Assassin's Creed -アインクラッド- 作:朱槍
皆様沢山の感想ありがとうございました。
今こそ更新の時!!
MEMORY1【幻想世界】
視界が晴れる。
感覚がハッキリしてくると周りを見渡す。
「こいつは…凄いな。」
そこには異世界が広がっていた。
「こうして歩いてるとエツィオの記憶を思い出すな。」
暫く街を歩いてそんなことを呟く。
この世界は中世ヨーロッパをモチーフにしたのだろうか。
さて、そろそろ軽く動いてみるか。
「ふっ!」
俺はフリーランで街を駆ける。
人を縫うように走り。
建物の壁を上り。
屋根を疾走する。
さすがフルダイブと言うだけあって自分の思うように体が動く。
街の出口付近に来てある事に気づいた。
「そういえば、装備買ってないな。」
ウインドウを開いて所持金を確認する。
当然、初期所持金なので持ち金は雀の涙だ。
さて、出来れば安く仕入れたいところだな。
商売人だけあってやはり意識がそこにいってしまう。
とりあえず、来た道を引き返そうと振り返る。
すると…
「お~い、そこの屋根の上のアンタ!!」
「ん?」
話しかけられ下を見る。
そこには銀色の髪の男が立っていた。
とりあえず屋根から降りる。
「何か用か?」
「いや、何も装備せずに走っていくアンタを見かけてな。
アンタもしかしてベータテスターか?」
「ベータテスター?
名前から察するに体験版経験者ってことか?」
「なんだアンタ違うのか?」
「ああ。
俺はその…まぁ成り行きで始めてな。
このゲームの事もよく知らないんだ。」
「そ、そうか……。」
男は肩を落としガッカリした。
しかし、これはゲームの情報を得るチャンスだ。
「あ~、落ち込んでるとこ悪いんだけど。
俺このゲームの事よく知らないんだ。
出来れば基本的なことを簡単に教えてくれないか?」
それを聞くと男は少し困ったような顔をする。
「そうしてやりたいんだが…。
俺も今忙しくてな…。」
「さっきのベータテスターてのと関係あるのか?」
「まぁな。
ベータテスターは体験期間徹底的にやりこんだ奴らだ。
当然、格安な店やフィールドの穴場スポットも知ってる。
何とか情報を貰えないかと思ってな。」
「なるほど。
けど、その場合誰かしら情報屋とかやってるんじゃないか?」
「ああ。
実際何人かいたんだが……。
装備の全体で幾らになるのか?
そもそもその情報自体が真実なのか?
それが解らない状態で貴重な資金を渡すのはな……。」
「なるほど……。」
事情を聞き少し思考する。
そうなるとベータテスターを探さなきゃならない。
方法は……
あるな
と言っても上手くいくかは判らないが。
試すにはちょうど良い機会だ。
それに此処で恩を売っといた方が知ってる情報をすんなり貰えそうだ。
「少し待ってもらえるか?
もしかしたら格安の店見つけられるかもしれない。」
「なんだって!?」
男にそう言って再び屋根の上に上る。
そこから高めの建物に飛び乗り上っていく。
この辺で良いだろう。
意識を視界に集中させる。
すると世界が一変した。
どうやら上手くいったようだ。
鷹の目
俺が持つ特殊能力。
本来はかつて来たりし者が有していた能力だがその末裔である俺も使うことが出来る。
あらゆる感覚を視覚化する超直感能力。
やはり脳に直接リンクしてるだけあってこの世界でも使える様だ。
辺りを見渡し気がかりな場所を見つけ出す。
よく見ると何人かのプレイヤーが駆け込む様に出入りしている。
当たりの様だ。
「見つけた。」
「ベータテスターをか!?」
「と言うよりそいつ等が出入りしてる店だな。」
「マジか!?」
「案内するからついて来てくれ。
えっと…」
そこまで言ってある事を思い出す。
「どうした?」
「そういえば名前聞いてなかったな。
俺はデズ…じゃなかったアルタイル。
アンタは?」
「俺はエギルだ。
よろしくな。」
自己紹介を終え俺達は店に向かった。
流石、ベータテスター御用達だけあって装備一式を安く手に入れることが出来た。
今はエギルから発売前に公開されていた基本情報やネットに転がっていた情報を聞きながらフィールドに向かっている。
「近距離戦闘特化のRPGねぇ。
本当変わってるなこのゲーム。」
「ああ、世界初のVRMMOと言うのもそうだが。
【ソードスキル】。
名の通り剣技を主体とし魔法等の遠距離攻撃を排除した異作なのも話題の理由だ。」
「なるほどな。」
「しかしアンタ本当に何も知らないんだな。」
「まぁ、もともと興味なかったからな。」
「なら何でプレイを?」
「色々と縁や事情が重なってな……。」
「プレイ出来なかったゲーマー達が血涙流しながら嫉妬しそうな理由だな……。」
雑談をしながらモンスターのいるエリアまで歩いていく。
そして…
「ほぉ…これは…」
「凄いな……」
そこには幻想的な風景が広がっていた。
エツィオやコナーの記憶の中の風景も幻想的ではあったが。
こんな非現実的な風景を見たのは始めてだ。
「この光景を見れただけでもやった甲斐はあったかもな……。」
「だな。
さすがは天才・茅場晶彦が作り上げたゲームだ。」
「ん?」
話していると幾つもの気配が突然現れた。
そこにはイノシシの様な生き物がいた。
「お、モンスターか!」
「アレが…。」
「早速試してみるか!」
エギルは先ほど購入した両手剣を構える。
が、俺は疑問を一つ口にした。
「なぁ、エギル。
ソードスキルってやっぱりコマンドが出てそれを選択して使う感じなのか?」
「……。」
「エギル?」
「そういえばどうやって発動するんだ……?」
「おい。」
脂汗を垂らしなが困惑するエギル。
だが、イノシシは既に此方に気付き戦闘態勢に入っている。
そして完全に視線を外してるエギル目掛けて突っ込んできた。
「ちっ!」
「のわ!?」
エギルを押し退け片手剣で攻撃を受け流す。
「俺が時間を稼ぐ。
その間に発動方法を確認してくれ。」
「わ、わかった!」
エギルはメニュー画面を開いてチュートリアルを呼び出す。
イノシシは此方を標的にし向き直る。
俺は片手剣と一緒に購入した短剣を装備する。
「さて…始めるか。」
ご先祖様の技術と俺の10年の経験。
どの程度通用するか確かめるとするか。
短剣をアサシンブレードの替わりにし突っ込んできたイノシシの攻撃を逸らす。
「しっ!」
すれ違いざまに短剣を横っ腹に突き刺す。
それを2・3回繰り返していると…
「避けろ!
アルタイル!!」
エギルの準備が完了したようだ。
退くのと同時に片手剣で一撃を叩き込む。
〈ぴぎっ!?〉
斬撃は右目にヒットしイノシシがのけ反る。
完全な隙を作り出した。
「どりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
そこにエギルが大剣を大振りで突撃する。
よく見ると大剣の刀身が赤く輝いている。
エギルの一撃はイノシシを胴体から真っ二つに叩き斬った。
イノシシは断末魔も上げず粒子となって消滅した。
「で、発動方法は解ったのか?」
「ああ。
まず武器ごとのスキルの発動する構えでタメを作る。」
「タメねぇ…」
「それから両手に武器装備してるとスキルは発動しない。」
短剣をしまい片手剣を構える。
すると刀身が淡く輝きだす。
そのままポップしたばかりのイノシシ目掛けて不意打ちで突っ込む。
イノシシはこちらに気付いたがもう遅い。
イノシシは顔面から綺麗に真っ二つになり消滅した。
「すげぇよな!
システムアシストのお蔭で狙いも定まるし!
何より体に馴染んで違和感がない!!」
「……そうだな。」
肯定した手前だがはっきり言って気持ち悪い。
体に馴染むどころか違和感しかない。
システムアシストの所為で狙いも若干ずらされてる気もする。
「俺はやっぱりこっちだな…」
そう言ってもう一度短剣を装備する。
こちらに突っ込んできたイノシシの攻撃をかわし横から一閃。
怯んだイノシシの眉間に短剣を叩き込み消滅させた。
「よし、この調子でじゃんじゃん狩ってコツを掴もうぜ!」
エギルはそう提案してくる。
まぁ、もう少しアクション起こして調査した方がいいか。
「ああ、そうだな。」
俺達は草原を駆け抜けた。
現代
「遅い…アイツはいつまで遊んでいるつもりだ!」
ショーンはかなり苛ついていた。
かれこれデズモンドがSAOを始めてから3時間近く経過している。
「まぁ、偶には良いんじゃない?
最近デズモンドも色々忙しかったみたいだし。」
「僕達は一応仕事中なんだ。
リフレッシュがしたければ別の日にやるべきだ。」
相変わらず融通の利かない性格してるわ。
「ん?」
SAOのプログラムを解析していると不審な点に築いた。
本来なきゃいけない基礎プログラムがどこにもないのだ。
「どうした?」
「それがね…」
私がショーンに説明しようとしたと同時に情報局に紛れ込んでる仲間から知らせが来た。
その知らせを聞いた瞬間、私達はどんな顔をしただろうか……
「デズモンド!!!」
私達は彼にとんでもない事をしてしまった。
SAO 第1層
「やばい…」
気が付けばもうすぐ17時だ。
これはショーンはかなり怒ってるかもしれない。
「悪いエギル。
俺はそろそろ落ちるわ。」
「おう、そうか。
また会おうぜ!」
「ああ。」
まぁ調査した感じアニムスの技術が使われている気がしなくもない。
ただ現実に戻って何らかの変化がないと確証を得るのは難しそうだ。
そう思いメニュー画面を開く。
そこで気付いた
「なぁ、エギル。」
「どうした?」
「これってログアウトってどうやるんだ?」
「そんなもんメニュー画面の一番上か下にあるんじゃないのか?」
「いや…見当たらない…どこにも…」
「ウソだろ!?」
エギルが慌ててメニュー画面を開き操作する。
「……ホントだ…どこにもねぇ。」
「これかなり不味くないか?」
「ああ、ナーヴギア装着中は現実の俺達は身動き一つ取れないからなぁ。」
「……」
何だこのどうしようもない位の嫌な予感は?
すると街の方から重厚な鐘の音が鳴り響いた。
次の瞬間。
俺達は青い光に包まれた。
俺は同時にまた厄介事に巻き込まれた事を感じ取っていた。
そして草原は静寂に包まれた。
(あとがき)
大変遅くなり申し訳ありません。
現在訳あってオリジナルの作品をいくつか書いてるんですがその時にスランプに陥りまともな文が書けなくなってしまいました。
恐らくこんな感じの不意打ち更新が続くと思いますがどうか平にご容赦を…
余談ですがエギルの初期アバターはアクエリオンEVOLのあの人です。