あとがきについてご意見いただいたので以下のネタに決定しました!
・八神家メンバーの話
・NGシーン
・ユウの日常
活動報告に要望箱を作りますので、この回のNGが見たい。この時の八神家メンバーの話を見たい。この時ユウが何してたのか見たい等がありましたらそちらに投稿お願いします。
ヴィヴィオ達と合流した穹は途中まで一緒に帰路についていた。
ノーヴェは救助隊の用事で途中で別れていた。
穹「……………通り魔?」
ウェンディ「そうッス、自称覇王イングヴァルトを名乗る奴が格闘系の実力者を中心に街頭試合を申し込んではフルボッコにしてるらしいんスよね~」
穹「古代ベルカの王の名前を名乗るとは妙な通り魔だ。じゃ今頃管理局も動いてるんですね」
ウェンディ「被害届出てないから事件になってないらしいッス」
ホルク『…………確かに、ニュースにもなっていないな』
穹「まぁ、ザフィーラ兄さんならむしろ返り討ちだろうな。ってノーヴェさんも狙われるんじゃ……」
穹が格闘系の実力者で思い浮かべたのは、寡黙だが優しく面倒見のいい義兄と先程瞬殺されたストライクアーツの有段者だった。
ウェンディ「ノーヴェ自身は逆ボッコにしてやるとか言ってたし、そう簡単にやられるとは思えないッスね」
ヴィヴィオ「穹君、ウェンディと何話してるの?」
不意に正面から声をかけられ向き直るとすぐそこにヴィヴィオの顔があった。
突然の不意打ちに穹は慌てて飛び退いた。
リオ「お、中々素早い反応……」
ウェンディ「穹って何気初心ッスね~」
穹「っ!!……………俺帰りこっちなんで失礼します。ヴィヴィオ、コロナ、リオ、また学校で。」
穹は話を逸らすようにヴィヴィオ達から別れて自宅への帰路についた。
ヴィヴィオ「もぉ、ウェンディ!穹君からかっちゃ駄目だよ~」
ウェンディ「いや~つい♪」
穹は帰宅途中でヴィータから送られてきた『シャマルが料理作っている。逃げろ』というメッセージを見てゆっくりと自宅に向かっている途中、ホルクが何かに気付いて突然体の向きを変えた。
穹「ホルク?」
ホルク『穹、魔力反応だ。恐らく戦闘している、数は二人、一人はノーヴェの魔力反応だ。』
穹はついさっきウェンディから聞いた話を思い出していた。
穹「通り魔か?」
ホルク『恐らく……』
穹「どうする?」
ホルク『それを決めるのは私では無い、穹自身だ』
穹「言うと思ったよ。来いホルク、セットアップ!」
ホルク『心得た、set up』
ホルクが指輪に戻り、穹はバリアジャケットを装着した。
穹「ホルク、その反応のある近くのビルの屋上使うぞ」
ホルク『心得た、弾印四重(バウンド・クアトラ)』
穹の足元に『弾』と書かれた大きめの印が現れ、それを踏みつけると穹は凄まじい勢いで飛び上がり、近くのビルの屋上に降り立った。
ホルク『ここからビルを四つ程飛んだ先だ』
穹「了解、その都度弾印頼む!後念の為にバッグワームも使っておこう。」
ホルク『心得た、バッグワーム起動』
穹は緑がかったマントを纏い、弾印を使ってビルを飛び越えていく。
目的のビルの屋上から下を見るとグラウンドになっていた。
そこに二人の人影が見える。
一人はバリアジャケットを着たノーヴェ、もう一人は銀髪の女性だった。
拳を打ち合いながら何かの話声が聞こえたと思ったら、ノーヴェが叫び足元から帯状のものが出現した。
穹「………………ホルク、アイビス。念の為に援護出来るようにする。」
ホルク『心得た、aebis』
穹の手にスタンドのついた大きめのライフルが出現すると、スタンドを屋上の低めの柵にセットしてスコープを覗いて標準を合わせた。
スコープの向こうで通り魔にバインドがかけられ、ノーヴェは帯の上を駆け抜ける。
ノーヴェ「ベルカの戦乱も聖王戦争もっ!ベルカって国そのものも!!もうとっくに終わってんだよッ!!リボルバースパイク!!!!!」
帯の先の通り魔に穹を一撃で沈めた蹴りが炸裂した。
穹「決まった!」
ホルク『…………いや』
よく見ると、ノーヴェの蹴りは通り魔に受け止められて更にバインドがかけられていた。
??「終わってないんです」
ノーヴェ(カウンターバインド!?どうかしてる………防御を捨てて反撃準備を……ッ)
穹「マズい!」
穹は非殺傷設定にしたアイビスを構え、標準を通り魔に合わせて引き金を引いた。
??「私にとってはまだ何も…………覇王断空……!!!!」
バインドで捕らえたノーヴェにトドメを刺そうとした直後、横目に一点の光を捉えた。
攻撃を中断し、迫り来る魔力弾を弾くも威力が強く反動で吹き飛ばされてしまう。
ノーヴェ「な、何が起こったんだ?」
直後、ノーヴェの目の前に大きめのライフルを構えた緑がかったマントのフードをかぶった人物が降り立った。
ノーヴェは慌てて臨戦態勢を取るが、フードを取ったその顔を見て驚くもすぐに警戒を解いた。
ノーヴェ「穹!?なんでここに?」
穹「帰る途中でホルクが魔力反応を感知して、もしかしたらと思いまして…………」
ノーヴェ「じゃあ、さっきのはお前が?」
穹「ヤバそうだったので不躾ながら援護しました。余計でしたか?」
ノーヴェ「いや、おかげで助かったよ。あとはあいつを………?」
ふと通り魔の方を見ると、そこにはもう人の姿はなかった。
穹「逃げられた!」
ノーヴェ「あ~大丈夫だ。蹴りのついでにセンサー付けてやったから、ウチの姉にでも頼むさ。流石に今動くのキツい……あとはこっちでやっておくから、お前はもう帰れ。」
穹「あ……………そ、そうします。」(とりあえず、シャマル姉さんのロシアンルーレット料理を回避する手立て考えないと……)
ノーヴェが襲撃を受けたグラウンドから大分離れた所の貸しロッカーに狙撃を弾いた手を抑え、ふらつく通り魔の姿があった。
??(………彼女の一撃、凄い打撃だった。危なかった…………この体は、間違いなく強いのに………私の心が弱いから……………それにあの、多分狙撃…………『彼』からただ者ではない何かを感じてはいたけど、あの時気配を全然感じられなかった。弾を視認出来なかったら確実に頭に命中していた。あそこまで精密で完璧な狙撃は継承した記憶にもない)
通り魔が去り際に見たのは、相手であるノーヴェの前に現れた緑がかったマントを纏った狙撃手、そしてその素顔だった。
??「武装形態…………解除……」
通り魔が光に包まれると、体型が変わり少女に姿を変わった。
??(帰って少しだけ休もう………目が覚めたらまた……)
ロッカーの鍵を取り出そうとしたその時、通り魔の少女は先程の戦闘で受けた痛みで倒れ込んだ。
??(駄目………こんな所で倒れたら……)
必死に起き上がろうとするが、立ち上がることも出来ず少女は意識を手放した。
裏話 穹のトラウマ(シャマルの料理)
穹がまだ八神家に来て間もない頃───
シャマル「穹君、お菓子焼いたんだけど食べる?」
穹、シャマル以外全員「!!!!!!!!!!!」(ま、マズい!!!)
穹「へぇ、シャマル姉さんも料理するんだ。じゃあ一つだけ……」
ヴィータ「ま、待て穹!それは───」
ヴィータが止めるも間に合わず、穹はシャマルの焼いたお菓子を口にした。
すると穹の顔色が赤、青、緑と変色し、穹は白目をむいて倒れた。
はやて「穹ぁ!!!!!!」
ヴィータ「シャマル!てめぇ弟毒殺する気か!!!!!」
シグナム「大丈夫だ、まだ息はある!」
シャマル「ええ!?ちゃんと作ったつもりなのに~」
ザフィーラ「シャマル………主がいない時はキッチンに立つなと言った筈だが……」
アギト「穹!死ぬな、穹ぁ!!!!」
リイン「い、急いで処置するです!これ以上シャマルのお料理で犠牲者を出すわけにはいかないです!!」
その後リインの適切な処置により、穹は大事には至らなかったがシャマルの作った料理を口にすることはそれ以降なかった。