勇者さんのD×D   作:ビニール紐

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英雄派の仲間になった勇真の運命やいかに!


第9話

 

「……何をしてるんだ勇真? ルミネア?」

 

「俺の名前はランスロットだ、長いならランスと呼べ」

 

「私はルミネアじゃなくてエレインですよ! 曹操さん」

 

「…………」

 

それは勇真が曹操の仲間になって(買収されて)3日目の事だった。

 

入って早々、英雄派の幹部となった勇真は、志半ばで倒れた同士達(無理な任務と実験で亡くなりました)が残した(死ぬ前に摘出された)神器、その保管庫から一つの神器を貰って来たのだ。

 

それは『名剣創造』何てことない有り触れた神器で名前の通り、なんの能力も無いただの硬い剣を創る事ができる『魔剣創造』や『聖剣創造』の下位互換の神器である。

 

そして、それを応用すれば盾や鎧も作成可能だった。

 

で、現在、勇真は神器で創り、魔法で強化に強化を重ねた、フルフェイスの黒鉄の騎士甲冑を男女用で合計2体創り出していたのだ。

 

「……勇真、それは裏切る宣言かな? でもそれにしたって、なんでランスロット卿なんだ? 無双を誇った完璧な騎士の名を語るには、君は技量不足だと思うのだが?」

 

「勇真と呼ぶな、私はランスロットだ。何故ランスロットかと言うと鎧が黒いからだ」

 

「黒いからですよ曹操さん」

 

「……そうか、まあ、いい。では何故フルフェイスの鎧を着ている? 身体能力まかせの接近戦も強いは強いが、君は魔法使いタイプだろ? 防御ならあの異常に硬い魔法障壁で事足りる、違うか?」

 

「違う、全然足りない。硬い障壁の下に硬い鎧を着ないと不安だ。というか魔法障壁はつい数日前、お前にあっさり砕かれただろ? ……と勇真は嘆いていた。いや、私はランスロットなのだがね」

 

「……あれはちょっとズル(覇輝)しただけさ、普通だったら俺でも相当手こずるよ……というか、君達いつもと口調も声のトーンも違くないか?」

 

「声質は変声魔法で変えている、口調はランスロットだからな強気にならねば」

 

「……そうか、でもなんでそこまで?」

 

「いや、近い将来ここ(英雄派)を出て社会復帰するにあたり元テロリストとか凄い邪魔な肩書きだろ? 俺は一般人だからそういう肩書き要らないんだ……と、勇真は言っている」

 

それを聞き、曹操が警戒する。

 

「本当に裏切る気か?」

 

「冗談だこれは趣味だ……と勇真は言っている」

 

「そうか」

 

曹操はランスロットの言い分をアッサリ信じた。流石は現代で英雄なんて危篤なモノを目指す人、変なところで常人とセンスが違う。

 

「で、今日はこのランスロットに何用で来た?」

 

「用があるのは勇真になんだけど」

 

「残念だが勇真は永遠に留守だ、代わりにこのランスロットが承ろう」

 

「…….はぁ、まあいい。明日、駒王学園で天使、堕天使、悪魔による会談が行われる、そこに禍の団の別派閥、『旧魔王派』が襲撃を掛ける」

 

「昨日の説明では『真魔王派』じゃなかったか?……と勇真は言っている」

 

「おっと、正式名称はそれだったな、しかし、旧魔王派の方が言いやすくてね、それに彼等が本当に真の魔王と成れるかはかなり疑問だ」

 

それを聞き、ランスロットはこう言った。

 

 

 

「うわー、ザ・五十歩百歩だ。俺も英雄派が真の英雄になれるとか思えないんですけど?……と勇真は言っている」

 

ランスロットの態度に曹操は顔を引きつらせるが、なんとか無視して話を続ける。

 

「その主な襲撃者はカテレア・レヴィアタン、クルゼレイ・アスモデウス、そしてその二人を狙う者がいる……エキドナだ」

 

「エキドナ? あのギリシャ神話の?……と勇真は言っている」

 

 

 

「いや、違う、禍の団の最大派閥『魔獣派』のリーダー【魔獣幼帝レオナルド】の神滅具、『魔獣創造』(アナイアレイション・メーカー)その独立亜種禁手、魔獣女王エキドナだ、彼女は旧魔王派の主力を捕食し、力を上げようとしている、君は、ヘラクレスとジークフリートと共にそれを阻止してほしい……そして、こっそり旧魔王の主力を始末しての死体か、最悪でも大きめの肉片を持ち帰ってくれ実験で使う」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔獣女王エキドナだってね、大変そうだね “ランスロットくん” と “エレインちゃん” は」

 

「そうですね、“勇真さん”」

 

とある南の島でパラソルを広げ、勇真とルミネアはのんびりと砂浜で寛いでいた。

 

「それにしても駒王市は呪われてるのかな? 大丈夫かなぁ、今回の件で滅びないと良いんだけど……出来るだけランスロットくんには頑張って貰うけど話を聞く限りヤバイよね」

 

「そうですね……商店街の皆さんが心配です」

 

皆さんには良くしていただいたのですが、とルミネアが若干暗い顔を浮かべる。

 

「うん、俺も流石に心配だね、魔法で無理やり避難させた方が良いかもね、ランスロットくんにそう指示を出しておくよ」

 

「はい、すみません、私、何もできなくて、先日も人質になってしまい、勇真さんにご迷惑を」

 

「ハハ、また言ってるの? 気にしなくて良いって、それに曹操達は死ぬ程面倒くさかったけど、お陰で楽にルミネアの寿命の問題を解決出来た、今では感謝しているくらいだよ」

 

「いえ、でも、勇真さんは酷いお怪我をしてしまいました」

 

「大丈夫だって、アレは99%自己責任、無理な身体強化で負った怪我だからルミネアは気にしなくていい」

 

「でも」

 

「はいはい、この話はお終い! もっと楽しい話をしよう」

 

「はい……あ、楽しい話じゃないんですが」

 

「ん、なに?」

 

「あの、私と勇真さんに着けられた首輪はどうしてあんな簡単に外せたんですか? 確か、あのゲオルクさんが、『例え、勇真でも君の首輪を外すのに3時間、自身に掛かっている方を外すのには丸一日かかる』って言っていたんですが」

 

「ああ、アレね、確かにゲオルクの読みは正確だね、その通り、魔法だけで解除しようと思ったらそれくらい掛かった、でもさ、首輪の能力に指定条件を破ると爆発する機能がついてたんだよ、これは知ってる?」

 

「あ、はい、聞きました」

 

「これがね、突破口。要するにあの首輪は爆弾だった訳だ。で、前に言ったよね俺の神器の能力」

 

「……あっ! 武器を操る能力ですか?」

 

「そういう事、俺の神器は武器ならなんでも使い手になれる、使い方が分かる。後は楽勝、首輪を外して俺が貰ったばかりのもう一つの神器で鎧を二個創ります、そしたらそれを【魔道人形】変えてそいつに首輪を装着、魔道人形を身代わりに転移で逃げた訳だ、首輪が有るから大丈夫とタカを括ったね、妨害されずにあっさり転移で逃げれたよ」

 

「なるほど、そうだったんですか」

 

ルミネアが関心した様に勇真を見る、その視線がこそばゆく、彼は視線をルミネアから逸らした。

 

「まあ、魔道人形のランスロットくんには契約で俺の九割五分の魔法力と転移を除いた殆ど全ての得意な属性を与えてるからね、契約を破棄するかランスロットくんが壊れるまでは、俺はちょっと強い上級悪魔くらいの力しか使えないんだけど、正直、今襲われるとかなりヤバイ」

 

「それだけ強ければ大丈夫ですよ! それにここなら誰も襲って来ません」

 

「そうだね、遠隔操作機能も切ったし、これで完全に此方の居場所は分からない筈だ、あとは最後に命令した通りにランスロットくんが動いてくれるのを願うだけだよ」

 

 

はぁ、疲れた。そう呟いて勇真は静かに目を閉じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お、俺は嘘はついてねぇ! 前話の地の文で仲間になると決めたと書いたが、3日で裏切らないとは書いてねえぇ! べ、別に感想を読んで展開をか、変えた訳でもねぇッ!

……本当です。
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