戦闘員オペレーターのボーダー記録   作:チビメガネ

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第6話 戦後処理 午前の部 (2)

 

「じゃあ、レイジさんも帰ってきたし改めて紹介するね。この子は、二階堂一。迅さんと同期の男の子だよ。とりあえず頼めば基本的に何でもやってくれるパシr…便利な子だよ」

 宇佐美先輩が僕の事を三人に紹介してくれる。でもね先輩?それ言い直した意味ないと思うんだ。

 

 ほら初対面なんだからもっとかっこ良く説明してくくださいよ…え?そんなとこないって、うん知ってる。

 

 自分でそんな悲しいことを考えていると

 

「お前がハジメか…お噂はかねがね。おれは空閑遊真よろしく」

「どうも」

 握手をする僕達。気になること?その顔どうやってやるんですかってことかな…。

 

 ちなみに…

「えっと年上でいいんですよね?」

「小さいけどな」

 そうやって星を出す空閑先輩…小さいけど高性能組に新たな仲間が加わったね。もちろん会長は風間さんだよ。

 

 僕達はあれか、この子のブラックトリガーを取りにいってたわけか。確かに本人も強いだろうし、能力もコピー能力だった気がするし…ネイバーだし。ヤバくね、チートじゃね?戦いたくねーわ。ダメ、ゼッタイ。

 

 というか…

「お噂って?僕特に本部でも悪さなんてしてるつもりないんですけど」

 僕が分からんって顔してると、烏丸先輩が答えてくれる。

 

「あぁ。遊真が本部で入隊認められたら記念にお前を好きに使っていいって、迅さんがな。というわけで麦茶注いでくれ」

「なんすっかそれ…はい麦茶です」

「ありがとう」

 

 要するにアレか。宇佐美先輩が頼んだわけじゃなくて、迅さんが勝つ記念に玉狛に僕を召喚させたわけか…というかやっぱ勝つ気でいたのね。迅さんがブラックトリガーを守る側に僕を呼ばなかったのはおかしいと思ったのよ。倒す隊員は多い方が風刃の株が上がるし。あの人本当に食えない人だなぁ…。

 

 同期の嫌味の一つも言ってやりたいなと思っていると宇佐美先輩が僕の肩を叩く…あ、小南先輩の一件で忘れてたわ、紙の束。

 

「よし、じゃあ。かいどー君、次の子を紹介するね。この子が新たな期待のメガネ君。三雲修君です」

 すいません宇佐美先輩、僕の被害妄想でした。先輩は笑顔で仕事頼む人じゃないですよね…午後?先生?くっ、頭が。

 

「よ、よろしく」

「三雲先輩、固くならなくていいですよ。別に敵でもないですから」

 そうですよ、そんな構えなくても…僕ってそんな変な顔してんのか。

 

 うーん。どうなのか…出水先輩曰く別に悪い顔してるわけじゃないらしいし。別にそれだけだよ?性格がなーとか、スイッチ入るとなーとか言われてないよ?ホントダヨ?

 

 にしても、この人があれか。学校の被害をゼロにして訓練用トリガーでトリオン兵倒した張本人か…トリオン量も少ないのに凄いよな。そういえば木虎先輩の報告書に確実に仕留められる位置に斬撃が入ってたとかあったっけ。なるほど、プロか…。

 

「それにしても凄いですね。学校のトリオン兵襲撃の件聞きましたよ」

「え…あ、それは…」

 ん?なにその反応。謙遜かな…違うような気もする。

 

 三雲先輩が困ってそうな顔すると空閑先輩が助け舟を出した。

 

「いや、違うよ。俺がやった」

「え?」

 なんだ…と。

 

 

 そこから空閑先輩と三雲先輩による学校襲撃の話を聞いた。木虎先輩の報告書にあった『逃げ遅れた同校生徒を救出』の同校生徒って空閑先輩だったわけか。なるほど、なるほど。

 

 そういえばあの日付近、迅さんが何かテンション高かったのな…これのせいか。

 

 ネイバーだけど、いい未来が見えてるんだろうな…いや単に空閑先輩のことを気にかけてるだけか。それかどっちもか。

 

 まあ僕が気にしても仕方ないかな…。

 

 

「いいこと聞きましたね。これは迅さんを脅すいい材料になりそうです」

 …と冗談で言ってみると

 

「お前つまんない嘘つくね」

「すいません」

「ふむ、よろしい」

 空閑先輩に怒られました…ほんの出来心だったんです。反省します。

 

 空閑先輩のサイドエフェクトは『嘘を見抜く』というものらしい…凄く実用的!!

 

  と思いつつそういう系統って人間不信とかに陥りそうだから僕のとかと比較しちゃならないくらいには精神的に辛いんだろうなと思ってしまう。

 

 迅さんだって言わないだけで、避けたい未来とか見える分口に出さないだけできついからな…あの人の凄いところはそういないために全力でいこうとするとこなわけだけど。

 

 僕みたいにトリオン酔いで吐くのをどうにかしたい的なあれで入った奴とは違うからな…。

 

 まあ今はそんなことより

 

「こんな感じでふざけた奴ですけど、これからよろしくお願いします」

 三雲先輩に頭を下げる僕。

 

「二階堂。よろしく」

「別にはじめでいいですよ。無理にとは言わないですが」

「分かった。よろしく、はじめ」

「はい」

 真面目そうな人だなあ。

 

 さて、次は。

 

「それで、こっちの可愛い女の子が、雨取千佳ちゃん。かいどー君と同級生だよ」

 そう言ってアホ毛の女の子を紹介してくれる宇佐美先輩。

 

「よ、よろしくお願いします」

「いやそんな畏まらなくても…。こちらこそよろしくお願いします」

 二人してお辞儀をしてしまう。

 

「雨取さんは三雲先輩達と学校同じなんだよね?」

「うん」

 にしても凄いトリオン量じゃん、何これ。昔これ見たら、数時間ずっと気持ち悪くて寝込むレベルだわ、ヤバ過ぎ。

 

 

 …この前の解析データの中に、ラッドは周りのトリオンを集めて門を開くって書いてあったし。これは開くよね、むしろ開きたいよね。たぶん関係ないけど。

 

 周りの人から少しずつトリオン集めて門発生だから、一人からどのくらいトリオン取るかのかイマイチよく分からないんだよな。計測しながら開いてたら、雨取さん危ないわけだけど…そこまではできるか分かんないようだし。

 

 というかリオン兵ってこっちの偵察機能とかついてるのかな。監視カメラ的な?こっちの世界が分かるみたいなことできるのか…。

 

 そうであるなら調べられてるって考えられるけど…開発室長、正確にはこの前見たデータ曰く、先日の爆撃型とラッドは同じ国みたいだし。

 

 どうなんかね…こういうのときはだいたい敵のスペック盛りすぎぐらいに考えてた方がこっちの損ではないかな。

 

 うん、後でもう一度データ見直しとこうかな。

 

 

 そんなことを考えていると、じっと雨取さんを見ていたようで慌てたように言ってくる。

 

「えっと。何か私の顔についてるかな?」

「え、あ、な、何でもない…です。ごめん」

 うわ、何これ凄く恥ずかしんだけど…雨取さんもなんか微笑んでるし。やだっ、凄く恥ずかしい。

 

「ううん。別にいいよ」

 後光が、後光がー…やめよ、うん。

 

 そうこのときに、僕は気づかなったのだ。後ろに邪悪な笑顔を浮かべている黒い影の存在に。そうその名は…

 

 

「ほーう。何かねかいどー君。千佳ちゃんの可愛さに惚れたのかね、え?」

 宇佐美先輩である。いや違いますから、そういうんじゃないです、ええ。

 

 そう思っていたことが分かってくれたのか烏丸先輩がフォローをしてくれた。

 

「いや、宇佐美先輩。こいつはそんな男じゃないですよ」

 そうだ、そうだ言ってやれ。

 

「こいつは浮気をするような奴じゃありません。こいつは一途なやつですから」

 そういうことじゃないだよーーーー。

 

 意味違う。いや確かにそうかもしれないよ?でもそういうことを思ってたんじゃねーよ。

 

 だから、ごめん。とりまるくん、アタシが間違ってたよって言うの違うと思うんですよ。謝るのこっち、そっちじゃないよ。烏丸先輩も、いや分かってくれればいいですっていうのも違うと僕は思います!!

 

 ほら雨取さんも困ってるんじゃないですか、もう。

 

「何かごめんね。特に気にしなくていいから…ね」

「ううん。玉狛の先輩達と仲良いのは分かるから大丈夫だよ」

 そう言ってくれると助かりますよ…本当にね。

 

 そう言った後雨取さんがもう一度微笑んで言ってくる。

 

「一君も頑張ってね」

 だーかーらー、合ってるけど違うってぇぇぇーーー。

 

 僕の完璧な敗北が決まると、後ろから髪をくしゃくしゃしてくる小南先輩。

 

「その、あれよ。頑張りなさい」

「せんぱい…」

「なに」

 素直になるのも少し照れ臭かったのでこう言うことにする僕。

 

「飴じゃm「ドゴッ」…すいません、何でもないです」

 その場に倒れ込む僕。

 

 その後一息吐いて空閑先輩のほうを向く小南先輩。

 

「じゃあ。いくわよ遊真」

「今日こそ先輩に勝ち越す」

 小南先輩のもとに向う空閑先輩。

 

「調子に乗るな。あんたがあたしに勝ち越すなんて1000年早いわ」

 そう言って空閑先輩の頬を抓った後仮想戦闘室に入る小南先輩。

 

 空閑先輩はというと仮想戦闘室に入る前にこちらを向く…やな予感がするよ。

 

「ハジメも頑張れよ」

 星も出し、例の顔をして親指を立ててくる空閑先輩。

 

 …なぜだ、初対面のはずなのに全てが見透かされてる気がする。これがネイバーの力か。はい違いますね。

 

 そして

「じゃあ俺たちも行くぞ、雨取」

「はい」

 行く前にレイジさんに頭をポンポンされる僕。

 

 雨取さんってスナイパーか…いっそシューターでも良さそうなんだけど。

 

 最後は

「俺たちも行くか」

「はい、烏丸先輩」

 

 烏丸先輩が先生か…先輩人見てるからな、どんなタイプでも強くはなるんだろうな。楽しみ。

 

 

「よし。じゃあ残ったアタシたちで仕事しちゃいますか」

「了解です」

 余った紙の束を見ながらそういう宇佐美先輩と僕。

 

「そういえばさ…かいどー君はチームのオペとかする気ないの?」

 机に座った後、一枚の紙を見ながらそう聞いてくる宇佐美先輩。

 

「そうですね…とりあえず三雲先輩のチームのは、する気ないですよ」

 僕も紙に目を通しながら答える僕。

 

 すると、先輩は余程びっくりしたのか紙から顔を上げ、目を丸くして僕を見てくる…先輩、気持ちは分かりますよ。でも、それは流石にひどくないですかね?

 

 そして先輩は

「その心は?」

 そう聞いてくる…いや別にたいした理由じゃないんですけど。

 

「宇佐美先輩がするでしょ?というかしたいでしょ?」

 この人の世話焼きは異常…僕にもタイミングとかあるんですよ、いや何がとはあえて言わないけどね!!

 

  この世話焼き魔人がこういうことを放棄できるわけないのだ。俺のサイドエフェクトがそう言ってる…今のはないな、うん。

 

「否定できないのと、かいどー君に一本食わされた感じになってるのが悔しいぜ」

 僕の考えてることが分かったのか、そう言う先輩…でも後半は余計だと思います。

 

「ふふふ。ならかいどー君にアタシのオペ技術をランク戦で見せてあげよう」

「マジっすか。期待してます」

 思わず、紙から目を離し先輩のほうを見る…先輩?仕方ないなーみたいな顔するのやめません?いや合ってるけど、今回は間違ってないけど。

 

「よし、やろっか」

「…はい」

 もう一度紙に目を落とす僕達。

 

 でもよくよく考えたらチートなんじゃないだろうか。何がって、ほら空閑先輩より宇佐美先輩がいるほうがチートじゃねって話。だって元風間隊オペレーターだよ?ヤバくね、うん、チョー楽しみ。

 

 と、仕事をすること一時間弱。ようやく終わった。

 

 まだ、空閑先輩達は修行しているようだ。そしたら…帰るか、うん。

 

「じゃあ僕帰りますね、本部に行かなくちゃいけないんで」

 ついにきてしまったか…。

 

「あー。そういえばそうだったね、じゃ午後(・・)にね」

「はい、それでは」

 

 僕はこの時聞き逃していたのだった。午後(・・)という言葉を。

 

 

 

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