エクストラダンガンロンパZ 希望の蔓に絶望の華を   作:江藤えそら

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ここは書いてて本当に辛かったです。


Chapter2 非日常編⑤ オシオキ篇

 きらびやかなスロットには、三枚の絵柄が揃った。

 それはすべて、”超高校級のエンジニア”、御堂秋音さんの顔が描かれていた。

 ”Guilty”の文字と華やかなファンファーレに彩られ、スロットからは大量のメダルが払い出された。

 

『うぷぷぷぷ!! おめでとう! だいせいかーい! ”超高校級の脳科学者”、釜利谷三瓶君を殺したのは”超高校級の殺し屋”、龍雅・フォン・グラディウス君で、その龍雅君を殺したのは、”超高校級のエンジニア”御堂秋音さんでしたー!』

 

 

 

 

 

 

 

 決着は、ついた。

 終わった。

 俺たちは真実を暴き、クロを見つけ出した。

 

 

 だが。

 喜べるはずがない。

 こんな結末。

 

 

 

 

 

「うぅ…ぐっ……うっ…うぶ………うっ…」

 御堂さんは裁判台にしがみつき、床に膝をついて泣きじゃくっていた。

 俺の頬にも、一筋の涙が通っていた。

 

 これが、御堂さんなのか?

 俺の、みんなの目前で子供のように泣く弱々しい少女が。

 あの、聡明で高圧的だった御堂秋音さんだというのか?

 

 

「なんで…どうしてっ‼︎」

 涙ながらに叫んだのは伊丹さんだった。

「信じてたのに‼︎ あなたは、あなただけは絶対にこんなことしないって‼︎ 信じてたのに‼︎‼︎ なんで‼︎ どうしてこんなことを‼︎‼︎」

「死ねない……死にだぐない……うぅ…」

 伊丹さんの叫びにも耳を貸さず、御堂さんはうわ言を呟くだけだった。

「どうして…あなたほど賢い人が……モノクマなんかの罠に嵌ったのよ……答えてよ…」

 伊丹さんは溢れ出る涙を拭いながら尋ねる。

「正当防衛…と呼ぶにはいささかおかしいね。身を守るだけなら爆弾やスタンガンで動きを封じるだけで良かったはずだ。わざわざ槍を刺してトドメを刺す必要などない」

 夢郷君の冷静な指摘が御堂さんの逃げ道をふさぐ。

 もっとも、今の彼女に逃げ道を模索する余裕などないのだろうが…。

「…動機を教えてくれ。なんでお前が、リュウを殺したんだ」

 前木君も尋ねるが、その声も御堂さんには届かない。

 

 

「ぎひゃひゃひゃひゃひゃ‼︎ ぶっ壊れた御堂さんに代わってオイラが説明してやるよ!」

 モノパンダが声を上げる。

 

「モノパンダが我々に提示してきた動機は”将来の夢”だった。御堂君の犯行も御堂君の夢に関することなのかい…?」

 夢郷君がモノパンダに尋ねる。

「まあ、平たく言うとそういうことだな!」

 モノパンダは明るく答えた。

『では、この場を借りて発表したいと思います‼︎』

 横に座るモノクマが声を張り上げると、泣き倒れていた御堂さんが顔を上げる。

「ま、待てっ…待って」

『御堂さんの将来の目標は……』

 

 

 

 

 

 

 

 

『”家族を作りあげることこと”でーす‼︎』

 

 

 

 

 

「‼︎」

 御堂さんの顔が凍りつく。

 

 

 

 

 その場にいた全員が、その言葉の意味を理解できなかった。

『うぷぷ、ワケワカンネーって顔だね! それじゃ、今回もスクリーンで動機をおさらいしていきましょう‼︎ レッツ、ショーターイム‼︎』

 モノクマが指をパチンと鳴らすと、以前の裁判で俺たちに悪夢を見せたのと同じスクリーンが降りてきた。

「待て……やめろ……」

 蚊の鳴くような声で御堂さんは抵抗するが、すぐに力なく床に崩れ落ちる。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 初めにスクリーンに映ったのは、クレヨンで書いたような汚い大きい文字。

 

 

 

 

 

 

 「みどう あきね ものがたり」

 

 

 

 

 

 

 次に映ったのは、これまた子供が描いたような雑な少女の絵だった。

 だが、服装や髪形などでそれが御堂さんであることは辛うじて分かった。

 

『あるところに一人の少女がおりました! 少女の名は秋音。彼女の母親はあちこちで男を作っては遊び回るようなポンコツでした! 秋音ちゃんの父親はどこの誰か未だにわかりません!』

 すると、画面内に御堂さんより大きい女性が現れた。

 

 すると、次はその大きい女性が御堂さんをひたすらに殴る光景が流れた。

 女性が腕を上下させているだけの適当な作画ではあるが、その映像を見てすくみ上がる御堂さんの反応から、それが事実として行われたことであることは容易に伺いとれた。

 女性…母親がいなくなると、御堂さんはその場に正座して自分を律する。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

「お…お母様……お母様ぁ…」

 スクリーンを見て、御堂さんは再び涙をこぼし始める。

 

 信じられない。

 一体いつどうやってこんな映像を作ったんだ。

 まるで最初から、彼女が犯行に及ぶことが分かっていたかのようじゃないか。

 

 

 ◆◆◆

 

 画面は何度も暗転し、その度に御堂さんが母親に虐待されている映像が映った。

 浴槽に顔を押さえ込まれ、気絶しかけるまで沈められたり。

 うつ伏せの状態で棚を上に乗せられ、身動きのとれないまま放置されたり。

 簡略化された粗雑な絵柄で描かれていたのは、見るに堪えない残虐な仕打ちだった。

 

『秋音ちゃんは母親に執拗な虐待を受けていました! ですが、母親を憎むことはありませんでした! なぜなら、自分が怒られるのは自分が母親からの言いつけをちゃんと守れていないから、つまり自分のせいだからなのです‼︎ だから、自分が母親に怒られることは秋音ちゃんにとって当然のことでした! 』

 

 一種の洗脳状態に近いのだろうか。

 虐待されるのが当たり前になりすぎて、そのような思考になってしまったのだろう。

 胸が張り裂けそうな痛みを感じる。

 

 

 やがて、母親が御堂さんを押入れに蹴り入れる。

 蹴られたお腹を押さえながら、御堂さんは小さくうずくまる。

 

 

『やがて、母親は秋音ちゃんを押入れに閉じ込めたまま、家に男を連れ込むようになりました!』

 押入れの中で雑誌を手に取る御堂さん。

 映像の中で雑誌がクローズアップされ、そして映像全体が雑誌の中の世界を映しだした。

 そこでは、仲良しの家族が車で颯爽とドライブしていた。

『真っ暗な押入れの中で御堂さんが思い浮かべたのは、大好きなお母さんとの夢でした! 車にのって、楽しく買い物して、いろんな所を巡りたい! 車を想像しながら押入れのガラクタで彼女が組み立てたのは、小さな小さな回路。それが、エンジニアとしての彼女の人生の始まりでした!』

 

 押し入れから出てきた彼女が抱えていた小さな機械を見て、母親は驚く。

 そして、嬉しそうに母親はその頭を撫でた。

 

『うぷぷ、お母さん、嬉しかっただろうね! 娘さんが意外な才能を持っていたおかげで、いい金づるが手に入ったんだもんね!』

 モノクマが語ったのは悲痛な現実。

 だが、幼い御堂さんにそんなことが分かるはずがない。

 ただ母親に褒められたとしか感じなかったのだろう。

 

『母親に褒められた秋音ちゃんは、もっと一生懸命にモノづくりに励むようになりました! この一件が彼女にとって重要な”飴”となり、ますます母親に洗脳される羽目になったんだね!さて、そんなある日、思いもよらず彼女の家族は増えました!』

 

 次に画面が暗転すると、母親が小さな赤ん坊を抱えていた。

『それは母親が生んでしまった二人目の子供。秋音ちゃんの弟、秋来(あきら)君です!』

 だが、母親は抱えた赤ん坊を御堂さんに押し付け、画面外へと歩き去ってしまった。

 この映像が表す事実は、とても悲惨で直視しがたいものである。

 

 

 ◆◆◆

 

 

「っ‼︎ や、やめろ‼︎ やめろやめろ、見せるなぁ‼︎」

 突如、様子が変わったように御堂さんは叫び出した。

『なんで? 君の弟の秋来君だよ?』

「やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろおおぉぉォオおぉおぉおオオォォオおォぉオぁぁぁあぁあ‼︎‼︎」

 唾液を撒き散らし、心の底から振り絞るように御堂さんは絶叫した。

 そのあまりにも壮絶な姿に、俺達は声をかけることもできない。

「上映中は静かにするのがマナーだぜ」

 モノパンダが辛辣に言い放つ。

 

 

 ◆◆◆

 

 

『うぷぷ、ネタバレしちゃうと、母親は秋来君の育児を放棄して、まだ幼い秋音ちゃんに押し付けて家を出ていっちゃったんだよね!!』

 

 なんという、なんという母親だ。

 あまりにも無残な仕打ちに閉口するばかりだった。

 

 映像内では、相変わらず子供の落書きのような絵柄で、バタバタとなき騒ぐ赤子と、その対応に苦慮する御堂さんの姿が映されていた。

 自らも幼い御堂さんには、ミルクの飲ませ方もオムツの変え方も分からなかったのだろう。

 ひたすらに泣きわめく赤子と、その周りを右往左往して慌てる御堂さん。

 二人のもとに母親は現れない。

 

 ◆◆◆

 

 

「やめろっやめろっやめろっやめろっやめろっ…やめて……やめれ下さいっ…見らくない……見せないれ…」

 モノクマが座る玉座にすがりつき、涙と鼻水と唾液で顔をグシャグシャにしながら御堂さんは懇願する。

 無論、二体のヌイグルミは何の反応もしない。

「もう無理…もう見てられない」

 亞桐さんも涙ぐんだ声で顔を手で覆う。

 画面の中では、慌てる御堂さんと衰弱する赤子の様子が映っている。

 

 

 ◆◆◆

 

 

 どれくらいの時間が経ったのかは分からない。

 ようやく母親が二人のもとに帰ってきたのだった。

 だが、そのとき映像に映っていたのは。

 

 隅に正座するやせ細った御堂さんと。

 布団に寝かせられたままの茶色くミイラ化した赤子の遺骸だった。

 映像に描かれているのは干からびたイモムシのような絵だったが、そのリアルな死骸を想像するだけで強い吐き気がこみ上げてくる。

 その光景に驚いた母親は、赤子を育てられなかった罰なのか、ひたすらに御堂さんの体を痛め続けるのだった。

 

 

 再び暗転。

 

 

 70年代のコンピューターゲームのような音源の、ゲームオーバー時のような暗い曲調の音楽が流れ始めた。

 悪趣味、という次元ではない。

 一人の少女が見た地獄を全力で嘲笑おうとするモノクマのどす黒い意思が感じられた。

 

 そんなBGMの中で映り込んだのは、大雨の中ゴミ袋とシャベルを引きずって雑木林を歩く御堂さんの姿。

 ゴミ袋の中に何が入っているのかはすぐに分かった。

 そして、泥まみれになりながら地面を掘り、ゴミ袋を埋め立てる。

 こんな汚れ仕事でさえ、娘にやらせたというのか。

 

『罪から逃れるため、母親はすぐに彼女を置いて家を出ていってしまいました。御堂さんはお母さんを待ち続けました。来る日も来る日も、でもお母さんはもう戻ってくることはありませんでした』

 

 どれくらいの月日が経ったのだろうか。

 

 画面に映ったのは、ニュース映像だった。

 

「先日、◯◯県◯◯市の公園に女性の遺体が遺棄されていると警察に通報がありました。遺体の持ち物などから、遺体は◯◯県在住の××由紀子さんと見られ、遺体には乱暴された跡があることから強姦及び殺人、死体遺棄の疑いで警察は捜査を進めております」

 

 そして、先ほどの落書きのような絵でテレビを覗き込む御堂さんの姿が映された。

 彼女の表情がクローズアップされ、瞳から一筋の涙が流れる。

 

 

 次に映ったのは、多数の警察官に囲まれ、保護される御堂さんの姿。

 

『うぷぷ、結局お母さんは男性とのトラブルに巻き込まれてあっさり殺されてしまいました! 因果応報だね! 秋来君の件は警察に気付かれることはなく、秋音ちゃんは晴れて新しい人生を歩むことになりました! そもそも、御堂っていう苗字は過去を隠ぺいするために後からつけたものだったんだよね!』

 

 

 晴れて……?

 否、画面に映る彼女の姿は、決して晴れ晴れなどしていなかった。

 

 

 家族を、生きがいを失った少女の目は、死んだ魚のように濁っていた。

 

 

 

 再び、暗転。

 

 

 

 映り込んだのは、暗闇の中に佇む御堂さん。

 

 

 その手に握られているのは、おもちゃのロボット。

 

 

 

「おかあさんを、作る」

 

 

 

「秋来を、作る」

 

 

 

「秋音がみんなを作って、みんなで楽しく暮らしたい」

 

 

 

 

 ”失ったなら、作ればいい”

 

 

 これが、御堂さんの夢。

 

 

 この野望のために、彼女はこの学園からの脱出を決意したんだ。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

『人工知能”アルターエゴ”に適正なアンドロイドを組み合わせれば、死んだお母さんや秋来君を蘇らせる夢も叶うかもしれなかったのにね! 志半ばで倒れるなんて残念だね、秋音ちゃん!』

 モノクマが不敵に笑う。

 

 彼女は、動機の映像で自分の夢を思い出した。

 そしてそれを果たすため、この学園から出ることを決意したということなのか。

 

 

「う…ぅ……あ、ぁ……ぁ……」

 泣く声すらも枯れかけた御堂さんの姿を、俺は涙をこぼしながら見下ろしていた。

「ひどすぎるよ……あんな心ないお母さんに振り回されて……」

 亞桐さんが涙声で呟くと、御堂さんは一瞬動きを止め、そしてよろよろと立ち上がり…

「お母様をっ、ひどく言うなっ‼︎‼︎」

 力の限り叫んだ。

 その言葉を聞き、亞桐さんの表情が凍りつく。

「何も知らないくせに…お母様を侮辱するなっ‼︎‼︎ 私のお母様をっ、秋音のお母様をっ‼︎‼︎」

「何言ってんだ‼︎ あんだけお前を虐待して、弟の始末までさせて‼︎ あんな親のどこがっ‼︎」

「黙れーーーっ‼︎‼︎」

 前木君の言葉すらも遮られる。

「秋来を殺したのも、お母様が死んだのも、私が悪いんだっ‼︎‼︎ 私がいい子にしなかったのが悪いんだっ…‼︎ お母様は悪くないんだ、悪くないんだぁあああぁあ‼︎‼︎」

 一方的な理論だ。

 映像を見る限り、彼女は被害者でしかない。

 なのに、此の期に及んで母親を擁護しようとするなんて。

 

 

 いや、こんな事件を起こした時点で彼女の価値観がどうしようもないくらいに狂ってしまったことは容易に汲み取れる。

 なぜなら、事件を起こしたということは、俺たち全員を殺してでも外に出ようと決意したということ。

 十数人のクラスメートの命よりも、家族のアンドロイドを作り上げることを優先させようとしているという何よりの証拠なのだから。

 

 

「お前らに何が分かるっ‼︎‼︎ お前らに‼︎‼︎ 私の苦しみが分かるわけないだろうがっ‼︎‼︎ 当たり前の家庭で当たり前に育てられた連中に、私の苦しみが分かってたまるかっ‼︎‼︎」

 裁判台にしがみつき、御堂さんは必死に怒鳴る。

 

 これまでの彼女の高圧的な態度。

 それは、自分の苦しみが絶対に理解されないがゆえの孤独感に起因するものだった。

 無論、動機を見るまでは家族に関する記憶も失っていたのだろうが、記憶を失わずともあのような態度の人物だったであろうことはありありと想像できた。

 

 彼女の苦しみとは、母親に虐待されたことではない。

 大好きな母親を失ってなお、一人で生きながらえなくてはならない人生そのものだ。

 例えどんな暴力を身に浴びようと、ただ母親に愛されたかった。

 それが、御堂秋音という少女の本性だった。

 

「くだらねえ人生だなー、自分じゃなくて母親が主人公の人生なんてよー。死んだ人間に縛られた挙句、違う人間を死なせることになって、結局最後は自分自身が死ぬことになるんだもんな」

 モノパンダの言葉に、御堂さんはビクッと肩を震わせた。

「い、い、いや……死にたくない…助けて…」

 床に尻餅をつき、二体のヌイグルミから離れるように後ずさる。

「助けて助けて助けて助けてたすけてたすけて、お母様ぁぁぁあぁあ‼︎‼︎」

 床に這いつくばり、来るはずのない存在に助けを求める。

「死んじゃう、秋音死んじゃうぅぅうぅう‼︎‼︎ おがぁざまぁ、だずげでぇぇえぇ‼︎‼︎」

 幼児退行。

 最大限の恐怖に苛まれ、ついに人格が完全な崩壊を起こしている。

 

 

 そんな彼女に、伊丹さんが近づき……

 パン、と平手打ちした。

 泣きわめいていた御堂さんの声が止まる。

「ちゃんと見て、私の目を」

 溢れる涙も気にせず、伊丹さんは怯え上がった御堂さんの両肩をしっかり掴んだ。

「どうして……私に言ってくれなかったの…? 私に相談してくれなかったの⁉︎ 苦しければ、私達を頼ってくれればよかったのに……!」

「ひ、ひぃいぃいぃいぃぃぃ……」

 御堂さんは悲痛な悲鳴を漏らしながら身を縮めて体を震わせるのみだ。

「私も、よろしいでしょうか…?」

 入間君も進み出て、御堂さんの前にしゃがみ込んだ。

 そして、怯える彼女の肩に手を乗せる。

「…私は、あなたと対話したかった。あなたという人間を理解したかった。あなたも私も、同じ人間なんです。あなたの苦しみを理解してあげられないわけがないんですよ。だから、だから一言くらい相談してくれてもよかったじゃありませんか…!」

 涙を拭いながら心の内を述べる。

 初日以来、彼女とみんなの間でトラブルが起きないよう尽力してきた彼だからこそ言える言葉だった。

 

 ……だが。

 

「なんで、秋音を ぶつ の……? 」

 すすり泣きながら御堂さんは呟く。

「秋音をぶっていいのはお母様だけなの‼︎ お前なんか嫌い‼︎ 大っ嫌いだー‼︎‼︎」

 そう叫び、御堂さんは伊丹さんを突き飛ばす。

「恐怖のあまり記憶すらも混乱しているというのか……もう…御堂君の面影は残っていない…」

 夢郷君が悲痛な声で呟く。

 

「…かわいそうに」

 涙を拭うことも忘れた伊丹さんが、小さく言った。

「あんな親の元に生まれさえしなければ、何も不幸なことはなかったのに」

 

 

 親は自分では選べない。

 御堂さんがどれだけ努力しようと、悲惨な人生を送ることはもはや決定事項だった。

 運命だったんだ。

 だから、俺たちは彼女を責めることはできない。

 ただこの言葉をかけてあげることしかできない。

 

 

 ”…かわいそうに”

 

 

 

 

「おかあさん、どこぉ…? 悪い人が……秋音をころすって言うのぉ……。おかあさん、助けてぇ…」

 届くはずのない言葉をぼやきながら、少女は四つん這いで力なく床を這う。

『悪い人じゃなくて、悪いクマでしょ! ってゆーか、別に悪くねーし! ヒトゴロシは殺されて当然なんだぞ! 僕はむしろ正義のクマなんだからね! もう、怒ったからさっさと始めちゃお! オシオキターイム!』

 

 

 

 

 

 

 モノクマがハンマーを振り上げると、赤いスイッチがせり出てくる。

 

 

 

 

 

 ああ……

 また始まってしまう……。

 この瞬間が。

 俺達が投票したせいで死んでしまう命。

 これ以上ないくらい悲痛で凄惨な方法で行われる処刑。

 目の前で人一人が殺されるというのに、俺達は何もできない。

 

 

 

 

 

 

「どうしてですか……どうしてなんですかっ!!」

 入間君が涙をこぼしながら叫ぶ。

「わたくしだって……誰だって…あなたの支えにはなれたのに!! なぜ…なぜ、こんな結果になってしまうんだ!!」

 抗いきれない運命になおも訴えかけるかのように彼は叫ぶ。

 あまりにも理不尽な現実への疑問を。

 

 

 

 

 

 無論、誰も答えない。

 答えられるものなど、いない。

 

 

 

 

 

 

「俺達は…なんでも相談できる仲じゃなかったのかよッ…!! 俺達は……”ダチ”じゃなかったのか……!!」

 前木君の悔恨に満ちた呟きが聞こえる。

 それにしても……

 

 

 

 

 

 

 

 

 ”ダチ”なんて言葉、久しぶりに聞いたな。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ミドウ アキネ さん が クロ に きまりました。オシオキ を かいし します』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 御堂秋音の脳裏に浮かんだのは、数少ない母親との記憶。

 

 

 

 

「おかぁさまっ、ごめんなさい!! ごめっ、ごぼっ!!」

 母は無表情で秋音の頭を浴槽に押さえつける。

「くるしいぐるじいぐぐっ!! がっごっごぼっ!!!」

 顔を覆う液体が涙なのか水なのか分からない。

「ごぼごぼごぽ……ぐぶぶ……」

 少し経つと、声を上げるのも億劫になる。

 口もお腹も液体が満載されている。

 そうして意識が宙を浮かび始めたころ、突然髪をつかまれて浴槽から引き上げられる。

 壁に押し付けられ、思い切り腹に拳を叩き込まれる。

「ぶっ、げぼっ!!」

 液体が体中からあふれ出す。

「ごめんなさい、おかあさま」

 声を発せるようになったので、蚊の鳴くような声で許しを請う。

 舌打ちとともに母の眉間に皺が寄る。

 最後に一発、頬に平手打ちを食らった。

 

 

 またある時は、部屋で全力で殴られた。

 秋音の小さい体は壁際まで吹っ飛び、床に寝転がる。

「あがっ!! ぅぅ……うっ、ひくっ……」

 声を出しすぎてはならぬと、秋音は精一杯声を押し殺してすすり泣く。

 なんとか床に手をつき、起き上がろうとしたその瞬間。

 ドン、という大きな音とともに母親の足が秋音の背中を踏みつける。

「がっ、か、は、は……」

 母親が足に体重を乗せると、か弱い少女の肋骨はめりめりと悲鳴を上げる。

 細かく呼吸をするのがやっとだった。

 

 

 そんな毎日だった。

 

 

 どうすれば愛されるのか、ずっと考えていた。

 自分の何がいけないのか。

 どうすれば自分は母親の期待に応えてあげられるのか。

 

「アンタの弟だよ。秋来。一か月くらい帰らないからちゃんと面倒見とけよ」

 

 蘇る。

 つらい日々の記憶。

 

「は…? おい……これ……秋来……? し、死んでるじゃんかよ……おい!!」

 

 確かに辛かった。

 だが。

 母親がいなくなってからのほうがずっと辛かった。

 たとえ国からの保護を受けられて安穏とした生活を送れていたとしても。

 母のいない生活など取るに足らぬものであった。

 

「くそ!! どうしてくれんだよ!!! 死んでるじゃねえか!! どうすんだよ!!! くそっ!!」

 

 母親と一緒にいられると思えば、殴られることも、浴槽に沈められることも、心地いいとすら思えた。

 なのになぜ。

 

 

「君の母親は亡くなったんだよ。これからは、国が君を保護してあげるからね。君は工学の素晴らしい才能を持っている。そういった学生を引き取る学園があるんだ」

 

 

 確かに、母親への感情を抜きにしてもモノづくりは楽しかった。

 だが、それでも母親が彼女のすべてであることは変わりないのだ。

 

 

「君は将来、あの希望ヶ峰学園に入学することになる。忌まわしい過去は全て忘れなさい。××由紀子という人間は君とはもう無関係の人だ。君は将来の”超高校級のエンジニア”、御堂秋音なのだからね」

 

 

 心なき大人は誰も理解などしてくれない。

 あの母親が、××由紀子だけが彼女の母親であったことを。

 

 

 

 別れたくなかった。

 ずっと一緒にいたかった。

 そして、愛されたかった。

 

 

 

 そう、本音は。

 うらやましかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 周りにいる当たり前の家庭が。

 母親と手をつないで歩くごく普通の家族が。

 何よりもうらやましかった。

 

 

 

 

 彼女が呼んできた”雑魚”という蔑称は。

 孤独感のみに起因するものではない。

 嫉妬だ。

 

 

 

 

 

 

 ”雑魚共”のような、普通の人生を歩みたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ”……秋音は”

 

 

 

 

 ”どうすればよかったのだろう?”

 ”どうすれば幸せになれたのだろう?”

 ”どうすれば弟を死なせずに済んだのだろう?”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「アンタなんか」

 

 

 スクリーンに映りこんだ母親の影が告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生まれてこなけりゃよかったんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが。

 彼女の胸中に浮かんだ問いへの答えだった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間。

 

 

 

 御堂秋音は、崩壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おかぁさぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁあああぁぁぁあぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁっぁあああぁぁぁぁああぁぁぁっぁあああっぁぁ!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 真っ白な空間。

 

 そこに引きずられてきた哀れな少女は、顔を両手で抑えて泣いていた。

 

 だが、ふと顔を上げると。

 

 そこには、見慣れた母の背が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『~母を訪ねて三千機~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女は迷わず母のもとへと駆け出す。

 

 しかし、少女と母の距離が縮まったとたん。

 

 母親が振り向くと。

 

 それは母親などではなく、母親の服とウィッグをつけただけのガラクタ人形だった。

 

 少女が驚いて目を見開いた瞬間。

 

 ガラクタ人形は盛大に爆発した。

 

 少女は吹き飛ばされ、地面を転がる。

 

 埃が広がる中、ゆっくり顔を上げると……

 

 

 後ろ向きに立つ数百、いや数千にも思える母親の背中。

 

 意を決した少女は一つずつその正面に回り込み、顔を確認する。

 

 だがどれもガラクタ人形。

 

 正体を暴かれるごとにそれは小爆発を起こし、少女を傷つけた。

 

 それでも少女はあきらめない。

 

 自らが生涯をかけて愛した母親を見つけるためなら、どのような犠牲も厭わない。 

 

 その犠牲が自分であろうと他人であろうと。

 

 彼女は既にそういう人間として完成していたのだ。

 

 

 

 

 

 幾人もの母親に傷つけられた少女は、満身創痍の状態ながらあるものに気付いた。

 

 空間の一番奥にぽつんと立つ一人の母親。

 

 それがゆっくりと振り返ると……

 

 少女によく似た美しい顔立ちの女性だった。

 

 

 人口知能”アルターエゴ”に理想の母親の人格を持たせ、人型アンドロイドに搭載させた究極の擬人機械。

 

 少女が思い描いていた母親が、そこに立っていた。

 

 

 他のガラクタ人形には目もくれず、少女は駆け出す。

 

 母親は娘に向けて、爽やかな笑みを浮かべる。

 

 それは、少女が一度も見ることのなかった母親の心からの笑顔であった。

 

 少女は涙をこぼして駆け寄り、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何かに引っ張られて倒れた。

 

 

 

 驚いた少女が足元を見ると。

 

 

 

 

 

 茶色く干からびた赤子が少女の足をつかんでいた。

 

 その赤子の足を、まったく同じ姿の赤子の遺骸が掴んでいる。

 

 その後ろも、その後ろも。

 

 背後には、幾千にも及ぶミイラの塊ができあがっていた。

 

 眼球が腐り落ちた空虚な眼光が一斉に少女に向けられる。

 

 開きっぱなしの口からは怨嗟のうめき声が漏れ出しているかのようであった。

 

 少女の顔が一気に青ざめ、大口を開けて悲鳴を上げた。

 

 両腕で地面を引っ掴み、必死に前へ這い出ようとする。

 

 そんな彼女の姿を悠然と見下ろす母親アンドロイド。

 

 少女の叫びも、願いも、体温も心もない機械には届かない。

 

 否、目の前に立つのが本当の母親であったとしても、それが届くことなどないだろう。

 

 そういう星のもとに生まれたのがこの少女だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 抵抗虚しくミイラの群れに埋め尽くされていく少女。

 

 突然、胸をかきむしって苦しみだす。

 

 少女の体は見る見るうちにやせ細っていく。

 

 まるで、ミイラと化した赤子の呪いが伝播するかのように。

 

 蒸気のようなものが体から噴き出るとともに、皮膚は水分を失い茶色く変色し、ひび割れていく。

 

 眼球は白く濁っていき、手足は細かく痙攣する。

 

 

 

 

 

 熱い、苦しい、痛い。

 

 

 

 

 

 

 それは、彼女がこれまで母親から受けてきた仕打ちのすべてを凝縮したかのような、想像を絶する感覚であった。

 

 

 腕を差し伸べることすらもできなくなった彼女は、最期の望みをかけて母親を呼ぶ。

 

 少女の意識が途切れる刹那。

 

 

 

 

 

 母親は笑みを解き、何かを呟いた。

 

 少女以外のものに、その言葉を知る術はない。

 

 しかし。

 

 

 それを聞いた少女は……

 

 赤子と変わらぬ悲惨な表情のまま、自らも干からびたミイラとなった。

 

 

 

 

 母親アンドロイドは、少女のミイラを引き出すと、どこから取り出したのか燃えるゴミと書かれたゴミ袋を広げ、ミイラを中に詰め込んだ。

 

 そしてそれを地面に投げ捨てる。

 

 生ゴミとなった娘に柔らかな笑顔で手を振った直後。

 

 

 

 

 母親アンドロイドは、これまでとは一線を画する規模の大爆発を起こした。

 

 家族みんなを巻き込むほどの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『めでたしめでたし』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

「ぎひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

『うぷぷぷぷぷぷぷ!!』

 

 スクリーンが下りると、二体のヌイグルミの狂気じみた笑い声が場を支配した。

 

「いやぁ~、今回は正直マジで危なかったなぁ! あのキチガイ殺戮マシーンに全滅させられるところだったしなぁ!」

『でももうあいつも死んだことだしその心配をする必要もなくなったよね! うぷぷ!』

「それじゃ、オメーラ、今回もお疲れさん! 例によってスロットのメダルは持っていっていいから、各自部屋に戻って休んでよし!」

『今回は前回にも勝るワクワクドキドキな絶望が見られて、校長先生本当にうれしいよ!! 次も頑張ってね!!」

 二体のヌイグルミはけたたましい笑い声を上げながらどこかへ去った。

 

 

 

 

 

 

 

 達成感などなかった。

 

 

 

 

「ぅうぅ……こんな…鬱展開があってよいのかぁ!!! うぅうう……」

 安藤さんが涙ぐんだ表情で叫ぶ。

「理不尽だが、もう僕たちにできることは終わった。やれることなど何もない。僕は戻るよ。考えたいことが山ほどある」

 妙に冷静な夢郷君はいち早くエレベーターへと歩を進める。

 

 

 

 

 

 俺は何もできずに裁判場に佇んでいた。

 

 

 頭が割れるように痛い。

 

 裁判中の俺は、まるで”俺ではなかった”。

 何かがとりついたかのように、冷酷に、饒舌に、機械的に、クロを追い詰めていた。

 あの時の”俺ではない俺”が、か弱い少女を追い詰め、殺した。

 

 その罪悪感だけでも心が潰れそうだが、俺はまだいい方なのかもしれない。

 ”自分以外の何か”のせいにできるから。

 もっとつらいのは、議論を共に交わした仲間たちだ。

 例えば俺の目の前で床に崩れ落ちている伊丹さん。

 

 彼女は、まるで御堂さんのぬくもりを思い出すかのように、さっきまで御堂さんが這いつくばっていた床を撫でていた。

 そんな伊丹さんに亞桐さんが近づき、背後からすがりつくように抱きついた。

「うぁぁああぁあぁ!! ウチらが、ウチらが殺しちゃったんだよぉぉ……!! ウチらが、秋音ちゃんを……!!」

 伊丹さんは茫然としたまま答えなかった。

 

 みんながここまで苦しむのも当然のことだ。

 自白した土門君の時とは違い、今回は抵抗する御堂さんを投票で追い詰めたのだから。

 

 

 

 

 

 

「これで、アイツは救われるのか?」

 

 

 

 

 ぼそりと呟いたのは、未だ赤いオーラに包まれた山村さんだった。

 

「あんな弱っちい女を寄ってたかって死に追いやって、それがアイツの望んだ結果なのか?」

 

 もし、この場にリュウ君がいたならば、どうしていたのだろうか。

 いつもと変わらず冷静に振る舞っていたのだろうか。

 今となっては知る術はない。

 

 

 ふふ、と山村さんは悲しげな笑みを浮かべた。

「なんて弱いんだ、オレは」

 少しずつ、彼女を取り巻くオーラは大気へ飛散していく。

「オレは、お前にはなれない……」

 震える声で彼女は呟く。

「だから、帰ってきてくれ……リュウ、いや、龍雅……」

 彼を本当の名で呼ぶ機会も、とうとう訪れなかった。

 

 

 

「私を、みんなを、助けてください……」

 

 そう呟いた時の山村さんにはもう、オーラは残っていなかった。

 

 

 

 

 

 丹沢君は安藤さんに、小清水さんは山村さんに、亞桐さんは伊丹さんに、それぞれ肩を貸してエレベーターに乗り込む。

 俺もおぼつかぬ足取りでフラフラと乗り込んだ。

 

 最後に残ったのは前木君だ。

 

 彼もまたエレベーターに向けて一歩踏み出し……

 

 今乗り込もうという時に突如振り返り、裁判場を指さして叫んだ。

 

 

 

『三ちゃん!!! リュウ!!! 御堂!!! 俺はお前らが大好きだったぞ!!! 他のお前らが何と言おうと、俺はお前らのダチだ!!! そうだろ、三ちゃん!! 三ちゃんが言いたかったのは、そういうことだろ!!! だから、俺がそっちに行くまで待ってろ!!! お前らの苦しかったこと、俺が全部受け止めてやる!!! きっと、必ずだ!!! リャンも土門も、絶対絶対待ってろ!!! またな!!!』

 

 そう言って誰もいない裁判場に手を振り、エレベーターに乗り込む。

 

 チン、と俺達の心持ちとは対照的な軽い音とともにエレベーターは稼働を始める。

 

 

 

 

 

 俺達は、”ダチ”だったのだろうか。

 

 

 

 

 釜利谷君の正体も、リュウ君の素性も、御堂さんの苦しみも知らなかった俺は。

 三人の”ダチ”を名乗る資格はあるのだろうか?

 

 

 

 

 

 もう、いいや。

 

 

 

 それが結論だった。

 

 

 考えたってしょうがない。

 

 

 

 

 生き残った俺達は、明日を生きる。

 

 

 その事実以外に思いを馳せる必要性はないのだから。

 

 

 

 

 気持ちを整理するため、俺はポケットから一枚のハンカチを取り出す。

 数日前、涙を流す俺を見かねた釜利谷君が俺に貸してくれたものだ。

 結局、本人に返すことはできなかったが。

 今一度、俺はそれで顔をよく拭った。

 

 

 

 

 

 

 

「あーあ、」

 

 

 

 

 

 エレベーターが一階に着くまでの刹那、俺は最後に一度大きなため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

「メンドクセー……」

 

 

 横で、”彼”がそう言っているような気がした。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

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