勇者さんのD×D   作:ビニール紐

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とあるキャラが超強化されます。ちなみに勇真、ルミネアでありません。


第10話

 

 

 

予想通りで予定通りに三すくみのトップ会談は和平反対の勢力に襲われた。

 

まあ、当然であろう、千年単位で争っていた者が急に手を取り合おうとすればこうなる、そう、過激な行動を起こしてでも止めたい者達はいくらでも出て来る。

 

何故なら手を取り合おうとする種族が天使、堕天使、悪魔とことごとく長命種族なのだから。当事者であり戦争で敵対者に家族を殺された者、友を殺された者、恋人を殺された者、全てを失った者、それが山の様に生き残っているのだから。

 

何故、仇と手を取り合わねばならない? そう思って当然なのだから。

 

そして、そんな者達を利用し、従え、力を得た旧魔王派は今日、三すくみのトップ達を抹殺し、冥界をその手に収めようとしていたのだ。

 

 

 

「お兄さま、私が責任を持ってギャスパーを助け出しますわ!」

 

リアスはその美しい紅髮を揺らし、兄である魔王サーゼクスに志願した。

 

現在、駒王学園を中心に時間が止まった空間が展開されている、それはギャスパーが敵の手に落ちたからであった。

 

これはギャスパー彼の神器『停止世界の邪眼』(フォービトゥン・バロール・ビュー)を襲撃者が強制的に禁手させる事によって作られたモノ、つまりは眷属を敵に利用されたリアスの落ち度である。

 

それゆえ彼女が責任を持ってギャスパーを助けると言っているのだ。

 

まあ、情が厚い彼女の事だ、実際の所、そんな事は関係なく大事な眷属を助けたいだけかも知れない。

 

それはイッセーも同じだった。彼は大事な後輩を助ける為、大事な主を守る為、リアス同様救出作戦に志願する。

 

そして二人は魔王サーゼクスの力を借り、部室にあるリアスの戦車の駒とキャスリングする事で、直接、ギャスパーの元に乗り込もうとしたのだ。

 

 

 

まあ、それは失敗するのだが。

 

 

 

 

「あ、あの〜、何をしているんですか?」

 

ダンボールが……否、ダンボールに隠れたギャスパーが恐る恐る問い掛けた。

 

「調べている」

 

ギャスパーに問い掛けられたのは二メートルを超える大男だった。彼は宣言通り、ごそごそと、旧校舎の部室の机を調べていた。

 

それは今から数分前の事だった、ギャスパーと小猫がいきなり現れたローブ姿の魔女たちに拘束されてしまい、ギャスパーが神器を強制的に禁手状態にさせられてから少しした時、ふらっと “ヘラクレスと名乗る大男” が現れると何をしたのか、魔女達までギャスパーの能力に晒され停止してしまったのだ。

 

彼は拘束されていたギャスパーを解放し、それからは一心不乱に何かを探している様だった。

 

ちなみに、小猫もギャスパーの能力でパンツ丸出しの逆さ吊りで停止させられていたりするが劣情を抱いたりしない大男は余裕を持ってスルーした。

 

「だ、だから、何をしているんですか?」

 

「調べている」

 

「そこはリアス部長の机なんですが!?」

 

「俺はヘラクレスだ、問題ない」

 

「他人の家に忍び込んでモノを盗んでいいのはゲームの中の勇者だけですよぉ!」

 

「俺は勇者だ、問題ない」

 

「ああ、ダメだぁ、会話が通じないよぉ、この人怖いよぉ、小猫ちゃん僕はどうしたら!?」

 

ギャスパーはダンボールから上半身を出し、必死に小猫を揺すって起こそうとする……まあ、揺すって治る時間停止なんて聞いた事がないが。

 

そんな事をギャスパーがしている内に、大男は一つの、宝石箱の様なモノを見つけ出した。

 

彼が箱を持つと電流が流れた。盗難防止機能だろう。しかし、それも大男が箱にデコピンしただけでなくなってしまう。

 

そして、大男は宝石箱の蓋を開いた。

 

「あった」

 

「ああッ! それは部長の未使用の悪魔の駒ッ!」

 

「ラン……ヘラクレスは悪魔の駒(騎士と戦車)を手に入れた」

 

そう言って大男は無造作に空間に穴を開けるとにポイと悪魔の駒を放り込んだ。戦車の駒が恨めしそうな光を放ったが、もちろん無視、そんな恨めしそうな光も空間が閉じれば見えなくなった。

 

そして大男は無言で部室を出て行こうとする。

 

「ああ! ダメですぅ、行かせません! 返してくださいッ! それは部長の大切なモノなんですッ!!」

 

それを、勇気を出してダンボールから完全に飛び出したギャスパーが両手を広げて通せんぼする。

 

つい数日前まで、いや、今ですら半対人恐怖で引き篭もり彼からすればそれはとんでもなく勇気が要る偉業だった、きっと、眷属の誰かが見ていれば心の底から褒め讃えただろう行動だった。

 

しかし、そんな彼の勇気も虚しく、大男が指を鳴らすと金縛りにあった様にギャスパーは動けなくなってしまった。

 

で、大男はギャスパーの横を悠々と通り、部屋から出る直前、振り返ると……。

 

悪魔の駒(それ)を捨てるなんてとんでもない」

 

と、言って無駄にカッコ良く親指を立て、ギャスパーの健闘を讃え姿を消した。

 

「捨てるんじゃなくて返して下さいぃぃぃッ!!」

 

ギャスパーの悲しい叫びが旧校舎に木霊した。

 

これが、後々までリアス眷属を苦しめる悲しい敗北の1ページである。

 

 

 

 

 

 

「勇真、どこに行っていたんだい?」

 

「避難誘導だ。それと私は勇真ではない、へ……ランスロットだ」

 

「またかい?」

 

「ケッ、遅えんだよ」

「遅れてごめん、だけど、俺を気にせず先に行ってやられてくれても良かったのに……と勇真はきっと言う」

 

「うぜぇ……で、どうするよ、曹操は旧魔王派どもの死体を持って来いってたが、まず何奴から殺る?」

 

「他人に意見を聞く前に、まず自分で考えて意見を言ったらどうだ……と勇真はきっと自分を棚上げにして言う」

 

「コイツ、マジうぜぇッ! てか、なんだよその口調! ふざけてんのか!?」

 

「ふざけていない、ランスロットにふざける機能はついていない。だがきっと勇真ならば……はぁ、これだから自称ヘラクレスは、と溜息を吐く可能性がある」

 

「やっぱり、ふざけてるじゃねぇか!? あと自称じゃねぇよッ! 自称はお前だろッ!」

 

「ランスロットは自称ではない。私の本名、生まれた時に与えられた真の名前だ」

 

「まさか、勇真はランスロット卿の魂を引き継いでいるのかい?」

 

「魂を引き継ぐ? 自称ヘラクレスじゃないんだから妄想も大概にしなよ、と勇真は思うが、面倒くさい事になりそうだから口にしない、とランスロットは思う」

 

「口に出してるじゃねぇかッ!」

 

「勇真は口に出していない、私はランスロット」

 

「うぜぇぇぇぇえッ! コイツぶっ殺してぇぇッ!!」

 

「落ち着け、自称ヘラクレス」

 

「テメェも乗ってんじゃねぇよ!?」

 

「いや、実は前々から僕も魂を引き継ぐの意味が分からなくて……自称ヘラクレスはヘラクレスの血を引いてないんだろう? 前世の記憶もないって言ってたし、なんでヘラクレスを名乗ってるんだい?」

 

「記憶と血を継いでないだけだ! 俺はヘラの栄光と呼ばれたヘラクレスの黄金の魂を引き継いでるんだよッ!」

 

「黄金の魂(笑)」

 

「黄金の魂(笑)」

 

「コイツら殺してェェェェッ!!」

 

 

 

 

 

「さて、茶番はもう充分だろうから、本題に入ろうか」

 

そう言って、ランスロットが両掌を胸の前でパンと叩く、すると、唐突にヘラクレスとジークフリートが地面に倒れ意識を失った。

 

「君達は学ばないね、まるで何度言われても夏休みの宿題をやって来ない小学生の様だよ、以前ゲオルクが忠告した、会話に呪詛を混ぜる技術を忘れてたの? それとも首輪で敵対出来ないと思ってた? でも、例え首輪が機能していたとしても、今は旧魔王派の結界の中、ゲオルクもこちらの行動が分からないんだよ? 仲間になったばかりの新入りをもう少し警戒してもいいんじゃないかな?……と、私は、そして多分勇真も思う」

 

そう言ってランスロットは倒れたヘラクレスの背中に触ると、英雄派で知った儀式で手早く神器を取り出し、その身に取り込む。そして用無しとなった彼の心臓を魔法で強化し、治癒不能の呪詛を込めた黒鉄の剣突き刺さし、アッサリ絶命させた。

 

次にランスロットは倒れたジークフリートの背中に手を乗せヘラクレス同様神器を取り出す。しかし、今度はその身に取り込む事はせずに、ポイッと地面に投げ捨てた。捨てた神器は明滅していたが、数秒もすれば空気に溶けるようにこの場から消え去った。

 

 

 

「ジークフリート、君はどうも魔術方面を軽視して警戒を怠る悪い癖がある。けれど、その剣の技量は素晴らしい、そう、技術だけなら君は私の “中の人” に相応しい」

 

すると、ガシャンという音を立ててランスロットの全面が大きく開く、それはまるで怪物が大口を開けている様で、人間に本能的な恐怖を呼び覚ます。

 

まあ、そんな事はどうでもいいと、ランスロットは捕食する様にジークフリートに覆いかぶさった。

 

 

 

そして、十数秒後。

 

 

「さて、名前を変えなければ、ランスロット+ジークフリート……ランスリート? ジークロット? うむ、何か語呂が悪いな、着てるのはジークフリートだからジークフリートで良いか」

 

そこには微妙に型と大きさが違う、新たな黒騎士が一人。

 

彼はマイペースに独り言を呟くと、空間圧縮倉庫から “魔帝剣グラム” を取り出した。

 

「男はやっぱり一刀流、二刀流も三刀流も六刀流も邪道、剣は最強の一本さえあれば事足りる」

 

それを聞いて、魔帝剣グラムが嬉しそうな波動を周囲に走らせる。

 

そして、ラン……ジークフリートはグラムを調子を確かめる様に数回振るうと、自然な動作でいつの間にか作られていた黒鉄の鞘にグラムを仕舞った。

 

「ふむ、いい感じだ身体に馴染む、いや、鎧に馴染むなぁ〜あ、あ、あ、あ〜……初めまして、僕は英雄シグルドの末裔、ジーク。知り合いは『ジークフリート』と、呼ぶけど、ま、好きに呼んでくれかまわないよ」

 

そう、独り言の様に、誰かに、あるいは世界に自己紹介をすると、ジークフリートはのんびり、激戦区へと足を運ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

 




やったね! ジークフリート超強化だよ!(目を背けながら)


Q.グラム売ったんじゃねぇのかよ!

A.売ったと言ったな、あれは嘘だ(他の魔剣は全部売りました)


Q.グラム有るならなんで曹操戦で使わなかったんだよ!

A.魔帝剣グラム→超強いビーム撃てるよ! でも撃つと寿命と体力がゴッソリ削れるよ! 勇真→要らない! 超強いビーム(魔法)無効果されたもん!

聖短剣エクスカリバー→簡単に、運動速度が上がるよ! 簡単に幻術が使えるよ! 簡単に透明になれるよ! 特にデメリットは無いよ! 勇真→要る! だって接近戦だもん!……という心理が働きました。
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