小高い山の麓に到着した。

 

「ほら。ここだ」

 

「………随分長い階段だな」

 

「…………つい最近来たばかりだっていうのにまた来ちゃったか」

 

「? 何かあったのか?」

 

「まあ、な」

 

未確認生命体が現れる数日前。

暦の昔馴染みの友人、『千石撫子』に蛇切縄という怪異が巻き付いた。

その解決に使った場所がその神社なのだ。

 

「……あれ? 阿良々木先輩?」

 

「お。神原か」

 

と、声をかけられた方にはショートカットの少女がいた。

 

「………後輩か?」

 

「む……? 阿良々木先輩が男と共にいるのは珍しいな」

 

「まあ少し野暮用でな」

 

そうか、と頷くと少女は来流の方を向き、

 

「私は『神原駿河』だ。阿良々木先輩の後輩兼奴隷だ」

 

「初っぱなから誤解を招く言い方をするなお前は!!」

 

暦の怒声が響く。

来流ですらこれには思わず苦笑いである。

 

「お、おう……よろしくな」

 

「というか神原。最近はこの山は立ち入り禁止だって聞かされているだろ?」

 

「別に山に入ろうとしていたわけでは無いぞ。この道が私の日々のランニングコースなだけだ」

 

「………お前も火燐もランニングコースって異常に広いよな……」

 

「そういう阿良々木先輩こそ、何かあったのか?」

 

「少し野暮用って言ったろ」

 

少し疑問そうに見ていた神原だったが、ふっと表情を変え。

 

「まあいいか。じゃあ阿良々木先輩。余り派手な怪我とかして戦場ヶ原先輩に迷惑をかけるんじゃないぞ」

 

「お前も僕の保護者か」

 

タッタッタッと走り去って言った駿河を見て来流は、

 

「……彼女はお前がクウガだと知ってるのか?」

 

「いや。忍野と戦場ヶ原、それと羽川だけだ」

 

「……? じゃあなんであんな事を……」

 

「……今までもそんな事をやってきたからかな」

 

その言葉により首を傾げる来流だが早々に石階段をかけ上がってしまった暦を追いかけるのだった。

 

 

 

そして二人は神社に到着した。

が、その神社はかなり廃れており、見るからにボロかった。

 

「………酷い有り様だな」

 

「特に信仰も集まらないからな此処は。人も来ないからこうなるのは当然だと思うぞ」

 

そんなことを言いながら神社の裏手に回るとそこに例の石碑が立っていた。

 

「………これか……」

 

「触ろうとするとダメージを食らうから気を付けろよ」

 

暦の忠告を聞きながら来流は石碑を観察する。

翼に聞いた通り、正面にはグロンギの文字が刻まれていた。

 

「………そういえば来流。お前はこの文字が分かるんだよな?」

 

「ああ。何故なのかは分からないけどな」

 

「じゃあその石碑に書かれている言葉も分かるか?」

 

「試しに今読んでいる……」

 

注意深く刻まれている文字を解読していく来流。

しかし読み進めていくうちに来流の顔が青ざめていく。

 

「…………暦。聞いていいか? それと地図を貸してくれ」

 

「あ、ああ」

 

「グロンギによる殺人の起こった場所を教えてくれ。その中で共通点があるものだけでいい」

 

受け取った地図を広げ、暦から聞いた場所に次々と印を着けていく。

 

「殺害方法は何れも心臓を貫く刺殺。地面に縫い付けられていた」

 

「………やっぱりか……」

 

その事件が起きた場所は神社を中心に円上に八ヶ所あった。

 

「………ヤバイ」

 

「え?」

 

「気を付けろよ暦………グロンギのボスが目覚める!!」

 

 

直後。

 

石碑から紫色の稲妻が轟き、激しく瞬く。

巻き起こる乱気流に二人が思わず顔を覆う。

 

そしてそれが収束し、一体の怪人を形成していく。

他のグロンギとの比にならない圧倒的な威圧感。

纏う空気は押し潰されそうな圧迫感を孕んでいた。

 

 

 

「………我は『ン・ザバギ・ゼバ』!! グロンギを統制し、破壊をもたらす者なり!!」

 




・『ン・ザバギ・ゼバ』→グロンギの首領 オリジナル
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