樹海の奥深くにある奇面族の集落。
日が沈みきった頃、集落では焚火に火が付き、その周りを飲めや歌えやと奇面族が踊りだす。
ところで、奇面族がなぜ、その名の通りに奇妙な面を被っているか、ご存知だろうか?
それは昔々に遡る……
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かつて、勇猛果敢に戦いへ挑む、凛々しくもどこか愛嬌のある顔をした鬼面族という種族がいた。
その種族は勇猛なだけでなく、高い知能も持ち合わせており、劇毒を生み出す技法を発見した。その毒は竜でさえも死に至らしめ、毒を刃に塗りたくることで強力無比な武器となる。
その毒と持ち前の勇猛さを武器に、生態系の頂点たる竜たちを次々と打ち倒し、支配域を広げていった。
多くの竜が死に絶えた。
竜たちは同胞の死に涙し、竜の神に祈りを捧げた。
鬼面族は世界の禁忌に触れてしまった。
鬼面族を滅ぼさんと、天より龍神が舞い降り、鬼面族の王はそれを打ち倒さんと挑んだものの、龍神の鱗は刃の一太刀すら通さない。
龍神は激昂し、天よりの裁きの雷で鬼面族を薙ぎ払った。
多くの鬼面族が焼き焦がされた上に劇毒の技法は失われ、生き残った鬼面族も顔に酷い火傷を受け、凛々しかった顔立ちは見る影もなく、それを恥じた鬼面族は被り物で顔を隠すようになった。
やがて被り物は風習となり、鬼面族は奇面族と呼ばれるようになる……
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世代を経て、顔を焦がした呪いは消えたものの、今もまだ、あの日の雷は奇面族の心に深く突き刺さっている。
だから宴を開くのです。かつて、多くの先祖たちが嘆き悲しんだのを慰めるために。
だから宴を開くのです。かつての誇りを取り戻す日を夢見て。