MH.矛突き通す盾   作:ゲトゥ

6 / 8
風と共に戻り来よ

 

気が付けば自分はそこにいた。

 

自分は何者なのか、何をすべきなのか分からない。

 

しかし、それでも心が何かを求めている。

 

何をかすら知らぬまま、心求めるままに歩みだす。

 

 

その道中、戦い、傷つき、地に崩れる。

 

我が身朽ちようとも、心は前へ前へと突き進む。

 

やがて、纏う黒衣を置き去りに、心求める場所へと純白の心は解き放たれる。

 

生きとし生けるものに滅びの風を撒きながら。

 

 

「きっとその古龍は、ただ、生きているだけなんだと思う。 数えた者がいない程に幾年もの昔、ただそこに存在しただけで生けるものに影響を与えた龍の姿を…、悪意なき故に恐れられた風の姿を、どうか、見てきてほしい。

 

そして、その話を子供達に聞かせてあげてほしいんだ。

きっと、君にしかできないだろうから。」

 

 

 

「……なあ。 あの龍は、どうして禁足地に入り込んだんだろう?これは俺の想像なんだが…、あそこは龍の故郷なんじゃないかな。 生まれて、育って、山を離れ、脱皮して、大人になって、山に戻る。 気が遠くなるほどの幾年もの時を経て、廻り戻ったんだ。生まれ故郷に。

 

ん?なんでわざわざ故郷に戻ったのかって?うーん、そうだなァ。故郷が恋しくなったのかなァ。フフ…。そんなことを、考えたりな。」

 

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

 

 

闇がその目を覚ますなら 彼方に光が生まれ来て

大地に若芽が伸びるなら 此方に闇が生まれ来る

すべてを照らすは光なれ あまたの影は地に還り

いずこに光が帰る時 新たな影が生まれけん

やがては影が地に還り 新たな命の息吹待つ

共に回れや 光と影よ

常世に廻れや 光と影よ

そしてひとつの唄となれ

天を廻りて戻り来よ

時を廻りて戻り来よ

 

御魂がその目を覚ますなら 彼方に命が生まれ来て

心がその目を覚ますなら 此方に想いが生まれ来る

すべてを包むは御魂なれ あまたの想いは力に変わり

命が御魂に帰る時 新たな想いが生まれけん

消えぬ想いは御魂に帰り 新たな命の息吹待つ

共に回れや 命と心

常世に廻れや 命と心

そしてひとつの唄となれ

共に歩みて戻り来よ

共に歌いて戻り来よ

共に生きるは

魂と想い

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。