その割にはなんか途中で日記形式になったりするし、予告というには長ったらしかったりしますが。
しかも格闘描写どころか、本編は一ミリも進みません。まあ(作者は一応)予告(のつもり)だしね?仕方ないよね?
それにしても今回は、こういった書き方に慣れてないせいか、かなり難儀しました。いつも通りの深夜仕上げだけど、色々といつもと違うのでミスが多いかもしれません...。そこは、その、温かい目で見ていただけるとたすかります。
それではどうぞ!
「ボーダライン反応、微小。さらに深度下げます。潜航深度、1.4……1.6…1.8。MBR領域、到達を確認。精神拘束の解除を開始」
───
『■、準備■い■■ね?ター■■■は■ラー■■ですよ?確■に■しなさい』
ワタシハ
『■、べ■様のお■に立■のです。裏■り■の欠陥■を■すのです』
ワタシハベガサマノ
『や、ドール■とし■の役目を果たす■で■!』
ワタシハベガサマノ、ニンギョウ?
───求めるのは切り裂くべき
『貴女■人形な■かじゃな■わ!』
アナタハダレ?ワタシハダレ?
───或いは
『だ■■ょう■だよ!おね■ちゃん■たす■てあげるから!───やくそくだよ!』
───おねえちゃん、どこにいるの?
「Doll-12、起動します」
とある研究員の日記より
〇月〇日
転職を機に研究日誌の片隅に日記を記してみようと思う。まあ、文系の成績は最低限レベルの私がまともな文章を書けるわけではないのだけど。余裕がある日にでも記入していくことにする。けっして「お前の報告書は内容は素晴らしいけど表現が中学生レベルだよな(笑)」と言われたからではないわ。ええ、けっして。...さて、気を取り直して早速書いていこうと思う。いきなりだけど私が今日から配属されたこの研究所は何かがおかしいと思う。なんで製薬会社の研究施設にあんな幼い少女がいるのかしら?いくらここが大手であるS.I.N社の系列とはいえ、託児施設なんてないはずだし。他の研究員のお子さんであるとかならまだわかるのだけれど、着用していたのは患者用の入院着のようなものだったし。配属初日から職場環境に不満なんて言いたくはないのだけれど、あれではまるで...
〇月×日
女であるという理由で私が“あの子”の担当者になることになった。まったく、いきなりにも程があると思うわ。あのいけすかないキツネみたいな上司(後で知ったがなんと此処の所長らしい!驚きだわ)が言うには、今までに確認されたことがない病気を発症してしまい、この研究所が開発している新薬しか効果がない為にここにいるのだそうだ。本来は莫大な治療費がかかるところを、代わりに新薬のテスターとなることで治療を受けられている“可哀そうな子”なのだそうだ。確かに時折激しい発作をおこしているし、このままだと皮膚に何らかの悪影響が出る可能性があるとカルテにもあったから決して全てが嘘というわけではないのでしょう。けどね?ならなんであの子には名前がないの?『Doll』だなんて冗談でも患者につけていい名前じゃないでしょう。『12』というナンバリングもナンセンスね。まずはもっとちゃんとした呼び方を考えるところから始めないと。......あまりネーミングセンスに自信はないのだけれど。
〇月△日
最初は殆ど何もコミュニケーションをとろうとしなかったあの子だが、少しばかりは心を開いてくれるようになったのではないかと思う。少しずつだが私と話をしてくれるようになった。そこまで積極的というわけではないし、途中で詰まってしまったり、まだまだ途切れがちではあるけどね。それでも会話が成立しているのだから本当に私は頑張っていると思うわ。最初の時は、本当に人形のように反応がなかったんだから。ようやく少し聞けた話を統合すると、どうやらあの子には『おねえちゃん』がいるらしいのだ。心なしか“おねえちゃん”の事を話すときは表情が明るくなり、饒舌になるようだし本当に大切な存在なのだろう。...きっと、家族と離れ離れになっている今の状況はあの子にとってはあまり望ましいものではないのでしょうね。でなければ眠っているときにあんな切ない声で『おねえちゃん』なんてうなされるわけがないもの。そもそもなぜ家族と切り離す必要があるのかしら?......私が、少しでもあの子の“おねえちゃん”のかわりになれていればいいのだけど。
△月×日
あのいけ好かないキツネ所長、一応の担当者である私になぜ新薬の詳細を少しも教えてはくれないのかしら。詳しい成分が機密なのは当然だとは思うけど......どうにも不安だわ。確かに薬を投与すると発作は収まるけれど......そもそもあの発作は
△月■日
あの子の様子がおかしい。『おねえちゃんがどこにもいないの』ですって?今までこの研究施設内に『おねえちゃん』がいたようなことを言い出すようになった。私は一度も会えたことはないのだけれど、あの子の『おねえちゃん』に何かあったのかもしれない。あの子の今までの話から推察すると、回数は少ないながらも定期的に会えていたような感じだったのに。......もしかして私が知らないだけど“おねえちゃん”も
×月〇日
いなくなったという『おねえちゃん』を求めるように、私にしがみつく様にして眠っている。この子に、私は何ができるだろうか。
×月×日
あの子に明確な変化が訪れた。想定以上に、悪い形で。あんなに好きだった筈の“猫”のぬいぐるみ。それをなにかを恐れるように遠ざけた。まるで
───あの■■■野郎ッ!!
×月■日
昨日の出来事は、偶然という言葉で済ませられる範疇を超えている。思わず日記に汚い言葉を書きなぐってしまった。「や、研究所に野良猫が入り込んでしまっていたようなので
■月〇日
奴に私があの子の周辺を探っていることがバレたかもしれない。私のIDカードでは本来は入れない場所にいたのを見られたのは痛かったわね。でも、無駄ではなかった。その時に得られた情報で確信することができたのだから......あの子は此処に居てはいけないと。最近、感情のない虚ろな目をするようになってしまったあの子。ようやく、本当にぎこちなくではあるけれど笑いかけてくれるようになってきていた、あの子は───文字通り”人形”にされようとしている。だんだんとあの子の傍に居られる時間が少なくなってきている。
ああ、もう時間がない。
■月×日
今日、あの子の担当から完全に外されることになった。さらに来週にはこことは違う研究所に移動になるらしい。
計画は、明日決行する。
おそらくこのままだと移動の日まであの子に会うことはできないでしょう。だから明日。
これ以上、あの子が変わってしまう前に。
■月■日
今日、私はこの施設からあの子を連れて逃げる。ジュニアハイスクールの同級生ってだけだったけど、軍人に知り合いがいて良かったわ。なりたてほやほやの新兵君だけど、昔からクールなくせに正義感の強い人だった彼なら、他の人よりも信頼できる。少なくとも、この研究所の誰よりもね。急な私のお願いをちゃんと聞いてくれるなんて、きっと彼くらいでしょうしね。今度あったらなにかお礼をしなくちゃ。......私に今度があれば、の話だけれど。......だめね、私がこんな弱気じゃいけないわ。なにがなんでも絶対に成功させるのよ。奴の目を盗んでどうにか作成することができたあの子の部屋までのカードキーと、使ったことなんて一度もないけれど護身用の拳銃。監視の巡回時間や位置だって把握してシミュレーション済みだし、今は使われていない抜け道も発見できた。出口には車も隠して置いてあるわ。そこまで行くことができれば、あとは全速力であの同級生がいるはずの軍の基地へと逃げるだけ。あの子が無事に保護されたなら、速度違反でその場で捕まったって構わないわ。あのクールな軍人さんに、お礼にキスだってなんだってしてあげる。
───ああ
───だからどうか
───あの子がまた『おねえちゃん』に会えますように。
■月■■(ところどころ赤黒い何かで読めない)
今が何日なの■■■から■いし、ここがど■かもわからない。私は、失敗■てしまった。あの子■手を、放してしまった。もうじき、ここもみ■かってしま■でしょう。今書い■■る■記も、これで最■になってしまうだろう。さっ■■ら血が止まら■いし、目も■■だん霞んできて■る。でも、そんなこ■はこの際どう■もいいの。
今、■の日記を読んで■る『
あ■子を助けて。
処分される可■性が高いこの■記を。
そもそも偶然に読ん■■るだけかもし■ない貴方に。
こんなこと■頼む■■なん■おかしいっ■わかっているわ。
危険■んてレ■ルではない、と■■■ない無■■題だ■てことも。
私は、助け■れな■■■。『おねえちゃん』にはな■なかった。
でも。そ■でも。
あの子は『
人間なの
だからどうか『あの子』を
デ■■■■リを助け■■■■■■■■■■
───とある研究者の日記はここで終わっている。
───しかし
「その
───数奇な運命の流れの果てに、一人の少年がこの日記を手にすることになる。
『落ち着いて聞いてほしい。ナッシュは......ナッシュ中尉はMIA(作戦行動中行方不明)になったんだ』
動き出す世界
『おぬしのゆく道はひどく険しく、容易きものでは決してないだろう。しかし、しかと前を向き進むがよい。その歩みが正しいかは、おぬし自身の心が決めるのだから』
導きの炎
『大地の精霊が俺に教えてくれた。共にきてはくれないか。精霊に愛されし者よ』
誘うは嵐
『見過ごすつもり!?あんな子供を潜入させるのを!?───私は反対よ!危険すぎるわ!』
『それでも俺はこの作戦を実行するさ。
揺らぐ正義
「「や、実験体をどうしようが、私の勝手でしょう?」」
渦を巻く悪意
『
『面白そうな事してんじゃねーか。なぁ?アタシも混ぜろよ!』
『オラオラどしたぁっ!!───ちょ、おま!?銃とかズルいだろコラァ!?』
されど集う光
『アルに
迷い無き純真
『この技は一生使うことなんてない、と思っていたんだけどなぁ』
『ああ、サクラがここに居なくてよかった。ここからはとても
『本当にさ、なぜかわからないんだけどたしかに聞こえちゃったんだよね。殺すって言われてるはずなのに───『助けて』ってさ。だから今、君の前に俺は立っている』
運命に抗う少年
───そして
『私はアイツを───
願いはあるべき場所へと届く
明日に波動拳『
───おまけ:勝手に勝利台詞───
VS風林寺隼人(史上最強の弟子ケンイチ)
勝利時
「勝ちは勝ち、なのかなぁ?......一体本気の何パーセントくらいだったんだろう。それでも無茶苦茶強かったし、全然勝った気がしないや。それにしてもマスクつけてるからってやけにテンションが高いおじいちゃんだっ「お兄さんじゃああああ!!!」 ア、ハイ」
敗北時
「ふうむ。ケンちゃんに勝るとも劣らぬ打たれ強さとは!いやはやその若さでなかなか大したものじゃ!どうじゃウチで少し修行してみんか?梁山泊というんじゃが、なぜかお主ならば実にすんなりとなじみそうな気がするんじゃよな~~」
VS陸奥九十九(修羅の門)
勝利時
「......これがルールのある試合で良かった。死合いだったら絶対に負けてたなこれ。本当に今五体満足で立ってるのが自分でも信じられないや。ハハッ、生きてるって素晴らしい...ッ!!」
敗北時
「陸奥圓明流に敗北はないのさ。それにしても、最初は自分の命とか、そういうのを最優先にするつまらねえ奴かとおもったが......ちょっとばかし、違ったみたいだな。次やる時があれば本気で死合おうや。まあ、もう
VS範馬勇次郎(刃牙シリーズ)
勝利時
「え!?勝負方法はジャンケンでもいいんですか!?
そ、それじゃあジャンケン──グー!
...!!!やった!!勝っ、ギニャアーーー!??」
敗北時
「ふぅん?まだ色々と物足りねえが......今のアイツにはちょうどいいかもなぁ。ちいっとばかしツラァかせや小僧。
VS空条承太郎(ジョジョの奇妙な冒険 第三部より)
勝利時
「本体の格闘能力だけならこちらが上のはずなのに...これが『スゴ味』ってやつなのか?やけにいい膝をもらってしまった。なぜかしらないけどスタンドが視えてなかったら、今頃ポルナレフ状態でオラオラされてたかもしれないと考えるとゾッとするよ。......とりあえず今のうちにツーショット写真とか撮っとこうかな。まさか本物の『ジョジョ』に会えるなんてファンとしては嬉しすぎる!」
敗北時
「......とりあえずただのガキじゃねえな?スタンドも視えていたようだし、もしや『新手のスタンド使い』か?まさかこんな子供にスタープラチナのラッシュを凌ぎきられるとは思わなかったぜ...。とりあえずぶっ飛ばしたはいいが......ジジイに報告しておくか。───やれやれだぜ」
予告編ってこんな感じで良かったんでしょうか(多分違う)...。
今回登場して(そのまま退場した)オリキャラの研究員さんですが、頭はいいのに国語力(文章力)はない設定なので日記の書き方とが安定していなかったり、読みにくかったりするのは仕様です。けっして作者が『ガチで頭のいい人の日記とか頭の悪い自分に書けるわけないやろ!』とか思ったせいではないんだ。イイネ?
ま、まあ、それはそれとして!
次回からから長編に突入します。
シリアス成分が多めになるやもしれません。
この作品の『残酷な描写』のタグは大体この話のせい。
ベガ様マジぐう畜。
あ、でも次回はインドで第三種接近遭遇(仮)の予定なんで、そこまで身構えなくても多分大丈夫です。