Assassin's Creed -アインクラッド-   作:朱槍

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直正さん
ささみの天ぷらさん
早速の感想ありがとうございました


MEMORY2【分岐した世界】

「まったく・・・。

 冗談じゃない・・・・・。」

 

俺は誰もいない店内で酒やグラスを仕舞いながら呟いた。

ふっとこの言葉を何処かで呟いたような気がした。

いや・・・よそう。

12年前のあの日以来この言葉を呟かなかった時期があっただろうか。

そう思っているとある物体が目に入る。

同時にあのクソ忌々しい出来事を思い出す。

俺はデズモンド・マイルズ。

これは俺が再び厄介事に巻き込まれる物語だ。

 

 

 

 

 

11年前

 

俺は人類の存続の道を選び装置に触れた。

装置から流れる圧倒的な力は俺の全身を余すことなく焼いた。

そして俺の中の決定的な何かを焼く寸前俺の手に何かが触れた。

点滅する視界の中、俺は確かに見た。

かつての先祖達が俺を支えなが手を重ねてくれているのを。

やがて力尽きた俺は気を失った。

目が覚めた時俺がいたのは遺跡ではなかった。

窓がないことから何処かの地下だと察した。

扉の開く音が聞こえ振り向くとそこにはお袋が立っていた。

お袋は俺の名を叫ぶと此方に走り寄り強く抱きしめて来た。

お袋の声を聞いて親父達もやって来た。

俺は訳も分からず暫く呆然としていた。

お袋が落ち着くのを見計らい俺は気絶してからの事を聞いた。

 

「あの後結局どうなったんだ?」

 

「その前にデズモンド。

 アナタどの位寝てたと思う?」

 

「どの位って・・・」

 

レベッカに聞かれ自分の体の変化に気付いた。

異様なまでに体が重い。

というよりかなり筋肉が落ちてる気がする。

 

「・・・・半年くらいか?」

 

「1年よ。」

 

「1年だって!??」

 

「そっ。

 で、騎士団にアナタの事を気づかれる前に別の隠れ家に移動させたの。」

 

どうりで体が重いわけだ。

まぁ、その事も驚くがまずは続きを聞こう。

 

「それで、世界はどうなったんだ?」

 

「お前のおかげで太陽フレアは消滅。

 世界の破滅は回避できた。」

 

「てことは・・・今はジュノーの支配した世界ってことか・・・・。」

 

破滅か支配か

あの時は存続の為自分で選んだつもりだったが・・・。

結果的に全人類に支配を受け入れさせてしまったんだな。

自由による平和

それがアサシン教団の目指したものだった。

支配を受け入れた以上アサシン教団は敗北したのも同義か・・・。

だが、次に親父が発した言葉に耳を疑った。

 

「いや、どうもジュノーは復活出来なかった様だ。」

 

「はっ?

 何だって!??」

 

「どうやら想定外の事が起きたらしい。」

 

「一体何が起こったんだ?」

 

そう訊ねると今度はショーンが首を振りながら応える。

 

「さぁね。

 向こうはこっちのことはお構いなしだったし。

 ミネルヴァも人間を侮った結果だとか言ってどっか行ちゃうしね。」

 

俺はショーンのミネルヴァの言葉を聞いてハッとした。

 

「そうか・・・。

 アレは幻なんかじゃなかったのか・・・・。」

 

俺の呟きに親父が反応する。

 

「どういう事だ、デズ?

 何か思い当たる事でもあるのか?」

 

「実は気を失う寸前にご先祖達に助けられたんだ。」

 

「先祖って・・・まさかアルタイル達に!?」

 

信じがたい出来事にレベッカは驚きの声を上げる。

 

「ああ。」

 

「そんなバカな。

 おとぎ話じゃあるまい。」

 

「いや。

 有り得ない事じゃないだろう。

 現にデズはエツィオとアニムス内で会話したことがある。」

 

「そっちの方がよっぽどおとぎ話か。

 それにアルタイルもエツィオ、コナーも。

 皆、エデンの果実に人生を狂わされたんだもんね。

 その大元の野望を阻止したくもなるってことか。」

 

皆が納得すると俺はもう一つの気になってることを聞いた。

 

「で、ジュノーは?」

 

「まだ、諦めぬだとさ。」

 

「捨て台詞・・・な訳ないか。」

 

「でしょうね。

 滅ぶその瞬間まで抗い。

 滅んでからも幾万の時を耐えたんだもの。

 たった一度策が失敗したくらいじゃ諦めないでしょうね。」

 

「逆に幾万も待った策が失敗して色々と諦めちゃった可能性もあるけどね。」

 

話が一区切りつくとお袋が親父達に話しかける。

 

「ウィリアム。

 今日はもうこれぐらいで。

 デズも目が覚めたばかりだし。」

 

「そうだな。

 デズ今日はもう休め。」

 

「ああ。

 わかった。」

 

親父達は部屋から出て行く。

すると、親父は扉の前で止まる。

 

「まだ、言ってなかったな。

 おかえりデズ。」

 

「・・・・・。

 ああ、ただいま。」

 

親父は出て行き扉を閉めた。

それからも大変な日々だった。

まず、1年間で衰えた筋肉を回復させるためリハビリの毎日。

更に「先祖達の遺伝子に胡座をかくのは良くない」との親父のお達しで再びアサシンの訓練の日々へ。

まぁ、ガキの頃と違って必要な事と理解してる分必死になったが。

けどよぉ、いくらコナーの技術を錆び付かせない為だからって刃物だけで密林地帯放り込むか?

知ってるか?

熊って執念深いだぜ。

だから、攻撃仕掛けたら確実に殺さないと後が怖いんだ。

そんなこんなで6年の時が過ぎた。

まぁ、なんだ・・・。

あれだけ危険な目にあっておきながらやっぱり都会の生活は恋しかった。

そんな訳で両親を説得。

当然のごとく反対されたがめげずに説得を続けた。

さすがにまた家出なんて学習能力がなさすぎる。

根気よく説得を続けた結果アサシンの訓練を怠らない事と定期的に連絡をする事を条件に許可をもらった。

そして俺は移住先に日本を選んだ。

理由はテンプル騎士団が入り込ん出ないのが大きい。

もちろん潜伏はしてるだろうが裏でどうこうは出来ないだろう。

何でも東と西にYAKUZAの巨大組織があるらしく手出しが出来ないらしい。

話がそれたな。

家を出てから再びバーテンダーとして働き今では有楽町に店を出してる。

表は【CAFE&BARアウディトーレ】のマスター

裏はアサシン教団の【マスターアサシン】

それが今の俺デズモンド・マイルズの現状だ。

 

 

 

 

 

「デズさん。

 何黄昏てんすか?」

 

過去に浸ってると声がかかる。

 

「いや別に。

 何でもないさ。」

 

俺は目の前の黒人【アンドリュー・ギルバート・ミルズ】に答える。

アンドリューとはバーテンダーの修行時代からの付き合いのある後輩だ。

偶にこうして暇を見つけるうちに貢献しに来てくれる訳だ。

だが・・・

 

「ところで、アンドリュー。

 いいのか店開けてきて?

 今が稼ぎ時だろ。」

 

「心配ご無用。

 今夜は嫁さんに任せてますから。」

 

「こいつ・・・」

 

この男1年前に【喫茶店ダイシー・カフェ】を御徒町に出店。

おまけについ最近結婚した新婚さんだ。

・・・消し飛べ既婚者。

 

「まぁ、今夜は長くはいませんよ。

 明日は色々と大変ですから。」

 

「何かあるのか?」

 

「あれ?

 デズさん知らないんすか?

 最近話題のVRMMO。」

 

「VRMMO・・・?

 ああ、そういえばニュースとかでやってたな。

 何だっけ・・・ソードなんちゃら。」

 

「ソードアート・オンライン!

 略してSAO!!

 あれがいよいよ明日発売なんすよ!!!」

 

「けど、あれは手に入りにくいって話だが・・・」

 

「ちょっとツテでこっちに回してもらえるよう頼んどいたんですよ。

 明日の昼過ぎにこっちに届く手はずになってます。」

 

「ちなみに明日は?」

 

「ばっちり休業です!」

 

こいつ店潰す気か?

 

「しかし、奥さんも大変だな。

 お前みたいな中毒者相手にすんのは。」

 

「いや~、そりゃ説得すんのは大変でしたよ。

 でも、ちゃんと貸してあげるって言ったら納得してくれましたよ。」

 

「そういやお前ら知り合ったのってゲームだったけ。」

 

「ええ。」

 

夫婦そろってゲーム中毒者。

もとい廃人。

本格的に店が心配になってきた。

 

「一般発売されたらデズさんもやりませんか?

 ナーヴギアは持ってんでしょ?」

 

「まぁな。

 埃かぶってけどな。」

 

発売当初かなり話題になってたから気になって買ってみたが・・・。

ぶっちゃけ期待外れだった。

使用用途からして違うから比べるべきでは無いんだろうが。

やはりアニムスと比べるとかなり劣っていたのだ。

で、結局お蔵入り。

アレに10万以上使った事には今だに後悔している。

その後、アンドリューは軽く雑談して店を出て行った。

店を閉店しグラスとかを片付けていると携帯が鳴った。

着信相手を見て嫌な予感を感じながら電話に出た。

 

「もしもし?

 どうしたレベッカ?」

 

『はぁ~い、デズモンド。

 今大丈夫?』

 

「ああ、もう閉店した。」

 

『そう。

 それじゃ、簡単に用件を伝えるわね。

 明日なんだけどこっちに来れない?』

 

「・・・・仕事か?」

 

『あ~、そんな感じかな。』

 

「ハッキリしないな・・・。」

 

『とにかく明日来てくれればそこで説明するから。』

 

「わかった。

 昼ぐらいにそっちに向かう。」

 

『それじゃ、よろしく。

 おやすみなさい。』

 

通話を切る。

正直あんな事になるって分かっていたなら断っていたと何度も思った。




(あとがき)
どうも皆様。
朱槍です。
第2話を読んで頂きありがとうございます。
今回は本編開始までのデズモンドの過去を書かせて頂きました。
ACⅢをクリアした方はご存知の通り現在のデズさんはどうなっているか不明です。
なのでサブタイ通りこの作品はACⅢからのIFの物語と考えてください。
故に今後ACⅣなどが出ても設定に加わる事は無いと思いますのでご了承ください。
では、またお会いしましょう。

※沢山の感想お待ちしております
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