戦闘員オペレーターのボーダー記録   作:チビメガネ

14 / 38


 矛盾はないつもりですが、あったらよろしくお願いします。


 『』は内部通信です。


第14話 大規模侵攻 (2)

  基地東部 とあるビルの屋上

 

「せいぜい楽しませてくれよ、雑魚チビども」

 

 今、僕は(ゲート)から出てきた人型と対峙している。あちらから見た第一印象は、あまりよろしくないらしい。ラービット…新型やった腕があるだけまだマシかとか言ってるので舐めているのかもしれない、というか舐めてる。

 

 まあ舐めるだけのトリオン量をしているのだから、強いことは確かだけど…さてどんな感じのやつなのか。

 

 

『二階堂。初見で何か感じたことはあるか』

『いやー。トリオン量が流石はブラックトリガーだなってことぐらいですかね…。身体の一部のようでも所詮トリガーですから、どこまで分かるか微妙なところです』

 風間さんの問いかけに、見たことをまんま言う僕。

 

『なるほど…』

 少し声が小さくなる風間さん。

 

『ただ…』

『どうした』

 何あの、足元。

 

『足元がうねうねって感じです』

『…』

 ねぇ風間さん?その、こいつ何言ってんだって視線送るなら内部通信いらないと思うんだ。まあ僕が悪いけどさ。

 

 すると、菊地原先輩が視線を下に向けた後、皆に告げる。

『下です』

 

 菊地原先輩の予告通り、下にヒビが入ったと思ったらそこからブレードのようなものが出現する。

 

 うわ…死角からの攻撃とか。

 菊地原先輩が言ってくれなきゃ避けられんぞ、これ。

 

 

 菊地原先輩のサイドエフェクトは強化聴覚(・・・・)

 一言でいえば、耳がいいってだけで地味そうではある…本人も言われるまで知らんかったらしいし。ただ音関係は戦闘においては優秀である。耳がいいとか鼻がいいとか視覚以外のものに頼れるのは、幅が広がるし。

 

 単に耳がいいってだけでなく、もそれ以上の状態とか読み取れるのが菊地原先輩流である。

 僕も、トリオンの流れ方多少分かったからバイパーとかリアルタイムで射線引けるってのもあるし…こういうタイプのサイドエフェクトは使い方次第なのかもしれない。

 

 まあ今はそんなこと置いといて…

 

『なるほど…こういうタイプか。三上、二階堂の分も含め聴覚情報を』

『了解です』

 菊地原先輩の耳を全員で共有する。

 

 

 お…おぅ。

 周りが急にうるさくなる…普段聞き取れないような音が聞こえるようになったからだろうけど。

 こんなん毎日聞きたくないな…確かに髪で耳を覆い隠したくなるな、うん。

 

 

 先ほどのブレードで屋上が壊れたので、最上階だったと思われる箇所に下がる僕達。

 

『二階堂。伝達脳と供給機関の場所は分かるか』

『いや…もうちょい観察しないとだめですね』

『分かった。引き続き頼む』

『了解です』

 うん、初見の動きじゃなきゃ、ある程度は正確にいけるんだけど。見たことないのはな…ちょっと。

 

 僕はとりあえず、フルアタックのアステロイドとメテオラを作っておく…煙で視線作ろうが、ある程度大きな音発生しても菊地原先輩の聴覚情報あれば大丈夫だろ。

 

 とりあえず、アステロイドを人型が背中から発生させている液体の束を攻撃する…これじゃ破壊できんか。メテオラの設定もミスったな。

 

 人型はその液体をブレード化…というより固体化かな、まあいいや。

 ブレード化させてそれを塞ぎながら、右、左、正面から来る風間隊を上から襲う。

 

 風間隊はこれをうまく避けながら、そして…

 

『また、下』

 菊地原先輩のサイドエフェクトで避けて、人型に近づいていく。

 

「ちっ。雑魚のくせにちょこまか、うぜーんだよ」

 正面の歌川先輩は避けるために下がったが、残り二人は肩を斬りつける…が固体化でこれを防いだようだ。

 

 なるほど…あれが液体化と固体化のトリオンの動きか。多少の把握は完了だな…うん。

 となると…やっぱり、そういう弱点もこういうので防ぐんだろうな。

 

 やっぱ、メテオラの設定しくったな…というかあれか固体化で無力化されるとするなら弱点つかきゃメテオラの火力を強く設定しても無傷ってことかな。マジでチートだな、半端なさすぎだろ、マジで。

 そんなことを思っていると、菊地原先輩から話しかけられる。

 

『よそ見しすぎ。後ろ』

『ありがとうございます』

 後ろから来るブレードを右に避ける僕…避けながらメテオラを人型に放つ。

 

「はぁ!?今の見えてねえだろうが」

 残念でしたね。

 

 そう言いながらもメテオラを全て下から発生させたブレードで防ぐ人型。何固かそこ抜けて人型に当たるが固体化で無傷だ。

 

 やっぱ無傷なのね…何がこんなん食らうわけないだろ雑魚がだ。

 あんたがチートなだけだろうが…くそ、だからブラックトリガーは嫌なんだよ。

 

 その隙を見て風間隊の接近しようとするが、ブレードで阻まれる。

 

 

『どうだ、二階堂』

 風間さんから中間報告のお達しが来る。

 

『今は手と最初の足元だけですけど、表面からの液状化からのブレード化っていう感じですね』

 

『そりゃ見りゃ分かるでしょ』

『お前な…』

 いや、おっしゃる通りで…。

 

『撃った感じ無傷なので弱点つかなきゃダメそうというのと弱点も固体化で守ってる可能性があるということですかね。ただ固体のトリオンの流れはなんとなく掴めたんで探してみます』

『その場合だと表面だけでなく全身液体化もできる、と考えたほうがよさそうだな』

『…言われてみればそうですね』

 液体から固体に変わることができる能力とするなら、固体化できる時点で液体化もできるってことになるよね、うん。

 

『…引き続き頼む』

 風間さん、いくらその発想が思い浮かばなかったからって鼻で笑うことないと僕は思うな!!

 

 僕との会話を終えた風間さんが先輩達に告げる。

『こちらもこちらで探す。いくぞ』

『『了解』』

 風間さんたちが行く。

 

 となると、こっちの仕事は…

『三上先輩、準備よろしくお願いします』

『了解』

 よし、オッケーだ。

 

 僕は右手用のハンドガンを出し、左手をグラスホッパー用にフリーにさせて近づく。

 

 風間隊と僕は菊地原先輩の指示のもと危険なとこは避け、無理な時は、僕のハンドガンで、来るブレードの方向を少し変えながら当たらないようにする。

 

 僕は、攻撃用のハンドガンは風間隊に当たらないようにするためなので、無理そうな箇所はグラスホッパーのみでひたすら避けて近づいていく。

 

 弱点であるはずのトリオン器官的なものも固体化で防いでいるから…その動きがある体内の箇所を撃てば大丈夫だろ…あれかな?

 

「ちょこまか逃げてんじゃねーよ、猿どもが」

 避けながら斬りつける風間隊とグラスホッパーで避けてる僕に対してイラつく人型。

 

 イラつくせいで風間隊にしか気を取てるうちにグラスホッパーで後ろに回り込んでハンドガンを撃つ僕。

 

 一応一撃で仕留められなかったときのための、スタアメーカーである。

 

 一撃で仕留められなかったというのもあるけど、万が一負けた際位置把握ができるからってのもある。

 

 ほら、今回あれだし。

 敵には、おそらくもう地下のシェルターのことがバレてるから…建物の中に避難って危ないだろうから、建物に入った時点で地下って分かるだろからね。

 

 そんときこいつが襲ってくるのが事前に分かるべきだしね…こいつからみて戦闘能力ほぼ皆無の雑魚(・・)に興味がわくのかっていうのは微妙なところだけど。

 

 こいつだったら、襲うんだったらもっと楽しめそうなとこに行く気がしなくもない。

 

 まあ、ここで倒すに越したことはないんだけどね…。

 

「…あぁ雑魚がうぜーんだよ」

 こっちが撃つと同時にブレードを向けてくる人型。

 それが数か所当たる僕。

 

 ん?これよく分かんない…固体化と思われるやつがいっぱいあるよ、何だよそれ、作れんの?

 ってことは今のが本物かも分かんないじゃん。

 

 いやわざわざ最初にダミーを一つ作って本物はわざと防御しないなんて大胆なことするやつでもないか…そだな。

 

『本物の色づけしました。情報は三上先輩からよろしくお願いします』

『『『了解』』』

 

 ただ…告げとかなくては

『色付けのやつは本物の自信はあるんですけど、瞬間的にダミー作られたんで、いきなりそっち狙うのは、対策うたれて余計にやりづらくなると思います』

『うわあ何それ、メンドクサイなあ』

 こればっかりは仕方ないですね…。

 

『いきなり狙うな、ということか』

『そうなると動きを止めたほうがいいですかね』

 僕が言ったことにそういう風間さんとそれに対する考えを述べる歌川先輩。

 

 トリオン体の動きを止めるってなると…

『伝達脳ですか』

『そうなるな…二階堂』

『了解』

 イラつかせて狙えるときに伝達脳を潰せってことだろう…伝達脳って脳で大丈夫だよね。

 

『伝達脳ができなかったときのために、その弱点も狙っていく。行くぞ』

『『『了解』』』

 

 ハンドガンをホルダーにしまって距離を取る僕達。

 

 僕はフルアタックで、近づく風間隊の援護をすることにする。

 

『右上』

『了解』

 歌川先輩が避けたことで避けられない箇所は、メテオラを放って防ぐ。

 

「後ろ引いてるくせに、さっきからうぜーんだよ。雑魚が」

 僕の四方に攻撃を仕掛けようとする人型。

 

 しかし…

『下と左上以外無視していいよ』

『了解です』

 聴覚情報による援護で避ける僕。

 

「はぁ!?…ははぁなるほど」

 …ようやく気づいたようだ。

 

 四方から違う音が聞こえてくる…そういう使い分けもできるんか。対応力ありすぎだろ、これ。

 

『流石に気づいたようだな』

『ふーん。でも原始人レベルですね』

 

 菊地原先輩のサイドエフェクトの凄いところはさっきから分かる通りその聞き分けだ。これぐらい大したことはないみたいだ。

 

 菊地原先輩の指示のもと避ける僕達…そして避けなながら僕はメテオラを人型の周りに放つ。

 

 避けられた後に風間隊を当てようと発生させたブレードにメテオラが当たり風間隊に当たるのを防ぐ。

 

「あーーもう面倒(メンド)くせえ。雑魚に付き合うのはもう終わりだ」

 敵はなりふり構わずこの階を潰す勢いでブレードを辺りに向けてくる。

 

 よし…今だ。

 

 僕は頭に向って残りのメテオラとバイパーを人型に放つ。

 

「雑魚が。丸わかりなんだよ」

 ブレードでメテオラを防ごうとするがそのブレードをギリギリ壊すメテオラ…最大火力設定でギリギリもいいところか、相変わらず固いな。

 

 威力がブレードとの衝突でだいぶ削がれたメテオラとブレードの間を縫って進めたバイパーが敵の頭を貫通する。

 

 しかし、潰すことはできず、吹っ飛んだ頭からブレードがこちらに向けて放ってくる人型…風間さんの言う通り全身液体なのか、やっぱチートじゃねえか、こっちがイラついてくるわ、くそ。

 

「だからいちいち弱いくせにうぜーって言ってんだろうが」

 そのブレードの後に僕達に向けてもう一度四方にブレードを放ってくる人型。

 

 そのとき、色づけした弱点に向けてカメレオンで消えた風間さんのスコーピオンが一撃を食らわせようとする。

 

 が、間一髪で避けられたようだ…無理だったか。

 

 

 さて、どうするかと思っていると急に風間さんが膝をつく。

 

 

 …え?

 何それ今何したの?攻撃してないだろ。

 

 唖然としてると三上先輩から連絡が入る…体内にブレードって。何なのよそれ聞いてないんだけど。

 

「あぁこの()りかたイマイチスカッとしねーんだよな」

 人型がそう言う…液体固体以外もなんかあるのあんた。

 

「囮役のチビどもで相手の大技を待って、影役のチビが斬りかかる…工夫して努力したなあ。まあ雑魚のくせに頑張ったのは褒めてやるけど、わりーな。オレは…」

 

「ブラックトリガーなんでな」

 人型がそう言う。

 

 

 

 

 

≪トリオン供給機関破損 緊急脱出(ベイルアウト)

 風間さんがべイルアウトする。

 






~エネドラ戦

メイン
ハンドガン メテオラ アステロイド スタアメーター

サブ
グラスホッパー バイパー メテオラ アステロイド

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。