リリカルなのはー聖王と魔弾の射手ー   作:ハマトラ

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穹ブチキレ回です




第18話 アインハルト・ストラトス

翌日の朝、八神家は家主と家主のユニゾンデバイスがいないことを除いていつもの朝………………の筈だった。

 

穹「……………………zzz」

 

ヴィータ「……………」

 

穹はインターミドルの試合映像をかけっぱなしにして、ソファの上で寝息をたてていた。

 

ザフィーラ「…………この前資料用のを見せてから、どうもインターミドルに興味を持ったようだ。」

 

シャマル「穹君にとって、新鮮だったのかもしれないわね。殺し合いとは違う、競い合う戦いは」

 

シグナム「穹にとっては良い刺激となってることだろう。その内参加したいと言い出すかもしれんぞ」

 

ヴィータ「ったく、ホルクも起こせよ」

 

ホルク『これでも、何度か部屋で寝るように言ったのだが……』

 

ヴィータ「ほら穹、起きろ~。遅刻するぞ~」

 

幾度かのヴィータが肩を揺すると、眠気眼で穹が起き上がった。

 

穹「…………………あれ、ヴィータ姉さん?ハリー選手とヴィクトーリア選手の試合は?」

 

ヴィータ「いつまで寝ぼけてるんだ?ほら、顔洗って来い」

 

ヴィータに背中を押されて、穹は洗面台に向かった。

その様子を見てシャマル達はつい顔を緩ませていた。

 

シャマル「ヴィータちゃん、すっかりお姉ちゃんね~」

 

シグナム「あぁ、ヴィータはなんだかんだで面倒見が良いからな。」

 

直後、ガタンと音がしたと思ったら階段を駆け上がる音とそのすぐ後に着地するような音が聞こえた。

 

穹「完全に寝過ごした!」

 

ホルク『だから、あそこで止めておけと言ったのだが?』

 

穹「ハリー選手のレッドホーク見てたらつい止められなくなったんだよ!行ってきます!!!」

 

穹はテーブルの上のトーストを一枚取ると勢いよく飛び出していった。

 

穹「仕方ない!ホルク!!」

 

ホルク『やむを得ないか、弾印七重(バウンド・セプタ)』

 

穹はトーストをかじりながら、大きな印を踏むと昨夜とは比較出来ない勢いで街を跳んでいった。

無論、校門で教師に見つかって注意を受けたのは言うまでもない。

 

 

 

放課後、穹が帰り支度を済ませているとはやてからメッセージが届いた。

『今日やっと帰れるから、学校のこと色々聞かせたってな~』

穹は思わず笑みを浮かべながら、『もちろん、色々話たいことがあるから楽しみにしてて』と送った。

そこにいつもの三人組がやってきた。

 

ヴィヴィオ「穹君、放課後ちょっといい?」

 

コロナ「ノーヴェさんが紹介したい人いるから、特に穹君は来るようにだって」

 

穹「あぁ、ちょっと遅れるけどいいかな?今朝のあれの反省文提出するように言われてるんだ。」

 

リオ「今朝凄かったもんね~、門閉まる寸前で遥か空からダイナミックスライディング!あれはなかなががががががが!!!!!!!」

 

穹「一言多い悪い口はこの八重歯か?」

 

穹はリオの両方の頬をつねり、これでもかという程引っ張った。

解放された時、リオの頬は赤く若干腫れていたらしい。

 

 

 

そして、反省文を提出し終えた穹は急いで事前に伝えられていた区民センターに向かった。

 

穹「今頃、ヴィヴィオかリオがそいつと一手やってるんだろうな。とりあえず早く帰って今度はチャンピオンの試合見てみたい。」

 

ホルク『はやても帰って来るのだ、程々にしておけ』

 

穹「わかってる、とりあえず帰ったら真っ先に抱きつかれそうだな……………」

 

穹は帰宅後の光景を予測して苦笑を浮かべながら、スポーツコートに向かった。

丁度、ヴィヴィオと誰かがコートで手合わせしてるようだが、様子がおかしかった。

 

ノーヴェ「お、穹。来たか」

 

穹「ノーヴェさん、あの人……」

 

ノーヴェ「あぁ、昨日の通り魔。本名アインハルト・ストラトス。お前達の通ってる学院の中等部だったんだよ。」

 

ホルク[穹、彼女は……]

 

穹[あぁ、転入初日に中等部に迷い込んだ時道教えてくれた人だな]

 

ノーヴェ「それで、同じ格闘系同士ってことで手合わせさせてみたんだが……」

 

通り魔だった少女、アインハルトは悲しげな表情を見せてヴィヴィオに背を向けた。

 

ヴィヴィオ「私、弱すぎましたか?」

 

アインハルト「いえ、趣味と遊びの範囲内でしたら充分すぎるほどに」

 

その言葉に穹は眉をひそめ、コートに入った。

 

ヴィヴィオ「あ、穹君」

 

アインハルト「!!あなたは……」

 

穹「昨日ぶりだな、通り魔さん。随分な物言いだな、趣味と遊びとは。ヴィヴィオに恨みでもあるのか?」

 

アインハルト「いいえ、ただ私の戦うべき王ではないと判断したまでです。私が戦いたいのは、列強の王達ですから」

 

穹「列強の王達、か。時代錯誤もいいところだ、大昔の戦争をまた始めるつもりか」

 

アインハルト「弱さは罪です。弱い拳では、何も守れないから………ノーヴェさんにも言いましたが、私の生きる目的は『表舞台』にはないのです。私は今よりもっと強くならなくてはいけないのです。」

 

穹「表舞台にはない、ね」

 

それを聞いた穹はコート中に響く程の声で笑っていた。

 

??「ねぇティア?あの子ってもしかして……」

 

??「八神指令の言ってた子?でも聞いてた話とは………」

 

他の面子もただ笑い声をあげる穹に呆然としていたが直後、背筋が凍りついた。

 

穹「………………笑わせるなよ、通り魔風情が」

 

穹の表情が突然変貌した。

研ぎ澄まされた刃のような鋭い目つき、大人すら竦ませる様な昏い瞳、それを見たアインハルトは首筋に刃物を突きつけられたような感覚に襲われ、リオとコロナとヴィヴィオは完全に腰を抜かし、青い髪の女性とオレンジ色の長髪の女性は思わずデバイスを構え、ノーヴェとウェンディを含む残りが止めに入ろうとした時には遅かった。

 

 

穹「来いホルク、セットアップ」

 

ホルクは無言で指輪に戻り、バリアジャケットを装着した。

そして穹は両手にハンドガンを出して、アインハルトに銃口を向ける。

牙を剥く魔力弾、アインハルトは底知れぬ恐怖から反応が遅れるがギリギリで回避した。

 

穹「どうした?趣味や遊びじゃない『裏』の勝負がしたいんだろう?望み通り俺が………」

 

ノーヴェ「穹ストップだ!落ち着け!!」

 

ヴィヴィオ「穹君!」

 

ノーヴェとヴィヴィオの呼びかけに反応して我に返った穹が見たのはデバイスを構えるヴィヴィオの知り合い達、怯えて畏怖の眼差しを向けるリオとコロナ、腰を抜かして体を震えさせているアインハルト、そして心配そうな目でこちらを見るヴィヴィオとノーヴェだった。

 

穹「あ…………あぁ………俺は……」

 

 

 

穹はヴィヴィオが声をかけるより速く区民センターを飛び出していった。

 

 

 

 

 

 

そして、その次の日から穹は学院を休んだ。




本日のNGシーン

第7話 高町なのは②より


穹「もう、あんた達は俺の銃弾からは逃げられにゃい…………」

なのは「……………………」←噛んだことに突っ込もうか悩んでる人

フェイト「…………………」←噛んだことに突っ込もうと思ったが可哀想で言い出せない人

穹「……………………」←噛んだことに気付いて恥ずかしくて赤面し徐々に涙目になっていく子


なのは「わああああ!!!穹君大丈夫だよ!もう1テイク頑張ってみよう?ね?」

フェイト「早くはやて呼んで!監督~少し待っててもらっていいですか~?穹君が泣いちゃった!」

その後、テイク3で成功したらしい?

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