それはある一通の手紙から始まった。
「うぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!」
絶賛空の彼方から落とされているわけだが。
下を見ると他にも男1人、女2人、猫1匹が自由落下している。
「ぬぅぅぅぅぅぅおおおおおおおおお(何気に緩衝材っぽいのが纏わり付いているから、落ちても死なんな、これ)」
確か、手紙を読んだんだ。で、気づけばこんなことに。
おい、誰か説明しろ。全く訳わからんぞ。
「こぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおーーーーーーーダイレクトエントリーーー!!!」
そうして着水。一際大きな水しぶきが上がる。
取り急ぎ底まで潜ってから上がってくることにする。
「・・・・・・・・(え、てか、深すぎない?これ。何メートルあんだよ。)」
懸命に潜っていくが、そろそろ息が限界だ。やべぇ、しぬしぬ!!
そのまま上向いて浮上しーーーーー。
「きゃああああ!!!」
一つのどざえもんが出来上がった。
「おいおい、まさか死人がでるとはな・・・」
「ちょ、ちょっとどうするのよ・・・」
「・・・・・」
男と女の声が聞こえてくるが、面白いので無視する。
すると、何気に助けに来てくれるようだ。
「ったく、お嬢様方が大丈夫だったのに何で・・・」
「ふんっ!!」
「んなっ!!」
助けに来てくれた少年の手を引っ張り、再度潜水開始。
少年も懸命に俺の手を払おうとしているがそうはさせん。
「ごぼごぼごぼっ!!(良いから一緒にどざえもんになれ、この野郎っ!)」
「ごぼごぼごぼごぼっ!!(ふざけんな、まじふざけんな、オイっ!!)」
少年よ、待たない。
30秒ほど経っただろうか。少年がおもむろに手を振り抜いた。
ーーーー結果。
「「うおおおおおお!!」」
湖が破裂した。どんな力を込めて振り抜いたんだ、この少年は。
てか、自然破壊も甚だしい。まったく、そこらへん注意してやらねばな。
「おい、さすがに湖を破裂させるのはまずいんじゃねぇの!?」
「ヤハハハハ、てめぇが手ぇ話さねぇからだろうが!!」
「え、なに?俺が悪いの?なにも悪くねぇだろうが、コラッ!」
空中でジタバタしながら牽制し合うバカ二人。
しかし、忘れないでもらいたい。今二人は地面に向かって落下しているのだ。
「まぁ良い。続きは降りてからだ!」
「は、なにーーー」
スタッ。 ← 少年
ゴンッ! ← 俺
「「「・・・」」」
頭から着地する俺。若干埋まってるから、頭が抜けん。
ジタバタジタバタジタバタ・・・グッグッグッグッグッ
「てめぇは何やってんだよ」
力任せに引っこ抜かれて、天地逆さまですよ。
「こら、てめぇ、さっさと抜けや」
「お前、喧嘩売ってるだろ。なぁ、売ってるだろ?」
「だったらなんだ、おい。買ってくれんの?高いぞ?」
「上等だてめぇ!!」
足を掴んだまま思いっきり叩きつけられる。
あのさぁ、背中かゆいんだけど。そもそも叩きつけるってのは。
「こうしないと」
「なっ!」
ストレッチの要領でからだを曲げ、叩きつけた少年の手を握り、こう、グイっと。
「うおっ!!!!」
「おっとっとっと。軽いなぁ」
無造作に上に放り投げそうになったので、ちょっと力を込める。そのまま地面に叩きつけよう。
3回ぐらい。
「そらよっと」
「ーーーーー!!!」
地震が起きる。震度5くらい?わからんけど。
3回叩きつけると動かなくなってしまった。
「おーい、しょーねーん。起きないと罰ゲームなー。はい、いーち、にー」
「う、お、て、てめ・・・」
「はい、じゅーう。何だ、弱っちいなぁ、君」
つまらん。
けど、3回叩きつけて口がきけるとは中々やるな。
「んじゃあ、少年。ここにいる5人にジュース買ってこいよ」
「んだと、てめ・・・てか、気付いてたんだな」
「へ?いや、あれで隠れてるっていうのか・・・てか、おい。何話逸らそうとしてんだ!」
「ちょ、ちょっと・・・」
聞かん坊にはお仕置きが必要だな。
「いや、ちょっと待て、何する気だ、おい!」
「大丈夫、目をつむってる間に終わってるから」
「それは男が女を襲う時に言う言葉だろうがっ!」
「だから、ねぇ、ちょっと待ちなさい!!」
五寸釘バットを振り下ろそうとしたら、女の子が割って入ってきた。
なに?殴られてぇの?ドM?
「何か、とても不愉快な気持ちになったのだけれど」
「知らんな」
「まぁいいわ。それより、あなたのお名前、教えてくださる?」
髪を書き上げて、非常に優雅にーーー顔に青筋が浮いてなければーーー微笑みながら自己紹介を促される。
「てか、君らはもうしたのか?」
「ええ、あなたが死体の振りして浮かんでくる前にね」
「楽しかっただろうに」
はっはっはっ。青筋浮かべんな。怖ぇよ。
「此上無っていうんだ」
「嘘つけ、ゴラッ!なぁにが、「このうえない」だ!キメ顔つくんな、ウゼェ!」
「何だ、冗談じゃないか。少年、短期は損気だぞ?」
テメェに言われたくねぇ!!と憤っている少年は無視して、目の前の少女を見る。
ついでに隣に立っている少女も見る。猫。
ふーむ。
「戦力の差は歴然か・・・」
「どういう意味」
「何のこと?」
「いや、忘れてくれ。俺は三上近衛だ。まぁ、よろしく頼むわ」
「三上さんね。私は飛鳥。久遠飛鳥よ」
「春日部耀」
「俺はさかまわ「いや、少年はいいや」り、テメェ、マジでふざけんなっ!」
なんだよー、じょーだんだろー。てか、喚くな、うるさい。
どうすんだよ、隠れてるお嬢ちゃんが出てこれなくなってるじゃん。
「そ、の、半分は、おま、えの、せいだろう、が・・・」
「知らん。うるさい。黙れぃ」
少年はいつの間にか、また地面に叩きつけられている。
一体なにが起こったのやら。
「さて、そろそろ出てこいよ。じゃないと逆廻をそこに投げる・・・」
「三上さん、お願いだから「それいい考えだな」みたいな顔しないで!」
「いや、ここに転がってても邪魔だし、良くね?」
「三上、やりたい放題」
ええい、久遠嬢、離せ。そいつを投げれないじゃないか。
HA☆NA☆SE☆!!
「ちょーっとお待ちくださいっ!流石に投げられても対応に困るといいますか」
「出てきた出てきた、釣れたぞおい」
がさがさと音を立てて現れたのはうさみみ少女だった。
おいおい、いい趣味してるぜ。うさみみとはよぉ・・・。
うさみみ少女は俺たちのそれはそれは冷たい目線を前に、身を小さくしながら笑みを浮かべる。
「や、やだなぁ四人様方。そんな狼みたいな怖い顔で見られると、死んでしまいますよー。ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギに免じて、ここは一つ、お話を聞いていただけたら嬉しいのでございますよ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「うーん・・・」
「あっは、取りつくシマもなしですね。最後の方は、えーと、どうなのですか?」
少々困惑気味の黒ウサギ。他の面々は、早くなにかしらのアクションを起こせよ。と目で訴えている。
「うーーん・・・zzz」
「寝てる!?」
「三上、立ったまま寝た」
「えーっと、どうすればよろしいのでしょうか・・・」
「zzz・・・・・・・・・はっ!」
いきなり声をあげて起きる近衛。その行動に、ビクッと驚く女性3人。
近衛はおもむろにあたりを見回しーーー
「説明終わったか?」
「い、いえ、一言も説明していませんが・・・」
「おいおい、なにやってんだ、このバニーガールは。さっさと説明しろ説明を」
「ええぇぇぇ!あなた様が寝てしまわれるから、黒ウサギは待っていたのですけれど!」
「知らん。さっさと話せ、ちゃっちゃと話せ。時間は有限なのだ」
頭を抱え出した四人。てか、逆廻、お前いつの間に復活したんだ。
中々頑丈だな。次はもっと強くしてやろう。
「う、うぅぅ、この方、本当の本当に問題児様ですぅ・・・」
「それより、この耳本物?」
「えっ?」
春日部嬢が後ろに回り、うさみみを引っ張っている。
それに乗じて久遠嬢と逆廻も引っ張っている。
「おいおい、お前ら。人の話を聞いてたか?時間は有限なんだぞ?」
「テメェがいうなテメェが。時間を無駄に浪費してるのはお前だろうが」
「そうよ。三上さん、そろそろちゃんとしてくれない?」
「自由奔放過ぎ」
「誰が支離滅裂のイカれ野郎だ!!」
「何でも良いですが、黒ウサギの耳を引っ張りながらしないでくださいーーーー!」
もう、めっちゃくちゃだった。
グイグイ引っ張りながら言い合う四人。握る手にも力が入る。
「抜けちゃいますーーー!もげちゃいますーーー!」
こんな問題児ばかり、誰が召喚したんですかーーー!