なのは→抹殺対象
フェイト→頼れるけど信用しきれない
はやて→ウチのシグナムが毎度すみません
ケイ→ライバル
ソウジ→信頼しているが気に食わない
穹→強いのはわかったが胡散臭い
シグナム→私と戦え!今すぐに!!
そして試験が終わり出発当日、八神家にはコウヤと非番のヴィータとザフィーラがリビングに集まっていた。
コウヤ「さて、それじゃ結果見せてもらおうか?」
穹「はい、えっと………」
穹は鞄から試験の成績表を取り出した。
physical S(4/236)
Main subject
100・98・95・89・92
コウヤ「お~学校一時期休んでた割にはすげぇな」
ヴィータ「穹は元々物覚えも早いし記憶力もいいからな、流石私の弟だ!」
ホルク『穹の「魔弾の射手」は高度な空間演算能力、空間把握能力、更に銃座を置いた座標を正確に把握する記憶力を必要とする。長年使っていたのだ、学習能力もそれなりに高いはずだ。』
穹「…………けど、全科目90点台逃した。」
ヴィータ「まぁまぁ、次狙えばいいだろ?」
ヴィータは目標だった全科目90点台を逃したことに拗ねる穹の頭を撫でて宥める。
撫でられた穹は気恥ずかしくするが、すぐ猫のように気持ちよさそうに目を細める。
ザフィーラ「だが、実際なかなかの成績だ。ミウラもこれくらいの成績を見せてほしいものだ。」
コウヤ「…………あぁ、ザフィーラさんの教え子の女の子ですよね?たまにヴィータさんやシグナムさんにも鍛えてもらってる」
穹「俺もザフィーラ兄さんから聞いただけですが、頭が壊滅的に悪いらしいですよ」
ヴィータ「毎回、赤点回避に必死だからな~」
穹「それじゃあ、そろそろ行って来る」
コウヤ「もうそんな時間か。高町教導官には嘱託魔導師の合同訓練で何度も世話になったな~」
ヴィータ「そうか、気をつけてな」
穹は荷物をまとめてコウヤと家を出ると、ヴィータもひと息ついた。
ヴィータ「いや~良かった。穹が赤点取ったらどうしようかと思った」
ザフィーラ「お前やシャマルがあれだけ教えたんだ。ミウラよりひどくない限り、赤点は取らんだろう?」
穹とコウヤが高町家を訪れると家の前で知った顔があった。
ヴィヴィオ達のコーチのノーヴェと元通り魔の先輩、アインハルトだった。
アインハルト「穹さん……………と、もしかしてコウヤ選手でしょうか?」
ノーヴェ「よ!心配したぞ、もう大丈夫そうだな」
穹「はい、お陰様で。それで引率のノーヴェさんはともかく、なんでアインハルト先輩まで?」
ノーヴェ「あぁ、こいつも誘ったんだ。面子はあとなのはさんとフェイトさん、それと私の姉とその友人も入れて9人だ」
ノーヴェがインターホンを鳴らすとヴィヴィオが出てきた。
アインハルトが参加すると聞いた時の喜びようは尻尾があったら回転しそうな勢いだった。
リビングに入ると、リオとコロナもいた。成績は全員優等生レベルだった。
そしてなのはに促され、穹は成績表を見せた。
リオ「なんでそんな頭いいの!?」
穹「コロナには負ける、全科目100点とか………それにリオには身体能力で負けてるし」
コロナ「二人は身体能力高いものね」
穹「まあ、狙撃にしても一発ごとに武器抱えて狙撃地点移動するし、動く標的に正確に当てる瞬発力とか必要になるからな」
アインハルト「実際彼の狙撃はかなりの精度でした。」
ヴィヴィオ「アインハルトさんがそこまで言うほど………見てみたいかも」
穹「向こうで機会があったらな」
ヴィヴィオ達と楽しそうに話す穹を見て、なのはとフェイトとノーヴェ、それとコウヤは笑みを浮かべた。
なのは「穹君、大分明るくなったね」
フェイト「うん、最初に会った時の鋭い目つきが嘘みたい」
ノーヴェ「一皮むけたってことでしょうね。あいつはもう大丈夫でしょう」
コウヤ「最近じゃ、あいつ笑うこと増えましたからね。」
ノーヴェ「よしコウヤ、ちょっと弟子借りるぞ。穹、ちょっと今のお前見てみたいから出発前にヴィヴィオと軽く模擬戦やらないか?まだ少し時間あるからな」
ノーヴェの提案に穹は驚き、ヴィヴィオは目を輝かせた。
結局色々言いくるめられ、近くの広い公園で模擬戦が行われた。
穹「ヴィヴィオ、ノーヴェさんって結構押しが強いんだな」
ヴィヴィオ「そこがノーヴェのいいところでもあるんだよね」
二人は苦笑を浮かべながら、互いにデバイスを構えた。
ヴィヴィオ「行くよクリス!セットアップ!!」
穹「来いホルク、セットアップ!!」
ヴィヴィオがバリアジャケットを展開すると、容姿が大人になり、同じくバリアジャケットを展開した穹も驚いていた。
ヴィヴィオ「すごいでしょ?大人モードって言うの!」
穹「けど、中身はヴィヴィオのままだな」
ホルク『だが気を抜かない方がいいだろう。彼女のストライクアーツはなかなかの練度だ」
穹「わかってる、自分の間合いで戦えば大丈夫だろ」
穹は右手にキューブ状の魔力弾を展開して戦闘体勢を取る。
ヴィヴィオも拳を構えて、いつでも迎え撃つ体勢に入っていた。
ノーヴェ「それじゃあ行くぞ………………始め!!!」
ノーヴェの合図で二人は同時に動いた。
穹は右手の魔力弾を細かく分割して自分の周りに散りばめる。
穹「アステロイド!」
散りばめた魔力弾は一斉にヴィヴィオに襲いかかる。
ヴィヴィオは距離を詰めていきながら、避けられるものは回避して時に拳で打ち落としながら自分の間合いに入っていく。
穹は魔力弾を仕込みながら魔力弾で動きを制限してヴィヴィオを上手く誘導する。
そしてヴィヴィオを『そこ』に誘導する、周りは穹の仕込んだアステロイドで包囲されていた。
穹「悪いな、時間もあるだろうから一番早いやり方を取らせてもらった。」
ヴィヴィオ「ははは………これは流石に避けきれないかな」
コウヤ「勝負あったな」
ノーヴェ「なるほど、なかなか様になってるな」
穹はアステロイドを消してバリアジャケットを解除した。
ヴィヴィオも元の子供の姿に戻ってバリアジャケットは解除された。
コウヤ「大分慣れてきたな、この分なら合宿中の成果によっては特殊弾一つ解放してやれるかもな」
穹「本当ですか!?」
なのは「はいはい、その話はあとにして丁度いい時間だしそろそろ行こうか?」
なのはに促され、全員荷物を準備するとフェイトの持ってきた車に乗って次元港に向かった。
裏話 その頃の特別救助隊オフィス
青い髪の防災士長、スバル・ナカジマは訓練休暇を上司に伝えて隊舎を出た。
そこで覚えのある赤い短髪に筋肉質の男性、レイジ・キサラギが目に入った。
スバル「あ、レイジ先輩!お疲れ様です!!」
レイジ「ん?スバルか、今日から訓練休暇だったな」
スバル「はい!これからティアと次元港に向かう所です」
レイジ「そうか…………それと、そろそろその先輩は外さないか?俺もお前も同じ防災士長だろう?」
スバル「いえ、私にとって先輩は先輩ですから!」
レイジ「お前のその真っ直ぐな所は長所ではあるが………早く行かなくていいのか?お前の友人、まだかと言いたげに睨んでいるぞ」
レイジの後ろで親友のティアナが、こちらを睨んでいることに気付いた。
スバル「あ!ごめんティア!!!それじゃ先輩!行ってきます!!」
スバルは笑顔で敬礼すると、すぐ友人の元に向かった。
遠目にスバルが怒られているのを見てレイジはため息をついた。
レイジ「やれやれ、相変わらず騒がしい奴だな」