戦闘員オペレーターのボーダー記録   作:チビメガネ

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待ってた方がいれば、本当に申し訳ありません。
スパイダー持ち修による4戦目です。

仮定ヴィザ
スパイダーは張った後は、違うトリガー普通に使える(9巻 レイジさんvsヒュース&ヴィザ戦)
↑スパイダー用キューブの形状から見て1つのホルダーで、メテオラを付加できないしその後銃で撃ってるのはおかしいので、こういう考えになりました。

こいつの動き明らかおかしい。見てられないとかありましたら言ってください。
そういうとこは、変えたくないとこなので。

最初に言うべきことは、それくらいですかね?

では、どうぞ。


第35話 B級ランク戦 第4戦 (1)

 

 

「…という感じで、スパイダー自体が強くなるって代物ではないですが、トリオン消費が少なくて済むというのと、三雲先輩の動きにあったトリガーなんで、おススメです」

 僕はスパイダーの説明を一通り終え、唯我先輩との訓練を終えた三雲先輩の方を向く。三雲先輩は、僕から借りたスパイダーを張り付けながら、その方向を見て考え込んでいる。

 

「烏丸先輩から以前聞いたんですけど…」

「…」

「あ、いや。そんな顔しないでください。何となくで教えてしまった僕が悪いんですから」

「え、ああ違う。ごめん」

 …そりゃ、そうか。考えてるだけだよな。それにもう教えてもらってきてるってことは、烏丸先輩に許可を得てるということだし、今更か。

 何? あんたもとりまる派なの!? ということではないか。

 

 でも本当に今更ながら烏丸先輩の考えは組まないとな…。

 教えていない上で、考えながら戦ってほしいと言ったということは、教えると考えながら戦わなくなるということだろう、たぶん。これを聞いてこうやって考えてる時点で、誘い込もうということだけ考えてるわけじゃないだろうし、大丈夫だろう。

 僕の場合新たな技術を手にしたときは、テンションを上げたまま模擬戦に臨んだものである。その度に、

 

「あんた、視線で丸わかりよ。もっときちんと動きなさい!! き・ち・ん・と」

 と言われたり、

「はじめ。前教えたでしょ。もっとドワッと動くのよ、ドワッと」

 と言われたりしたっけ…ロリ小南め。ふざけおって、くっそ。今思うとドワッとってなんだよ、どう動くのが正解なんだよ。

 

 まあ、今はそんなことは置いておいて、誘い込みというのは、もしかしたら狙いを定めよう、罠に嵌めようとして動きが悪くなるかもしれないから…

「スパイダーの欠点は、一度張ってしまったら動けないこと。張った後に誘い込もうとしても、バレたらそこに移動しなければいいという対策を練られたら終了。下手にスパイダーを利用しようという考えに縛られたらよくないと思います。烏丸先輩の言葉から考えると、空閑先輩がいるから露骨な感じにはならないと思いますけど、たださえ釣りというのをよく使う部隊で誘い込みといのは危険とも思うんです。だから…」

 そこまで言って分かったのか、三雲先輩は口を開く。

 

「敵がどう動くか、味方がどう利用してくれるか考えて張った方がいい。誘い込むんじゃなくて、動くであろう位置に張る」

 僕の目を見て言ってくる。

 

「先輩…」

「え、違う?」

 僕の顔を見て、少し慌て始める先輩。

 

「僕のセリフ奪わないでください」

「…ごめん」

 三雲先輩に、呆れたように笑われてしまった…。

 

 

 

  2月15日 ランク戦解説席

 

「B級ランク戦 ラウンド4。実況を務めます、嵐山隊綾辻です」

 綾辻先輩の声で、静まった観客席と解説席。

 

 嵐山隊は、その他の事務仕事で大変であるのにも関わらず、緊急で多くやることになった入隊式の書類もやらなければならず回らないということで、僕も手伝った。まあその影響で綾辻先輩は、ギリギリではなく10分前くらいには、解説席に着くことができた…いや別に怒ってないし。観客の人の需要も女子オペレーターに傾いてるだろうからという理由で納得してるよ?

 まあ一言だけ許されるなら…やりたかったです、はい。

 

 次こそは、響子先生を出し抜いてやると一人改めて誓っていると、綾辻先輩が今回の解説者を紹介していた。

「解説席には風間隊の風間隊長と、加古隊の加古隊長、そして戦闘員オペレーターの二階堂君にお越し頂きました」

「「どうぞ、よろしく」」

「よろしくお願いします」

 というか加古さん、チョコ2人に渡した後…

 

「あ…二階堂くんは、いらないわね」

 と言って、わざとらしくチョコをしまうのやめてくれませんかね…マイク入ってますよ。そのためだけに絶対持ってきただろこの人。それだから黒江があんな感じになるんですよ。分かってます?

 僕一応兄弟子なんですよ…一応って言っちゃてるよ、ダメじゃん。

 

「仮想ステージへ、転送完了」

 僕が1人そう思っているなか、MAPについて触れた綾辻先輩の声がして、画面には、『市街地MAP B』の様子が映る。

 

「四日目 夜の部 四つ巴! いよいよ戦闘開始です! 」

 画面には、雪が積もった市街地が映る。

 

 

 転送位置は、綾辻先輩の言う通り、ほぼ均等にばらけている。

  一番北には、三雲先輩。数本の細い路地と一本の大通りを挟んで奥寺先輩。そこから西に少しいったところに二宮さんと北添先輩。

 中央付近に雨取さんと辻先輩。その右方向に、東先生と先生が視認できであろう距離に犬飼先輩と空閑先輩。空閑先輩の近くに小荒井先輩。

 撃たなければ、バックワームの影響で視認できない南西の方向にユズル。そして一番南に影浦先輩。

 …と言ったところだ。

 

「東隊に引き続き、玉狛第二も全員バックワームを着て身を隠す」

 10数秒遅れてからの玉狛第二のバックワームの起動を述べる綾辻先輩。

 

 東隊は当然のことながら、合流を目指し動き始めており、影浦隊はとりあえず、様子見といった感じで合流はせず、ただ1人1人自分の仕事をしていくようだ…いや気にしてないか、仁礼先輩だし。構わん、やれ!! という感じかもしれない。現に今だって…

 

「北添隊員のメテオラが降り注ぐ!! 各方面で着弾した家屋が崩れていく」

 北添先輩のグレネードランチャーから飛んだ数発が爆音ともに家に当たっていき崩壊していく。普通考えたら20秒弱レーダーに映っただけの敵を撃たんだろ、流石ゾエさん…褒めてるよ?

 それに開幕一発って言うほど期待できないだろうし。実際今回、影響受けているのは三雲先輩だけだし…それも飛ばされただけだし。

 それにこの距離だと…

 

「二宮隊長のアステロイドが、北西の建物にいる北添隊員に一直線に飛んでいく」

「ホント獲物があるとすぐ飛んでいくのね」

 屋上から飛び降りる北添先輩の画面を見ながら、二宮さんの動きを伝える綾辻先輩に対し、加古さんは、肘をついた上で、手のひらに顎をのせて口をとんがらせて言っている…あの距離なら別にいいんじゃないですかね、まあいいか。

 

「絵馬隊員、二宮隊長に向け狙撃をするも防がれる。絵馬隊員の位置も把握されてしまった」

「絵馬隊員もトリオン少ないわけではないですが、流石に二宮隊長相手だと厳しいですね」

 二宮さんがいることへのヘルプであろうが、ユズルはイーグレットを撃つ…まあイーグレットの射程を考えると多少は逃げられるか。そのためのイーグレットもあるだろうし。

 

「二宮隊長、ハウンドを北添隊員に向け放射。雪で動きづらいなかで、北添隊員は走って逃げていく」

「二宮はこのまま、隊と別行動で絵馬と北添を獲りにいくといった感じだな」

 北添先輩は家の屋根を超えていき、落ちていくハウンドを避けて下がっていく。二宮さんは、近くの路地を通りながらもう一度キューブを生成、分割して放射をしていく。

 

 二宮さんは、北添先輩が逃げた大通りを追いかけていく。北添先輩は、ハウンドの誘導半径を切らすために路地を曲がる。二宮さんは、バックワームを着用し、北添先輩が曲がった路地の奥の路地を曲がり、同様にポケットに手を入れたまま、次はハウンドを発生させ、屋根から降り注ぐように放つ。

 路地も家と家に挟まれ、しかもその路地の出口の射線が通りそうな位置には大きなビルがそびえたっている。流石は市街地B。一度撃ったらスナイパーは逃げなくてはならないにとは言ってもここまで撃つとこが限られてくると逃げるのも一苦労だ。

 

 二宮さん1人の動きを述べた風間さんに首肯した後、綾辻先輩は続ける。

「風間隊長の言う通り、二宮隊の犬飼、辻両隊員も、バックワーム着て互いに合流をしようと動いている様子」

「三雲がどう動くか分からないが、空閑相手に1対1になるのを防ぐのが最優先と考えたんだろう。二宮の方に空閑がいるなら対処できるが、最初の数秒で大方の位置を把握した今なら空閑も気をつける必要がある。空閑1対1なら厳しいのは言うまでもない。それに影浦もレーダーで今の正確な位置が分からないとなると二宮隊を狙う可能性がある」

「なるほど」

 転送位置から考えると、犬飼先輩がそのまま西に移動すれば合流できそうなものであるが、一番東に位置していた犬飼先輩が南下していき、辻先輩もそれに合流するように南下していくことをアイコンで確認できる。

 

「仕掛けた東隊を皮切りにB級トップ2も動き始めるなか、玉狛はどう動いているのか」

 そして綾辻先輩は、玉狛の動きに着目していく。

 

 MAPのアイコンを見る限りは、空閑先輩は転送位置から三雲先輩のほうへ移動している。それに対し三雲先輩は、二宮さんが北添先輩にハウンド撃っている間にMAPの中央を回り終えたようで、今は空閑先輩の方向に移動している。バックワームを着て移動しながら行っていることは、左の手のひらの上にキューブを浮かせている。そのキューブからは、2つの針が現れており、その針は民家の塀へと飛んでいく。そして、塀のタイルとタイルの間に引っ付いていく。

「三雲隊長、スパイダーを塀に張り付ける」

「ほう」

 北添先輩のメテオラ砲弾の影響で、雪の上ではなくはなく、崩壊した家が道の上に散乱しており、足を上げて進まなくて済む分動きやすい道になっている。

 

  スパイダーは、別にその糸に引っかかれば、すぐに緊急脱出(ベイルアウト)してしまうものではない。そもそも武器ではなく、あくまで敵を仕留めるための罠というのが基本的な使い方のトリガーである。そして、罠とは、仕留めるためだけのものではない。罠が張られていると分かっている戦場では、その罠に引っかかった結果として自分はどうなってしまうのかを嫌でも考えなくてはいけなくなる。

 身体のどこかが消える、で済めばよいが、この場合のすぐに思いつく注意すべきことがあるとするならば…

 

「ゾエ君が撃ったメテオラのおかげで、雪道じゃなくなったところを重点的に張っているみたいね。そうなると…」

 加古さんは、一呼吸おいてそのまま続けていく。

 

「雪ではなくまだ動きやすい瓦礫の上に移動して、しかも糸で体勢が崩れたところに、空閑くんが現れて…敵を落とすって感じかしら」

 肘をついたまま、人差し指を自分の首の方に向けてそのまま横に振る。

 空閑先輩が落とす姿を想像してか、口角が少し上がっている。

 

「当然雪道の塀にもスパイダーを張ってはいるだろうが、雪という特殊な戦場にされた以上、雪道は避けて通る可能性は高い。加えて雪の戦場での警戒レベルが上がるとなると、罠の存在も嵌る前に気づかれ、逃げられる可能性もある」

 風間さんが、加古さんの補足をする。

 

 …実際どうなのだろうか?

 雪道に糸を張ったこともないから分からないけど、ここまでの雪の積もり方ならいつも以上に足をあげないと進めない。そうなると、張った位置より足があがることもあって、普通のときより意味ない可能性もあるだろう。腰の位置とかにあっても体勢を崩すという意味では意味ないだろうし…巻き付けると言っても量が必要だろうから、三雲先輩じゃ厳しいか。

 まあ実際空閑先輩のように、雪道の避け方は塀を伝うという方法もあるから、引っかけることもできるだろう。

 

「加古の言った通り、空閑が仕留める形にするのであれば、相手の警戒心が低い道の方がいいだろう」

 僕がそんな考えをしているなか、先程の発言について風間さんが同意する。

 

 集団戦におけるスパイダーの使い方は、如何にスパイダーを張った戦場で戦えるかにかかっていると思う。そこに持ち込まなければ、意識を向ける以前の問題である。罠が無いと分かっている場所で、罠を意識して動く人はいない。だからこそ、スパイダーがある、もしくは張ってなどいないと、どうやって思わせるかが非常に重要なのである。

 

「スパイダーを張った戦場を少し抜けた先で三雲隊長、犬飼隊員が互いに視認。辻隊員とともに三雲隊長と戦闘を開始する」

 ここからは、作られた戦場での戦闘である。

 

 舞台は、瓦礫が散乱している道を抜けた隣の雪道。互いの距離は、現時点で辻先輩と三雲先輩との距離は20から30メートルといったところ。犬飼先輩は、辻先輩の数歩下がった位置にいる。

 三雲先輩は、レイガストを構えながら、バックワームを外して、数歩下がる。辻先輩は、三雲先輩との距離を詰めながらバックワームを消していく。犬飼先輩は、歩道側に寄りながらサブマシンガンの銃口を三雲先輩に向けた上で、バックワームを外していく。

 

「アステロイドが三雲隊長に飛んでいく。三雲隊長、盾でこれをどうにか防いでいく」

 三雲先輩から見て、斜め前から飛んでくるアステロイドを、レイガストを斜めにして防御する。そのなかで、近づいて来る辻先輩に対処するためのアステロイドを右手で4分割。

 

「三雲隊長もアステロイドを放射する。しかし辻隊員は、涼しい顔で(かわ)していく」

 辻先輩は、三雲先輩の真正面に踏み込んで孤月を振り下ろそうとするが、相手のキューブの浮遊を見て右に蹴り上げて方向転換。アステロイドを躱(かわ)していく。

 そして、その動きに合わせて銃口を上に向けて、犬飼先輩はハウンドを放っておく。

 

「上からハウンドが降ってくる。三雲隊長、どうにか(かわ)すが、体勢を崩してしまう」

  三雲先輩はレイガストの盾を上にして、それを防ごうとするも少しぐらつく。しかし、何とか持ちこたえ、出遅れたものの踏み込んで来た辻先輩に向けてレイガストを振り下ろす。

 当然のことながら無傷ではあるが、体重をかけて振り下ろされた一撃に辻先輩は、孤月で数歩下がりながら()なすことになる。

 それを察した犬飼先輩は、振り下ろそうと踏み込んだときに合わせて三雲先輩にアステロイドを撃つ姿勢に入る。

 

 そのまま、三雲先輩に当たっていくと思われたが、サブマシンガンの銃口からアステロイドが放たれる瞬間、犬飼先輩がいる位置のすぐ後ろの路地からバックワームを消しながら、空閑先輩が犬飼先輩の首を獲ろうと急接近をする。しかし…

「空閑隊員の奇襲にも、後ろにシールドを発生させて、防御していく」

「犬飼くんも辻くんも、三雲くん1人じゃ空閑くんの急襲には気が回るわね」

「バックワーム消したのは、そのためでしょうからね」

「そうだな」

 あっちに行ってから現れるというのは、はずしたわねと呟いた後の加古さんの言葉に、同調する僕と風間さん。

 風間さんは画面を見続けたまま、続ける。

 

「そうであるからこそ…」

 シールドで防御されてすぐに塀に移動し、塀を伝って移動していく。犬飼先輩は、その動きを追いかけるように塀に向かってアステロイドを撃っていく。

 

 三雲先輩は、一瞬そちらに気を取られた辻先輩に対して、スラスターを使った遠心力を利用し、もう一度振り下ろす。

 気を取られていたものの、それを落ち着いた様子で数歩下がって(かわ)していく。

 それを視界に捕らえた空閑先輩は、塀と平行にグラスホッパーを発生。踏むことで、避けている最中の辻先輩に向かって飛んでいく。

 

 それに対して、犬飼先輩は追いかけるようにもう一度アステロイドを空閑先輩に放つ。

 辻先輩はというと、レイガストを避けながら、自分の首を狙って急接近してくるスコーピオンを()なす。

 距離を取る4人。

 

「敵として空閑にのみ注目が向いている今、罠の意味が出てくる」

 辻先輩を玉狛2名が挟み、空閑先輩の右斜め後ろ数メートル先に犬飼先輩がいる状況になっている。

 

 まず、三雲先輩がアステロイドを犬飼先輩に2つ、辻先輩に2つ放っていく。

 犬飼先輩がそれを相殺するのを信用してか、辻先輩は向かってくるアステロイドに背を向け、空閑先輩に斬りかかる。

 三雲先輩は、その相殺は分かっていたのか、空中で相殺するなかで犬飼先輩の近づこうとする。しかし、雪のせいで上手く動けないことに加え、数歩進んだところでまた飛んでくるアステロイドに防御しか選択できず近づけないでいる。

 犬飼先輩は、そのまま空閑先輩にも向けてアステロイドを放つ。それに対して、空閑先輩は足から出したスコーピオンで雪を蹴り上げ、辻先輩の目に当てる。

 

「空閑くんも面白い動きするわね。雪での戦いもすぐに慣れてる」

 解説席で加古さんが違う意味のロックオンをしている一方、目に雪が入り怯んだ辻先輩に対して、三雲先輩はもう一度スラスターをONしたレイガストを振り下ろし、空閑先輩への道を開ける。

 

「空閑隊員、グラスホッパーを使ってアステロイドを避け、犬飼隊員に斬りこんでいく! 」

「へぇ」

 蹴り上げた姿勢のまま、もう片方の足でグラスホッパーを踏んで犬飼先輩の足元まで、飛んでいく。

 

 それを片目で確認した辻先輩は、レイガストを避けた上で、下がる犬飼先輩の方に、孤月を延ばしていき、犬飼先輩と空閑先輩の間に挟みこむ。

「流石は、辻隊員ですね。自分がこの状況でも味方の逃げる機会を与えていく」

 犬飼先輩が、先程空閑先輩が来た路地から、隣の道へ逃げていくなか辻先輩は、もう一つ隣の路地まで、空閑先輩と斬りあって進んでいく。

 三雲先輩は、犬飼先輩と撃ちあいながら、空閑先輩が通った路地を通って行く。犬飼先輩は、シールドを前に置き三雲先輩の攻撃を避けながら、銃口を上に向けて弾を隣の路地に放っていく。

 

「辻隊員と空閑隊員の斬りあいを民家越しに援護していく犬飼隊員」

 犬飼先輩は、下がりながら隣の路地に向かっていく。あと数歩で、雪ではなく瓦礫が埋まる形となった合流地点である。

 

「その先には…」

 綾辻先輩の溜めと同時に、犬飼先輩は、糸に引っかかり体勢を崩していく。足でどうにか転ぶことはさけたものの、身体が盾の前に出る姿勢を取ってしまう。

 

「罠が仕掛けられている! 」

 三雲先輩が、相手を早く仕留めようとしたためか弾速を速くしたアステロイドを放つ一方で、犬飼先輩が盾を延長していく。

 弾1つ分の差で、アステロイドの方が早く犬飼先輩を捕らえる。

 

 

 サブマシンガンを持った左腕が雪の上に落ちていく。

 

 

 

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