今回、オリジナルISがちょこっとだけ出てきます。
また割と文章が整っていません。ご了承ください。……あれ、いつものこと?
ま、いっか。本編どうぞ!
「♪~」
突然ですが、人っていうのは環境に適応する能力が非常に高い生物だと考えています。
住むところが大きく変わっても、案外すぐにその場所に馴染めるものなんです。
どうやら
束博士の研究所、というか至極普通の民家に連れて行かれて、女の子としての振る舞いを強要されて、早くも一ヶ月が経過しました。
一人称は『俺』から『ボク』に変えさせれたし(本来は『私』になるはずだったけど必死の抵抗で止めていただいた)、家事も大抵出来るようになったし、歩き方から何まで行動はほとんど女の子のそれになったし……。
男をやめさせられたといっても過言ではない気が。
今は束博士が外出中で、もうすぐ帰ってくるから夕食を作ってるんだけど、これも手慣れたもの。鼻歌交じりで作れるくらいには上達した。暇な時間には次のご飯の献立を考えだす始末。救いはないですね……。
「ただいま~、束さんのおかえりだよ~」
あ、帰ってきた。
「おかえりなさい、博士。もうすぐご飯ができますので、手を洗ってきたください」
「おっけー」
そしてこのなじみ具合である。家事はほぼすべてボクが担当することになっているので、この家に何があるかはだいたい把握できた。
ちなみに研究はほとんどしていない。十分が乗ってみたいと思うISの設計をしているだけで、
何はともあれ、まずはご飯。お風呂のお湯も沸かしておかないとね。
ご飯も食べ終わり、食器も洗い終わって、食後のティータイム中。テーブルで向かい合って温かい紅茶を飲んでいるときに、ボクは、例の話を切り出してみた。
「あの、博士」
「ん、なーに?」
「そろそろISの研究がしたいです」
「あー、そういえばそろそろ一ヶ月になるんだねー。いいよ」
「……割とあっさりですね?」
「うん、だってダメな理由はないし。家事も普通にこなせるようになってきたし、もう大丈夫かな、って思って」
「ありがとうございます。さすがに機体の設計ばっかりは飽きてきたところなんで……」
「そっかそっかー。……ん?ちょっと待って、設計って何の話?」
「あれ、話してませんでしたっけ?暇な時に、部屋のPC使って設計図作ってたんです。まだデザインとコンセプトしかできてませんけど」
「何それ見たい見たい!そのPCここに持ってきて!ほら早く!」
「ちょ、落ち着いてくださいって、見せますから」
博士は満面の笑みを浮かべて、さらに眼を少女漫画に出てくる乙女のようにキラキラさせている。少女漫画読んだことないけど。
「ほらほら早く早く!束さんはもう待ちきれないよぅ!!」
「わかりましたから、すぐに持ってきますからちょっと待っててくださいって」
ボクは部屋からノートPCを持ってくるために、部屋に駆け込んだ。持ってくるまでの間もずっと博士に急かされてた。
「ふむふむ、なるほど……。機体の名称は未定、
「はい。武装はあんまり設計してませんけど、最低でも15は積む予定です」
「15!?多いねー、拡張領域足りる?」
「そこはボクがなんとしてでも広げます」
「そっか。そういうことなら私も手伝うよん。この機体、なかなか作るの面白そうだしね♪」
「いいんですか?まだまだ構想段階ですし、うまくいくかわかりませんよ?」
「だいじょーぶだいじょーぶ!私とみーたんが作るんだから、なんの問題もないって!」
博士はボクのことを『みーたん』と呼ぶ。『ミ』カゼだから、みーたん、らしい。男の子っぽさのかけらもないよね。
「うーん、確かにボクとしてはこの機体が誰かの役に立つのはうれしいから、これが実現するって言うのはうれしいんですけど……。ところで、開発したとして誰が乗るんですか?」
ホントはボクが乗りたいんだけど、一応聞いておく。
「ん?そんなのみーたんしかいないじゃないか☆」
「……えっ?」
もしかして、俺……ボクにIS適性があることがばれてる!?いや、そんなことはないはず。ならどうして……!?
「博士、ボクは男ですよ?ISに乗れないのは、製作者である博士自身がよくわかってるじゃないですか」
「んーとね、べつに乗れないわけじゃないんだよ?乗れないように『設定』しているだけで」
「設定?ISって、もともと女性にしか扱えないように出来てるんじゃないんですか?」
「ううん、違うよ。私が全てのコアにそう『設定』しているだけ。その設定さえ書き換えて、あとはキミの体にも少し細工すれば、みーたんでもISが乗れるようになるよ♪」
なるほど、だから乗るのはボクしかいない、って言ったのか。でも体に施す細工って……?
「……その細工って、まさか本当に女性にするってわけじゃないですよね?」
「あはは、さすがに違うよ。体にマイクロチップを埋め込むってだけ。みーたんがISに触れたとき、マイクロチップがISと触れている体の部分を通してISをハッキング、設定を書き換えるんだ。そうすれば、そのISは『女性にしか動かせない』という枷を外され、新たに『女性とみーたんにしか動かせない』っていう枷をはめられるの。そのチップさえあれば、キミでもISを動かせるようになるよ」
「ボクが、ISを……」
ボクがそうつぶやくと、博士が微笑んだ。
そういえば博士ってすごく美人だから、笑顔とかめちゃめちゃかわいいんだよね……。
「そ。みーたんが、ISに乗るの。
……みーたんは、どうしたい?」
「え?」
「みーたんは、ISに乗りたい?」
……そんなの、決まってるじゃないか。
「……乗りたいです。ISに乗って、空を飛びたい。大空を飛ぶ感覚を、この身で、味わってみたいです!」
「ん、そっか。」
博士はそう言って目を瞑り、次に開いたときは今までに見たことのないような真面目な表情で、向かいにいるボクの手を自分の手で包み込むように握った。
「じゃあ、一つだけ約束して」
「……なんですか?」
「みーたんがISを使えるようになって、世界の表舞台に立つことになった時、きっと注目を浴びると思う。そしたら、何でもいい。みーたんの好きなもの、大事なものを、そのISで『守って』欲しいの」
「守る……ですか?」
「そう。『守る』の」
博士は頷いて、話を続ける。
「ホントはね──私は、今の世界みたいに、ISが軍事目的で開発されるのが嫌なの」
「……確か、ISの本来の用途は『宇宙空間での活動のためのマルチフォーム・スーツ』でしたっけ?」
「うん。確かに戦闘に関しても結構重点はおいたけど、それはあくまで緊急時のための機能。本格的にドンパチするために作ったものじゃないんだよ。白騎士事件だって、本当はISを出したくなかったんだ」
白騎士事件……確か、最初のIS『白騎士』に乗っていたのは織斑千冬さん、だったね。
「じゃあ、どうしてISでミサイルの迎撃を?」
「……『ISなら、守れる』って、思ったんだ」
「守れる……?」
「そ。あのミサイルを落としまくって、ISのコアを世界に渡せば、気付くと思ってたんだ。『ISなら、大切なものを守れる』ってことに。各々のISが形を変えても、それは何かを守るためにあるんだってことに」
「……でも。世界はそう理解はしなかった。ISは、非常に強力な軍事力になると考えたんですね」
「その通りだよ。あいつらは、ISを軍事力として利用しようとしてる。
……第一世代ISの目的って、知ってる?」
「第一世代の目的、ですか?……わからないです」
「『ISの完成』。宇宙でのマルチフォーム・スーツとしても、何かを守るためとしても、そういう意味で完成させるために世界は開発を続けてた。でも、どうしても軍事力として利用するところが出てきちゃった。そこから、第二世代ISの開発が始まったんだ」
「後付け武装による多様化……ですね」
「そう。この時点で、もう軍事的にしかISを見ていない。だから、そんな世界に、みーたんは示してほしいの」
「ISは、何かを『攻撃する』ためにあるのではなくて、何かを『守る』ためにある……」
「うん。私が伝えたかったことを、キミが、代わりに伝えてほしい。何でも構わない。キミの好きなものでいいから───守って」
そう言って、博士はボクのことをじっと見つめてきた。
きっとこれは、博士の心からのお願いなんだ。だったら、ボクは、その願いに全力で応えなければならない。いや、応えたい。だからボクは、博士の目を見つめ返して、言った。
「もちろんです。ボクは、自分の大切なものを───家族を、そして博士。貴方を、守ります」
すると博士は顔を赤くして、急に眼を逸らして握っていた手を離した。
「ありがとう、うれしいよ。……でも、今のはちょっと……プロポーズみたいだね」
「え、いやその、えっと、」
そ、そんなつもりはなかったんだけど……確かに思い返すとすごくはずかしいことを言っていた気がする。
「ふふふ、ありがと、みーたん。すごくうれしかった」
「い、いえ、その……生意気なこと言ったようで、すみません」
「ううん、いいよ。
……さて、結構遅くなっちゃったね。お風呂入って寝ちゃおう。チップに関しては明日ぱぱっと作っちゃうよ」
食事を済ませたのは8時過ぎだったのに、時計はもう10時を指していた。
「お願いします。じゃあ博士、お風呂お先にどうぞ」
いつも通り、博士から先に入るように言ってボクは部屋に戻ろうとした。
しかし博士は、何故か頬を膨らませ、拗ねたような表情でこちらを睨んでいる。
「むー。その他人行儀な呼び方止めてよ。ちゃんと名前で呼んで」
「……はい?」
「だ・か・ら!『博士』じゃなくて『束』って呼んでよ!ずっと思ってたけど、堅苦しいの!」
「うーん、でもそれは博士に申し訳ない気が……」
「私がいいって言ってるのにー……それとも、私のことを名前で呼ぶのはいや?」
……どうしてこう、ボクの身の回りの女性たちはみんな上目遣いが上手なんですかね。
かわいすぎるだろう!さっきも思ったけど、この人すっごい美人だからそういうのすると反則級にかわいいんだって!断れるわけがないでしょう!……もしかしてボクが上目遣いに弱いだけなのかな……?
「わ、わかりましたよ。呼べばいいんでしょう、呼べば……。これから『束さん』って呼びます。これでいいですか?」
「うん、そうそう!ふふふ、これからもよろしくね?みーたん♪」
「はい、よろしくお願いしますね、束さん」
「よーし!じゃあお風呂入ってこよっかな!」
そう言って元気よく立ち上がり、お風呂場に歩いて行った……と思ったら、途中で振り返ってニヤニヤしながら言った。
「みーたん、
「入りません!ほらはやくお風呂入っちゃってください!」
束さんが言った『女の子らしい振る舞い』の中には、当然身だしなみや服装といった類の物も含まれていた。服装に関してはもう完全に女装とかのレベルで、今自分の部屋のクローゼットに入っている服は全て女の子のもの。どこから用意したのか聞いたら、「買ってきた!」と返された。この辺は山の中だけど、ふもとまで下りれば普通に町がある。どういうわけか、束さんはそこにふつうに降りて行って買い物をしてきているようなのだ。変装でもしているのかな……?ちなみに今のボクの格好は、白いスカートに水色パーカー、レモン色のブラウス、黒のニーハイソックス。どこからどう見てもただの少女である。
そして束さんには髪にも気をつけるように言われた。もとから少し長めだったせいでもあるが、今はすでに肩くらいまで伸びている。ここに来た初日、髪を丁寧に洗うように言われたんだけど、具体的にどう洗えばいいのかわからなかったので普段通り済ませたところ、束さんに怒られた。「もっとしっかり洗わないとだめだよ!私が一緒に入って教えてあげる!」と言われ、つい1週間ほど前まで一緒に入っていたんだけど……ボクにとっては拷問のような時間だった。出来る限り束さんの体を見ないようにしたり……すごく大変だった。
「ちぇー、つまんないのー。じゃ、髪とか体とかしっかり洗うんだよ~」
「はいはい……」
呼び方は変わったけど、これからもずっと弄られることに変わりはない気がする……。
救いは、ないね。
というわけで、微妙にシリアスでした。ミカゼ君が完全にボクっ娘になっている件。ちなみに私服は琴浦さんを参考にしました。琴浦さんかわいい。
自分、執筆は基本的にEvernoteでやっています。自宅ではPC、出先で思いついたらiPhoneで書き込む、というスタイルなのですが……。
書き終わって、さあ投稿だっていうほんの数分前に、間違えてデータを消去してしまいました。
しかも消去してから同期したので、それこそ完全にデリートしてしまったのです。
……というのが約2時間前の出来事。
そこから覚えている内容をガリガリと書き連ねて、ある程度清書して出来上がったのが今回です。
消去に気付いた時は本気で泣いた。そして今までにないくらいのスピードでキーボードを叩いた気がします。腕と指が痛い。腱鞘炎になりそう。
オリジナルISの名前ですが、ようやっと仮決定しました。みなさん、ご協力ありがとうございます!今後さらに良い名前案がなければこれで行きます。
一応まだ受け付けてはいますので、これどーよ?的なのがあればどんどんください。待ってます!
感想や一言についてですが、些細なお言葉でも非常に私のやる気値がアップします!いっぱいいただけたら嬉しいです!あと評価も。
ここはこうした方がいいんじゃないか、誤字脱字見つけた、等々
コメントしていただけると非常に喜びます。
あんまりキツイお言葉は私の心がバッキバキに折れてしまうのでやめていただけると幸いです。
それでは、次回を気長にお待ちくださいっ!