リリカルなのはー聖王と魔弾の射手ー   作:ハマトラ

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ホルクの説明

本体はあくまで穹が身に着けている指輪(外見はワールドトリガーの空閑の黒トリガー)の為、本体から離れて行動する際は小型ビットの役割の分身体(チビホルク)を飛ばす。
ユニゾンデバイスではなく、デバイスに内蔵されたマスター(穹)をサポートする魔法生物(使い魔のようなもの)。
穹の『魔弾の射手』はホルクの補助魔法『門印(ゲート)を用いたもので他に『強印(ブースト)』『弾印(バウンド)』『鎖印(チェイン)』『転印(テレポート)』が存在し、これらはホルクに内蔵された補助魔法である為、ホルクからの承認がなければ使えない。


第13話 八神穹③

穹はヴィヴィオに引っ張られながら図書館に来ていた。

ヴィヴィオが向かう先の机には黒髪の少女と銀髪の少女が座っていた。

 

ヴィヴィオ「二人共ごめん!じゃあ改めて、春休みに知り合ったお友達の穹君♪」

 

穹「…………えっと、八神穹だ。黒髪の方がリオで銀髪の方がコロナ、であってるかな?」

 

リオ「うん!改めて、リオ・ウェズリー!よろしく!!」

 

コロナ「コロナ・ティミル、コロナでいいよ。よろしくね、穹君」

 

穹は同年代と話すの機会は滅多になかった為、内心不安だったが二人は友好的でホッとしていた。

 

穹「そうだ、それと………」

 

穹が右手を出すと指輪が光り、額に宝石のついた鷹が現れた。

突然の登場にすでに知っているヴィヴィオはともかく、リオとコロナは驚いていた。

 

ホルク『驚かせてすまない。私はホルク、穹のお目付役だ。』

 

リオ「すごい!穹もデバイス持ちなんだね。私のはこの子。名前はソルフェージュ、愛称はソル!」

 

『はじめまして』

 

コロナ「穹君はどこでヴィヴィオと知り合ったの?」

 

この質問には穹もヴィヴィオも口を濁してしまった。

実は元裏社会の殺し屋で管理局に捕まっていたなど口が裂けても言えないからだ。

 

穹「…………俺はある次元犯罪に巻き込まれて、管理局に保護される前の記憶が無いんだ。覚えてるのが名前とホルクのことだけでな、その時話し相手で連れてこられたのがヴィヴィオだったんだよ。」

 

穹は八神家に引き取られた時の文面上の自分の立場を思い出し、書かれていたことをそのまま口にした。

 

コロナ「えっと……その………」

 

穹「謝ることはない。両親はその時亡くなったみたいだけど、引き取ってくれた八神家の人達にはよくしてもらってるしな」

 

リオ「さっきから気になってたけど、八神って………」

 

その時、穹のデバイスに通信が入ってきた。

通信を開くとすぐ目に入ったのが書類の山、そして半泣き状態で画面にしがみつくはやての姿だった。

 

リイン『はやてちゃん!まだ始末書片付いてないですよ!!!』

 

はやて『ええやん!せめて画面越しでも息子の顔見たい思うやろ!!』

 

その場の全員が突然のことに呆然としていた。

 

穹「…………えっと、リイン姉さん?これは一体……」

 

リイン『はやてちゃん、今朝の事件で次元犯罪者達諸共倉庫区画の一部を吹き飛ばしちゃったですよ。それでさっきまでナカジマ三佐とクロノ提督のお説教受けて、大量の始末書に埋め尽くされてるところなのです。』

 

今朝の発狂具合からして、次元犯罪者がただではすまないことは八神家の全員が想像していたが予想を遥かに上回った被害を被っていた。

 

はやて『せやからってこの始末書の量はないやろ~!これじゃ今日家帰れへんわ!』

 

穹「………母さん、自業自得。わかったよ、姉さん達に相談して夕食はこっちでなんとかする。」

 

リイン『お願いするです~』 

 

はやて『待って、リインお願いやからもうちょっと待って!?後生やから───』

 

通信はそこで遮断された、おそらくリインが強引に通信を切ったのだろう。

 

穹「……………悪いけど、さっきの見なかったことにしてくれるか?」

 

三人は無言で頷いて母の情けない姿に穹は頭を抱え、ため息をついた。

 

穹「折角呼ばれて悪いけど、早めに帰らせてもらうよ。リオ、コロナ、ヴィヴィオ、また学校でな」

 

三人に別れを告げて、穹は早めに帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ホルク『どうだ?初めて学校に行った感想は?』

 

穹「正直、不安しかなかったな。けど、知った顔もいるしリオとコロナも信用出来そうだし、なんとかなるだろ」

 

ホルク『…………だが』

 

穹「その先は言うなよ、まだ大丈夫だろう?『連中』は関わってる案件で第30管理世界に行っている。その案件もかなり時間を要するって話だ。まだ時間はある、その間に出来るだけ思い出を残しておきたいんだ。後悔が無いように」

 

ホルク『後悔、か。そうだな』

 

穹「俺、八神家に引き取られて良かったって思ってる。母さんもリイン姉さんもヴィータ姉さんもシグナム姉さんもシャマル姉さんもアギト姉さんもザフィーラ兄さんも、そしてホルクも俺の大切な家族だ。だから、せめて最後まで黙っておきたいんだ。……………粛清で俺が殺されることになってもな」

 

穹は自分では気付いていないだろうが、その手は震えていた。

自分で選んだ道、だからその選択に後悔はない。

しかし、死の未来が過ぎるとその時をつい想像してしまう。

元裏社会の殺し屋といえど、まだ10才の少年である。死に対して恐怖を抱かない筈がなかった。

 

ユウ「悩んでるな、少年!」

 

穹「!!!!!」

 

突然後ろから声をかけられて慌てて振り向くと、あの日自分が拘束された時に見た男、ユウ・キリサキがぼんち揚げ片手に立っていた。

 

 




魔法『魔弾の射手』

穹がホルクの門印を用いて使う転送系攻撃魔法。
あらかじめいくつかの位置を指定、そこを転送座標に設定して銃座にする。
あとは銃口に分かりにくいように門印を張り、銃座に向けて引き金を引くことで弾は門印を通って銃座から射出される。
有効範囲はその銃の射程内に限られている。
高度な空間演算能力と空間把握能力が必要となり、穹は3年間で今の精度まで引き上げている。

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