リリカルなのはー聖王と魔弾の射手ー   作:ハマトラ

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ホワイトデー特別編はあとがきにて

さて、そろそろフラグ頃合かな


第41話 八神穹⑧

壊姫は思わず目を見開いた。そこにいたのは、黒いロングコートのバリアジャケットを纏った穹、魔弾の射手だった。

 

??「ああ……………まさかこのような所であなたに出会えるとは………これはもはや運命としかーー」

 

完全に自分の世界に酔いしれる壊姫を無視して、穹は周りの状況を確認した。

 

リオ、コロナ、アインハルト、ノーヴェ、シロウは治療が完了しており、ヴィヴィオは微かにだが意識を取り戻していた。

ヴィータは吹き飛ばされはしたが大したダメージは負っておらず、シャマルも手を負傷したがすぐに完治させた。

 

穹「……………ごめん、みんなを巻き込んで……」

 

ヴィヴィオ「穹君の…………せいじゃない、よ」

 

ヴィータ「ヴィヴィオの言う通りだ。お前は何も悪くねぇ、だからそんな顔するな」

 

穹「……………うん。ヴィヴィオ、ヴィータ姉さん、シャマル姉さん、少し休んでて………………すぐ片付ける」

 

穹は両手にキューブ状の魔力弾を展開して細かく分割して自分の周囲に散りばめた。

 

穹「確認しておく。お前が壊姫か?」

 

壊姫「はい、私は壊姫。元の名は捨てました、こうしてあなたに出会える日ずっと……………………………ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっ待っていました。さぁ、帰りましょう。あなたが真にいるべきあの暗き場所へ」

 

壊姫は変わらずハイライトの消えた濁った瞳で穹を見ていた。

手を差し伸べるその瞳から感じるのは、穹への狂信的な崇拝、そしてドロドロとしたまとわりつくような歪んだ愛だった。

 

穹は右手の人差し指と中指を立てて銃の形にすると、それを壊姫に向けた。

 

 

穹「これが答えだ………………『アステロイド(通常弾)』!!!」

 

散りばめていた魔力弾が一斉に壊姫に襲いかかる。壊姫は斧を双剣に変えて襲いかかる魔力弾を慌てて切り落とす。

 

穹「まだだ。『ハウンド(追尾弾)』!!」

 

今度は穹の飛んできた方角から無数の魔力弾が曲がりながら壊姫に襲いかかった。

穹は弾印でここに蹴り込みで飛ぶ瞬間、この事態を想定してハウンドを展開して待機させていた。

壊姫はなんとか避けるが周囲に弾幕を作られて視界が遮られてしまった。

 

穹「ホルク!」

 

ホルク『心得た。鎖印(チェイン)』

 

直後壊姫の足元に複数の「鎖」と描かれた印が浮かび、印から魔力の鎖が飛び出して壊姫の首に絡みついた。

 

壊姫(さっきの射撃で仕込みを!?)

 

ホルク『転印(テレポート)』

 

ホルクの音声が弾幕の中で響く。壊姫は双剣を斧に変えて、鎖を一つ一つ切り裂く。

全て切り落としたと同時に弾幕が晴れるが、そこに見たのは自分を包囲するように配置された複数のキューブ状の魔力弾だった。

 

穹「多方向同時ハウンド、『追尾弾嵐(ハウンドストーム)』!!!!」

 

配置されたハウンドは一斉に襲いかかり、射出と同時に壊姫に軌道修正し牙を剥く。

あらゆる隙間を潰しながらハウンドは吸い込まれる様に壊姫に全弾命中した。

 

穹「お前は俺の友達と家族に刃を向けた。その報いを受けろ。」

 

穹はバリアジャケットを解除すると、ヴィータ達の元に向かった。

 

ヴィータ「お疲れさん、シューター大分様になったな」

 

穹「師匠にはまだ負けます。ヴィヴィオ、大丈夫か?」

 

沈んだ表情で俯いたままのヴィヴィオに心配して声をかける。

 

ヴィヴィオ「穹君…………私って生きてていいのかな?」

 

穹「お前、何言い出すんだよ!」

 

ヴィヴィオは俯いたまま、涙を流していた。

 

ヴィヴィオ「さっき……………意識が朦朧としてる時言われたの……………『哀れな人間擬き』って………『たかがクローンの分際で』って……………なのはママや皆に支えられて生きてきたけど、結局私は………………聖王のクローンでしかないんだ!私はーーーー」

 

ヴィヴィオの言葉が続くより早く、穹はヴィヴィオの頭を優しく撫でた。

 

ヴィヴィオ「穹君?」

 

穹「確かに、お前は聖王のクローンかもしれない。けど、だからって生きてちゃいけない理由にはならない。お前は古代ベルカの聖王オリヴィエなんかじゃない。あの管理局のエース、高町なのはの娘で俺の最初の友達、高町ヴィヴィオだ。誰がなんと言おうとそれは変わらない。もし、まだそんなこと言う奴がいるなら……………俺が守ってやる」

 

顔を上げたヴィヴィオの目の前には、最初に会った時とは大違いな真っ直ぐな瞳でこちらを見る穹がいた。

 

穹「だからそんな顔するなよ。お前には笑顔が似合ってる」

 

その時、ヴィヴィオは電流が流れるような感覚に見舞われて顔が熱くなり穹と目が合わせられなくなった。

 

穹「?……………大丈夫か?」

 

ヴィヴィオ「だ、大丈夫…………………その……………ありがとう」

 

穹「気にするな。さて、壊姫は………」

 

穹は弾幕が晴れた壊姫の方に目を向ける。しかし、多少の血痕が残るのみで、壊姫は姿を消していた。

 

穹「……………………あの重傷でまだ動けたのか」

 

ヴィータ「は、いいからその手、早く退けてやった方がいいぞ」

 

穹「………?」

 

ヴィヴィオは真っ赤になった顔を隠して俯いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある暗い路地裏、そこに複数の男達がたむろっていた。

男の内、年長の男が近づく気配に身構える。

 

壊姫「そんなに警戒しないでちょうだい。」

 

「こいつ、壊姫!!」

 

「君みたいな名うての殺し屋が何の用かな」

 

男の一人が問うと、壊姫は壊れたような笑みを浮かべながら、未だにあらぬ方向に曲がっている片足を引きずりながら男達に近づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壊姫「……………あなた達に仕事を頼みたいのよ。」

 

 




あとがき 
ホワイトデー特別編『ヴィヴィオにお返しをする穹をヴィヴィオ視点で見てみよう』

cv.イメージの内山昂輝ボイス想像してお楽しみください

穹「今日はバレンタインにくれた子にお返しする日だって聞いたからさ。ヴィヴィオにはこれな…………可愛い包み?言うなよ、買うの恥ずかしかったんだからな!まぁ、喜んでくれたならそれでいいけど……」






コロナ「こ、これは……………」(鼻血

シャマル「す、すぐに板に投稿せねば!!」

はやて「作者は?」

ヴィータ「穹に裏へ連れてかれた」





ま、待て!!!ハナセバワカル!!!!

穹「地獄で悔い改めろ!!!!!」







ーーーーーあまりに過激過ぎる為お見せ出来ませんーーーー

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