八神はやて 夜天の腹黒狸
高町ヴィヴィオ 笑顔で殴る天然
──────その日の夜
管理局の指令、八神はやては自分の部屋で穹のことを考えていた。
『知るか、俺は物心ついた時からずっと一人だよ』
はやて(あんな小さい子が、親の愛情も知らずに育ったなんて……)
はやてはかつての自分を思い出していた。
今の家族と出会う前、早くに両親を亡くし寂しい思いをした。
穹は物心つく前から両親のいない孤独な人生を送っていた。
あのホルクというデバイスと出会うまでどれほど辛い思いをしたのだろうか………
はやては自然と穹に何かしてあげられないかと考えるようになっていた。
はやて(……………やっぱり、多少強引やけど『これ』がええかな)
──────翌日、管理局保護施設
穹の収容されている部屋の扉が開いて昨日の少女、高町ヴィヴィオが入ってきた。
ヴィヴィオ「おはよう、穹君♪」
穹「よぅ、昨日に続いて今日も来たのか?暇な奴だな」
ヴィヴィオ「春休みですから♪今日は穹君に私の友達紹介するね♪」
ヴィヴィオは端末を出すと、いくつかの画像を展開した。
どれにもヴィヴィオが友人だろう少女達と笑いあって映っていた。
ヴィヴィオ「こっちの子がコロナで、こっちの子がリオっていうの!リオはもうデバイス持っててね、それで……」
穹「お前、よく喋るな。こんな管理局に捕まるような奴に………」
ヴィヴィオ「ん~穹君悪い子に見えないから?」
穹「疑問符の使い方おかしいぞ……」
そんな部屋での会話を監視室でフェイトは聞きながらはやてと通信を繋げていた。
フェイト「……うん、でも本気?彼、絶対嫌がると思うけど」
はやて『その時はその時や!ってかなのはちゃんどうしたん?一緒にそっち行ったんやないの?』
フェイト「それが……………来る途中でユウさんを遠目に見つけたみたいで、レイジングハート片手に追いかけて行っちゃった……」
はやて『…………あ~ユウさん、とうとう年貢の納め時みたいやな』
画面越しにはやてが合掌するのを見てフェイトは苦笑を浮かべた。
なのは「ユウさん~、ちょっと『お話』しましょうよ~」
『axel shooter』
シューターが乱れ舞い逃げるユウに襲いかかる。
ユウはそれを軽く避けながら笑顔で愛機片手に追いかけるなのはから逃げていた。
ユウ「ハッハッハ、お話したいならまずシューターと得物納めようか~?」
管理局の一角はある意味戦場と化していた。
そして(一方的)戦争が終わる頃には訓練区画の一部が跡形もなくなり、ユウは逃げおおせたらしい。
──────同日、夕方
フェイト『ヴィヴィオ、そろそろ帰りなさい。なのはが迎えに来てくれるよ』
フェイトの声がスピーカーから聞こえると、部屋の扉が開いた。
穹[……ホルク]
ホルク[心得た]
ヴィヴィオ「それじゃあ穹君、またね♪」
穹「いや、もうさよならだ」
ホルク『転印(テレポート』
フェイトが異変に気づいてAMFを起動させようとした時には穹は部屋から消えて扉の前の廊下に立っていた。
穹「悪いな、これは視線の先数十メートルに飛べるが障害物は透過出来ないんだ。だから、また扉が開く機会を窺ってたんだ。今朝でも良かったけど、お前の話は聞いてて楽しかったよ」
フェイト『待って!どこに行くの!?』
穹「決まってるだろ?俺をハメた奴を始末する。ホルク、セットアップ」
ホルク『心得た、set up』
ホルクは指輪に戻り、穹は黒気味の茶色のロングコートを身に纏った。
そして廊下を駆け抜けて、ヴィヴィオの視界から一瞬で消え去った。
ヴィヴィオ「え………ええ!?」
フェイト『ヴィヴィオはそこにいて!あとで迎え寄越すから!!』
フェイトは監視室から飛び出し、なのはに通信を繋げた。
フェイト「なのは!?ごめん、穹君に逃げられた!……うん、じゃあ出口の所で!!」
フェイトは通信を切ると自分の愛機を取りだした。
フェイト「行くよ、バルディッシュ!セットアップ!!」
『set up』
瞬間、廊下を金色の閃光が駆け抜けた
特別企画
第3話のくだりをはやてにやってみました
take1
穹「これは驚いた。管理局が誇る腹黒狸が来るとはな」
はやて『誰が狸や!!!!!誰やねん!子供にんなこと教えたのは!!』
なのは『腹黒って所否定しないんだ……』
take2
穹「これは驚いた。管理局の似非関西人が来るとはな」
はやて『よし表出ろや!!!今の発言はウチへの宣戦布告とみた!!!!』
フェイト『はやて落ち着いて!!ちょっとキャラおかしくなってるよ!?』