友情、努力、勝利!!よりエロ、おっぱい、勝利!!な気がする 作:ニュイン
だが、そう落胆するものでもない。
自らが選んだ道を、間違ったものではなかったと証明すればいいだけなのだから。
※冒頭はイッセーsideからです。
俺達は、あの悪魔、天使、堕天使の3トップによる和平会談を襲ったテロ事件で豹変したユウを何とか助け出すことには成功した。だが、ユウの身体はノイズのように絶えず手や足先から壊れ始め、アーシアの回復も効かない状況だった。俺も含め、部長達が混乱しているとミッテルトがユウの知人に相談しようと言い、ギャスパーのことでお世話になったというアンティーク店にユウを助けてもらうように頼みに向かった。
◇
{アンティーク店『Between time』}
「すみません!誰か、誰か居ますか!?」
店に入り、直ぐ様人を呼ぶと奥の方から長髪の女性が現れた。
「はい。どうかされましたか?」
「あ、あの・・ユウを、ユウを助けてください!!」
ミッテルトは眼に涙を浮かべ、女性に助けを乞う。俺はここまで背負ってきたユウを女性に見せると営業スマイルから驚愕の表情に変わり、その後ユウを連れて店の奥に消えていった。
「何だい、今日は随分と騒がしいね。まぁ、見たところアンタらは客ではなさそうだけど・・・」
さっきの女性と入れ替わりで出てきた女性はボサボサの髪で所々薄汚れた作業着のような恰好の出で立ちをしていた。俺は事の顛末を話すと、女性は右手を顎の下にもっていき何か思案する仕草をするとおもむろにポッケから煙草を1本取り出し、火を点け吸い込んだ煙を吐くと口を開いた。
「それで、暦が慌てて術室にユウを運んでいった訳は分かった。ここにユウを連れてきたのは正解さね。じゃ、アンタらは帰りな」
「ユウの無事を確認するまでは帰りません」
俺の言葉に皆も頷く。すると、目の前の女性は一瞬だが怪訝な表情をするが煙草をもう一度吸い、ため息交じりに煙を吐き出す。
「わかった。じゃあ、アンタら全員あたしに着いてきな」
そう言うや女性は踵を返し、店の奥の方へと歩き出した。俺達は一刻も早くユウの容態について聞きたかったが、この場でどうすることもできず仕方なくその女性の後を追うしかなかった。
「あの、ユウのあれは一体なんですか?」
場所を移り、何かの作業場らしき部屋に案内され中央に置かれた大きな机と女性を挟み、備え付けの椅子に全員が腰かけたと同時に俺は対面の女性に質問する。
「その前に自己紹介をしとくかね。あたしは、朝倉 月だ。あぁ、アンタらのことはユウから聞いてるから結構だよ」
「自己紹介とかそんな悠長なことはいいわ、ユウの状態について説明してくれるかしら?」
明らかに飄々とした態度で自己紹介した女性に対して苛立ちを隠せない部長は魔力を全身から少し放出しながら女性を睨みつける。
「せっかちな小娘だね。アンタらがそう息巻いても状況は好転しないさね」
「私達はただユウ君のことについて聞いているだけですわ」
朱乃さんも笑顔ではあるものの、リアスと同様に苛立っているのが分かる。すると女性は手に持っていた煙草を消し、頭を何回か掻くと今度は真剣な面持ちで語りだす。
「はぁ。アンタらの真剣な顔を見て、どれだけユウが慕われてるのかわかったよ。でもいいのかい?これから話すことはきっとアンタらにとって苦痛なことかもしれない」
「そんなの関係ないっす!!」
ミッテルトの言葉に俺達は頷く。すると、女性は新しい煙草に火を点けてから語りだす。
「まず、ユウのことだけど大事には至らないさね。数日すれば元に戻るさ」
その言葉に皆が安堵の溜息を零す。だが、安心したのも束の間で次の言葉に俺達は天から地へと叩きつけられる。
「単刀直入に言うが、今後一切ユウには近づかない方が身のためだ。というより近づけるわけにはいかないさね」
「な、なんで!?・・・」
「単純にユウがああなったのはアンタらのせいだからさ」
言葉が出なかった、息が詰まる思いだった。ユウがああなってしまったのが、自分達のせいだったからである。俺は知らず知らずの内にユウに何かしてしまっていたということなのか?いくら今までのことを思い起こしても検討がつかない。そんな俺の心情を読んでかは分からないがゼノヴィアが女性に問いかける。
「私はつい最近だがユウや皆と過ごしてきた。しかし、どこも問題があったとは思えないが?」
「そうさ。普通なら、問題が無かったことが問題なのさ」
女性の返答に俺は、益々頭が混乱する。意味が分からない、何も問題が無いならいいじゃないかと思う。だけど1つ気になるのは”普通なら”という言葉。
「ミッテルト、あの時に渡した勾玉は持ってるかい?」
「ここにあるっす・・」
ミッテルトは女性に言われて、学生服のポッケから勾玉を1つ取り出し机の上に置く。その勾玉はユウを正気に戻す際は透明だったはずが、今では赤黒く濁った色をしていて確かミッテルトが暴走したユウに勾玉を触れさせた時からこうなっていたはずだ。けど、この勾玉が無かったらユウを止められなかったのも事実。
「その勾玉はミッテルトにあたしが持たせたものさね。効力は初期段階である”鬼化”の者を鬼の瘴気から引っぺがし助ける代物さ」
「えっと・・つまりどういう・・・」
「ユウは人間でありながら人間じゃないってことさね。いや、言い方を間違えたね”今はまだ人間”だね」
女性の言葉に俺は、まるで鈍器で頭を殴られたかのような錯覚を感じる。理解が及ばないその説明に皆も驚いている。あのクールで無表情の小猫ちゃんでさえ眼を見開き、固まっているが関係ないというように女性は説明を続ける。
「この世界に生ある者は少なからず、欲といった”鬼”という化物を飼っているものさね。それが一番強く、心の奥底に潜んでいるのが人間という生き物だよ」
「じゃあ、ユウもその鬼っていう欲のせいで・・・」
「ちょっと違うさね。ユウは少し特殊で”鬼になった人間”が身体のいや、心の中にいるからだね」
鬼になった人間?一体、それはどういうことなのか見当がつかない。
「昔、ユウの師である者が鬼ごと封印したが最近になってその封印が弱まってきた。まぁ、その原因はアンタらがユウにとって居心地の良い居場所すぎたからだろうさね。あの鬼はその宿主の心の状態に左右され力が強まったり、弱まったりするから」
「もしかして、10年前の出来事と何か関係あるのかしら?」
部長はユウの過去にあったであろう事が理由ではないかと女性に聞く。すると、女性は俺達から視線を外すと、近くの棚に立てかけてあるフォトフレームを懐かしそうに眺める。そこには、左に巫女衣装に身を包んだ笑顔の女性と右に目の前の女性に真ん中には幼い少年が写っている。
「そうさね、もうあれから10年・・・。時が経つのは早いもんさね・・」
そう呟く女性は懐かしさに顔を綻ばせながらも、その声は何処となく悲しさを帯びていて心を締め付けられる。そして、女性はフォトフレームからこちらに視線を戻すとこちらに向き直り、灰が落ちそうになった煙草を机の上に置いてある灰皿に押し付け火を消す。
「もう一度アンタらに聞くけど、これから話すことはユウの過去に関することさね。今ならユウのことを忘れて生きていくこともできる、この先ユウと一緒に居ることは苦痛になるさね。聞きたくない、一緒に居たくないという者はここから出ていくんだね」
「俺は出ていきません、あなたに何て言われようとも。あいつは俺が悪魔になった時、変わらず傍にいて、そして親友でいてくれたことで救われました。だから今度は俺が、あいつを救う番なんです!!」
感情を抑えきれずに思わず、大声を張り上げて答えていた。皆も同じ気持ちなのかこの場から一歩も動く様子は無いらしい。その状況を見た女性は、「ふっ」と笑うと少し俯きながらぽつり、ぽつりと語りだし始めた。
どうも、作者のニュインです。
今回も読んで頂きありがとうございます。
次回からは、オリ主の過去話やこの作品における鬼についての話を考えており更新については今月内には投稿したいと思います。
では、また次回もよろしければ読んで頂けたら幸いです。