明日に波動拳   作:路傍の案山子

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書き始める前「導入部分だけだし4千字くらいかな?」

書き始めてしばらくして「あ、あれもう2千字?まあ大丈夫だよね!」

書き終わって「一万字...だと?」

 ということで、結局それなりの長さになってしまいました。しかも書き上げた時に投稿ミスってたらしく二度目の投稿ですよ。本当は昨日の朝には投稿できてたはずなんですよね。前書きとあとがきの部分とか全部打ち直しですよ。いやー、五時とかに作業なんてするもんじゃないね!みんなも気を付けようぜ!

 それではどうぞ。



14話 (嫉妬の炎も)燃えるぜ(強)昇龍拳!その2

 どうもこんにちは、日向涼です。英名ではアルトリウス・E・ヒューガーです。今はコーディー達との組手をした翌日です。今日はようやく本来の目的であるケン・マスターズの都合がついたとのことで現在マスターズ社の本社ビル前にいます。

 いやーそれにしてもデカイ。とにかくデカイ。周囲のビルと比べるとその差は歴然としている。ここ、アメリカの一等地なんですが。近くにこのビルより高い建物なんて1つしかない程である。ちなみにその高い建物というのは神月グループのアメリカ本社だったりする。何でもわざわざマスターズ社のビルより高くなるように作ったのだとか。負けず嫌いな一族である。

 

「やっとマスタードさんに会えるんだね!楽しみだなー!!」

「マスターズね?この前も訂正したけどケン・マスターズさんだからね?本人の前では絶対に間違えないでよサクラ」

 

 まあ、ケンなら笑って許してくれそうではあるが。例えば社員の人とかが気にするかもしれないしね。一応は手土産も用意してきたので

 

「お二人とも準備はよろしくて?まあ、アポを取った時間よりだいぶ余裕を持ってまいりましたが、このカリンをこれ以上待たせるほどマスターズの御曹司も馬鹿ではないでしょう。さ!参りますわよ!」

 

 そういうとカリンはずんずんとビルの入口へと歩き始めた。他人の、しかもライバル関係にあたる会社のビルへと我が物顔で突入していく。もう流石としか言い様がない。とりあえず置いていかれるとまずいのでサクラと一緒に後についていく。本当にこういう時には頼もしい限りである。

 

「いらっしゃいませ。マスターズ本社へようこそ。本日はどのようなご用件でしょうか?」

「私は神月かりん!本日はケン・マスターズ氏にお会いする為に参りましたわ!勿論、アポイントメントもとってありましてよ?後ろの四人も同様ですわ!柴崎!」

「はっ!こちらをご確認くださいませ。必要な書類は全て揃っております」

 

 にこやかな笑顔を浮かべた受付のお姉さん(金髪美人)に用件を伝えるカリン。ちなみに四人というのは俺、サクラ、後はカリンの従者である柴崎とボディーガードとしてついてきているバーディーである。ちなみにスーツ姿ではあるが、その巨体にモヒカン、更に腕にチェーンを巻いているバーディーのせいで俺達は物凄く目立っている。受付のお姉さんもバーディーを見てビクッてなってたし。それでもすぐに持ち直して笑顔を浮かべたあたりは流石マスターズ社の受付である。

 

「こ、これは失礼致しました!すぐに担当の者にご案内させます!申し訳ございませんが今しばらく、今しばらくだけお待ち下さいませ!!」

「約束の時間よりこちらが早く来たのは事実!そう焦らずとも構いませんわ!オーッホッホッホ!」

 

 受付のお姉さんは大層慌てた様子で何処かへと内線電話をかけ始めた。さすがにこの年の少女が神月グループの次期当主だとは思わなかったのだろう。

 というかカリンさんや、その高笑いは今は抑えてもらえませんかね?周囲の目が痛いんですが。さっきから「あれが神月の......」とか「なにあの後ろのボディーガード超怖い」とか「あの銀髪の子可愛くね?というか三人とも美少女じゃね?」とかいろいろ聞こえてくるんですよ。......最後のは気のせいだきっと、うん。

 そうこうしているうちにどうやら担当の人が来たみたいだ。走ってきたのだろうか?息が荒いし汗もかいている。なんか申し訳ありませんね、こっちが早く来すぎただけだっていうのに。

 

「大変お待たせいたしました神月様!この度はようこそおいでくださいました。私は本日皆様のご案内意を担当させていただきますジョン・ワイズマンと申します。......しかし、そのぅ、大変申し訳ないのですが、ケン様は約束の時間ギリギリまでトレーニングを行うとおっしゃっておりましたので。そのためまだトレーニング中なのでございます。ですので身支度を整えるのにもう少しだけお時間をいただけないかと「そのままで構いませんわ」...はい?」

「その必要はないと申し上げましたわ。そもそも私達の目的はケン氏との手合わせ!なれば例え道着だろうがトレーニングウェアのままだろうが一向に問題などありませんわ!むしろそちらのほうが都合がいいくらいですわ!そのようにケン氏にお伝えしていただいてもよろしくて?」

「は、はい!!すぐにお伝えいたします!今しばらくお待ち下さいませ!」

 

 確かに道着のままでも俺達は全く問題はない。俺とサクラはダンで慣れてるし。あの人ほとんど道着姿だからな。そういえば、「他にも何着か服は持ってるぜ!......なんだその疑いの目は!?本当だぞ!!」とか言ってたけど着ているところは寝間着以外見たことがないな。

 そんな事を考えているとさっきの担当の人が戻ってきた。ちなみにカリンに対して低姿勢なのでわかりにくいかもしれないが、この人結構大柄でがっちりした白人男性である。

 

「お待たせ致しました神月様!ケン様がそのままでいいならすぐにお会いになれるそうです。応接室までご案内致しますのでどうぞ此方へ!」

「さっ!行きますわよサクラさん、アルさん!」

「うん!ほら行こうアル!」

 

 そのまま担当の人......ジョンさんに促されてエレベーターに乗り込む。流石マスターズ社のエレベーター、大柄な担当の人や巨漢のバーディーが乗っているのに全く圧迫感がないくらい広い。外側の壁は全面ガラスなので外の景色も良くみえる。上の方の階層は表示されないらしいので分かりにくいが、すでに相当な高さまで上昇している。外を歩く人が凄く小さく見えるほどだ。

 

「間もなく第一応接室のある階に到着致します。...ちなみに最上階から二つ下のフロアになります」

「そうなんだ!その上の階はどんなところなの?」

「最上階は主にマスターズ家の方のプライベートフロアとなっております。その下の階は社長室でございます。到着致しますフロアには応接室の他に会議室等がございますよ、お嬢さん。他にご質問はございませんか?」

 

 サクラの質問に律儀に答えてくれるジョンさん。なんというか、『アメリカの仕事が出来る人』のイメージそのままな人だな。最後の『お嬢さん』の言い方とか特に。嫌味のないフランクさというか、会話の途中にウィットに富んだジョークとか挟んできそうな感じ?フルハ〇スに違和感なく混ざれそうな雰囲気といえば伝わるだろうか?ちょっと古いかな?

 

「何か面白い所とかないの?」

「そうですね...。確か、お嬢様方はケン様との手合わせの為にお訪ねになられたのでしたね?ならばトレーニングフロア等がよろしいのではないでしょうか。ワンフロア全てを使用しており、最新のトレーニング器具を取り揃えた施設になっています。......私達社員も自由に利用できるのですが、あまりにレベルが高すぎるためケン様以外はほとんど使われていないのが現状でして。そのケン様に挑まれる貴女方ならお楽しみいただけるかもしれません。凄まじい水流が発生するプール等、一風変わったものもごさいますし」

「何それ楽しそう!!ねぇねぇアル!ケンさんに手合わせの後に使っていいか聞いてみようよ!」

 

 この大きなビルのワンフロア全てって相当な大きさだぞ。ケンの両親が格闘家だった覚えはないので恐らくケンの為に造られた施設なのだろう。ケンは確かあまり実家の力に頼らず修行していたはずだが......何とも贅沢な話である。神月といい、マスターズといい、この世界の大企業はこういうのが普通なのだろうか。あとサクラ、手合わせの後にそんなことする体力が残ってたらね。だからそのキラキラした目をやめなさい。

 

「私の本社にある施設とは違うものもあるかもしれませんわね。その際は私もご一緒させていただきますわ。あら?どうやら到着したようですわね」

「はい。こちらが応接室のあるフロアでございます。おそらくケン様も向かっておられる筈です。もうしばらくだけそちらでお待ち下さいませ」

 

 エレベーターが目的の階に到着したらしい。ジョンさんが先頭に立って案内してくれる。

 

「こちらが第一応接室となります。私はケン様をお呼びしてまいりますので皆様はここでお待ちくださいませ」

 

 そういってジョンさんは部屋を出て行った。......ついにあのケン・マスターズに会えるのか。そう考えるとサクラじゃないけどちょっと興奮してくる。だってあのケンだよ?ZERO3の時なんて持ちキャラだったくらい好きなキャラだったし。ワールドツアーモードでX-ISMで攻撃に全振りしたケンを使って隠しキャラを全員出したのはいい思い出です。わかりずらい例えですいませんね。

 

「よう!すまないな待たせちまったみたいで!神月の御嬢さんに執事さんとモヒカンのボディーガードさんはこないだのパーティーぶりだな!そっちのお嬢さん2人は初めましてだよな!ケン・マスターズだ!よろしくな!」

「あ、はい。よ、よろしくお願いしますマスターズさん。日向涼です。本日はわざわざお会いしていただきありがとうございます」

「私、春日野さくらっていいます!よろしくねケンさん!」

 

 かなり緊張していたのに普通にケンが入って来た。しかも凄くフレンドリーな感じで。しかもイメージ通りの赤い道着姿でトレーニングでかいた汗をタオルで拭いながらだ。気のいい親戚のおじさんが甥っ子に久しぶりに会うみたいな感じだった。親しみやすいイメージはあったけど、初対面でこれほどとは思わなかった。ちょっと戸惑って日本名の方しか名乗ってなかったし。

 

 ━━『ケン・マスターズ』、ストリートファイターの原作キャラクターにして、主人公であるリュウの永遠のライバルだ。同じ流派である為に使う技はリュウと共通するものが多く、初期の頃は特にそれが顕著であり『ただの色違い』、『2P用キャラ』等と言われる事もあった。が、髪や道着の色、性格等様々な面でリュウとは対照的に描かれており、格闘スタイルにしても作品が進むにつれてリュウとは明確な違いが多くなっている。

 格闘一直線なリュウとは違い、彼女がいたり、大企業のマスターズ社の御曹司(叔父の会社らしいがⅣでは既に後を継いでいるらしい)だったりと格闘以外の描写も多い。その為、見た目も相まって一見するとリュウよりも軽薄なキャラと思われがちである。対戦相手からもリュウより格下と見られることも多い気がする。しかし、実はライバルであるリュウに敗けないように日々精進する非常に努力家な一面があり、それはリュウとの対戦成績からもうかがえる。今日だって今までトレーニングしていた訳だしね。でも、派手好きで軟派なのも本当なんだけどね。

 

「この私を待たせるなんてレディーに対する礼儀がなっていないのではなくって?」

「はっはっは!そう言われると痛いな!いや~、俺はすぐに会っても良かったんだけどな。色々と周りがうるさくってね。今日はちゃんと付き合うから許してくれよ」

「......まあ、理解出来なくもないですから許してさしあげますわ。それで?この後は如何いたしますの?すぐにでも手合わせかしら?」

 

 カリンがこの後どうするのかをケンに尋ねている。ちなみにどうみてもそうは見えないが、これって世界経済をガチで左右しかねない大企業の跡取り同士の会話なんだよね。手合わせがどうとか言ってるけども、ガチで。

 

「まあそう焦るなって!今ジョンに給仕の係りを呼んできてもらってるんだ。さすがにトレーニング後にすぐに三連戦だと最後の方が雑になりそうだし、ちょっくらティータイムとしゃれこもうぜ?おっ!噂をすれば来たみたいだぜ」

「皆さまお待たせいたしました。お飲み物は何になさいますか?各種取り揃えてございます」

 

 ジョンさんが数名のカートを引いたサービスマン風の人たちを連れて戻ってきた。この人たちを呼びに行ってたからさっきまでいなかったのね。あっ、そうだ!今のうちにアレを渡しておこう。タイミング的にもちょうど良いし。

 

「あの、良かったらこれも一緒にお願いします。つまらないものですが...」

「これはご丁寧にどうも。...おお!これは美味しそうですな!さっそくご用意させましょう」

「どれどれ~。おっ!こいつは...チェリーパイか!!ほんとにうまそうだな!!すぐに頼むぜジョン!あ。飲み物はコーラで頼むな!」

 

 そんなに期待値を上げられると困るんだけどなぁ。本当に大した手土産ではないんですよね、そのチェリーパイ。だって俺の手作りだし。いや、最初は高級なお店とかで買っていった方がいいんじゃないかなって思ってたんだけどさ。カリンが「高級品よりも手作りなどの方が良い」といったので、生地を寝かせたり色々と下準備を前日にしておいて、起床してから焼き上げました。なんでも高級品は食べ飽きてるから、だそうだ。ものすごい説得力だった。

 ちなみに本当はアリス母さん直伝のアップルパイを作るつもりだったのだが、ちょうどいいリンゴが手に入らなかったのでチェリーパイになった。なんとなく欧米といえばチェリーパイというイメージもあるし、大丈夫だよね?それなりの出来だと思うけど、やっぱり不安になってくる。

 

「あ!私はオレンジジュースで!」

「私には紅茶をいただけるかしら?銘柄はお任せいたしますわ。ああ、パイに合うものでお願いいたしますわ」

「かしこまりました。他の方はいかがいたしましょう?」

 

 コーラを頼んだケンに続いてサクラとカリンも飲み物を注文する。これは俺も注文しないといけないパターンですよね。

 

「ホットコーヒーでお願いします。ブラックで」

「あん?俺もか?じゃあコーラをボトルで頼むわ」

「私はあくまでも従者ですので遠慮させていただきます。お気遣いありがとうございます」

 

 俺だけでなくバーディーや芝崎にまで注文を聞いたジョンさんは、俺からパイを受け取ると飲み物を用意するように連れてきた人たちに指示を出してから一旦退室していった。おそらくパイを出す為に手配してくれたのだろう。本当にお手数かけてすいません。

 

「んじゃ、座って待ってようぜ?」

「うん!うわ~!このソファすっごいふかふかだね!!あ!そういえばケンさん!この建物ってすごいトレーニング施設があるんでしょ?手合わせの後に使わせてもらってもいい?」

「ん?ああ大丈夫だぜ!あの施設、実質俺しか使ってないからな!」

「やったーー!!アル!使って良いって!!カリンちゃんも一緒に行くんだよね?アルも来るし!」

 

 おい俺は一緒に行くなんて言ってないんですけど。なんで確定してんの?

 

「もちろんですわサクラさん!このカリンもご一緒致しましょう!オーッホッホッホ!!」

「ははは。元気なお嬢ちゃんだな!さすが神月のお嬢様のお友達ってころかな。なんだかそういうところ、アイツに似てんな!憧れてるとそういう所も似てくるもんなのかね?」

 

 アイツっていうのは多分リュウのことだろう。確かにあの人も修行ジャンキーというか格闘のことしか考えてないようなところがあるからな。今のバトルジャンキーなサクラとは似たところがあるかもしれない。そんなとろまでリスペクトしなくていいのに。

 

「皆さまお待たせいたしました。お飲み物とチェリーパイのご用意が出来ました。どうぞお召し上がりくださいませ。......それとケン様、少しよろしいでしょうか?」

「後にしてくれよ。今は目の前のパイを食べるのが最優先だろ!「い、いえあのしかしですねイライ」それじゃあ早速...美味い!!」

「やっふぁりあふぅのおかふぃふぁおいふぃいふぇ!!」

 

 サクラ、口の中に物を入れて喋るんじゃありません。多分「やっぱりアルのお菓子は美味しいね!」って言ってくれてるんだろうけど行儀が悪いだろ。

 

「へぇ!これって君の手作りなのか!なるほどどおりで美味しいわけだ!今まで食べたパイの中で一番美味いかもしれないぜ、これ。すっげぇ好きな味だ!やっぱり可愛い子が作ると美味さがちがうぜ!」

 

今の解読できたのか。まだまだアリス母さんには到底及ばないんだけど、気に入って貰えたんなら良かったです。しかし、やっぱりケンはまだ俺のことを女の子だと思っているようだった。だから訂正しようと口を開きかけたその時だった。その『女の人』がこっちに向かって歩いてくるのが見えたのは。

 

「━━━随分と楽しそうねケン?」

「ああ楽しいよ!トレーニング後に可愛い子が作ってくれたお菓子を食べながら一休み!そりゃあ楽しいに決まって.....................や、やあイライザ!来てくれてたのか!」

「私には『大会前で調整中だからしばらく逢える機会が減る』って言ってたわよね?なんせ全米格闘技選手権ですものね。大事な時期だってことは私だって理解しているつもりよ?だから逢いたい気持ちを我慢して最近来るのを控えていたわ。━━━それなのにっ!!なによこの状況は!?大会前にせめて一度くらいはちゃんと会って応援しようと、悪いかもしれないと思いながら会いに来てみればっ!!あんまりだわ!!」

 

 イライザと呼ばれた女性はもの凄い剣幕でケンに詰め寄って捲し立てる。『イライザ』はケンの恋人で、将来妻になる筈の女性だ。ブロンドの髪でスタイル抜群な、絵に描いたような金髪美人である。原作のゲームにも、ケンのストーリーモードでエンディングとかによく登場しているし、スト4ではメルというケンとの子を出産していたりするので記憶に残っている。彼女とケンの絵がペイントされたクルーザーがストⅢのステージにあったりするしね。

彼女自身は格闘家とかではなく(恐らく)ごく普通の女性なので闘ったりはしないのだが。ちなみにガイルの奥さんであるユリアさんの妹だったりする。

 というか、この頃から既に付き合ってたんですね。大会の後だったような記憶があるけど、あまり細かい設定まで正確に覚えてないしなぁ。ガイルの娘がダルシムの息子とペンフレンドだとかどうでもいいことは結構覚えてるんだけどね。

 

「待ってくれイライザ!!誤解だ!!」

「嘘よっ!!大会前だからって私とは全然会ってくれなかったくせに!!しかもこんな小さい娘を三人も連れ込むなんて信じられないわ!!最低!変態!このロ〇コン!!」

「だからこの子たちは違うんだって!この子たちは格闘を勉強するためにわざわざ日本から来てくれたんであってそんなんじゃないって!痛た!?おい叩かないでくれよ!」

 

 そんな彼女がケンと現在進行形で修羅場っています。あれ?もしかしてこれって原作改変?俺たちのせいでイライザがケンと別れたら色々まずくないかな?メル君(ケンの息子)なんて存在の危機じゃね?

 

「何が違うっていうのよ!?そこの銀髪の娘の手作りパイを食べてデレデレしてたじゃないっ!!何よ!こんなチェリーパイッ!どうせ本当はそんなに美味しくなんて(ぱくっ).......何これ美味しいじゃない!?....うぅ~~!!」

 

 え?なんか怒りの矛先が俺に向いてません?パイの味を褒められながらなのでわかりにくいが、「この泥棒猫!!」みたいな顔で睨まれてるんですけど。俺が何をしたというんだ。

 でもイライザさんの目線で見ると、『しばらく逢えなかった恋人に逢いにいってみれば、そこには女の子の手料理を食べてデレデレ(イライザ視点)する恋人の姿が!!』みたいな感じなんですよね。あれ?これ俺のチェリーパイがとどめさしてない?......俺は悪くねぇ!!(ルー〇風)

 

「えーと、イライザさん?あの、本当に誤解なんです。私たちが時間よりも早く来てしまったせいでケンさんがトレーニング直後だったので、先に一息入れようということになりまして。この後手合わせをしてもらうことになっているんです」

「そうなんだよイライザ!信じてくれ!俺が愛しているのは君だけだぜ!」

「......」

 

 お、ちょっとイライザさんも落ち着いてきたみたいだ。あともうひと押しといったところかな?というか、いい加減に根本的な誤解を解かなければ。

 

「そもそも私...いや、俺は男ですし」

「え?」

「え?」

 

もうやだこの反応。皆俺が『俺』って一人称使うと戸惑うし、今は一応こちらから訪ねているから失礼のないように『私』って使ってたけどとんだ逆効果だったよ。ほら、サクラからもなんか言ってくれよ。

 

「え?」

 

 そういうのいいから。なにその「私も今知って驚いてます」みたいな顔は。俺をいじろうとしているようだが、演技が下手すぎてバレバレですよ。大体、今ふざけると手合わせの時間が減っちゃうかもよ?

 

「アルは男の子だよ!!間違いないよ!!」

「ずっと勘違いなさっていたようですけれどアルさんは男性ですわよ。この神月かりんがその名において保証いたしますわ!」

 

 切り替え早いな。まあカリンも証言してくれてるし、これで信じてもらえる可能性が高くなった筈だ。修行終わりのシャワー中にサクラに扉を開けられて「きゃー!サクラさんのエッチ!!」的な状況をカリンに目撃されたのは無駄ではなかったんだね!......普通こういうのってヒロインとかの役目だと思うんだけどなぁ。

 

「......本当に?貴方、男の子なの?だとしたら......ケン!」

 

 ふぅ。どうやら誤解は解けたみたいだ。イライザさんは何やら思い詰めたような顔でケンを呼んだ。謝罪でもするつもりなのだろうか?

 

「ようやくわかってくれたみたいだな。いや~良かっ「貴方ショタコンだったの!?」......はっ?」

 

 はっ?

 

「確かにその子は男の子に見えないくらい可愛いけれどそれはダメよ!!生産性がないわ!お願い正気に戻って!!」

 

 悪化してるぅ!?

 

 

 

━━その後、なんとか『ケン・マスターズ氏ショタコン疑惑』の誤解も解くことが出来ました。過程は省略するがかなりの難敵でしたよ、ええ。

 

「本当にごめんなさいね。私ったら勘違いをしてしまって。貴方には嫌な思いをさせてしまったわよね」

「気にしなくてもいいですよ。慣れてますので。ええ、本当に...」

 

 本当にあの神獣(白澤)いつか瞬獄殺を喰らわせてやる...まだ出来ないけど。今はようやく落ち着いたイライザさんを交えてのティータイムで一息ついたところです。

 

「いや、マジで悪かったよ。そもそも俺がもっとイライザに構ってれば良かったんだからな。確かに大会は大事だけど、イライザの方が大切に決まってるしな!」

「....ケンッ!」

「イライザッ!」

 

 目の前でイチャイチャしないで欲しいんですが。まあこれくらいならウル父さんとアリス母さんで見慣れてるけどね。なぜ三人目が出来ないのか不思議で仕方がないレベルのイチャイチャが日常茶飯事だからね。

 

「.....ゴホン。そろそろ宜しいかしら?こちらが訪れた本来の要件に移りたいのですけれど」

「おお、そうだったそうだった!手合わせの為に来てくれたのに、お茶だけ飲んではいさよならじゃ悪いどころの話じゃないしな!な?イライザ、本当だったろ?」

「そうみたいね。それにしても皆可愛いのに...あっ、可愛い子とかっこいい子なのに手合わせなんて凄いわね!」

 

 気をつかって言い直してくれてありがとうございます。さて、ようやく手合わせする流れになったな。試してみたいこともあるし、頑張るとしますかね!

 

「で?誰からやるんだ?俺は誰からでも構わないけど」

「あっ!じゃあ、わた「俺からいかせていただきます」え~~!なんで~!!」

「この前もサクラからだったじゃないか。だから今回は俺からでも良いだろ?カリンさんも良いかな?」

「ええ、私は構いませんわ。本来真打ちは最後に登場するものですし、今回は私がトリをつとめて差し上げましょう!オーッホッホッホ!!」

 

 これで今回の闘う順番が決まったな。俺が最初で次がサクラ、最後がカリンである。いつの間にか二番手になってしまったサクラが若干不満そうだが、昨日の手合わせではサクラが勝手に一番最初に突撃したのだから文句を言われる筋合いはない。

 

「おっ!チェリーパイの君が一番手なのか!名前は涼だったよな!」

「はい、よろしくお願いします!ちなみに英名だとアルトリウス・E(エリオット)・ヒューガーといいます。アルでもリョウでも好きなように呼んでください」

 

 さすがに『チェリーパイの君』は嫌だからさりげなく選択肢を提示することを忘れない。これを忘れるととんでもない呼ばれ方をされることがあるんだよね。すでに何回か経験済みなんですよ。

 

「んじゃあ...アル!チェリーパイが美味かったからって、特別な手加減なんてしないぜ?」

「望むところです。こちらも全力でいかせていただきます」

「おお!見かけによらず随分と勇ましいな!これは期待出来そうだ!よし!それなら早速移動しようか!試合場はこっちだ。ついてきな!」

 

 さて、いよいよケンとの手合わせだ。......貴方と闘いたかったのはなにもサクラだけという訳じゃないんだ。今の俺の『全力』がどれくらいケンに━━━━『原作』に通用するか、確かめさせてもらおう。その為にわざわざ”最初”をサクラから譲ってもらった訳だしね。さあ、いっちょやってみっか!!




 コーディー達にボコられたのはとりあえずカウントしない方向のようです。(ただし、重りは増やす)
 
 ケンとイライザがいつ付き合ったのかは諸説あるようですが、ここでは世界大会前(ストⅠ)にすでに付き合っている感じになっております。ちなみに出会いはイライザが銀行強盗かなんかに遭ったのをケンが助けた感じです。一応それに近い設定があったと記憶しているので。まあ、そもそもいろいろと時期とかキャラがいる場所がズレてるんですけどね?ちなみに担当のジョンさんは適当に作ったオリジナルキャラです。原作にはいませんのであしからず。

 さて、次回はいよいよケンとの手合わせです。なぜか今までのどの手合わせよりも主人公の気合が高いです。その理由は次回にでも説明するかと。


━━おまけのミニコーナー『勝手に勝利台詞』

VS高町なのは(出典:魔法少女リリカルなのは ※無印)

勝利時「しまった!?空は飛ぶし極太ビームを撃ってくるわでつい普通に反撃してしまった!!え?プロテクションできたから大丈夫?...螺旋波動拳を撃ってなくてよかったよ、本当に。あと、これは個人的なんだけど、飛ぶことを前提としているならスカートはやめておこう?ね?」

敗北時「ど、どうしようユーノ君!?あのおねーさん魔導士じゃなかったみたいなの!!ディバインバスター当てちゃったの!!(お、落ち着いてなのは!非殺傷設定だから大丈夫なはずだよ!......多分)多分!?あ、ほんとだ!起き上がったよユーノ君!よかった~(えっ!?)」


VS転生者(笑)

敗北時「はーはっはっは!お前も我のハーレムに加えてやろう!光栄に思うがいい!!(トントン)ん?なんだ貴様は?我は今から新たな嫁に我の素晴らしさを...何だお前?角なんてはやして何様のつも」ドゴォッ!!
???『ふう。もしもし、閻魔大王ですか?処分終わりましたよ?まったく、また彼に迷惑をかけてしまいましたね。あ、大王は後でお仕置きを覚悟しておいてください。いいですね?』

勝利時「王の財宝は狙いが甘い。反射で波動を上手く跳ね返せていない。極めつけはなんちゃって木原神拳の一発で戦闘不能になる脆さ。はっきり言って弱いね、君。ああ、本当にお前のようなやつがいるから俺みたいな容姿の転生者に悪いイメージがつくんだよ。正直自分にかなり似てるやつの醜悪な姿を見せつけられて今かなりムカついてるんだ。玉天崩と一夫多妻去勢拳と子孫潰しのどれでとどめを刺されたいか選べ」


VSゼンガー・ゾンボルト(出典:スーパーロボット大戦ほか)

勝利時「えっと、本職はパイロットとかなんですよね?なんで素手でそんなに強いんです?いや、確かに格闘の値は高かったけども。絶対おかしいって!」

敗北時「年端も行かぬ少女とは思えぬ戦闘力だった...。危うく霊式斬艦刀を抜くところであった。幼子に剣を抜きかけるとは...俺も鈍っていたのやもしれん。精進せねばな」


VSハーケン・ブロウニング(出典:無限のフロンティア)

勝利時「女子供と侮りましたね?しかも手加減までしていた様子。さすがになめすぎですよ。美徳ではあるとおもいますけど、そんなんだから三枚目のイメージから脱却できないんですよ。......さて、勝者の特権として貴方には『光になれぇーーー!!!』と全力で叫んでいただきましょうか!」

敗北時「OK、俺の勝ちだな!どうだい?武器なしでもなかなかやるだろう?俺に惚れるなよプリティーガール!......はっ!?お、男だって!?そんな馬鹿な!?この俺がミステイクだと!?」

ついでにリクエスト以外からも適当に

VS緑谷出久(出典:僕のヒーローアカデミア)

勝利時「え?波動拳が個性なのか?いや。個性っていうほどのものじゃないと思うなぁ。だってサクラとかも普通に出せるし。え?能力?いやいやそんなのなくても火を出したり浮いたりテレポートしたりする人いるよ?主にインドとかに」

敗北時「なんとか勝てたけど...ほんとにこの人『無個性』なのかな?結構本気で個性を使ったのに普通に立ってくるし、なんか衝撃波みたいなのも飛ばしてくるし。......トレーニング法とかきいてみようかな...」

ちなみに作者はリリカルなのはは原作未見で知識は二次創作だけです。主にオリーシュのやつ。転生者(笑)への対応や口調がきつめですが、本人も言っている通りかなりムカついてる事が原因です。

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