戦闘員オペレーターのボーダー記録   作:チビメガネ

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風刃って分からないことが多いのね。

というわけで最後の方は能力分かり次第、そしてリロード描写がされ次第加筆&修正します。

後『』で始まるのは内部通信です。



第3話 ブラックトリガー争奪戦 (1)

  二日後の夜 放棄地帯

 

 今、僕はA級トップチームの先輩たちと玉狛にあるブラックトリガーを奪うため、玉狛支部に向かっている。

 なんでも太刀川さんがブラックトリガーの能力を聞いて、今夜にしましょうとか言ったから遠征帰ってきてすぐ奪いに行くことになったらしい…今日パフェの割引最終日だったのに、くそ。

 

「おいおい三輪。もっとゆっくり走ってくれよ。疲れちゃうぜ」

 ついでに回れ右して帰りましょうよ。今日割引だから奢りますよ。

 

「マジか。じゃあこのあとよろしくな、はじめ」

「後輩に奢られるとかプライドが傷つかないんですか、出水先輩。ってか僕何も言ってないんですけど…」

 

「パフェのことかオペのこと考えてるときのお前は、分かりやすいからな」

「…以後気を付けます」

「無理だな」

 え、ひどくない?

 

 そんな会話をしながら走っていると前に見知った人が待っているのが見える。まあそうなりますよね。

 

 

「皆さん、お揃いでどちらまで」

 迅さんである。

 

「どうも、迅さん。会いたくなかったです」

「ひどいな。それが同期に言うセリフじゃなくね?」

「じゃあ、会いたかったです」

 烏丸先輩に教わった星を出しながらいう僕。すると、溜息を吐きながら迅さんが言った。

 

「それはそれであれだな」

 うん、自分でも少しキモイって思ったよ。

 

「余計なことを喋るな、二階堂」

 余計とは失礼な…うん余計でしかないな、すいません。

 

 その後、太刀川さんがここに俺たちがいる意味は分かってるだろお前みたいなこと言う…やだ、この人迅さんとやりたくて仕方ないって顔してるよ。迅さんも迅さんでやる気あるよみたいな返事してるし。

 

 だから、そこ。いつになくやる気だなって言わない。絶対あなたのほうがやる気あるでしょ。ほら、色々まずいでしょ、ねえ。

 

 そんなことを思っていると風間さんが言う。

「模擬戦を除くボーダー隊員の戦闘を固く禁じる。この規則くらい知っているだろう、迅。隊務規定違反で厳罰を受ける覚悟はできているのか」

 そうそう、そういうことですよ、流石風間さん。

 

 

 まあ結局やることにはなったんですけどね、しかも嵐山隊の人たちもいるし…これ勝たないと響子先生による僕のための始末書祭りだな、うん。

 

 

 

 

 今、太刀川さんの孤月を避けて迅さんたちは、ある民家の屋根にいる。

 

「うちの隊だけでも玉狛に行ったらダメなんですか?」

「いや玉狛には木崎たちがいる。戦力を分散するのは危険だ」

「なるほど。了解」

 そういう会話をする菊地原先輩と風間さん…敵もとりあえず増えたしな。迅さん一人ならいいと思いますけど。

 

 そんななか、太刀川さんはというと、ここにいるメンバーでは三輪先輩と出水先輩は嵐山隊の相手を、風間隊、太刀川さんそして僕は、迅さんの相手をするよう指示を出す。

 

 アタッカー四人が、距離を近づけさせる。それと後で来る古寺先輩を含むスナイパー三人の射線を通したり、射撃がきちんと当たるようにというのが今回の仕事かな。

 

 

 風刃か…。能力は今分かってる段階では、『物体に斬撃を伝播させ、目の届く範囲どこにでも攻撃ができる』だったな。

 

 ただ、迅さんだじゃん。絶対なんか隠してるよ。大体、目の届く範囲って言い方がいやらしいんだよ。視線外がどうなのか触れてないし。ある程度座標さえ分かってれば、見えてなくても打てそうな気がするし。

 それならメテオラで作った煙で視界を狭めても無理だしな…逆にこっちから見たらあっちの斬撃が見えない分不利になってアタッカーに迷惑だよね、うん。

 

 風刃持ち始めの練習に使われたとき、そこらへん未來視によるあらかじめ撃っといた斬撃でごまかされたしな。それに伝播方法もなんか隠してそうで怖いんだよな。

 

 と色々考えつつこれが見当違いってこともあるしなーとも思わせるのが迅さんの凄いところだなとも思うし。

 

 …改めてチートだよな、あの人も風刃も。なんで太刀川さんがこんな遠足前の小学生みたいにワクワクした顔してるのが分からん。

 

 そんなことを考えていると、太刀川さんが言う。

「よし、とりあえず行くぞ」

 ブラックトリガー争奪戦が始まる。

 

 

 

 

「やっぱ風間さんはこっちか…それにはじめも。うんうん予想通りだ」

 未來視って分かってても、イライラしますね、それ。

 

「おい、迅。俺はあっちに行く未來はなかったのか」

「「いや、そりゃないでしょ」」

 太刀川さんの問いかけに思わず迅さんと被る僕。

 

「一も言うなよ」

 いや仕方ないでしょ、これだけは。

 

「じゃあいくぞ。迅」

 一息吐いた後、そう言って迅さんに斬りかかる太刀川さん。

 

『二階堂、こちらが近距離に持ち込めるよう援護射撃を。スナイパー組の援護も可能な限り頼む』

『風間さん、了解です』

 

 やっぱいそうなるよなと思いつつ、右でキューブを出し、左でハンドガンを持つ。

 

 僕は太刀川さんが孤月で押し切って迅さんが下がったときを見計らってバイパーを迅さんに放つ。

 

 迅さんがバイパーを避けながら下がることしかできないところを風間さんが近づいて斬りかかる。

 

 まず、右手のスコーピオンで風刃を受けさせた後で、左の二の腕当たりからスコーピオンを出して攻撃する…流石です。

 

「うおっと」

 視えてかな…よし次。

 

 迅さんが風間さんも避けようと何歩か下がろうとしたところで、右足を狙ってレッドバレットを撃つ。

 

「やべっ」

 迅さんがそれを避けるために移動して片足しかついてない状況で後方から奈良坂先輩の射撃が迅さんの頬をかする…今のも避けるのね。

 

 射撃が成功したときに次は右と左から菊地原先輩と歌川先輩が斬りかかる。が、菊地原先輩は風刃でいなし、肩に攻撃を当て、近づいてくる歌川先輩は、避けた後に足払いをして、体勢を崩した後に斬りかかって右肩を斬りつける…受け太刀すると弱いからな、スコーピオン。

 

 しかし、こちらも歌川先輩に斬りかかったときに太刀川さんが拡張した孤月で迅さんに攻撃を仕掛ける。この攻撃を迅さんが防ごうとしたおかげで、歌川先輩は右腕を失わずに済む。

 

『太刀川さんありがとうございます』

『いや、別にいい』

 やだ、この人迅さんのことしか考えてないよ…。

 

 太刀川さんは、その後すぐにもう一発拡張させて斬りあげる。それを受け太刀して避ける迅さん。

 

 よし、あそこまで迅さんを上げてくれさえすれば、あの電柱倒せば…。

 

 そう思い、ハンドガンのメテオラで電柱を倒し、当真先輩の射線を通す。

 

『おいマジか。今の避けんのかよ。空中じゃん』

『もうちょい追い詰めなきゃダメっぽいですね』

 本当になんなん、この人。ちょっとは当たれよ。

 

 そう思っていると

 

『今のだけ撃ったけどやっぱダメだわ。俺は三輪の方行くわ』

 勝手だなこの人、まあ太刀川さんも許してるしいっか。

 

 当間先輩が行ってしまったが、特にすることは変わらない。下がったときアタッカー近づけるようにキューブで、スナイパー組の射線の確保と射撃が通るようにハンドガンで対応する…まあ全部避けられたけど。

 

 

「どんどん下がりますね、ブラックトリガーのくせに」

「包囲されないためには当然の行動だろう」

 近距離に持ち込めば強化孤月みたいなもんだしな…え?僕はグラスホッパーで近づくこともできず、やられたよ、迅さんの試し打ちで、くそっ。

 

「でもどうします?このままだと警戒区域外まで行くんじゃ…」

「そりゃないな。だろ、一」

「そうですね、迅さんは市民を危険にさらさないですよ」

「なるほど」

 歌川先輩の問いに答える太刀川さんと僕。

 

「ただ…」

 そう言いながら迅さんの方を見る太刀川さん。

 

 確かに風刃まで持ってきてのらりくらりと逃げるだけっていうのはあれだよな。迅さんらしくない。勝ち筋見えてるから来てるんだろうし。勝つつもりないならあれだけど…。

 

「こいつの狙いは、俺たちをトリオン切れで撤退させることだ」

「…なるほど。撤退の方が本部との摩擦が少なくて済む」

 なるほど。そういう意味での勝ち筋か。それなら、本部相手にこっちは手札を出していないっていう印象もつけられるし。迅さん的にもやりやすいんだろう。

 

 そんなことを考えていると、それを聞いていた菊地原先輩が思うところがあったのか口を開く。

 

「風間さん。やっぱりこの人は無視して玉狛玉狛に直行しましょうよ。この人を追い回したって時間のムダだ」

 確かに、もう迅さん一人だし大丈夫か。

 

「確かにこのまま戦っても埒が明かないな。玉狛に向かおう」

 菊地原先輩の意見に対して、風間さんがそう言う。

 

「やれやれ…やっぱりこうなるか」

 迅さんが覚悟を決めたように言う。そして、そう言った後壁に風刃を向ける…来る。

 

『歌川先輩、菊地原先輩右です』

『『了解』』

 状況を理解して右にスコーピオンを向けガード姿勢に入る先輩たち。

 

 先輩たちの方だろうけど、僕もバックステップで下がりながら避けようとする。

 

 想像通り、菊地原先輩のほうで曲が…らずに、僕の方まで来た斬撃が僕を襲う。

 

「やっべ」

 思わずそう呟きながら急所だけはそれるようにしたため、ベイルアウトはせずに済んだ…ただ右腕ふっとんだけど。くそ、油断した。

 

『すいません。自分で言っといて自分がやられました』

『本当だよ。自分で言っといてダサ…』

『お前な…。悪いな、はじめ』

『いや、こればっかりは否定もできないです』

 …うん、本当に申し訳ないです。

 

『太刀川さんもすいません。油断しました』

『いや、問題ない。いい囮だった』

 おとり?そう思って、迅さんを見てみると左肩からトリオンが漏れてるのが見える。

 

 なるほど。斬撃の延長でできた数秒の隙を見逃さずに斬りかかったわけか、流石です。

 

「ここまできたら、とりあえず迅を倒してから玉狛行った方がよさそうだ」

 ニヤつきながらそう言う太刀川さん。

 前言撤回。やっぱこの人単なる戦闘バカだ。いや、言っていることはあってるんですけどね。

 

『とりあえず迅を無理やり近距離に持ち込ませる』

『分かった。スナイパー、太刀川を援護しろ。俺たちに当てても文句は言わない。行くぞ、歌川、菊地原。迅』

『『了解』』

 風間隊がカメレオンを起動し消えようとする瞬間に風刃を三本放ち、歌川先輩、菊地原先輩、そして近づいてくる太刀川さんに襲い掛かる。

 太刀川さんはガードしたけど、歌川先輩と菊地原先輩は当たったな。

 

「太刀川さんたちにはきっちり負けて帰ってもらう」

 放った後にそういう迅さん。

 

「じゃあ、一。できる限り援護を頼む」

「了解」

 本当にどんだけやりたかったんだこの人。

 

「誰が負けて帰るって?」

「できれば全員がいいな」

 斬りかかってくる太刀川さんにそう返す迅さん。

 

 

 

 風刃の残弾は7発である。

 

 

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