リリカルなのはー聖王と魔弾の射手ー   作:ハマトラ

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近々特別編を予定しています
内容は・・・・・・・秘密ってことにしますね、その方が面白そうですので


第31話 八神穹⑥

コウヤと穹がロッジに戻ると、すぐ目に入ったのは温泉から上がった女性陣とその中にいる見知らぬパンチパーマのような髪型のシスターだった。

 

ヴィヴィオ「あ、穹君にコウヤ選手」

 

穹「・・・・・ヴィヴィオ、そのすごくパンチの効いたシスターは?見たところ聖王教会の人みたいだけど」

 

ノーヴェ「こいつはセイン、私らの知り合いで聖王教会のシスターだ。あの髪は・・・・・・さっき温泉で悪ふざけがすぎた時に吹っ飛ばされて突然の爆発でやられた」

 

それを聞いた穹はすぐに理解した、先程合成弾で追い打ちした不審者がセインであることに。

 

コウヤ「それ、俺たちですね。そこの八重歯の子の悲鳴と一緒に撃ち上がってたんで不審者かと」

 

ルーテシア「実際、やってたことは不審者と変わらないけどね~」

 

セイン「けどあれはヒドイんじゃないかな!?」

 

穹・コウヤ「不審者は撃退するべきだと」

 

穹もコウヤもセインを吹き飛ばしたことに対してなんの反省も後悔も罪悪感もない表情で言った。

 

セイン「誰が不審者か!!」

 

ティアナ「アンタ以外誰がいるのよ・・・」

 

スバル「ま、まあまあ、セインも反省してるんだしその辺にしてあげよ?」

 

スバルの助け舟によってなんとか場が収まり、コウヤは穹となのはに渡されたドリンクを飲みながら様々なシューターの戦い方を教わっていた。

コウヤや穹の使うこのシューターはいわば考えながら戦うスタイルといってもいい。

自分の持っているもの、相手の持っているもの、お互いの狙い、戦場の条件、仲間の位置、あらゆる要素を使って相手の動きをコントロールする事を目的とし、様々な状況にすぐさま対応出来る最新鋭のセンターガードを育成する目的で考案されたのだ。

コウヤやもう一人のテスターも高校生ながらこのシューターで嘱託魔導士として様々な管理局の要請を受け、目覚ましい実績をあげており卒業後は管理局入りを嘱望されている。

 

スバル「そういえば穹、訓練の時私に撃ったあれは何なの?」

 

スバルはふとした疑問を穹にぶつけた。それは午後の狙撃対応訓練の際、急襲を仕掛けたスバルに穹が撃った重石のようなものを付ける弾のことだった。

 

穹「あ~・・・・・・『鉛弾(レッドバレット)』、重石で相手を動けなくする俺が唯一使えるバインドです。防護魔法をすり抜けるので防ぐことはできません。」

 

フェイト「それは強力だね。でも、なんであの時使わなかったの?」

 

フェイトが言うあの時とは、以前保護施設を脱走しようとしてなのはとフェイトと対峙した時のことだった。

確かにあの時使っていれば、穹は二人を無力化することもできたはずだった。

 

穹「そう都合のいものでもありません。一つの欠点は俺のバッグワームや封じ手『魔弾の射手』と同時には使えません、鉛弾はどのタイプの銃でも使えますがあくまで俺のバッグワームと『魔弾の射手』と同じ補助魔法の類で、同時に使うことは出来ないんです。」

 

ティアナ「『魔弾の射手』?」

 

なのは「穹君の使う転移式の攻撃魔法だよ、結構強力だけどタネが解ると避けられやすいんだよ」

 

穹「(それはなのはさんとフェイトさんが化け物じみてるからだと・・・・・)もう一つの欠点は弾速の問題です。鉛弾は重くする効果に魔力をごっそり使っているので射程と弾速がかなり落ちます。俺の狙撃用兵装なら銃本体の構造で射程は保証できますが、それでも弾速が遅いので当たりません。その例外が、あの時使っていた「ライトニング」という狙撃用兵装です。あれは弾速特化で使用者の魔力によって弾速が速くなるので弾速が落ちても実戦で使える弾速で撃てます、あの時これを使わなかったのは思いついてなかったからです。この組み合わせを考えてくれたのは、母さんとヴィータ姉さんです。」

 

なのは「はやてちゃんとヴィータちゃんが?」

 

穹「一時期、人を傷つけず無力化する方法として鉛弾を使おうと考えていた時に母さんとヴィータ姉さんが一緒に考えてくれたんです。」

 

穹はいつも面倒を見てくれる姉と心配性なところがあるが自分を受け入れてくれた心優しい母との思い出に笑みを浮かべながら話した。

 

 

 

その夜、なのはとフェイトは明日の模擬戦の組み合わせを決めて、ヴィヴィオ達は部屋で明日の模擬戦についてを楽しそうに語っていた。

そんな時、ヴィヴィオは窓の外で誰かが外に出ているのを見てそれを追うように外に出る。

外に出て人影を追ってアスレチックに行くと月明りに照らされた白髪と肩に乗る鷹ですぐ誰なのかがわかった。

 

ヴィヴィオ「穹君?」

 

穹「ん?ああ、ヴィヴィオか」

 

穹は座っていたアスレチックの柱の上からヴィヴィオのすぐ目の前に降り立った。

 

ヴィヴィオ「どうしたの?」

 

穹「まあ、考え事・・・かな。ついこの間までの俺は想像もできなかっただろうな、こうして友達や家族と笑いあったり、互いに競い合ったり、とかさ。」

 

穹は星を見上げながら、以前の自分を思い出していた。

裏社会の廃屋にアジトを作り、仕事の依頼を受けて標的を殺し稀に危険な物を運ぶ事もあった。

そんな自分が帰る家と帰りを待つ家族、そして仲のいい友人を作ることになるとはかつての自分には想像もできなかった。

 

ヴィヴィオ「後悔、してる?」

 

穹「まさか、こうして母さんや姉さん達、それにヴィヴィオやリオにコロナ、皆と会えたのに後悔なんてするかよ」

 

ヴィヴィオ「なら穹君、これからもきっと楽しいこといっぱいあるよ!」

 

穹とヴィヴィオは笑いあい、ホルクに言われロッジに戻っていった。

————そして、模擬戦の日を迎える

 




裏話
とある陸尉達と執務官の談話(フリートーク)

アサシンの異名を持つ執務官ソウジがラウンジでくつろいでいると見知った
二人が来た。

ケイ「ようソウジ、隣いいか?」

ユウ「ぼんち揚げ食う?」

ソウジ「珍しいな、特にユウはいつもなら八神のとこの騎士に追い回されている頃ではなかったか?」

ケイとソウジはユウが持つ袋からぼんち揚げを一つずつ取りかじる。

ユウ「俺そんな毎日追い回されてるイメージある?」

ケイ「昨日も一昨日も局中走り回ってたじゃねえか」

ユウ「いや~今日は運よくシグナムさんオフだからいないんだよね~・・・・・・・・・平和って素晴らしい」

ソウジ「・・・・・・・そうだな」

ケイ「・・・・・・何事も平和が一番だよな」

そう言いながら二人はユウから距離を置いた

ユウ「・・・・・・・えっとお二人さん、俺今すごく後ろ振り向きたくない」

ソウジ「ユウ・・・・・・・・お前とは長い付き合いだったな」

ケイ「骨は・・・・・・拾ってやるよ」

直後、ユウは勢いよく飛び上がり迫りくる剣はユウの座っていた椅子のみを切り裂いた。

シグナム「ほお、今のを避けるか。さすがは私の見込んだ男だ」

ユウ「シグナムさん程の美人に言われるのは光栄だけど・・・・・・今日オフじゃなかった?」

シグナム「お前が油断してラウンジでくつろいでいる気配がして来たが、正解だったようだな!!」

シグナムの剣がユウに次々と襲い掛かり、ユウは未来視のレアスキルで避け続ける。
そして、シグナムはレヴァンティンを鞭剣にしてユウに斬りかかりユウは一目散に逃げ去った。

シグナム「待てユウ!今日こそは私と戦え!!」

嵐が去った後のラウンジではソウジとケイを含め休憩していた局員達も呆然としていたが、見慣れた光景なのか中にはユウが捕まるかを賭けている局員もいた。

ケイ「・・・・ソウジ、お前どっちに賭ける?」

ソウジ「賭け事は好かん」


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