リリカルなのはー聖王と魔弾の射手ー   作:ハマトラ

15 / 64
ワールドトリガー風のあだ名考えてみました。

シグナム 戦闘狂いのターミネーター

ヴィータ エターナルロリータ

シャマル ドクター腐女子


第15話 ノーヴェ・ナカジマ

穹がシャワーを浴びて戻ると、ザフィーラが録画映像を見ていた。

 

穹「ザフィーラ兄さん、何見てるの?」

 

ザフィーラ「穹か、教え子に見せる為に用意したものだ。」

 

映像はリングの上で魔法と武器と拳をぶつけ合っていた。

 

穹「魔法競技?」

 

ザフィーラ「D.S.A.A、公式魔法戦競技会。インターミドル・チャンピオンシップの試合映像だ。」

 

穹「インター……………ミドル。」

 

そこには穹の知らない、血に汚れた自分の知る魔法戦とは全く異なる世界が広がっていた。

自分の培ってきた技術を競い合い、互いの魔法をぶつけ合う。

穹は気付けば試合映像を食い入るように見ていた。

 

ザフィーラ「………………見るのは構わんが、あまり夜更かしするなよ。」

 

ザフィーラが自室に戻った後も穹は試合映像を見続けていた。

傍らでは、ホルクが指輪から出て穹の肩に乗っていた。

 

ホルク『!…………穹、通信が入ったぞ』

 

穹「?母さんかな、今いい所なんだけど……」

 

穹が映像を止めて通信を開くと、知り合いと同じオッドアイの金髪の女性が映った。

 

穹「……………誰?」

 

??『え?………あ、ごめん!ちょっと待って!!クリス、変身解除(モードリリース)』

 

女性が光に包まれると、今度はよく知るオッドアイに変わった。

 

穹「ヴィヴィオ!?って………」

 

穹の目線が自然とその一点に向かう、ヴィヴィオの隣に兎のぬいぐるみが浮いていた。

 

穹「隣のそれ………何?」

 

ヴィヴィオ『この子は私のデバイス、名前はセイクリッドハート。愛称はクリス!』

 

ヴィヴィオのデバイス、クリスは挨拶するようにぺこりとお辞儀した。

 

穹「それで、自分のデバイス紹介する為に連絡寄越したのか?」

 

ヴィヴィオ『そうだ!穹君、明日空いてる?』

 

穹「明日?まぁ予定は無いけど?」

 

ヴィヴィオ『明日中央第4区の公民館でストライクアーツの練習あるんだけど、穹君も来ない?見学でいいから』

 

穹「えっと………」

 

ヴィータ「行ってこいよ、穹」

 

ヴィータが丁度風呂場から戻ってきた。

 

ヴィータ「お前は少し、同年代と過ごすことを覚えた方がいいからな」

 

穹「ヴィータ姉さん…………わかった、見学させてもらうよ」

 

ヴィヴィオ『じゃあ明日、ミッドチルダの中央市街地に集合ね。多分リオとコロナがいると思うから』

 

穹「わかった、ところでヴィヴィオ…………俺お前に通信番号教えた覚え無いんだけど」

 

なのは『私がはやてちゃんから聞いたんだよ~』

 

ヴィヴィオの隣からなのはが顔を出した。

先程、訓練区画の一部を吹き飛ばした事を聞いた後なので若干顔が強張った。

 

なのは『はやてちゃんがヴィヴィオにこれからも穹君のお話相手になってほしいって私に通信番号教えてくれたんだ。』

 

穹「母さん………」

 

自分の預かり知らぬ所で暗躍する母の用意周到さに穹は呆れ通り越して感心してしまっていた。

 

穹「まぁいい。じゃあヴィヴィオ、明日な」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────翌日、ミッドチルダ中央市街地

 

穹は朝送られてきた時間に指定された所に行くと丁度来た所らしいリオとコロナがいた。

 

リオ「あ、穹~こっちこっち~」

 

穹「元気いいな、全く」

 

コロナ「こんにちは、穹君」

 

穹「ヴィヴィオは?」

 

リオ「用事済ませてから来るって、多分そろそろ………」

 

すると、階段を下りてこちらに向かうヴィヴィオとその後ろに知らない女性二人が見えた。

 

ヴィヴィオ「リオ!コロナ!穹君!お待たせ~」

 

穹は自然と警戒していたが、コロナは面識があるらしくすぐに警戒を解いた。

 

ヴィヴィオ「穹君とリオは二人と初対面だよね?」

 

リオ「うん、はじめまして!去年の学期末にヴィヴィオさんとお友達になりました。リオ・ウェズリーです!」

 

穹「……………少し前にヴィヴィオと知り合った、八神穹………です。」

 

ノーヴェ「ああ、ノーヴェ・ナカジマと……」

 

ウェンディ「その妹のウェンディッス♪」

 

穹はこの二人から少し自分に似た何かを感じ取っていた。

強い、身体的にも精神的にも自分より強いと感じていた。

 

コロナ「ウェンディさんはヴィヴィオのお友達で、ノーヴェさんは私達の先生!」

 

ウェンディ「よ♪お師匠様!」

 

ウェンディに茶化され否定するノーヴェだったが、三人の先生口撃に言い返せなかった。

 

 

 

 

体操着に着替えた三人はノーヴェの指導の元、ストライクアーツの練習を始めた。

穹はウェンディとノーヴェの隣で邪魔にならないように練習する三人を見ていた。

専門的なことはわからないが、ヴィヴィオ達がどれだけ練習を積んできたかはなんとなくわかった。

 

ノーヴェ「ところで穹、一つ聞いていいか?」

 

穹「………?」

 

ノーヴェ「お前、カタギの人間じゃないだろ?」

 

ウェンディ「あ~やっぱりッスか?さっき最初に会った時隠してたみたいだけど殺気飛ばしてたッスからね~」

 

穹の思考が一瞬止まる。

どう答えるべきなのか、様々な考えが浮かんでは消えていた。

 

ノーヴェ「安心しなよ、どうもしないから。私らも似たようなもんだしな」

 

ウェンディ「それに、ヴィヴィオからもいい子だって聞いてるッスからね~」

 

穹「………………似てなんか………俺はまだ……」

 

ノーヴェ「………………迷ってる、か。穹、ちょっと手合わせいいか?」

 

穹「いや、俺ストライクアーツは……」

 

ノーヴェ「いや、ちょっとした模擬戦だよ。ジェットエッジ!」

 

『start up』

 

ノーヴェがデバイスを取り出すとバリアジャケットを装着した。

 

ノーヴェ「来な、お前の抱えてる悩み。私が見定めてやる。」

 

 




裏話 その頃のはやて

穹がストライクアーツを見学しているその頃

はやて「終わった~」

はやての机を席巻していた始末書の山は全て片付いていた。
始末書との格闘からはやてはなんとか生き残った…………筈だった。

リイン「あの…………はやてちゃん?解放されたと喜んでいるところで残酷なこと言うことになるですが………」

リインが更に積み上げたのは、新たな始末書の山だった。
それを見たはやては、まるでメデューサに睨まれたように石化してしまった。

リイン「………………シグナムが、ユウさんを追い回した時にあちこち斬ったり壊しちゃったようで……………これはその始末書、です」

瞬間、はやてから恐ろしい程どす黒いオーラが放たれた。
リインは恐ろしさのあまり机の影に隠れてプルプル震えていた。

はやて「…………ちょっと、シグナムにO☆SI☆O☆KIしてくるわ。」

はやては騎士甲冑を身に纏い、夜天の書と杖を携えて恐ろしい笑顔で部屋を出て行った。
その数分後、局内でシグナムの悲鳴が数時間響いていたのは言うまでも無い。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。