久しぶりすぎて何かいてたか忘れちゃったぞい。
恥ずかしいからsage更新したいぞい。
それと、作者。今年は色々とありそうだから更新頻度がすっごい低いんだぞい。
めんご。テヘペロ!
「あとどの程度で出来ますか?」
「1月あれば…」
誰かの話し声がする。何処か懐かしくて、温かくて、安心して。同時にちょっとだけ恐い不思議な声。
気付けば、右手が誰かに掴まれている。私の手よりずっと大きいその手は、きっとこの不思議な声の人の手だ。
(…一体、誰の手なんだろう…)
繋がれた手を見ると、大きなフリルから覗く、私の手にそっくりな白い手。あまりにもそっくりな手に驚いたが、それ以上に私の手に驚いた。
まるで子供の様な、紅葉のような小さい手。物心もついていない幼い頃の手。まだ槍も握っていなかった頃の手だ。
そう認識した時、私は今、どんな状態か解った。
きっと、これは夢。いつか見た過去。現実では無いまどろみの中。
(…なら、この声の人は…)
見上げた先、繋いだ手の先には、私にそっくりな人。いや、私がそっくりな人がいた。
「遅すぎます。もっと急ぎなさい」
長い髪を肩の辺りから三つ編みにした私の母。3年前に、自分勝手に娘を置いて自殺した人。
夢だと解っていても悲しくなるのも腹が立つのも仕方がない。恨み言の1つくらい言ってやりたがったが、やっぱり夢。口は自由に動かず、私は只、母のやり取りを見ていることしか出来ない。
母上の話し相手、跪いている相手にも見覚えがある。童顔だから、少しでも年をとっているように見せようと鬚を蓄えたヴァルキュリアの男性。私達ヴァルキュリアの装備や武器を造る職人さんの1人だ。
「ですが、姫様の槍もあります」
「イセリアの槍はあれで構いません」
母上の指差す先には、私の相棒の姿があった。
謁見の間。母上たちの最後の炎、その爆心地になった部屋の壁に装飾品の様にかけられていた。
この前私の炎で熔けて壊れてしまった筈の槍は、新品の様に輝いている。事実、この時はまだ造られたばかりなのだろうか?
「姫様の潜在能力を考えれば、以前量産して余った槍ではとても…。貴方様の子なのですぞ」
「私が最初の槍を壊したのは13の時。あの程度の槍でも、最低10年は大丈夫でしょう」
…私の相棒、量産品だったんだ…。私の部下達、ナルヴィとプレシアだってオーダーメイドって言ってたのに…。
「しかし、聖槍ほど巨大な物を…」
「…そなたも見た筈であろう、あの巨大な赤い龍を」
まだ何かを言おうとした職人さんの言葉を遮って言う母上。口調からも解るとおり、苛立っているみたいだ。
夢だからか私には現実感が無くて解らないが、母上の殺気を職人さんは感じたらしく、ヒッ、と引き攣るように喉を鳴らした。
「山の如きあの龍が再び現れれば、対抗できうる者は私のみ。貴様らは座して死を待つ気か? …下らぬな、いっそ此処で死んで見るか?」
「い、いえ! お、お許しを!! 出来うる限り早く、完成させます!!」
「なら、急ぎなさい。…行きなさい」
「ハッ!」
逃げるように退出する職人さん。
…赤い龍、もしかしたら、あの時の?
…不意に視線が高くなる。見上げてみれば、ずっと近い距離に母上の顔。
「…あの赤き龍。あの空間の裂け目…。何があるか解ったものではないですね」
母上の呟きを聞いた途端、夢の中だと言うのに不思議な眠気が私を襲う。
「イセリア。私がもし死せる時があれば、貴方が皆を守らねばなりません。早く強くなりなさい。誰よりも、どんな者たちよりも」
穏やかな、優しい口調。その言葉を聞きながら、深いまどろみの中へと落ちていった。
◇
「げき、モテ…? きゅん、…かわ? おしゃモ…? …日本語、なのか…?」
「おっぱい魔人は人間の癖にこんなのも解らないわけ?」
オカルト研究部部室。
よく解らない単語が乱雑に散りばめられたピンク色の雑誌を解読しようと必死に睨めっこしていたら、持ち主であるミッテルトに馬鹿にされる。
「ホント、おっぱい魔人って常識知らずね。こんなの中学生だってわかるっての」
「ぶひぶひっ!」
「こらっ! 叩くなこの豚!」
私の隣で心底馬鹿にした表情で言うミッテルト。そして、私の為に怒ってミッテルトの足に蹄で攻撃する可愛い私の使い魔のポルコ。
…そーなのか、中学生でも解るのか…。
で、でででも言い訳させてもらうと、私の周囲にこんなの読んでる人いなかったし! 私達の会話なんて「今のは良い突きでした。この通り、腕が痺れましたよイセリア様、ハハハハッ」とか「イセリア様、この槍どうですかっ? 新調したんですよ! これでもっと戦えます!」とか「聖槍。実に素晴らしい兵器です。陛下には劣りますが、あの炎は素晴らしい」とか…。
…思い返せば、戦闘、装備、兵器の話ばっかだった。
と、過去を思い出して遠い目になっていると私の座っているソファーの後ろからにゅっと伸びる白い腕。部長の手が私の見ていた雑誌を取り上げた。
「…はぁ、ヴァルブルー。私も良くわからないものだから、安心しなさい。…妙なものを見せないでもらえるかしら?」
「はんっ、解らないって決め付けて学習しない。ホント、低俗な悪魔っスね」
「…口だけが取り得の堕天使は本当によく吠えるわね? 生まれついての負け犬だからかしら?」
「今なんて言った? この乳デカ悪魔…!!」
「け、喧嘩はやめてくださいっ!!」
またもや喧嘩でも始めてしまいそうな2人の間に割ってはいるアーシアに、ミッテルトは唸りながらではあるが大人しく引き下る。部長はアーシアを一睨みしてプイッと視線を逸らした。
何でこの子達はこんなに喧嘩っ早いのか。ヴァルキュリアだって腹が立ってもその場では喧嘩しないぞ。戦闘訓練でタイマンはったり、狩りの時にわざと相手の獲物を狙うくらいだったぞ。ちなみに私は結構やられた。母上への不満を私にぶつける連中が結構いたし。
現在オカルト研究部にはオカルト研究部以外にレイナーレ、ミッテルト、アーシアが訪ねてきていた。
ちなみに、レイナーレが静かな理由は、窓際兼部屋の隅でイッセーと神器を見せ合ってるからだ。というより、ドライグと黄龍が何か話があるとかでさっきからあの調子だ。右手と左手の篭手を向かい合わせる姿は何と言うか、携帯ゲーム機で通信対戦してるみたいだ。いけっ! ドライグ! みたいな台詞を私も言ってみたい。
「ぶひぶひ」
ミッテルトに蹴りを入れていたポルコが私の足元に戻って、私の髪の毛の匂いをかいでる。…私の髪はトリュフじゃないし、ポルコはメスじゃないのに不思議だ。
バッサリ切られていた私の髪は、部長の用意した謎の薬でこの通り元通りになっている。いや、寧ろ長くなった。なんでも、願い事で髪の毛を生やす男性は多いらしく、悪魔はそういう薬を作っていたそうだ。勿論効き目は抜群で、首元までになっていた後ろ髪は今では膝までの長さ。流石に邪魔である。
「それにしても、ヴァルブルーのつれて来た賽唐猊(さいとうげい)。使えそうね。兵士の駒を2つ使った価値があったわ」
「でしょう?」
ニコッとした部長から賽唐猊君を褒められて、私もちょっぴり鼻が高い。
使い手を探していた賽唐猊君は木場君の戦いを見て彼を気に入ったらしく、彼の装備としてグレモリー眷族に加わった。
元々賽唐猊君の防御力が高かった上に、あえて兵士の駒で眷属となったことである作戦が使えるようになったし、これで木場君はフェニックスさんとガチンコ勝負になっても負けたりしないはずだ。
フェニックスさんとの対決はコカビエルの襲撃があったせいで延期になっていた。このまま忘れ去られてしまえばいいのにと思ったが、世の中そう上手くはいかない。
「あ~あ。それにしても悪魔と会談するなんてアザゼル様はどういうつもりなのかしら? …イセリア、ちょっと詰めなさい」
「もう話は良かったのか?」
「ええ。黄龍は話好きだから、またその内話をさせてあげないといけないけど」
『良いではないか、宿主。我は永らく眠っていた。故に、会話に飢える事は致し方あるまい』
むすっとした表情のレイナーレが疲れた様子で座る。結構話が長かったから、疲れているのかもしれない。近くに部長がいるのに噛みつかないし。
レイナーレの言う通り、近々この駒王学園で悪魔、天使、堕天使の三勢力の会談が行われる。コカビエルの暴走が、三竦みに多少なりとも影響を与えてしまったためだ。
そして、部長の婚約をかけたフェニックスさんとの戦いはその会談の後に行われる。猶予期間が少し延びた形だ。
「じゃあ、私の店の修理について決めましょうか。案はだいたい決めてるわ。これよ!」
いや、レイナーレの店じゃないから。店長の店だから。
バンッと机の上に”新マウンテンキング”と題をつけられた紙を広げるノリノリなレイナーレ。
部長が何時までも兵藤家に泊まりこもうとするレイナーレ達に業を煮やし、お店の修理をしてくれることになったのだ。
見取り図は明らかに壊される前より豪華になっていた。しかも3階建てにしようとしてるし、家具まで何処のブランド何々とか細かく書かれていた。相変わらずの厚かましさである。
「こんなのを認めるわけ無いでしょう。案は決めてるのよ。これね」
レイナーレの作った見取り図にイラッときたのか、目を細めた部長がレイナーレの見取り図の上に紙を広げた。
壊される前と同じくらいの広さだが、隅っこの方に小さい押入れのような場所があり、”レイナーレ+ミッテルトの部屋”と書かれていた。
「……」
「……」
また始まってしまった。無言で立ち上がり、部長と睨みあうレイナーレ。
長くなりそうなのでイッセーの方に移動する事にした。が、イッセーの様子を見て、私は固まってしまった。
なんだか木場君と話してる。その様子を見てるとちょっと不安になってしまう。まさかとは思うけど、私が居ない間に腐的な関係になってないよね? ないよね? 無いよね?!
「それにしても、アザゼルってどんな奴なんだろうな。こないだの白い奴の親玉でもあんだろ?」
「そうだね。彼ほどの配下がいるんだ。相当な実力を持っているだろうね」
「うぇ~」
「大丈夫。君は僕が守るよ。この命を懸けても……」
! イッセーの肩に木場君が手を置いた?! そ、その台詞…。お、男が男に言う台詞?!
い、いや、違う。私が可笑しいんだ。木場君は純粋に友情を築いてるだけだ、私が可笑しいんだ…!
「あ、あの、イセリアさん。目が死んでます…」
「はっ! な、何でもないよ、アーシア」
い、いかん。代々受け継がれるヤンデレの血が目覚めてしまいそうだったわ。アーシアのお蔭で助かった。あと木場君には一言、言っておかねば。イッセーを守るのは私です。
「遅くなった」
「ごめんなさい、遅くなったわ」
そう詫びながら現れたのは、この前の一件で一緒に戦った聖剣使いの2人組み。
神様が死んだのを知って大きなショックを受けた2人は、部長の誘いを受けて転生悪魔になった。
当時は2人とも茫然自失状態だったから、あっさりと部長の誘いに乗っていた。…いいのかなぁとは思うものの、2人によると神様の死を知っている時点で異端者扱いだったからしょうがないそうだ。聖剣を返却する時に教会から相当にショックの大きいことを言われたそうだし。
ちなみに、ゼノヴィアさんが戦車。イリナさんが騎士の駒だ。悪魔にはなったけど2人ともまだ聖剣を扱えるらしく、イリナさんは木場君の聖魔剣を借りて、ゼノヴィアさんは自前のデュランダルを使う。
これでグレモリー眷属は悪魔に大ダメージを与える聖剣使いが3人も所属している事になり、高い不死性を持つフェニックスさんにも有効打を与えることが出来るというわけ。でもこれって反則にならないのか?
「また、やっていたのか」
「喧嘩するほど仲が良いんだ」
「違うわ!」
「違うわよ!」
ゼノヴィアさんの疑問に答えたら部長とレイナーレから一斉にツッコミが飛んでくる。ほら、息ピッタリ。
まあ、そんな事は後にして、これでやっと全員が揃った。
これでやっと始められると言うものだ。ポルコを抱えて立ち上がる。
「じゃあ、始めよう!」
「なんでこんなに元気なのよ…。大体、何で私たちまで…」
「代わりに店を直すでしょう? でも、ヴァルブルーは何でこんなに元気なのかしら。プール開きなら解るのだけれど…。まずは掃除よ?」
「掃除が趣味なんでしょ。清掃員にでもしてやれば?」
何か部長とレイナーレに酷いこと言われてる気がするが気にしない!
大体、こやつらはプール掃除の楽しさが解っておりませんね。タワシとブラシでするホッケーの楽しさを。
それに…
「学校行事みたいなのに参加できるのは初めてなんだから良いでしょ? ね、早く行こう」
「ちょっと、引っ張るなっ」
「お、落ち着きなさいって、ヴァルブルー」
プール掃除ホッケーで大勝利を収めた私は…
「イセリア大丈夫か? 大分やられてたけど」
「あはは、集中攻撃だったからね」
男子2名が何か言ってるけど聞こえない。勿論私の大しょ…
『伝説のヴァルキュリア人はホッケーが雑魚と…』
「ま、負けてないぞっ! あ、あれはちょっと多勢に無勢過ぎただけだっ。大体、タワシを増やすのは卑怯だっ」
ドライグめ…! 私が派手に転んでるとこ見て爆笑して…!! いつか絶対復讐してやる!
大体、そこの男2人も見てないで援軍に入ろうよっ!
「言い訳は見苦しいわね、イセリア」
「そうそう、おっぱい魔人ってばなッさけないわ~」
う、ウゼェ…。ここぞとばかりに攻めてくるんですけどこのダ天使達。
クケケケッと私の周りで笑うダ天使達に構わず、
「いきますわよ~!」
飛び込み台に立った姫島さんが魔方陣をプールの上に展開させると、そこから水が滝のように流れ込んだ。
いいなぁ、まるで魔法みたいだ。便利だなぁ…。
「ほら、さっさと着替えるわよ、ヴァルブルー」
先ほどのホッケーでいい笑顔で集中砲火した部長が微笑みながら私の腕を引っ張る。
思わずムスッとしてしまうのは仕方がないだろう。
「せっかくのプールなんだからむくれないのっ」
「お子ちゃまですね」
「…くっ」
塔城さん、相変わらずひどい。心に刺さったよ、言葉のナイフが!
◇
皆様。夏といえば何を思い浮かべますか?
青い海、青い空、輝く太陽、砂浜、花火、浴衣、色々とあるでしょう。しかし、私見を語らせていただきますと、夏において最も思い浮かべるもの、それはMIZUGI! 夏の空気に開放的にされた女性達はその肢体を下着のような薄布のみで守るのです!!
けしからん! ほんっとうにけしからん!! 一秒でも長く、脳内メモリーへと焼き付けねば!!
『…相棒、目が皿のようだぞ。というより血走りすぎて恐ろしいぞ』
「ええい、ドライグ!! もうムッツリモードなんてやってられるか! 俺は素直になるぞ!」
『……』
ふんすふんすと鼻息を鳴らすと、それ以上ドライグはつっこんでこなかった。
だってしょうがないだろ! 水着だぞ水着!
「いつにもまして変態ですね、ドラレッド先輩!」
おおっと! いきなり毒舌をかましてくれたのはエントリーNo1、塔城小猫ちゃん。なんとスクール水着で登場だぁ! 胸には”こねこ”と名前を書かれており、元浜がいたらこのロリコンどもめ! となること間違いなし! そして、…うむ。今日もチッパイ!
「どこを見てやがりますか」
「アベシッ!? めが、目が~!!」
小猫ちゃんの指が俺の目に突き刺さった…! あれ? デジャヴ?!
「フッ…私の勝ちっスね…!」
「む…。まだ勝負は着いていない…!」
小猫ちゃんに喧嘩を売る声。
続いて現れたのは最近知り合った3人娘の1人にして、家に住み着いた金髪の堕天使ミッテルト。普段着はゴスロリだが、今日はなんと黒いビキニで登場だ。
しかし、何かな。この気持ち。そうだな、精一杯背伸びしたんだな…。でも、でもだな。お前のチッパイにはその水着は荷が勝ちすぎるぜ…。小猫ちゃんと比べてもそりゃドングリの…
「ゴラァ! 何だその目はァ!!」
「アベシッ!? めが、目が~!!」
ミッテルトの指が俺の目に突き刺さった…! あれ? デジャヴ?!
いかん! このままチッパイが続けば俺の目がやられる…!
「もうっ! ミッテルト様、早いですよ~」
「アーシアが遅いだけっすよ」
おおっ、最近知り合った3人娘の1人、アーシアだ。なんと、彼女もスクール水着。ミッテルトと違って普通の水着に身を包んでも問題ないと思うが、スクール水着も似合っている。金髪スク水! 胸の”あーしあ”もポイント高いですよ、アーシア選手!
「うふふ私の水着、どうかしらドラレッド」
「おおっふ! いや、めっちゃ似合ってますよ、姫島先輩!」
次に現れたのは姫島先輩。黒い髪と対照的な白い水着が眩しいです。というか、そんな凶悪なプロポーションでそんな布面積の小さいビキニ水着はけしからん! 実にけしからん!
「アベシッ!? 目が、目がぁあああ!!」
「他の女に色目使ってんじゃないわよ、赤龍帝」
何時の間にか現れていたレイナーレの指が俺の目に突き刺さった…! あれ? デジャブ?! コピペ?!
「って、いきなり現れてなにすんだ!」
「アンタがアホ面晒してるから潰しておいたほうがいいと思ったのよ」
「っんな?! 男だったらアホ面しちゃうね! 普通のことだからな! なっ! 木場!」
「う、う~ん。そうだね」
レイナーレとほぼ同じタイミングで表れていた木場に同意を求めても微妙そうな表情で頷かれた。いや、男なら同意しろよ! …それにしても、何故おまいはビキニタイプの水着なのだ。身の危険を感じるじゃないか。
レイナーレの水着は藍色のモノキニ水着。へその見えるタイプで意外と布面積は大き目だ。意外すぎる、意外すぎるぜ。もっと痴女みたいに露出してくるとばかり…。
「何よ、その目。ま、見せる相手もいないし、この位が丁度いいのよ」
俺の視線に気付いたのかレイナーレがそう説明してきた。
なるほろ。女の子って見せる相手がいると、もっと露出が多くなるのか。…なら、ならイセリアは一体どうなってしまうのでしょうかっ!?
「みんな早いわね」
おおっ! 我らが部長が登場だ! 髪の色に合わせた紅いビキニが眩しいぜ! 滅茶苦茶似合ってる! 布面積が少なくて、下乳見えてるってレベルじゃねーぞ!
「どうかしら、ドラレッド?」
「完璧ッス! 似合いすぎです部長っ」
「ふふ、ありがとう」
おお、凄い! なんと言う女性陣たち! ここレベル高すぎだろ! 大中小様々なおっぱいたちが並ぶこの光景。壮観な眺め!
「おまたせっ。どう、イッセー君!」
そしてさらに現れる中おっぱい。イリナ選手の登場だ。
膝に手を着いて胸を強調するポーズを取りながら、右目を閉じてウィンクしている。
神様が死んでいることを知り、教会から追放された時は見ていられないほど落ち込んでいたけど、今ではすっかり立ち直ったな。
「おおっ、似合ってるぜ、イリナ」
「む、なんだか反応うっすいなぁ~」
うむ、イリナにはこう言っているが、かなり良いぜ。
薄い水色の水着は似合ってる。フリルがイリナの天真爛漫さを現してる感じだ。
ところで、イセリアは何処に行ったんだ。そろそろ出てきてもおかしくないよな。
「ぶひっ」
「む、豚か…」
「ぶひぶひっ!」
「あいたっ! 何すんだよポルコ」
イセリアではなく何故かハネブタのポルコが現れた。しかも俺の足をぺちぺちと叩いてくる。
全く、イセリアがいなかった間は俺が世話してやってたのに全然なつかねーな。何度とんかつにしてやろうと思ったことか。…ん? よく見れば金太郎着てやがる、この豚。
「似合ってるだろう、私が作ったんだ」
「おわっ! いつの間に背後を…?!」
「油断大敵だ」
「おっぱ…!」
いきなり現れて俺を後ろから抱きしめるイセリア。いや、羽交い絞め?!
なん…だと…!? 夏は女を大胆にすると言うが、ここまで大胆…だと…?! そして背中にムニュっと柔らかい何かが当たっている…だと…?! 何故か体が浮いている…だと…?! 視界が回っている…だと…?! プールの水面が見える…だと…!?
「必殺! 飯綱落とし!」
「どわああああぁああ!!」
プールにドでかい水柱を立てて俺たちは着水した。
うおぉおお! 吃驚した!? ていうか、よく無事だったな俺っ! ってこれはイセリアのオーラか。これで無事に突っ込めたわけか。良かった。って良くないわ!
「こらっ! あぶなっぶふ!」
「ふふっ、吃驚した?」
注意しようとしたら顔面に水鉄砲攻撃を受けてしまった。
こ、こやつめ…! 嬉しそうに笑いやがって。可愛いじゃねーかこんちくしょー!
水着は何時ぞや夢で見た白いパレオつきビキニだ。俺、予知夢に目覚めたのか?! ただ、長い髪を纏めてて白い項が見えて新鮮で魅惑的だ。何時のも赤いネックレスが白い胸元にあってさらに映えている。
最近暗い表情が多かったから、こんな全開笑顔は久しぶりだな。全く、プールは最高だぜ。
「ほらっ! 部長達も早く!」
「きゃ! イセリア落ち着きなさいったら、もう!」
俺が見蕩れてぼおっとしてる間に部長達に水をかけてるイセリア。
両手で水をかける度にポヨンポヨンと揺れるおっぱい。そして、それをガン見する俺と小猫ちゃんとミッテルト。
いかん! 小猫ちゃんたちからどす黒いオーラが! チッパイパワーでイセリアの乳を狙ってやがる!
「何見てやがるっ!」
「妙な目で見ないでください」
「飛び蹴り、ダブルッ?!」
小猫ちゃんとミッテルトの飛び蹴りが俺の腹筋に直撃…!
普通に痛いですごめんなさい!
「全く、ガキねぶふッ!!?」
「隙ありっ!」
「隙あり、…じゃないわよ!! あっ、待ちなさいよ!!」
おお、イセリアとレイナーレの追いかけっこが始まってる。というか、こっち来て俺と小猫ちゃんとミッテルトを中心にくるくる回ってる。
おっぱいが、俺達の周りを回っている…! そして、そこに現れる新たなおっぱい。部長おっぱいだ。その手にはサブマシンガンクラスの大きな水鉄砲だ。
「さっきの仕返しよ、ヴァルブルー!!」
「ふあっ! ぷあ! ず、ズルい!」
「ずるくないわ! 準備の差よ!!」
「ちょっ! 私まで巻き込むんじゃないわよ!!」
流石のイセリアもこの攻撃にはたじたじだ。
俺たち3人はポヨンポヨンと揺れる3対のおっぱいに釘付け。小猫ちゃんとミッテルトは世界の無常さを嘆いていた。
しかし、さらにそこへ追い討ちをかけるように現れる新たなおっぱい。この中で最強の姫島先輩おっぱいだ。部長と同じく水鉄砲標準装備していやがる。
「いきますわよ~」
「わっ! お、 って、何で私を狙うのよ!」
「あら、間違ってしまいましたわ。…さらにもう一発!」
「ぷあ、あ、明らかに狙ってんじゃない、この小娘が!」
「うふふふ」
姫島先輩はレイナーレ狙いのようだ。
というか、さっきから流れ弾が俺の顔面に直撃し入るのはわざとじゃないですよね? なんか流し目でロックオンしてるように見えるのは気のせいですよね?
「そうそう、そんな感じよ」
「がんばって、小猫ちゃん!」
「ぷはー…」
アーシア、小猫ちゃんはちょっと離れたところでイリナの指導で泳ぐ練習をしてるようだ。木場はこっち側にいたからレイナーレが姫島先輩から逃げる際の盾代わりにされてる。
ちなみに、俺もイセリアの盾代わりになってるぜ。男は辛いぜ…。だが、盾にされるたびに胸が背中に当たって動けん…! なんというトラップ! 男の本能を刺激して俺の動きを封じるとは、イセリア、おそろしい子…!!
「あー、耳に大量の水が…」
イセリアたちの遊びに一旦収集が着き、木場がドザエモンとなり水面に浮いた頃。
泳ぐ練習で一生懸命なアーシアと小猫ちゃんのために、俺は自販機で飲み物でも買ってこようとプールから出ていた。決して木場の二の舞になりたくなかったからではない。決して。
「兵藤一誠」
「? ゼノヴィアか。何やってんだ、こんなとこで。みんなもう遊び始めてるぜ」
「水着を着るの初めてだったからな、手間取ってしまったんだ」
用具室の前を通る時、物陰からゼノヴィアが現れた。
部長達ほどではないが中々セクシーなビキニタイプの水着だ。メリハリのある体がハッキリと強調されている。てか、幾らなんでも着替えに時間をかけすぎじゃないか? そんなに難しいのか、水着。
「兵藤一誠、少し良いか?」
「別に良いぜ。あと、俺の事はイッセーで良いよ」
「そうか、解った。では、イッセー。ちょっとこっちに来てくれ」
ゼノヴィアに導かれるまま、用具室に入る。
ゼノヴィアは俺が部屋に入ると同時に電気をつけ、さらに、何故か用具室の扉を後ろ手で閉じた。
何だ、この虎穴に入った兎のような気持ち。何が起こってんだ?
「貴方に折り入って頼みがある」
「え? あ、ああ、俺に出来ることなら何でもするぜ。仲間だしな」
「ん? 今何でもと…?」
「あ、やっぱ無しで」
ゼノヴィアの目がキュピンッ! と光った瞬間、言いようの無い悪寒が背中を走った。
何だ、このライオンの檻に入った豚が抱くような恐怖は…?!
「男に二言は無いのではないのか?」
「い、いやぁ…、出来る事だけだから…!」
「そうか。何、簡単な事だ」
なん……だと……?!
おもむろにゼノヴィアは自らの水着のブラを取り払った!?
水着によって隠されていた神秘の乳房が露になる。ピンク色の綺麗な乳輪、神に仕えていたゼノヴィアの、まだ誰のものでもないと思われるそれが俺の目の前に…!?
何だこれは、一体何が起こっているってんだ…!!?
「イッセー。私と子作りしよう」
―――――。
…え、なんだって?
「What did you say? I don’t understand」
「何故急に流暢な英語で…。…ふぅ、もう一度言うぞ。イッセー、私と子作りしよう」
………ん、んん?
――イッセー、私と子作りしよう。
…なんだ。幻聴か…? 最近色々起こっているからなあ。コガビエルとか白龍皇とかほんとハチャメチャが押し寄せてきてっから、オラの耳が可笑しくなっても仕方ねぇぞ。
『…相棒、早く戻って来い! 危険だぞ、これは確実に死亡フラグだ…!!』
「どうした、ドライグ。俺なんか疲れてるみたいでさぁ、耳が可笑しいんだ。なあ、ゼノヴィア。悪いけどもう一回言ってくれねぇか?」
俺の言葉に一つ頷くと、ゼノヴィアは再度告げた。
「私と子作りしよう」
………幻聴じゃ無かった!!
子作りってアレですか!? ”ピーー!!”で×××で○○○なアレですか?!
「いやいやいや!!?? 可笑しいだろ、何言ってるんだよ!? ……ハッ! まさか新手の神器か?! 俺たちは今、攻撃を受けてい―――むがっ!!??」
「こら、大きな声を出してはいけない。気付かれてしまう」
叫びながら周囲の警戒を始めた俺の口をゼノヴィアの手が塞ぐ。
「順を追って話そう」
真剣な眼差しで俺を見つめたまま、ゼノヴィアは語りだした。
キリスト教の本部ローマで生まれ育ち、聖剣を扱う因子を持っていた事から幼少の頃より神と宗教のためにその身を捧げていたことを。今までの夢と目標が全て神のためになると信じて生きていたことを。
しかし、神の死を知り、悪魔となった今。ゼノヴィアは目標と夢を見失ってしまった。
「そ、それが、どうしていきなりこうなんだよ…! というか、胸をしまえっ」
「そういいつつ、しっかり見ているじゃないか」
「みたっていいじゃないか、にんげんだもの。いっせー」
「まあ、とにかく。今まで禁じていた女の喜びを、私は知りたいんだ。部長も言っていたしな、悪魔は欲を持ち、欲を叶え、欲を与え、欲を望むもの。好きに生きろと。だから、私は…」
一歩ゼノヴィアが俺に近づき、俺は一歩後ろへ下がる。
だが、ゼノヴィアは俺が下がるたびにさらに距離を詰めてくる。
「子供を生んでみたいんだ。同時に、男も知りたい。…もう一度言う。イッセー、私と子作りしてくれないか?」
「―抱いてくれ。イッセー…」
う、上目使い…! 俺の胸板に、おっぱいが…?! ピンクのボッチが?!
くぁwせdrftgyふじこlp!!
『相棒! しっかりしろ!!』
『まあ、DTだものね。ヘタレても仕方ないわよ。でも女にここまでされて混乱なんて本当にヘタレね』
『コラ! エルシャ!! 相棒が気にしていることを…! 幾ら相棒がDTだからって本当のことを言うんじゃない!!』
おのれら、人の中で好き勝手言いやがって…!! だが、助かったぜ。お蔭で正気に戻れた。あのままだったら俺は欲望のままに襲い掛かってたとこだった。
ゼノヴィアの肩に両手を置いて、俺からその体を離す。
「お、お、おおおんなの子がそんなこと言っちゃダメなんだにょ! か、かかかからだを大事にしなきゃ」
『ダメだこりゃ』
「私では不服か? これでも女性としてそれなりに自信があるのだが…」
「いやいやいや!! すっごい魅力的だって、もう直ぐに飛び掛りたいぐらいに! で、でもおま、俺彼女いるし! それに俺もお前も17歳くらいだろ! 早すぎでしょ!!」
「早すぎると言う事は無いだろう。悪魔の出生率は低い。イッセーは人間で私は悪魔。時間的にも早く種を仕込まなければ間に合わなくなってしまうかもしれないからな」
何、この子?! 大胆通り越してるでしょ!! どういう教育受けてきたんだ、教会は聖書じゃなくて性書でも読ませてんのか!?
「普段イセリアにしているようにしてくれれば良いんだ。何、愛は要らない。子作りの過程をしっかりしてくれれば問題ないさ」
まだイセリアとコンバインしてませんけどっ!?
愛が要らないって、愛などいらぬぅ!! ってことですか?!
そんな愛の無い子作りなんていけませんっ!
『何イッセー? 愛の無いセ○○スは嫌? イッセー。それは倫理に執着しているからよ。逆に考えるのよ。「この女を練習台にして捨てちゃってもいいさ」と考えるのよ』
『外道か己は!?』
いや、ダメでしょエルシャさん! ドライグの言う通りだよ、外道ですかアンタ!?
―ガキッ!! ドグシャ!!
歴史的瞬間。すごい勢いでドアが吹っ飛ぶのをみた俺。グレネード爆弾でも喰らったんじゃないかというほど、金属で出来たドアは俺たちの眼前を飛んでいった。
いやあ、ドアって空を飛ぶんだね。初めて知ったぜ。
壁に突き刺さったドアは、まるで車に潰されたアルミ缶の如くペッチャンコ。壁はコンクリートが吹っ飛び、周囲に粉塵が舞ってる。
「何をやっているんだ? 楽しそうだな、私も混ぜてもらえるか?」
ドアが飛んで来たと思われる入り口には蒼い炎の魔人が君臨していた。
…ちょっぴり漏らしそうです。何時ぞやと同じようにイセリアの怒りのゲージは振り切れてしまっているらしい。
あ、これ死んだわ。
「…まったく。ジュースを買いに行ったきり戻って来ないと思ったら」
ム?! 思ったより怒ってない!?
溜息を付いたイセリアのオーラは静まり、蒼い炎の壁で見えなくなっていたイセリアの姿が現れる。
そして、そのイセリアの後ろにはレイナーレたちや部長達の姿も。小猫ちゃんたちの蔑む視線が心に突き刺さるよ! どんどん刺さるよ!
「ゼノヴィア」
「あ、ああ」
呼び捨てでゼノヴィアを呼ぶイセリア。やっぱり怒ってる?!
「イッセーに手を出したくなる気持ちは解る。だが、イッセーの首元を見るがいい」
何故かドヤ顔で語るイセリアの言葉に、全員の視線が俺の首元へ。
そこには勿論、以前イセリアに貰った蒼いネックレスがかけられている。
「そう。私が送ったネックレスだ!!」
勝ち誇った顔で腰に手を当てて仁王立ち。ふんすと鼻息ひとつ。
……うん。それで何なんだ?
『あれじゃないか、イセリアの故郷での文化じゃないか』
何か投げやりなドライグ。なんだろうな、この雰囲気。
一気にギャグ空間というか、ぽわぽわした空気は。普通ここは昼ドラみたいなドロドロした空気じゃないの?
「え? アレ?」
「ヴァルブルー、ペアルックということ? それとも、貴方の暮らしていた所では何か他に意味があるの?」
周りの無反応にキョロキョロしだすイセリア。
見かねた部長がイセリアに助け舟を出した。
「はっ! まさか文化の違い!?」
「…はぁ、戻りましょう。何だか疲れちゃった…」
「ああっ! 待って!!」
ガビンと体を震わすイセリアを置いて、皆さん解散である。イセリアはそのみんなの背を追いかけていった。
酷い! いくら天然だからって、最後まで付き合ってあげようよ! 話を聞いてたげてよ!
「…も、もどるか」
「う、うん。そうだな」
性欲? 何それ美味しいの? な空気に当てられた俺たちは部長達の後を追うのだった。
捏造設定
~ネックレスをあげる事~
イセリアの故郷、ヴァルキュリアの島では女性に対し男性が少ない。それゆえ、嫉妬深い女性達の争いによって島は何度も滅びかけている。
そのため、ヴァルキュリア人たちは滅びを防ぐために”ネックレスを身につけている男性に手を出してはいけない”という鉄の掟をつくり、意中の男性に自分だけの形のネックレスを送るようになった。
ちなみに手を出した場合は島中のヴァルキュリア人によってリンチされる。