友情、努力、勝利!!よりエロ、おっぱい、勝利!!な気がする 作:ニュイン
親しくなった人達。
でも、少年から見た情景は全て止まっていた。
何時しか彼自身もあの時から立ち止まり自らの世界に鍵を掛けてしまう・・。
どうも。おはこんばんちわ、無動裕也です。昨日は月さんに頼んでいた術式兵装の付け髭で変装し、駒王学園の公開授業に潜入したはいいものの直ぐに自分だとミッテルトにばれてしまいお説教をくらいました。しかも、今朝の時点でもご立腹な様子で朝食を食べようと居間に行くとカップラーメンの容器とお湯だけがあり、内心では離婚一歩手前の熟年夫婦か!?とか考えながら食事を済ませ(ミッテルトは普通の食事)学園へ向かう途中にリアスから”放課後に旧校舎の開かずの教室の前に集合”という連絡が来たのでとりあえずミッテルトと一緒に行くことに・・。
◇
{放課後 開かずの教室前}
ホームルームの後、イッセー達とここまで来たはいいが俺とミッテルトは何も聞かされていないしそれにオカ研全員が集まってなんてよっぽどのことだろうと思っているとリアスが口を開く。
「ここに私たちオカ研のメンバー。もう1人の”僧侶”が封印されているわ」
え!?もう1人の僧侶?周りを見渡してみるとゼノヴィアとアーシアがポカーンみたいな顔してるし、しかもこの扉”keep out”と書かれたテープが幾重にも貼られ、呪式封印も施されているのが感じられる。というかそんなにヤバい奴が封印されているのか?そうこうしている内にリアスが扉の封印を解き終わり皆が中に入っていく。
「イヤアァアアァアアアァァア!!」
耳を塞ぎたくなる様な悲鳴が響き渡った。
「ふふっ。元気そうで良かったわ」
「何ですか!?何が起きたんですか?」
「封印が解けたんですのよ。さぁ、私達と一緒にお外へ出ましょう?」
室内のやり取りが聞こえるが件の僧侶は、どことなく幼さが残る声音をしているようだ。少し怖気づいていた自分も状況を確認しようと中に入るがそこにいたのは床に這いつくばっている金髪の美少女だった。
「やだよぉおおぉ!お外出たくないようぉぉお!ここに一生いますぅううぅう!」
おいおい、どんだけ嫌なんだよ・・。部屋の中はカーテンが閉め切られ、薄暗く。ぬいぐるみやら可愛い装飾品が置かれているがその部屋には似つかわしくない外国製の棺桶がある。
「おお!金髪の美少女!キタァアア!!」
「イッセー。残念だけれど、見た目は女の子。でもれっきとした男の子よ」
リアスの非常な告白で明らかに落胆するイッセー。うん、でもなイッセー1つ学んだじゃないか。この世は時として残酷なんだと。
「うふふ。彼は女装趣味があるのですよ」
「マジかよぉぉおおおおおおおお!!」
「ふぇぇえええぇぇえ!!ゴ、ゴゴメンなさいいいぃぃい!!」
おい、野郎が”ふぇぇ”とか言うなよ!それは幼女だけに許された大きい友達を呼ぶ呪文だぞ!!まぁ、イッセーの言いたい気持ちはわかる。背も低い上に声も女の子のそれだ。こんな可愛い子に伝説のバベルの塔がついているとは信じたくないものだ。すると、イッセーが勢いよく立ち上がり女装少年に質問する。
「おい、お前!!引きこもりのくせに何で女装してるんだよ!?」
「だ、だって、女の子の服って可愛いんだもん」
その一言でまた地へと落ちるイッセー。くっそ、見た目が可愛いからかさっきの言葉使いでも違和感が感じられないのが不思議だ。そこで、はっ!と気づいた女装少年は俺達を指差しながらリアスに質問する。
「あの、この方達は誰なんです?」
するとリアスは順番に指をさしながら俺達の説明を始める。
「あなたがここにいる間に増えた”兵士”の兵藤一誠、”騎士”のゼノヴィア、”僧侶”のアーシア。それと人間だけど私達の仲間で無動裕也と堕天使のミッテルトよ」
「ヒィィイイイ!!人間さん、怖いようぅぅう」
ちょ!?何か俺と眼が合った瞬間、めっちゃ怖がられたんだけど!?ヒドくね・・。俺はイッセーの隣で同じように四つん這いに倒れ込んだ。
「何かイライラしてきたっす!とりあえずそとにでるっすよ!!」
そう言いながらミッテルトは女装少年に近づいた瞬間、俺以外の皆が一瞬だけ止まった。その間にあいつは部屋の隅にまで移動していた。
「あ、あれ?今、一瞬何か・・」
「あいつ!何時の間に!?」
イッセー、アーシア、ゼノヴィア、ミッテルトが困惑していると女装少年に全員、部屋の外へ追いやられてしまった。
「僕は絶対ここから出ないですぅううぅぅうう!!」
仕方なく俺達は一度、部室に行くことにした。
◇
{オカルト研究部 部室}
あれから色々聞かされた話によるとあの女装少年の名前はギャスパー・ヴラディ。駒王学年の一年生で人間とヴァンパイアのハーフらしく過去に同族や人間にいじめられ居場所が無かった上、ヴァンパイアハンターに殺されて偶然リアスが発見し悪魔に転生させたのだ。
「それだけなら良かったのだけれど、彼は強力な神器を持っていたの」
神器の名は『停止世界の邪眼』と呼ばれ、時間を止める力があるそうだ。だからさっき皆が一瞬止まった理由が分かったが1つ疑問が浮かんだので聞いてみた。
「イッセーが兵士の駒を8個使ったようにあいつも複数使ったのか?」
そう、イッセーは『赤龍帝の籠手』という神器の中でも特にすごい神滅具を身体に宿していたから兵士の駒を8個使ったのである。でも、悪魔の駒がチェスと同じなら僧侶の駒は2つしかなくその内の1個はアーシアが使っているからである。
「彼は『変異の駒』を使っているのよ」
「ミューテーション・ピース?」
明らかに困惑する俺にリアスは続けて説明する。
「複数使うであろう転生体が、その駒一つで済んでしまうの。それにその駒は上位悪魔の10人に1人は1つ持っていて私はギャスパーに使ったのよ」
それに問題はギャスパーの方らしい。何でも無意識のうちに神器の力が高まっていき、近いうちには禁手に至る可能性があるとのこと。それを聞いたゼノヴィアは立ち上がり意気揚々とデュランダルを構える。
「ならば、簡単だ。制御できるだけの力をつければいいことだ」
「それもそうだな。よし、ギャスパーの所へ行くか!部長、任せてください!」
イッセーもゼノヴィアの提案に乗り、リアスに許可をもらい小猫、アーシア、祐斗も連れて部室を出て行った。そこで俺とミッテルトが出て行かなかったのでリアスが話かけてくる。
「あら、ユウは行かないの?」
「いや、俺は人間だからなおさら怖がらせちまうだろ?」
そう言って俺とミッテルトは家へと帰った。
◇
{開かずの教室}
あれから数日、ギャスパーに神器を制御する特訓は何とか上手くいっていた。しかし、ギャスパーをイッセーの依頼者(小猫の代理)に連れて行ったところ時間を止めてしまいそれがきっかけでまた引きこもってしまった。そこで俺はリアス達に頼み、1人でギャスパーを説得に来たのである。
「おーい、ギャスパーいるかー?人間の無動裕也だけど」
扉の戸をノックしてはみるが返事がない。ここは強行手段として俺は護符を扉に貼り、壊すことにした。
「《符術》”小爆塵”」
{ユウside out}
◇
{ギャスパーside}
ノックの音が聞こえ、リアス部長が言っていた人間の無動裕也という人が来たらしい。でも僕は誰が来てもここから出るつもりはないし、もう誰も止めたくない。そう思いぬいぐるみを抱いて部屋の隅で小さくなっていると突然扉が吹き飛び、あの人間が入ってきた。
「よう!ちょっとお前と話がしたくてな」
「イヤアァアアァア!来ないでえぇええぇえ!!」
僕はまた無意識に神器を発動してしまう。まただ、またやってしまった。きっと嫌われる、そう思い再び彼に眼を向けると普通にこちらに歩いて来て目の前に座った。
「そういえばきちんと自己紹介してなかったな。俺は無動裕也、駒王学園の2年でお前の1個上だ」
何なんだこの人は!?僕を前にして普通に自己紹介をし始めた!!今までの人は僕の力を一度見たり、体験したら罵倒や暴力をしてきたのに・・。でもこの人の眼を見ていると何故か心が落ち着くような感覚に陥る。だから僕は彼に質問してしまった。
「ぼ、僕が怖くないんですか?」
「うーん。正直、怖くないと言ったら嘘になるな。でも、それと同時にお前の力は羨ましいとも思う」
羨ましい。初めて言われた言葉だった。何だか胸のあたりが温かくなる気がした。だから聞いてしまった、ここで追い出せばよかったのに・・。
「で、でもでも、大切な何かを失ってしまうかもしれない。もう2度と止めた時間を戻せないようになったら・・」
僕は話している途中で泣いてしまった。自分でもわからないまま、ただただ涙を流す。そんな時ふと、頭を撫でる感触を感じ顔を上げると彼が僕の頭を撫でていた。
「お前が言ったようにそうなっちまうかもしれない。でも、逆に考えてみろ。もし、大切な何かを失っちまう瞬間を止められたら大切なものを失わずに済むだろ?」
彼は一度、頭を撫でるのをやめる。そして、自分の左手にある紅白のリボンに眼を向けながら話し続ける。
「それに俺は力のない人間だ。昔、守りたかった人を力がないだけで失っちまった。だから今度は失わないように強くなって、皆を守ろうって。たとえ、この命に代えても」
違う。この人は力が強いんじゃない。大切な人を失っても今ある大切な何かを守るために前に進んでいるんだ。それに比べて僕は・・。
「ぼ、僕も先輩みたいに強くなれますか?引きこもりで、人見知りな僕でも・・」
言ってしまった。彼の顔を見ると驚いていた。無理もない、こんな僕が彼のように強く、真っ直ぐ生きられるわけ・・。そう思っていると優しく撫でてくれたさっきとは違い、今度は乱暴にくしゃくしゃと撫でられる。
「当たり前だろ。1人じゃないんだ、何たって俺達オカルト研究部の皆がいる。それに俺のこの死んだ魚みたいな腐った眼は伊達じゃねぇ。腐らしちゃいけない奴がわかるんだよ」
そうか。ようやく、さっきの答えが分かった。彼の眼を見ると安心する、自分は1人じゃないんだと、俺がついてるんだと。
「僕、僕、この力で誰かを傷つけるんじゃなくて、今度は皆を守れるようにが、がんばりますぅ・・・」
「おう!そのためだったら俺はいくらだって手を貸すぜ。ちょうどある人にお前の神器について相談してるし・・」
「はい!よろしくお願いします。ユウ先輩!」
口には出さず心の中で決意する。僕は強くなろう。今は彼の背中を見て、いつの日かその背中を守れるくらいになって・・。僕が初めて、一歩を踏み出した瞬間だった。
どうも、この作品を読んで頂いてありがとうございます。
また次回もよろしくお願いします。