UBW~倫敦魔術綺譚 (未改訂版)   作:冬霞@ハーメルン

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だんだん文体が安定してきましたね。改訂も頑張っていきたいです。
今はSAOの次話を更新出来るように頑張っていますので、そちらもどうぞyろそいく!


第十五話 『伽藍洞の人々』

 

 

 

 

 side EMIYA

 

 

 

「え? 紫遙いなくなっちゃったのか?」

 

「そう。なんか里帰りとかで、日本に」

 

 

ある日の夕食の時間。昨日からずっと煮込んでおいた大鍋にいっぱいに満たされた特製のハッシュドビーフを掻き交ぜながら、俺は遠坂の報告にそう返した。

なんでも今回教授から出された課題があまり得意じゃない分野だったとかで、どちらかといえば鉱石の方に詳しい紫遙に協力を頼もうと思ってたんだとか。

俺もセイバーもそういうのについて助けてやることができないから、あの人の良い(悪い?)友人には少しばかりの嫉妬に似た感情を覚えてしまう。

ちなみに以前このことを遠坂に打ち明けたら、『そんなこと言ってる余裕があるなら、新しく魔術の一つでも覚えなさい』と正論をお説教された後、すごく嬉しそうな顔で抱き着いてきた。なんでさ。

 

 

「じゃあ例の課題はどうするんだ?」

 

「ちょっと癪だけど、ルヴィアゼリッタに共同研究を申し込むわ。あいつもそこまで得意ってわけじゃないけど、二人寄ればなんとかなるでしょ」

 

 

不愉快そうに眉間に皺を寄せながら遠坂はシンクに腰を預けて紅茶を飲む。

会う度に程度の差こそあれ某かの口論や、時には実力行使の“お話し”をする二人だけど、はたから見てると実は結構相性がいいんじゃないかと思ってしまう。

普段家でこぼしているルヴィアへの悪口もちょっと捻って解釈すれば、互いの実力を認めているような節もあるし。

 

 

「それにしても今頃里帰りか‥‥。随分とまた急なんだな」

 

「あいつは私達とは違って、もう一年もココにいるらしいから。そんなものなんじゃないかしら?」

 

「そっか」

 

 

さらりとどうでもよさげに流した遠坂に、俺も適当に返事をして鍋の中身に集中する。

両儀の道場はもう顔見知りだから紫遙がいなくても出入りできるし、遠坂とは違って別になにか頼み事をしようとしてたわけでもない。

時計塔で普通に喋れる男はあいつしかいないから少し淋しくはなるけど‥‥

 

 

「あぁ、でも‥‥」

 

「どうかしましたか? シロウ」

 

 

いつの間にか俺の隣に立ち、スプーンでシチューを掬って味見と言う名の前食を楽しんでいたセイバーが顔を上げる。

両脇に美少女を二人侍らせているという他人が見れば実に羨ましいのかもしれない光景ではあるが、実際はそういうわけでもないのは今更言うまでもないだろう。

最近ご近所様で『二人の美少女を囲う罪な少年』として話題に上っているのを知っている以上、この現状には苦笑ぐらいしか出てこない。

なぁ紫遙、お前にならわかるだろ―――って、そうか、この苦しみを分かち合う奴はいないんだっけ。

 

 

「いやさ、今作ってるこれを紫遙に差し入れしてやろうって思ってたからな。少し多く作りすぎたか‥‥」

 

「侮らないでほしい、シロウ。この程度の量を飲み干せなくてなにが英雄か。私の目の黒い内は料理が余るなどということはない。安心して下さい」

 

「そ、そうか。ははは‥‥」

 

 

とりあえず食事の量の多少で英霊の価値は決まらないと思う。ま、ランサーとかなら結構食べそうだけどさ。

ていうか食べるんじゃなくて飲むのか。表現方法の違いがやけに気になる。

でも多分セイバーなら、全く相違なく水のように、この大量のハッシュドビーフを飲み込んでいくんだろうなぁ‥‥。

ぶつぶつと何かを呟き続ける恋人と、間断なくシチューの味見を続ける元従者に挟まれながら、俺はなんとなくやるせない気分になって溜息を零したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああいたいた! 紫遙君! こっちこっち!」

 

「‥‥幹也さん?」

 

 

空港を出て電車に乗るか、豪勢にタクシーを使うか思案していた俺の前に現れたのは、いつもと寸分違わぬ恰好をしたいくらか年上の同僚だった。

上着も黒、ズボンも黒、そしておそらく下着も‥‥かどうかはわからないが。

とにかく残暑もまだきついと言うのに、上から下まで肌を除けば完全な黒づくめなその風体は、当人のいかにも人のよさそうな優しげな顔がなければ、不審者として通報されたっておかしくない程の違和感をあたりに振り撒いている。

 

 

「迎えに来てくれたんですか? わざわざすいません」

 

「気にしないでよ。今日は所長も気が散っちゃってるみたいだし、仕事になりそうもないからね」

 

「橙子姉が、ですか‥‥?」

 

 

黒づくめの青年の後について駐車場へと向かう。

居並ぶ車の中にあって一際古めかしい軽自動車、橙子姉の愛車の一つ、モーリス・マイナー1000の助手席のドアを開けて潜り込んだ。

ヘビースモーカーの橙子姉の車だけあってかなり煙草臭く、幹也さんは乗り込んですぐに窓を全開にして空気を入れ換えた。

 

 

「事務所だと平気なんだけどね。こういう狭い空間だとちょっとさ‥‥」

 

「いや、橙子姉が吸ってる銘柄が特別臭うんですよ。あれは俺も無理です」

 

 

一時期義姉達の真似をやたらと試みた時期があり、いろんなものに手を出した。車と二輪の免許もとったし、ふらっと旅に出てみたこともある。

その中でも最たるものが橙子姉の煙草だが、あれだけはどんなに頑張っても無理だった。普通の煙草は平気だけど、あの銘柄だけはどうにも不味くて吸えたものじゃない。

今でも月に一回は戯れに譲ってもらった分から試してみるけど、今の所の戦績は0勝全敗0引き分け。先は長そうだ。

 

 

「まぁ、あれだよね。なんだかんだで橙子さんも一年も音沙汰なしで心配してるんだよ。ちょっと前には実験か何かで大怪我しちゃったこともあったんだって? 僕もあんまり他人のことは言えないけど、家族には心配とかかけないようにしないと」

 

「分かっては、いるんですけどね‥‥」

 

 

橙子姉が原作とかからじゃ想像も出来ないほど俺のことを気にかけてくれているのはよく理解しているし、感謝もしている。

、以前日常的に受けたガチでスパルタンな魔術指導とか、一つ単語を間違えるだけで軽いルーンを刻んだ小石が飛んでくる学校の宿題とか、そういうかなりの恐怖をともなった体験ばかりがフラッシュバックするので素直にその愛情(?)を受け取れないという、なかなかに困った性分になってしまったのだ。

お互いにそれを理解しているから関係は円滑だから問題はないんだけどさ。

 

 

「それで、今日はどうして帰ってきたんだい? 橙子さんは随分とまた物騒なことを口にしてたけど‥‥」

 

「あぁ、大丈夫ですよ。そりゃちょこっとばかり危ないとは思いますが、勝算はありますし」

 

「‥‥あんまり無理はしないでね。僕達だってそりゃあ心配してるんだから」

 

 

海外旅行ラッシュとは少々ずれた時期に帰ってきたために、高速道路はすかすかで渋滞もしていない。古くさくはあるがこまめに(俺が)整備していたクラシカルな英国車は快調なエンジン音を響かせながらすいすいと道路を進んでいく。

高速では窓を開けられないため車内のエアコンを外気に変えてガンガンに効かせているからさほど煙草の匂いは気にならない。

車外を流れていく、前の世界にいたときと寸分違わぬ東京の景色が妙に懐かしく感じた。

 

 

「そういえば幹也さん。頼んでおいたもの、できてますか?」

 

「うん、ちゃんと調べておいたよ。曜日別の時間帯までばっちりさ」

 

 

運転していた幹也さんへ尋ねると、ダッシュボードから一束の書類を取りだした。

一日を表す二十四個の項目の中に、なにやらその日その時間帯にとると思しき行動がびっしりと記入してある。

頼んでから二週間ぐらいしか経っていないというのに、相変わらずトンデモない調査力だ。

 

 

「これはまた‥‥。予想以上ですよ、幹也さん。これなら作戦も更に細かく立てられます」

 

「役に立てたなら良かったよ。君には橙子さんの代わりにお給料も貰ってるし、ね。これからも何かあったら承るよ」

 

 

インターチェンジが目の前に近づいている。

伽藍の洞があるのは都心からは少々離れた、それでいて一部の二十三区よりも便がいいという中々微妙な場所だ。

妙なところでこだわりがあるのか今だにETCを導入していないモーリスは一旦料金所で止まり、都会の喧噪の中へと潜り込んでいったのだった。

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

 

工房・伽藍の洞。

渋谷からもいくつか電車を乗り換えれば着くというこの街の、既に建築計画が放棄されて久しい廃ビルにその個人経営の会社は存在する。

四方を塀で囲まれたこの空間に、用事のない者が入ることは適わない。希代の魔術師、封印指定の人形師である蒼崎橙子謹製の強力な結界が廃ビルの敷地を覆っているからだ。

ともすれば時計塔の教授レベルだって、うっかりすれば見過ごしてしまう可能性があるだろう。

そんな殺風景で温度を感じない建物の階段を上り、俺は四階のドアをあけると帰還の旨を伝えるべく口を開いた。

 

 

「よく帰ったな、紫遙。厄介事をついでに持ってきたのは感心しないがな」

 

「帰って早々の第一声がそれ? 橙子姉」

 

「当たり前だ。私は面倒くさいことが一番嫌いなんだ」

 

 

嘘だ、と俺は自分の席に腰掛けて煙草の煙を吐き出した橙色の髪の義姉に内心大いに毒づいた。

この暇をもてあました魔術師は面倒でややこしい事件を見つけては某かの形で首を突っ込む癖がある。

式のこともそうだし、藤乃君のときだってそうだ。鮮花の弟子入り嘆願だって、拒否しようと思えばいくらでも拒否できたんだし。

なんだかんだ言って甘くて優しい。他人に見せる魔術師としての冷徹な顔も真実橙子姉の一面ではあるのだけれど、それでも俺はこの人が身内にはなんだかんだで甘いことを知っている。

否、どうも最近幹也さんとかも察しているらしい。

あの人も大概一般人じゃないよな。

 

 

「あらお帰りなさい。久しぶりね、紫遙」

 

「ああ、鮮花か。魔術の勉強は進んでるかい?」

 

 

給湯室の方から俺の妹弟子にあたる黒桐鮮花が姿を現した。

到着の時間を予期していた師匠の支持か、手には茶を淹れた湯飲みを載せた盆を持っている。

ちなみに片方にはお茶菓子までついている。おそらく幹也さんの分だろう。相変わらず実の兄への恋愛感情は衰えるところを知らなそうだ。ていうか少しは兄弟子を敬おうとか思わないのか?

 

 

(そんなことより貴方、早く式を落としちゃってよ。あいつったらいっつもいっつも幹也とべたべたべたべた‥‥! あいつがいなくならないと私が幹也と一緒にいる時間が減っちゃうじゃない!)

 

(そんなの俺の知ったことじゃないだろ。ていうか俺に死ねというのか、非情な妹弟子よ)

 

 

近寄って湯飲みを渡してくれた鮮花がごにょごにょと小声で俺を地獄へ行進しろとせっつく。

どう考えても無理だ。まず式は幹也さん一筋だし、俺は式の相手なんて怖くてしていられない。

とりあえず対抗相手を他力本願で除けてしまおうという後ろ向きな考えから矯正して出直しなさい。

 

 

「まぁ飛行機の旅は疲れただろう。座れ」

 

 

立ったまま湯飲みの緑茶をすすっていると、橙子姉が手に持ったペンで俺を椅子へと促した。

来客と式用のソファーじゃない。俺が前に橙子姉の補佐をするために使っていた仕事机だ。

昔使っていたものは全てそのままに残してある。俺もなんとなくこちらの方が落ち着く気がしたので、特に文句もなく席に着いた。

 

 

「黒桐、お前は式を呼んできて、一旦下がれ。ここから先は裏の話だ」

 

「わかりました。‥‥紫遙君、頑張ってね」

 

 

あんまりといえばあんまりな程につっけんどんな橙子姉の言葉に頷き、幹也さんはすらりと部屋から出て行った。

式が今どこにいるのかは知らないけど、きっとあの人なら二十四時間彼女がどこにいるのか把握しているのだろう。

なにしろ調べることに関しては最上位の魔術師にだって適わない程の、正直怖い程の腕前なのだ。彼が本気になったらゴルゴのスケジュールだって把握できてもおかしくない。

 

 

「さて、まずは持ち込んだ厄介事について話して貰おうか」

 

「ちょ、橙子師。私はいて大丈夫なんですか?」

 

「ああ。お前にも関係のある話だ」

 

 

今だに立ったままの鮮花がうろうろと困惑を含んだ声をあげる。橙子姉はそれを容赦なく叩っ斬ると、彼女の定位置の椅子を指さして座るように指示した。

伽藍の洞自体の運営には関わっていないが、用意されている机の上には数々の魔術書などが並んでいる。

本来魔術師の家系ではない鮮花には魔術の知識を詰め込めるだけ詰め込む必要があるからだ。

俺は全員が定位置についたのを確認すると、おもむろに今回の帰国の要点のみを話し出した。

 

 

 

 

 

 

「‥‥成る程。それでお前は正義の味方の真似事がしたいというわけか」

 

「ダメか?」

 

「今さら何を言う必要がある。もしダメならロンドンにいる段階で青子が四肢を砕いてでも止めたはずだ。私からは何もない」

 

 

鮮花がいる手前ゲームのことなどは省いたが、大体の事情はそのまま説明した。

橙子姉は既にほとんどのことを理解しているらしく全く表情は動かなかったが、見習い魔術師の鮮花は垣間見た魔術師の闇の部分に些か以上のショックを受け、呆然と目を見開いている。

まだ一般人に片足突っ込んだままの彼女からしてみれば、自分の家族を胎盤にするなどという異常な在り方がとても信じられなかったようだ。

 

 

「それで、勝算はあるのか? 相手は数百年を生きた妖怪だ。生半可な相手ではないぞ」

 

「大丈夫。式に協力を頼んであるから」

 

 

間桐桜の心臓に潜んだ臓硯の本体をころす為には、橙子姉の人形に体を移してしまうか、式のもつ直死の魔眼が必要だ。

橙子姉の人形はやたら値が張るから善意という名の自己満足の押しつけに使うには気がひけるし、心臓に潜んだ爺に気づかれないようにやるのはまず不可能だろう。

よって俺は、日本に帰ってくる前に式に手紙を出し、手を貸してくれるように依頼し、快く承諾をもらっている。

本人曰く、最近平和過ぎて退屈だったから一暴れしたかったところだとのこと。ちなみに交換条件というか、対価のようなものもあったんだけど‥‥今は割愛。

 

 

「まあいい。では私から二つばかり手土産を持たせてやろう」

 

 

興味なさそうに鼻を鳴らすと、橙子姉は鮮花に倉庫から何かをもってくるように指示した。

戻ってきた鮮花が手にしていたのは、ちょうど野球のバットをしまうためのものによく似た円筒。野球のそれに比べてやや太めで、真っ黒で頑丈な作りをしている。

 

 

「いつぞや壊れて修理を頼まれたお前の礼装だ。多少出力を上げてあるから、精々大事に使え」

 

「ありがとう、橙子姉。‥‥あれ? もう一つは?」

 

「なにを言っている。目の前にいるだろうが」

 

 

礼装の入った筒を受けとってふと首をかしげた俺に、上の義姉は口にくわえた煙草を器用に動かして俺の目の前を指す。

当然ながらそこには何もない。‥‥正確にいえば、“いる”。俺の妹弟子で、稀代の炎の使い手である、黒桐鮮花が。

っておいおい、もしかして‥‥?

 

 

「と、橙子師?! まさか私にも行けって言うんですか?!」

 

「当たり前だ。お前以外に誰がいる?」

 

 

自分は関係ないと高見の見物をしていた鮮花が悲鳴にちかい声をあげる。

その前にしていた物騒な会話にまさか自分まで巻き込まれるとは考えもしなかったのだろう。安心してくれ、俺もだ。

一体なんでまた自分がと怖い者知らずなことにつかみかかってまで師匠に抗議する鮮花だが、次の橙子姉の言葉で沈黙した。

 

 

「上手くいったら時計塔への推薦状を書いてやろう」

 

「‥‥‥‥わかり、ました‥‥」

 

 

魔術師なら誰でも彼でも時計塔で勉強できるというわけではない。

当然のことながら席には限りがあるし、入るためには誰かしら権威のある魔術師から推薦状を貰っておく必要がある。

橙子姉は今封印指定の執行が一時とりやめの状態になっているから、この人形師の推薦状があれば一発で上位のクラスに編入ないし入学できるだろう。封印指定とは一種のパラメータでもあるからだ。

魔術師としてやっていくつもりなら、遅かれ早かれ協会とはつなぎをとっておく必要がある。鮮花が渋々ながらも協力を受諾したのもこのような背景があるわけだ。

 

 

「じゃあ私ちょっと幹也に断ってきます。どうせ式と一緒だろうから、あの人も引っ張って来ますね」

 

 

ひとしきりぶつぶつと愚痴と文句を垂れた後、鮮花はスカートを翻してドアを開けると、一応お嬢様らしく足音も静かに去っていった。

おそらく式のマンションで用事も忘れてだべっているだろう馬鹿ップルの妨害が主たる目的だろう。ほんとに諦める気とか微塵もないな。

 

 

「‥‥いいの? 橙子姉。そりゃ炎が得意な鮮花がいれば百人力だけどさ」

 

「構うな。そろそろ仮免の試験でも必要だと思っていたところだったんだ。ちょうどいい話でもある」

 

 

すぱー、とこちらも相変わらず不味そうな煙を吐き出し、俺がいる時にはあまりかけない眼鏡を右手でもてあそぶ。

やっぱり心配してくれているのだろうか。そんな気はするけど、ここは正直にお礼を言うような空気でもないと思うんだよな。

なんていうか、ホント姉弟して難儀な性分をしている。

 

 

「とりあえずこれだけは言っておく。無理はするな。無茶もするな。自分の手に余ると感じたら一も二もなくとっとと逃げろ。‥‥必ず無事で帰ってこい。鮮花もな。妹弟子はしっかりと守ってやれよ」

 

「‥‥うん」

 

 

なんだかんだで青子姉とも姉妹なんだなぁと思ったけど、怖いので口には出さずに肯定の返事を返す。

随分と遅くなってしまったようだ。窓から見える空は、昔ここからよく見た綺麗な夕焼けの空だった。

 

 

「‥‥ところで、ホントに推薦状書くつもり?」

 

「あいつの両親が許したらな」

 

 

 

 

 

 

 16th act Fin.

 

 

 

 

 


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