戦闘員オペレーターのボーダー記録   作:チビメガネ

16 / 38


 明らか接近してるときの会話は『』の内部通信を分かり易くしたつもりです。


第16話 大規模侵攻 (4)

 弾バカ人型の戦闘を終え、敵の人型の処理をどうするか考えていると、丸い円形のが米屋先輩の周りに発生する。そんな能力もあったのかと思って驚いていると、そうではないようでその一回り以上も大きい円形が発生して…

 

「退却よランバネイン。あなたの仕事はここまでよ」

…敵のオペレーターっぽい人キターーーー。

 

 これはテンション上がると思って米屋先輩に言おうとする。

「米屋先輩ちょっと敵引き止めてk「はじめくん、うるさい」」

しかし、国近先輩に遮られる。怒られてしまった。

 

ここで嫉妬じゃね?キタねとか思うやつ。そいつはろくに付き合ったことないね、一瞬頭によぎった僕が言うんだ間違いない…泣いてないよ、うん。

 

 僕が取り逃がしたことを少し嘆いていると、米屋先輩達に話をしていた先生がこちらにも話を振ってくる。

「はじめも悪いな。今度何か奢るよ」

 流石は先生、僕がオペレーターっぽい人を逃したことを落ち込んでるところにフォローを入れてくれた。え?関係ない…そうですか。

 

「いいんですか?4人になっちゃいますけど」

「ああ。一人増えたくらいで問題ないよ。それにどうせお前は…」

 …先生、太っ腹。焼肉3人プラス1人を奢るとは…。

 

 でも先生。僕は焼肉で満足する男ではないのですよ。だって僕は…

「パフェだろ」

 バレている…だと。なぜだ。日頃の行い?なるほど。

 

「…お願いします」

「ああ」

 僕はここの通信を切り、違う仕事を探すことにする。

 

 

 

 

 違う仕事というと残りの人型になるわけだから基地南西部の玉狛の支援になるわけか。

 宇佐美先輩に連絡を取って…。

 

 そう思って改めて全体の把握をしていると、とある物体がこちらに近づいてくるのが分かる…結局こっちか。

 

 というか弱点バレてること理解してるよな…スタアメーカーを分かってないからか。それとも未知の攻撃がある以上必ず勝てると思っているのか、まああの攻撃を防げないのは事実かもしれないけど…そうなるとやっぱりその解析が最重要ってことだよな。

 

 それよりも今は、本部長に連絡を取ろう。

 

「本部長。こちらに例のブラックトリガーが向っています」

「こちらでも分かっている、問題ない。やつが入ると思われる箇所の避難は済ませた。未知の攻撃の解析を頼む」

「分かりました」

 流石です…動きが早い。

 

 そこでちょうどよく開発室長が言ってくる。

「キューブ状のやつの解析は済んでおる。諏訪のやつも元に戻った」

 こちらも流石です。仕事が早い。

 

 それを聞いた本部長が諏訪さんに話を振る。

「よし。諏訪聞いているな」

「はいはい。なんスか」

 そんな面倒くさそうに言わんでも…まあ復帰してすぐじゃあれか。

 

 本部長は続ける。

「堤と笹森を連れて仮想戦闘室に誘い込め。そこにやつを閉じ込めて解析を行う」

 なるほど…あそこならどんだけ斬られようが無敵状態だからな。

 

 それで解析終わり次第、部屋のトリオン供給をオフにして倒すってことですね。その後に本部長が来てってことかな。いきなり敵のボスがいたら警戒するからな…諏訪隊以外も戦える人が待ち構える形にするんだろうな。相手から見て、そっちの方が避難はさせたけど切羽詰まってるような状況が作れるだろうし。

 

 未知の攻撃やまだ隠してるものがあるかもしれない以上、警戒されたらこっちが不利になってことかな…舐めてくれないと解析もできないだろうし。

 

本部長が解析後の動きも説明している…さらっと笹森先輩のフォローもいれるのは流石です。

 

「了解。行くぞ、堤、日佐人」

「「了解」」

 それを聞いた諏訪さんが諏訪隊全員に言い、所定位置に向う。

 

 

 …とりあえず諏訪さんに挨拶しよう。

「諏訪さん。お勤めご苦労様です」

「別に悪いことしてねーよ」

 えータバコみたいのトリオン体でも咥えてるじゃないですか。

 あと目上の人にこの言い方ってダメみたいだよ、気を付けよう。

 

「ちっ。復帰早々ブラックトリガー様かよ。メンドくせー」

「まあまあ。これで戦功もらえたら後々便利ですよ」

 …どうせ菊地原先輩に奪われそうだけどね、うん絶対そう。

 

「それにこれが終わったら奢ってくれますよ…諏訪さんが」

「お、おう…て俺じゃねーか」

 ちっ、気づいたか。

 

「今の確実に俺が払う流れじゃなかっただろーが」

「いいじゃないですか。減るもんじゃないですし」

 …減るな、主に諏訪さんのお金が。

 

「おー。流石、すわさん奢ってくれるの」

「おい、おサノ…ちっしょうがねーな。パフェでいいか」

 流石諏訪さん太っ腹…え?僕のせい?ヨクワカンナイ。

 

「「やったー」」

 喜ぶ僕とおサノ先輩。

 

 軽口を叩いてるなか、ブラックトリガーがもうそろそろ本部にいる位置まで来ていた。

「さて…もうそろそろで来ます。手筈通りでお願いします」

「「「了解」」」

 

 こっちは仮想戦闘室との通信をオンにしてあっちでの解析に対応できるようにして…

 

「三上先輩、おサノ先輩。フォローお願いします」

「「了解」」

 この二人がいて解析できないってことはないだろう。

 

 あとは諏訪さんが…

「来いよ、ミスターブラックトリガー。遊んでやるよ」

「あぁ!?猿のくせに誰に向って口聞いてんだよ」

 うん、大丈夫だろ。

 

 数分後に諏訪さんと堤さんが仮想戦闘室に入り、解析が始まる。

 

「諏訪さん、堤さん。一応予想が合っているかの確認をするんで撃ってください」

「「了解」」

 

 まずは当たらないように適当に撃っていく諏訪さんと狙いを定めて撃つ堤さん。

 

「おいおい、さっきまでの威勢はどうした。もっと強くねーと俺と遊べないぞ」

 笑いながら諏訪さんに言う人型。

 

 なるほど、硬質化ってこういうふうに映るのか。今の段階で数個といって感じかな。

『硬質化確認しました。改めて情報をマークしておきます』

『当たった感じがあったんだが、あれ違うのか』

『あれおそらくフェイクのほうです、堤さん』

 本当に紛らわしいよな。

 うん避けてないし、あれが本物で大丈夫だろう。

 

 ということは全身液状化、固体化も合ってはいそうだな…あともう少しだ。

 

「どんな仕組みか知らねーけど、カスがいつまでも粋がるんじゃねーよ」

 仕組み…ああそりゃそうか。あっちはこの部屋のこと知らないんだから当然か。

 

 そう言いながら液体状の球のようなものを出し、そこから数本のブレードを出現させることを何度もする人型…あんなこともできるのね、本当に自由度高そうだよな、このトリガー。

 

『本部長、敵の全身液体化、及び固体化を確認しました。そして固体化に伴う攻撃も確認しました』

『分かった。諏訪予定通り頼む』

『了解』

 ここからだな。

 

 次はわざと本物を撃つ諏訪さん。

「今の手応え…ひょっとして当たり(・・・)か」

 諏訪さん、なかなか演技上手いです…これが推理小説好きの力か。違うね。

 

「隣のやつは気づかなかったのによく分かったな、雑魚のくせにやるじゃねーか…でもなるほど」

 ここでちゃちゃっと見せてくれれば問題ないけど…上手くいくかな。

 

 少し不安だったけどその心配はなかったようで…諏訪さんの頭の中からブレードが4本くらい出る。

 

 この広がり具合…なるほどね、こりゃ体内の動きじゃないから僕には分かないわ。というか分からないってのがある意味ヒントだったわけね。

 

『敵のトリオンが訓練室に充満しています…気体化をして体内に潜り込んだと思われます』

 三上先輩は一度見ているからな、対応が早いな。

 

 それを聞いた本部長が言う。

『なるほど。それなら空調を作動させろ』

 空調…空気の流れを変えて気体化の無効化か。

 

『作動完了』

 おサノ先輩、早いです。

 

『よし、一。現時点のダミーを全て表示しろ。破壊した後、気体化による攻撃で油断させたところを突く』

『分かりました』

 初めにダミーを含めて全部壊すって言われたときは何を言ってるか理解ができなかったんだけど、このひとなら生成時間よりも速く斬れるよなと理解するのもすぐだった。

 

 僕も模擬戦で散々やられたからな…弟子のほうも含めて。

 師弟揃ってあんなんとかやめて欲しいわ、本当に。

 

 そんななか人型はというと戦闘室を破壊しにかかっている。

 

 その中を颯爽と現れながら人型を綺麗に真っ二つにしながら

「旋空弧月」

 本部長が人型の前に現れる。

 

『菊地原。もし見えない箇所からの攻撃がきた場合の支援を頼む』

『了解』

 潜んでいた菊地原先輩に言う本部長。

 

 

「猿の大将のお出ましか。遅かったな。てめーの部下はもう使いものになんねーぜ」

「遅いかどうかの判断をするのはもう少し待ってもらおう」

 そう言って弧月を抜き始める本部長。

 

 敵もそれに応じて球状のものをもう一度つくり応戦しようとする。

 

 その旋空弧月の攻撃の間を掻い潜るように避けるブレード。

「は。雑魚の上に立つやつも粋がるんだな」

 しかしそのブレードは本部長に届かない。

 

「くそがっ」

 自分の急所に当たりそうな箇所を弧月を抜き、捌いていく本部長。そしてお返しと言わんばかりに素早く二回敵に向け攻撃を延長させていき、ダミーを2つきりさく。

 

 …僕のメテオラの最大火力で壊せるのもやっとだったものをこうも容易くやられると清々しいな。

 

「雑魚の分際で」

 次は左足を踏み出し、4回綺麗に真っ直ぐな軌道を描きながら。

 

『相変わらず芸がないなー。本部長下です』

『分かった』

 敵がこのままではきついことを覚ったのか下からの攻撃と両手と背中から発生させたブレードを先程のに加えて本部長に向けてくる。

 

 しかし下からの攻撃を、半円を描くような攻撃で相殺し、他の攻撃を自分から楕円軌道で発生させた数多の攻撃で防ぐ。なおかつ二歩ほど踏込ながらUの字を描きながら敵の胸部のダミーを破壊し尽くす。

 

「俺がこんなのに負けるわけないだろうがぁ」

 もうなりふり構わずこの部屋を破壊する勢いで球状のもの2つ両手そして背中から四方八方に攻撃してくる。

 

『死角からの攻撃は左上、下です』

『分かった』

 菊地原先輩の忠告をもとに見えない攻撃にも対処しながら、弧月を抜きながらダミーを次々に斬り刻む。

 

 仕上げと言わんばかりに、一突きするかのように一発。

 

 そして敵の後ろに踏み込みながら十字に斬りつけながら…

「貴様の敗因は…我々の前ではしゃぎすぎたことだ」

 最後のダミーを真っ二つにする。

 

 本物が破壊されることを恐れた人型は本部長に向けブレードを放ちながら、自分は分身のように観客席のほうに移動する。

 

 そして風上を利用した人型は本部長を倒し勝ち誇ったように本部長をあざ笑う。

 

 しかし、ここからだ。

 まず、カクレオンで敵の背後から笹森先輩が弱点を突く。

 

「気づかねーと思ったか?クソガキ」

 想像通り防がれる。

 

 しかし、緊急脱出(べイルアウト)と同時に煙を発生させて

「弾を集中させろ」

 諏訪さんと堤さんが撃つ振りをする。

 

「トロイぜ」

 そっちに集中し始める人型、よし。

 

「そっちがね」

 菊地原先輩と歌川先輩が弱点を斬る。

 

 

 ブラックトリガーとの戦闘を終える。

 

「ご苦労。我々の勝ちだ」

 本部長が告げる。

 

 ようやく終わったよ、うん。少し疲れたよ、休みたい。

 

 そう思ってるときに限って通信は入るもので…

 

「ようやく繋がった。はじめ、迅さんから聞いてると思うけどいますぐ屋上来てくんね」

 当真先輩である。

 

「了解です。本部長、僕は少し抜けます」

「分かった。一もご苦労」

 急いで屋上に向う僕。

 

 

 

 

 

 

 

ボーダー本部 屋上

 

「で、早速で悪いんだけど、本当についさっき来たあの女どうにかしてくんね。こっちは魚避けゲームしてんのよ」

「本当に早速ですね…」

 当真先輩遊びたいだけじゃないんですか…気のせいでじゃない、これは自信ある。

 

 まあでもいいですね。

「あの人倒せばあっちのオペ技術を手取り足取り教えてくれますかね?」

「…流石変態考えることが違うわ」

「あんたにだけは言われたくないですよ」

 この変態スナイパーが。

 

「まあこっちは気にせずいてください。どうにかします」

「ありがとさん。さて続きと行こうぜ奈良坂」

「ああ」

 

 教えてくんないかな…だって絶対オペレーターだしなあの人。

 

 あっち側にワープで移動する先輩達。

「さて行きましょうかオペレーターさん」

 

 僕は右でハンドガン、左でアステロイド用のキューブの形を取る。

 

 

「アステロイド」

 敵は無言で丸い黒い円状を作りこれに応戦する。

 

 僕の四方にも発生させた黒い円状のものからアステロイドが降り注ぐ。

 …改めて見るとチートだな、これも。

 

 さてこうなると円状に発生されても対応できそうなバイパーがいいわけだけど…避けられたときの次の一手がなくなりそうだし。本当に追い込むか油断を誘うしかないな。

 

 最悪というかトリオン切れに持ち込めるのがいいか。トリオンを持つものを移動させるならトリオン消費もそれなりに激しいだろうし。

 

 でも一対一ならいいかもしれないけど…ワープだしな、逃げられて終わりか。

 スナイパー組の方に円を発生させてアステロイドをあっちに撃つ羽目になるのもダメだし。

 

 逃げるところに一発有効そうなのを放つしかないか…。

 

「隊長。予定より多くのラービットを拝借します」

 そう言って大きな円を3つ発生させる。

 

 

〈まあこっちは気にせずいてください。どうにかします〉

 …迅さん、やっぱ出しゃばるべきじゃなさそうです。確実に息の根止めにきてるよこの人。

 

 でも迅さんこれくらいはやらせてもらいますよ。

 

 発生させた瞬間を見計らって敵にレッドバレッドを三発放つ。

 

 

 …一発は当たったかな。これで行動が遅くなればもっと狙いやすくなるだろ、逃げられたけど。

 

 ちょうどレッドバレッドが当たったそのとき、新型が僕を右腕で屋上入口まで吹き飛ばす。

 

『当真先輩。助けてーー』

 僕は吹き飛ばされながらもどうにか内部通信で言う。

 

『いや、とりあえず必要ないよ』

 いくら出しゃばったってさ、ひどくない?

 

 そう思ったらどうやら違うらしい。

 

 吹き飛ばされた僕を掴もうとする一匹の新型に向って、上から弾が背中に向け乱射される。

 

 その新型がそちらを向き砲撃をしようと口を開いた瞬間に二本のスコーピオンが斬りつける。

 

 倒れる新型。

 

 

 

 

「一人で勝手に先行っておいてやられそうになるとか…ダサ」

「お前な…悪いなはじめ遅れた」

 菊地原先輩と歌川先輩。

 

 そして、

「二階堂。これでてめーに貸しだからなんか奢れよ…お前の金で」

「それいいですね、諏訪さん」

 笑いながらそう言う諏訪さんと堤さんである。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。