スバル・ナカジマ 元祖元気っ娘防災士
ティアナ・ランスター 元祖ツンデレ執務官
ノーヴェ・ナカジマ 現役ツンデレファイター
結局更衣室に連れていかれ、脱出する手段もなく穹は着替えてロッジ裏の川に来ていた。
穹「元気だな……あいつら」
川では先程自分を捕らえた4人が元気に遊んでいた。
アインハルトも戸惑っているが、ノーヴェに説得される形で川に入っていった。
ノーヴェ「ほら、穹も行ってこい」
穹「はぁ…………仕方ない。ホルク、頼んだ」
ホルク『心得た』
ホルクが指輪から現れると、翼から一枚の羽が抜けた。
羽が弾けると小鳥サイズのホルクが現れた。
ノーヴェ「な、なんだそれ?」
穹「チビホルクです。ホルクは本体である指輪からある程度しか離れることが出来ません。けど、こうして小型の分身体を作って飛ばすことが出来ます。頼んだ」
ホルク『心得た』
チビホルクは大人組のいるアスレチックの方向に向かった。
ヴィヴィオ「穹君~?」
穹「ああ、今行くよ」
遠目にヴィヴィオが呼ぶ声に気付いて穹は川に入っていった。
その時、ノーヴェは近くをクリスがフヨフヨ浮遊していることに気付いた。
ノーヴェ「ん?いいぞ、お前も行ってきて」
するとクリスは喋れない為、ジェスチャーで必死に何かを訴えかけていた。
ノーヴェ「何『外装がぬいぐるみなので濡れると飛べなくなります』?………大変だな、お前も」
その頃穹達は、コロナ発案で水泳競走をしていた。
しかし、そこで穹は違和感を覚えた。身体能力には自信があったにもかかわらず、ヴィヴィオ達に追いつけなかった。
アインハルトもまた、穹と同じ違和感を覚えていた。
それからヴィヴィオ達と川遊びをしていたが、穹とアインハルトは疲れて岸に上がって休んだ。
ノーヴェ「やっぱり、水の中はあまり経験ないか」
アインハルト「体力には、少しは自信があったのですが………」
穹「同じく……身体能力にはそれほど差はないはずなのに……」
ノーヴェ「あたしも救助隊の訓練で知ったんだけど、水中で瞬発力出すのはまた違った力の運用がいるんだよな」
ヴィヴィオとリオとコロナとルーテシアは今も元気に遊んでいた。
穹「じゃあヴィヴィオ達は?」
ノーヴェ「なんだかんだで週2くらいか?プールで遊びながらトレーニングしてるからな、柔らかくて持久力のある筋肉が自然に出来てんだ。」
穹が殺し屋時代に身に付けたのは敵を効率的に殺す技術、そしてそれを実現する為に必要な基礎身体能力の向上だった。
しかしそれも水中ではあまり意味がないことに気付かされた。
ノーヴェ「んじゃせっかくだから面白いもん見せてやろう。ヴィヴィオ、リオ、コロナ!ちょっと『水斬り』やってみせてくれよ!」
ヴィヴィオ・リオ・コロナ「はぁ~い!!」
アインハルト「水斬り?」
ノーヴェ「ちょっとしたお遊びさ、おまけで打撃のチェックも出来るんだけどな」
ヴィヴィオとリオとコロナは水中で同じように構えて拳を打ち出すと、大小は異なるが川の水を斬りながら水柱を立てた。
ルーテシア「アインハルトも格闘技強いんでしょ?試しにやってみる?」
アインハルト「────はい」
アインハルトは川に入ってヴィヴィオ達と同じように構えた。
そして拳を打ち出すが、巨大な水柱を立てるだけで終わった。
リオ「あはは…!すごい天然シャワー!」
ヴィヴィオ「水柱5mくらい上がりましたよ!」
アインハルト「…………あれ?」
ヴィヴィオ達とは違う結果になり、どうしてなのか解らずアインハルトはキョトンとなっていた。
ノーヴェ「お前のはちょいと初速が速過ぎるんだな。初めはゆるっと脱力して途中はゆっくり……インパクトに向けて鋭く加速、これを素早くパワーを入れてやると………」
ノーヴェはコツを教えながら構えて、拳ではなく蹴りを打ち出すと、川の底が見えるまで川が割れて水柱が立った。
ノーヴェ「……こうなる」
アインハルトはノーヴェに教えてもらった通りに拳を打ち出すと今度は先程より水柱が前に進んだ。
ノーヴェ「穹もやってみるか?」
穹「俺ですか?…………川に穴くらいなら空けられるかな」
ノーヴェ「……………は?」
穹「ホルク」
ホルク『心得た、弾印(バウンド)』
穹の足元に弾印が現れ、それを踏むと穹は空高く上昇した。
ホルク『強印・二重(ブースト・ダブル)』
次に穹かざした左手に『強』と書かれた印が浮かびそれは川に配置され、穹は勢いよく印を殴りつけた。
すると凄まじい勢いで水柱が立ち、川の真ん中に大穴を作り出した。
当然、見ていた全員が唖然となったのは言うまでもない。
穹「………まぁ、こんなものか」
ノーヴェ「それ水斬りじゃねぇよ!!すごいけど!」
ルーテシア「それが八神指令から聞いてたホルクに内蔵されてる補助魔法か………」
アインハルト「…………」
ノーヴェ「アインハルト?変な対抗意識持たなくていいからな!」
川に向かって覇王流の構えをしようとするアインハルトをノーヴェは慌てて止めた。
それから穹はノーヴェに説教を受けて、ヴィヴィオとアインハルトは延々と水斬りを続けていた。
なのは「アインハルトちゃん楽しんでくれてるかな?」
スバル「ヴィヴィオ達が一緒ですし、きっと大丈夫です」
なのは「ノーヴェ師匠もついててくれるしね」
スバル「ありがとうございます」
なのは「ところでみんなは大丈夫~?休憩時間伸ばそうか~?」
なのはがひょこっと顔を出した崖の下では、フェイト、ティアナ、エリオにキャロとコウヤが完全に疲労困憊していた。
ティアナ「だ…………大丈夫で~す!!」
フェイト「バ………バテてなんか……いないよ……?」
コウヤ「なのはさん………………相変わらずの超絶スパルタ……ってかなんであの二人あんな涼しい顔してんだ………」
大人組はなのはとスバルを除いて完全にバテていた。
デスクワークの多い執務官の二人はともかくインターミドル上位選手や密猟者達を相手にする自然保護部隊の二人までもが動くこともままならない状態となり、何故か平然としているなのはとスバルに疑問を抱いていた。
裏話 この二人、腹黒につき
管理局108部隊オフィスにて、休憩時間を使って遊びにきた八神はやて、書類整理が一段落して休憩していたギンガ・ナカジマ、デバイスがまだ直らず暇なケイ・タチカゼ、そして何故か巻き込まれた嘱託魔導士、レイ・ナスネが卓を囲んでいた。
理由ははやて企画で負けたら言うことを聞く罰ゲームと景品(食堂の食券)付きのポーカーを行うからだ。
ケイ「景品より罰ゲームの方が楽しみだぜ」
はやて「ふぇっふぇっふぇ~何をお願いしようかにゃ~」
ケイとはやては黒い笑みを浮かべながら、様々なエグい罰ゲームを考えていた。
レイ「ギンガさん、私この二人だけは勝たせてはいけない気がするのですが……」
ギンガ「うん、私もそう思った……」
しかし、巧妙なイカサマを仕掛けてくるケイとはやてになすすべもなく、ギンガははやて企画の罰ゲームで1日メイド服で業務を行うことになり、レイはケイ企画の罰ゲームを受けそうになるが体調が優れず罰ゲームから逃れることが出来たらしい