戦闘員オペレーターのボーダー記録   作:チビメガネ

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いずれ挟まないとなーと思ってたくだりを無事にかけたんですけど、ちょっと急すぎかなと思いました。


はじめが全員に白星をあげるのはいつになることやら…これが終わるころには現役には1勝しているはずだからな、頑張ってもらわないと。



第38話 はじめは、A級オペレーターには敵わない (2)

 

 

 

「改めてありがとね。助かりました」

「これくらいはいいですよ」

 2人してこたつに入り、とりあえず休むことにする僕たち。

 

 何度も言うように、先輩の部屋はゲームの散乱がひどいだけで、ゴミが散らばってるとか、ゲーム以外のものもゲームと同じレベルで散らばっているとかではないんですよ。太刀川隊室を掃除してる身からしたら、国近先輩単独なんて余裕ですね。あそこは生活感に溢れすぎてますから、ほら餅とか餅とかみかんとか。

 

「今、失礼なこと考えたでしょ」

「いえ、別に」

 視線を天板に落とすと、先程のふきんが目に入る。ふきんを動かしてたときの先輩可愛いかったな…うん、思い出したら恥ずかしくなってきた。視線を上にしたほうが良さそうだ。

 

「はじめくんって、言い方か態度に出るよね」

 そう思って視線をあげたら、先輩の顔がありました。分かりやすいなーと微笑ましい感じでお茶を飲まないで欲しいな、恥ずかしいから。

 

 でも、態度と言い方に出るのって仕方ないと思うんですよ。ほらあっちだって分かってからかってる節があるじゃないですか。それでグイグイ来られて我慢するなという方がおかしいと最近思うわけですよ。要するに可愛い先輩が悪いだけで、僕は悪くないわけですよ…お前ももうちょい慣れろと言われたらそれまでなんですけど。

 

「なんのことかさっぱりですね」

「じゃあ、なんで下を向いたのかね」

「…天板が好きなんですよ」

 その言葉が放たれた瞬間から発生する沈黙。

 

 …いや、僕も今のはないなって思ってるんで、そんな悲しい顔しないでくれません?

 自分でもないなと思ってるんで…先輩のうわあって顔もそれはそれで可愛いですけどね、ええ。

 

「…新しいね」

 2人きりの部屋で、聞こえるのは先輩のお茶をすする音だけ。

 先輩は、僕に焦点を合わせずドア付近を見ながら、もう一口お茶を飲む。それに対して僕は人差し指を上に向けて言い放った状態のまま固まっている。

 

 未だ流れる沈黙。掛け時計に見ても20秒も経っていないはずなのに、数時間のように感じてしまう。まあ自業自得なんですけど。天板が好きってなんだよ。もう少しなんかあったでしょ。

 先輩のお茶を啜る音もそうですけど、たまにこちらを見るのはやめて欲しかったです…いやまああれですよ。ジト目みたいな感じで可愛かったですけど。

 

「ふぅ…」

 飲み終わったのか、先輩は息を吐きながらカップを天板に置く。そして改めて僕を見て言い放った。

 

「今の言葉を言うなら、普通にゲームが多いですねって言った方が良かったと思うよ」

「はい、すいません」

 先輩にそう言われたので、僕は即答した。

 

 さっきも言いましたけど、確かにないですよね。でもほらふきん見てましたってバレたら大変なことになるんですよ。そうなったらもう精神的に耐えられないとこのときは思ってたわけで…だから言い直そうと思ったんですよ。

 そう思った僕は深呼吸をした後、視線を天板から先輩に移してドヤ顔で言い放ったのです。

 

「先輩の部屋って、普通にゲーム多いですよね」

「調子に乗らない…というか同じだし」

 先輩は僕の再チャレンジを聞いた後にそう言うと、こたつの中で僕の足を手探りで探し出し足裏を指でグイッと押した。

 それを受けて僕は手をこたつから出し天板を叩いてギブアップを先輩に告げると、先輩は足から手を離してくれる。

 

「…すいません」

「分かればよろしい」

 天板に頭をつけて謝る僕を見て、頷く先輩。そして、こたつから出ずに後ろに振り返り何かのパッケージとに手を伸ばそうと頑張っている。まあ見えなくてもゲームなんだろうということは分かるけど。でもいくら離れたくないといっても、こたつから出ないように頑張るのはどうかと思うんですけど…まあ可愛いですけど。

 

 あれですよ。仁礼先輩なんていい例ですよ。絶対あの人こたつから出ないことを誇りに思ってますよ。アタシのテリトリーに入ってくんなって北添先輩怒られてましたし。ああ、僕は許されてますよ。仕事と引き換えにね…パシリじゃないですよ、ほら支援課の仕事の一環ですから。なんせ寝転がってる人のお茶出しも僕の仕事なんですからね!!

  …はい、パシリですね。

 

 まあそんなことは今は置いておいて、国近先輩がゲームを取り終えたらしく、こちらに向き直る。

「さて、はじめくん。2人っきりだね」

「ですね」

 僕が返事をすると、先輩は数秒溜める。そして、再び口を開く。

 

「2人っきりでやることと言ったら…」

「ポ○モンですね」

 同時に机に手を置いて、電源を入れる。

 

 次こそは…勝つ。

 

 

 

「天板は…ないわね」

「そうだね…それと女子で2人きりになってやることがゲームで揃うって、違う気がする」

 目の前にいるどら焼きを手に持っている女子の先輩2名が短く感想を述べてくる。

 

 最初から話を聞いていた嵐山隊4名に何とも形容しがたい微妙な雰囲気が流れている。うん、僕のせいですね…すいません。え、佐鳥先輩? 先輩は隣で、腕を組みながら「なんではじめがあんなセリフ言って、持ち直してイチャイチャできてるんだ。柚宇さんスゲー」と言ってるよ。

 聞こえてるんで、やめてもらえませんかね。確か2人のときの会話は国近先輩ありきな面は否めないし、自分でももう少し努力は必要なことは分かってますけど、でも僕だって頑張って攻めていくことだってあるんですよ…悉く無意味に終わってるだけで。

 

 …悲しい。

 

 それと時枝先輩も、まあはじめだし仕方ないよっていうそれに対する返事なのか分からない独り言を言うのはやめて欲しいです。嵐山先輩も仲良いなと言いたげな笑顔を向けているだけだし。

 …あれ? 今のこと雰囲気の原因って、天板のくだりはないということからできあがったと思ったのに、微笑ましい感じも含まれているものだったのか…木虎先輩は本当に呆れてるようだけど。

 でも先輩だって、烏丸先輩のバイト先突入できないヘタレじゃないですか…すいません。分かりましたから睨まないでください。後であそこの割引券でも渡そうかな。

 

 その雰囲気を感じ取った僕は思わず呟いてしまう。

「僕のイメージってなんなんですかね…」

 隣に座ってる佐鳥先輩が、僕の右肩を叩いて、その独り言に対する答えを導いてくれる。

 

「まあ…諦めるんだな。それが俺たちの運命だぜ」

 佐鳥先輩は、決まったと言わんばかりの表情をしている。

 

「先輩…今のはないです」

「木虎、ちょっとひどくない? 」

 それを見ていた木虎先輩が、僕に向けていた表情を変えずに声のトーンを低くして小さな声で言う。その一言に対して、椅子から立ち上がって腕を動かして不満を表している佐鳥先輩…まあかっこつけて言うことではないですからね。

 

 そういうわけなので、僕もお茶を一口飲んで佐鳥先輩の方を見て言うことにする。

「今のはないですね」

「ちょっと、はじめ!! 俺フォローしようとしたんだけど」

 …フォローではないと思うんですけど。

 

 佐鳥先輩が精神的ダメージを受けて、膝をついて泣き振りをしているのを横目で認識した上で続きを先輩たちに語り始める。

 

「…で、その後なんですけど」

「ちょっとー、はじめくーん。無視はひどくない? 」

 佐鳥先輩は、とほほと言ってどら焼きを取って席に戻っていく。

 

「二階堂君、ゲームのところは省略していいよ。そこ話してたら時間なさそう」

「そうですか…一番白熱したんですけど」

 綾辻先輩が時計を確認した後に僕が話すのを遮ってくるので、不満を言うことにする。この際、隣で俺のこと2人とも無視ですかと叫んでいるスナイパーの先輩のことは、先輩の言う通り無視することにする…敵は綾辻先輩1人である。

 

 別にゲーム内容を語りつくしたいわけではない。今後の話の長さと休憩時間的に考えてこのゲームのくだりさえ入れてしまえば、最も人の話したくないところは省略できる。そのために取っ掛かりというか話さないといけない理由を言う必要性はあるだろう。

 僕だって、人の口からゲームをしたところを話されたって面白味も感じないだろうしね…よし。

 

 お茶を一口飲んで、咳払いをした後に言う。

「いや、単にゲームをしたというわけではないんですよ」

「というと? 」

 僕が湯呑を机に置き終えると、綾辻先輩は次の言葉を促してくる。

 

「ゲームをするときに先輩が、おーとか言って反応したり、どうするかと言って首を傾げたりしたりするのがやっぱ可愛かったりするわけですよ」

「そんだけ? 」

  綾辻先輩の隣では、重症ねと呟いている木虎先輩が次のどら焼きへと手を伸ばしている。

 

「それで、勝つと今までこたつを出なかったのに、わざわざ出て立ち上がって僕に向かってピースをして喜ぶわけですよ。まあそりゃ悔しいですけど、その姿見たらいいかなーと思うんですよね」

「なるほど」

 顔を赤くしながらも頑張って言葉を紡ぐ僕を、綾辻先輩は嬉しそうに見てくる…まあ恥ずかしいけどこれだけ言えばいいよね、うん。

 

 僕が咳払いをしながらそう思っていると、佐鳥先輩が肩に手を置いてくる。

「はじめ…その、あれだ。ドンマイ」

「いえ、大丈夫です。恥ずかしいですけど…これも自分を守るためなんで」

「あーいや、そうじゃなくてだな」

 佐鳥先輩がこちらに目を合わせずにいるので、その視線の先にいる時枝先輩と嵐山先輩の方を見ることにする。先輩たち2人は、僕と目が合うと何かに気が付いているのか笑っている。

 

「はじめ…それだけ聞ければ十分だよ」

「そうだな。俺たちにゲームのこと語られても分からないしな」

 やられたねと続けて言う時枝先輩と、今回も綾辻の勝ちだなとお茶を飲みながら言う嵐山先輩。

 

「まあ、可愛いから仕方ないわよね」

「藍ちゃん。あんまりからかうと二階堂君泣いちゃうよ」

 手で顔を覆い、しかも下を向いているので表情を知ることはできないけど、絶対嬉しそうな顔をしているに違いない。特に木虎先輩に至っては満面の笑みに違いない…くっそ。

 

「というか…はじめ。それだけ可愛い可愛い言えるなら、付き合ってくらい言えそうなんだけどな」

「確かにそれもそうだね」

 どら焼きを食べなが言う佐鳥先輩の追撃に、時枝先輩が同調してくる。

 

 …痛いとこを突いてきますね。まあ最近は本人にも言っちゃてるときもある。まあ言わされてるときのほうが多いだろうけど。それにこれだけ恥ずかしながらとはいえ他人に可愛い可愛い言ってしまっているのだ、今更それくらい言えるだろという意見も分からなくもない。でもやっぱりレベルが違うと思うんですよ、ヘタレと言われようがそこは、恥ずかしさがあるわけで。それに自分でも引くくらい、主に心中ではあるけど可愛い言い続けてるのにも理由があるんですよ。

 

「ようやく少し慣れてきたんですよ…」

「慣れ? 」

  僕が小声で言うと、佐鳥先輩に拾われる。

 

 拾われてしまったので、観念して咳払いをして膝を組んで声色を頑張って変える。

 

「告白できないなら、あれじゃない、あれ。付き合ってというのが挨拶程度の気持ちぐらいで言えるようにすればいいのよ…どうするって、えっと慣れよ、慣れ! 常日頃から可愛いでも言ってればいいんじゃない? 本当に? って知らないわよ。とりあえずやってみればいいんじゃないのよ!! …と、現鵜呑み系女子高生に相談したら言われまして」

「あいつに相談したのか」

  声色を戻して言い切ると、従兄妹の嵐山先輩が苦笑いを浮かべていた。

 

 それに対して…

「沢村さんに相談した方が良かったんじゃない」

「先生に話すとからかわれるというのもあるんですけど、微笑ましい感じで終わっちゃうというか」

「想像できるね」

「そうですね…」

 佐鳥先輩の言葉に僕が答えると、綾辻先輩と木虎先輩が頷いてくれる…あの、小南先輩のフォローはないんでしょうか、いくら何でもかわいそうだと思います!!

 

「じゃあ二階堂君。ゲームの後のくだりからどうぞ」

「分かりました。さらっとチョコのくだりだけ話して終わります」

 そのまま急いで話をして切り上げようとしたら、木虎先輩が溜息をついて言った。

 

「諦めなさいよ…綾辻先輩が逃がすわけないでしょ」

「藍ちゃんひどい」

 どら焼きを食べながら言う綾辻先輩を見ながら、続きを話すことにする。

 

 

 

「はじめくんもまだまだ修行が足らないね。厳選からやり直したほうがいいんじゃない? 」

  こたつから出て立ち上がり、こちらをビシッと指差してくる先輩を見上げながら可愛いなと改めて思っていると、ゲームを片付けるべき場所に戻してこたつに入り直す。

 

 部屋が散らかる原因は、捨てるべきゴミを捨てないという理由よりも使用したものをもともと置いてあった場所に戻さないのが積み重なって起こる場合が多いと思うんです。片付けられない人は、頑張って一度整理した後にこの習慣を身に付けるだけで変わると思います。というより前者はゴミ屋敷になるだけで、散らかった部屋になる気もしますけど…というわけで佐鳥先輩も片付けた方がいいと思います。

 

 …まあそんなことはさておき、国近先輩はこたつに入って息を吐きながら欠伸をした後に手をゆっくり出しながら言ってくる。

「はじめくん。お茶を持ってきてもらっていいー」

「はい。分かりました」

 目をこすって言う先輩に背を向けて、部屋を出てお茶を取りに下に降りていくことにする。

 

 下に降りたとき、先輩の親に合わないように気をつけていたものの会ってしまった…というか自分の娘が年下とはいえ男と部屋に2人だけでいるのに気にしなさ過ぎだと思いました。それと、お母さんそれともお義母さん? とか煽るのはどうかとも思いましたね…恥ずかしかったです。後はあれですね。リビングでゲーム機が置いてあるのが見えて、やはり血は争えないのかと下らないことを思ったのはここだけの話です。

 

 …とまあ色々あって5、6分後? くらいに先輩の部屋に戻ったんですけど、先輩はというと

 

「…寝てるし」

 寝息を立てて、体をこたつに入れて横になっている先輩の姿がそこにあったんです。

 

 こういうときは起こすべきなんですかね…うちの母親はこたつで寝たら風邪ひくと起こされるんですけど。

 うん、分からないから起こさなくていいや。こたつに全身(くる)まってるから何か掛けなくてもいいだろうし…まあ30分くらい起きなければ起こすんでいいか。

 

 さて…

 

「暇だ…もう片付けも終わってるしな。どうするか」

 小声で言ったはずなのに、その独り言が部屋の中に響く。

 

 さっき眠そうにはしてたけど、わずか数分で寝るとは思わなかったからな。いくら下に親がいるからって無防備にもほどがあるよな…いい意味で言い換えれば気を許してるということかもしれないけど。

 ただ仁礼先輩だって、こたつで寝ないのはこたつに失礼とかそんなこと言ってたし…今は関係ないか。

 

 下らないことを考えながらこたつから出て、自分の鞄からとあるものを出す。

 

 顔の映りやすい位置へ移d…部屋の窓から見える夕日が綺麗そうだったんで、移動して見ようと思って、こたつに戻らずに移動する。

 シャッター音を消s…起こさないために足音を立てずに細心の注意を払う。

 ライトも消s…カーテンを開けたときに夕日の光で先輩が起きないように細心の注意を払う。

 

 いい位置に移動して、深呼吸。そして…

 

「…よっし」

 僕はその場でガッツポーズをする。

 

 

 

「藍ちゃん。携帯」

「はい」

 時は戻って現在、僕は床に正座中です。

 

 弁護人0、検察4人の裁判が行われている。

 罪状は、盗撮。有罪は確定である。

 

「何か言い訳はあるかしら」

「すいません。本当に出来心で」

 木虎先輩が椅子に座ったままこちらを見下ろしてくる。

 

 先輩の言う通りで、謝って済むならボーダーも警察もいらないですね。もう可愛い先輩が悪いとか言えません。そうですね、こういう行動力を違うことで活かすべきですよね…本当にすいません。

 

「確かにこれは、可愛いね」

「おー、良く取れてるな」

「ですね」

 木虎先輩の本気の説教をしている一方、綾辻先輩の手にある写真を見ている嵐山先輩と時枝先輩。

 というか先輩たち以前の写真も見てる気がするんだけど気のせいだよね?

 綾辻先輩の指が横にスライドしてるけど気のせいだよね?

 

「…ちょっとちゃんと聞いてるの」

「は、はい。すいません」

 もの凄い形相で睨まられる僕。

 

 そんな様子を見た綾辻先輩は、木虎先輩を宥めてこちらを向く…どうやら罰が確定したらしい。

「まずは、該当の写真を消しました」

「はい」

 俯いたまま返事をする僕。

 

「それで、罰則は…社会奉仕とさせて頂きます」

 綾辻先輩の咳払いと同時に、段ボールの箱が僕の前に落ちていく。

 

 これはおそらく明日、明後日の分であろう。嵐山隊は新入隊関連もやっているのだ、この量は妥当であろう…でも音が凄かったんですけど。紙だけの音に聞こえなかったぞ。

 僕は一応今日までだったんだけど…これは明日も来いということだろうな。響子先生に一言断るだけで僕なんてすぐ借りれるし。

 でも、この量か…。

 

 おそらくそんな気持ちが僕の表情から分かったのだろう。時枝先輩が自分の残りの3分の1を置きながら言ってくる。

「まあ、本人に言うよりはいいでしょ」

 そして、嵐山先輩も同じ量を僕の前に置きながら、からかうように言ってくる。

「もしやってくれないなら、俺の口から国近に言うぞ」

「はい」

 …あれ、これって今日はこの話お持ち帰りになって明日からも根掘り葉掘り聞かれるやつじゃん。しかもこの話以外も聞かれるやつじゃん。

 

 …僕の戦いはまだ始まったばかりだ。

 

 

 

「はじめくん、ごめんね。ちょっと寝ちゃった」

「いえ別に大丈夫ですよ」

 欠伸をしながら言ってくる先輩に対してそう答える僕。

 

「何か変なことした? 」

「いえ別に何も…」

 視線を窓の方に向ける僕…いやあ綺麗な夕日だったな、本当に。

 

 そんな僕を怪しんで先輩は、ふきんを持ってまたペチペチやりだす。

「何をしたんだね、え? はじめくん」

「いえ、別に何も…」

 カメラに収めたことがバレたら、怒られるだけではなくからかわれる気がするので、一応は抵抗してみる僕…無意味とか言わないで、その通りだけど!!

 

 5回くらいそれを繰り返したら、先輩も流石に飽きたのか尋問をやめてくれる。

 

「…なかなか強情だね。まあ何したのか、なんとなく予想できるし、いっか」

「え…」

 先輩のその言葉に、僕は思わず声を出してしまう。

 

 その反応を見て、ニヤリと笑った先輩は鼻で笑った後に言ってくる。

「ほれ見ろー、やっぱ何かしたんじゃん」

「…あ」

 またまた声思わず声を出してしまう僕…いやでもまだ何をしてるかは知られてないし。悪いことではあるけど、ほら先輩に手は出してないし別に…ね?

 

 これあれだわ…確実に犯罪者のセリフだわ。

 

 そんなことを思いながら僕が苦笑いを浮かべている一方、先輩が続けて言ってくる。

「まあ、また今度携帯でも見て問い詰めるとして…今はチョコだね」

 そう言って、下に降りて取ってきたチョコを天板に置いて、僕の前まで押してくる…ん? 今携帯って言わなかった? チョコというセリフを言ったせいでもう忘れてしまったけど、言ったよね? 後日問われるわけじゃないよね?

 

 僕の様子を見て、先輩はどうかなーとだけ言ってそのことに触れた後、咳払いをする。

「さて…はじめくん」

「はい」

 息を吐く先輩を見て、こたつの中なのに正座をする僕。

 

「とりあえず今日までありがとう。そして明日からもよろしく」

「こちらこそです」

 こたつに入ったまま互いに頭を下げる。

 

 さて…ともう一度言って続ける先輩。

 

「ここで私から言うのは簡単なわけなんだけど、それじゃああれだと思うんだ。なんというか…うん。難易度がもの凄く簡単なゲームを何の面白味もなくクリアしてしまう感じだと思うんだ」

「…そうですね」

 しかもやり込み要素もなさそうですしね…返す言葉もないです。

 

「それに、私も一応は女の子だからね。そこら辺は男の子から言って欲しいわけですよ」

 うんうんと言って首を上下に振る先輩…一応って自分で言うのはどうかと、すいません睨まないで。

 

「そこで…」

「はい」

 先輩が人差し指を上に向け数秒置いてから、次の言葉を言うのだった。

 

「迅さんに勝ってから私に告白してください」

「…はい? 」

  星を出しながら言う先輩に対して、そう言ってしまう。

 

「いや、だから迅さんに勝ってから告白」

「意味は理解してますよ…」

 もう一度言ってくる先輩に対してそう返す僕。

 

「だって、ほら。なんだかんだ色々慣れてきて時間はかかるけど告白までたどりつけそうじゃん。はじめくんっぽくなくてつまらない」

「何ですか、その理由…」

 どうあれ照れると思うんですけど…告白。

 

「…というのは冗談で、迅さんに勝つくらいの期間を開ければ、はじめくんももうそういうこと口に出せるくらい大人になってるでしょ…たぶん」

「ヘタレですいません」

「本当だよ、全く」

 やれやれだぜというポーズを取る先輩。

 

 太刀川さんも勝つのに40戦くらいしたとはいえ、1年は盛ってるけど、それくらいかけたからな…ただ迅さんか、もう何戦目だっけ、良くて片腕落としたくらいか…というかあれも片腕落としたってことで攻め切ろうと突っ込ませるためのフェイクだったしな。何がはじめは実力派エリート界最弱だなだ、くっそ。予知さえなければいけるのに。

 

「それに…はじめくんも私に釣り合おうとするならそれくらいやってもらわないとねー」

「…まあそれもそうですね」

 お茶を2人して飲む。

 

 迅さんとは改めて向かい合わないとな…風刃もった後ろくにやってないし。

 

「風間さんにハードル下げてもいいよ」

「そんなに下がってないですよ、それ…」

 うん下がってない、全然下がってない。

 

 

 

 お・わ・り

 

 





さて今後の予定

1月中は忙しそうなので更新は無理だと思います。
で2月に入ってから

もう一つの作品のほうで、
変態スナイパー軍団 vs B級エース軍団
の模擬戦を書き

那須隊のメテオラ回(ランク戦)を書きたいと思います。
第四戦裏側という感じで進めるのではじめくんが、はの字もでないです。
そこで質問なんですけど、
那須隊は第四戦は順位的にどこの隊と戦っているんでしょうか?
もしくはどこと戦ってほしいとかあれば言ってください。その隊で三つ巴します。

後、第1戦のとき諏訪隊と鈴鳴と戦ったのってどこなんですかね?
もう一つの方で書きたい…というより諏訪さんが書きたい。

ではでは
また2月に会いましょう。

那須さんもあっちで書こうかな…
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