友情、努力、勝利!!よりエロ、おっぱい、勝利!!な気がする 作:ニュイン
誰も気づくことはなかった。
その笑顔の裏に秘めるモノを・・・。
はぁ、はぁ。どうも、皆さん。はぁ、はぁ、無動裕也です。え?何でこんなに息切れしてるのかって。それは、家からこの木が沢山生い茂っている町はずれまで歩いてきたからですよ。まったく今日は久々の休日ともあり、家でごろごろしていたら急に朱乃から電話が掛かってきたと思ったら、イッセーと一緒にこの先にある神社まで来てくれとの用件でどうせ暇だったので2人で来た次第である。そうこうしていると目の前には長い石段とその近くに人影らしき人物を発見したのである。
「いらっしゃい。ユウ君、イッセー君」
「はい!俺、ただいま参上しました!」
そこにいたのは巫女衣装に身を包んだ朱乃がいたわけだが、イッセーは何故か朱乃の澪姿にテンションが上がったのかおかしな返答になっていた。
「とりあえずここで立ち話もなんですから行きましょうか」
「それもそうだな。てか、イッセーはとりあえず鼻血をふけ」
イッセーの鼻にティッシュを詰めさせ、俺達は朱乃に誘導されるように石段を上った。
◇
{??? ヴァーリside}
俺は照明も点けず、暗い部屋の一角にある椅子に座りながらさっきのアザゼルとの会話を思い出す。
『ヴァーリ。まさかお前が会談に出てくれるなんてな』
『何だい?俺は出てはいけないのかい』
そう俺が聞き返すとアザゼルは首を横に振りながら否定する。
『違うさ。お前は白龍皇だから出てもらわなくちゃならんが、今まで渋っていたからな』
『何、少し気が変わっただけさ。他意はないよ』
あの時。アザゼルにはああ言ったが正直に言ってしまえば俺は、”神”という存在を倒したかった。だが、もうこの世界には”神”は居ない。俺は強い奴と戦いたいだけ、でも俺の宿敵である”赤龍帝”の兵藤一誠にも他の強い相手にも何も感じなかった。ぽっかりと空いてしまった俺の虚無感を埋めてくれる存在”人間”の無動裕也があの会談に出ると聞いたからである。
「くっくっく。まだ俺は退屈しなさそうだ。あぁ、会談の日が待ち遠しい・・・」
彼は気づかない。まるで自分が遠足を楽しみにする少年のような無垢な笑みを浮かべていることを。
{ヴァーリside out}
◇
{神社の境内 ユウside}
イッセーと朱乃はミカエルとかいうイケメンの天使長と神社の本殿へと何か三大勢力が行う会談について赤龍帝と話したいとのことで、俺を置いて行きやがったのだ。なら朱乃は何故に俺を呼んだのかますますわからなくなった。
「あ~あ。今頃、ミッテルトとどっか遊びに行けたのに」
ぶつぶつと愚痴をこぼしてはみたものの、来てしまったものは仕方ない。ふと、先ほどの朱乃が身に纏っていた巫女衣装を思い出すと、胸の内から込み上げてくる懐かしい様なくすぐったい様な気持ちになる。
「そういえば、師匠も四六時中ずっと着てたよな巫女衣装」
眼を閉じれば鮮明に蘇るあの人の面影。女性とは思えない口の悪さ、それにすぐ殴る等の傍若無人を絵に描いたような人だ。でも、嫌いじゃなかったのは確かだ。むしろ尊敬し、憧れた。そんな人を俺は・・。
「お待たせしましたわ。ユウ君」
声を掛けられた俺は、意識の海から出て声のした方へ振り向くと朱乃とイッセーが立っていた。
「遅いっつーの。てかもういいのか?」
「ええ、無事終わりましたわ。それで少しお話がありますの」
朱乃はそう言い、自分の家であるという神社の境内に向かって歩き出した。
{ユウside out}
◇
{朱乃side}
先ほど、ミカエル様から龍殺しの聖剣”アスカロン”をイッセー君の神器”赤龍帝の籠手”に移植する作業を終え、今は私が生活している家にユウ君を招き入れている。途中、イッセー君は家の用事とのことで帰ってしまい、ここには私とユウ君の二人きりである。話したいことがあったが何故か言葉が出ない。
「それで、話って何だ?」
この沈黙に耐えられなかったのかユウ君が質問してくる。
「少し変なことを聞きますわ。私のことどう思いますか?」
質問しておいて本当に変だと自分でも思う。でも聞いておきたいのである。悪魔、堕天使、天使のどちらにも属さない”人間”の彼に。
「朱乃は俺の先輩で、オカ研の副部長。でも何より大切な仲間だ」
彼は仲間だと言った。でもそれは”駒王学園の姫島朱乃”であり”オカルト研究部の姫島朱乃”だからである。もし、私の本当の姿を見ても同じことが言えるだろうか?だから私は着ている巫女衣装を脱ぎ捨て、忌々しい”あの翼”を彼に見せる。
「あなたは知っているかもしれないけど、私は堕天使幹部のバラキエルと人間の間に生まれた者。汚れた翼である堕天使の翼が嫌でリアスと出会い、悪魔となった。でも、生まれたのは堕天使と悪魔の両方の翼を持った生き物」
後ろを向いているので彼の表情はわからないがきっと、苦虫を噛み潰したような顔をしているに違いないだろう。沈黙がその証拠だ。ユウ君にこれを見せる前にイッセー君にも見せた時だ。
「俺はたとえどんな姿でも朱乃さんのことは嫌いになんかなりません。むしろ朱乃さんのことは好きですよ」
確かにイッセー君の答えは嬉しかった。でも彼は私が”女性”だからかもしれない。もしも私が”男性”だったらどうだっただろうか?と思ってしまったのだ。自分でも何て歪んでいるのだろうかと笑ってしまうほどだ。だから私はユウ君に問う。
「私は汚れた血を宿すもの。確かにあなたは堕天使のミッテルトちゃんと家族として暮らしているわ。でも私は違いますわ”他人に好かれる姫島朱乃”を演じていただけ」一通り話して彼の返答を待つ。まるで私には刑が執行されるのを待つ死刑囚のような面持ちだった。ふと、身体に何かをかけられ目をやると彼が先ほどまで着ていた黒のパーカーだと気づくと彼が口を開く。
「何かお前さ、何でもかんでも深く考えすぎなんだよ。もっと楽に考えりゃいいのによ」
それは溜息交じりに告げられる。私の何が分かる!この翼のせいでどれだけ苦しんだか、悩んだか知らないくせに!そう心の中で何とも言いつくせない憤りを吐き、身を怒りに震わせる。が、彼の次の言葉でそれは霧散する。
「だからさ、お前が背負い込んでるモンの半分くらいは俺が代わりに背負ってやるからさ。軽くなったその分は”素のままの姫島朱乃”を好きになってくれる奴を探す労力にでも使えよ」
「な、何故・・何故そこまでしてくれるんですの?」
「何度も言わせんなよ。お前は”俺の大切な仲間の姫島朱乃”だろ?」
先ほどまで怒りで震えていた身体は別の意味で震えていた。彼は私のどんな姿を見ても変わらない、離れていかないそれが嬉しかった。前々から彼を知っていたが興味を持ったのはリアスから頼まれて彼を調べた時だ。彼は私と同じで親を亡くした痛みを知っている、彼なら私と何かを共有できるかもしれないという浅ましい考えからだ。そして彼に惹かれたのはリアスをあのフェニックス家の三男、ライザー・フェニックスから命懸けで私達悪魔と無関係な”人間”の彼が助けた時だ。何時か私も彼に全てを懸けて救ってほしい、守ってほしいと思うようになった。現実となった今だからこそ、こんな私にも彼は手を差し伸べるというのか・・・。
「本当にユウ君はお人好しですね。死んだ魚のような眼をしてるのに」
「死んだ魚のような眼は余計だろうが!?って、大丈夫かよ?」
私は彼の正面に向き、胸の中へと身を委ねる。あぁ、いいかもしれない。彼に溺れ、彼を私に溺れさせたい。こう思うのはやはり血のせいか?違う、これが”本当の姫島朱乃”なのだ。
「覚悟してくださいね。私の”積荷”は重いですよ?」
「任せとけって。しっかりと背負ってやるからよ」
ええ、きちんと背負ってくださいね。手加減なんてしませんから・・。私は黒い笑みを隠すようにさらに彼の胸へと顔を埋めるのだった。
どうも、作者のニュインです。
いやぁ、先週の時点で投稿したかったんですが何故かPCの調子がおかしくて・・。
まぁ、遅れたのは事実です。すみませんでした。
それと時間があれば1話から少し修正していこうと思います。