リリカルなのはー聖王と魔弾の射手ー   作:ハマトラ

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夏も終わりが近いですね~
夏イベガチャでアサシン金来て水着ニトクリスかと思ったらなんとジャックが来てびっくりw


夏特別編 学院七不思議③

ーーーーーーーst.ヒルデ魔法学院、裏門

 

ノーヴェと別れた穹達はリオの忘れ物を取りに学院に来たが正門は厳重な施錠が施されていた為、裏門をホルクに開けさせて学院に入った。

 

ヴィヴィオ「なんか・・・・・・悪い事してる感じが・・・・・・」

 

穹「まあ忘れ物が忘れ物だから仕方ないさ、警備員に頼んでもあんな事があった後だし入れてもらえなかっただろうからな」

 

ホルク『穹、警備員の巡回経路を見つけた。そこから教室までのルートを表示する』

 

穹「あぁ、警備員が近付いて来たら教えてくれ」

 

コロナ「さ、流石元裏社会の殺し屋・・・・・・」

 

アインハルト「すごい手際の良さですね・・・・・・」

 

穹達はホルクのナビの下、表示されたルートから校内に侵入した。

明かりの無い校舎の階段を上がり終えたところで、コロナがある事に気付いた。

 

コロナ「ねぇ・・・・・・この階段ってもしかして『嘆きの階段』じゃ・・・・・」

 

リオ「確か・・・・・どこからか呻き声が・・・・・」

 

 

 

 

ーーーーーーーゥゥ

 

 

ヴィヴィオ「ひっ!何今の・・・・・」

 

呻き声の様なものが聞こえてヴィヴィオは穹の後ろに隠れる。

動揺する女子達、そんな中穹はただ冷静に呻き声らしき音の音源を探る。聴覚に神経を集中させて音のする方向を確認してその周辺を見回す。

すると、音源が階段の中腹の高めの位置にある窓にある事に気付いた。穹は窓の真下に立つとじっと窓に目を凝らす。

すると窓に微妙な隙間がある事に気付いた。

 

穹「これが『嘆きの階段』の正体か、窓が壊れて建て付けが悪くなってるんだな。ここからすき間風が入って風鳴りを起こしてたんだな。突き落とされるってのはこの音に動揺して足を踏み外したのを突き落とされたと錯覚したんだろう」

 

リオ「そ、穹って肝が据わってるね・・・・・・」

 

穹「心霊なんて信じないんでな」

 

怪談の正体に安堵した女子達は穹を先頭に教室に向かった。

 

 

 

 

警備員に見つかること無く教室に到着すると、穹が教室前を見張り、リオ達は忘れ物を探していた。

 

コロナ「じゃあ昼間噂になってた生徒ってアインハルトさんのクラスの人なんですか?」

 

アインハルト「はい、直接話した事はありませんが」

 

リオ「確かその人も私達みたいに忘れ物取りに来たんだよね?」

 

ヴィヴィオ「やめてよリオ~」

 

 

 

 

その時、窓際のカーテンがふわっとなびいた。

女子達は一斉にそこに目を向ける、無論窓が開いてるなどということは無い。

 

コロナ「えっと・・・・・・・私達以外にも忘れ物取りに来た子がいる・・・・・とか」

 

リオ「だったらホルクが教えてくれる、よね?」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーークスクス

 

女子達の背筋が凍り付いた。後ろに誰かいる、振り向いてはいけない。それだけは理解出来た。

 

穹「何やってるんだ?早くしないと・・・・・・・・」

 

穹は遅い女子達を心配して教室に入る。そして女子達の背後の"それ"を見てしまった。

穹は自分の理解を超えた何かに動揺を隠しきれない。

 

穹「リオ、忘れ物、持ったな?」

 

リオは残像が出来るほど何度も頷いた。

 

穹「なら・・・・・・・・・・走れ!!」

 

穹の合図で全員一斉に教室から逃げ出した。

 

リオ「穹!一体何を見たの!?いややっぱ言わなくていい!!」

 

コロナ「何!?一体何なの!!」

 

穹「俺から言えるのは・・・・・・・とにかくやばい、それだけだ」

 

階段を駆け降りて、廊下をただ駆け抜けた。

その時、ふと外を見ると、窓の外から中等部の制服を来た生気を感じられない生徒がこちらを覗き込んでいた。

 

穹「窓を見るな!どこかの教室に入るぞ!!」

 

穹の指示に従い、たまたま見かけた教室に入る。

視線を感じなくなったのを確認して安堵する。見渡すと、そこは音楽室だった。

 

ヴィヴィオ「ここって・・・・・・・」

 

そう、この音楽室は『夕暮れの演奏者』が現れる所だった。

 

穹「・・・・・・・・・正体分かったぞ」

 

いつの間にか穹がピアノの前にいて、ピアノの中から一つのオルゴールを取り出した。

 

穹「よくあるいたずらグッズだな、事前に時間と条件を入力して誰かがこっそり忍ばせたんだろ」

 

七不思議の一つが単なるいたずらだと解り、安堵していると、光源魔法の光が見えて教室の扉が開かれた。

慌てて振り向くと・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには人体模型があった

 

 

ヴィヴィオ「イャァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

穹「『さまよう人体模型』・・・・・」

 

ヴィヴィオは恐怖して穹に抱き着き、リオとコロナは腰を抜かして、アインハルトは何も見ていないと自己暗示をかけていた。

 

その時、人体模型は穹に近付いてじっと服装を見つめていた。

 

 

人体模型?『ーーーーーーー当学院の生徒と断定、身分証を提示して下さい』

 

穹「・・・・・・・は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー警備員室

 

警備員「いや~驚かせてすまないね。裏門が開いた形跡があったからまさかと思ってね」

 

穹「それで警備員さん、これは?」

 

穹の指差す先には先程の人体模型があった。

 

警備員「ああ、昔生徒がいたずらで人体模型をゴーレム化させてね。せっかくだから操作権限を譲渡してもらって警備ゴーレムとして再利用しているのさ」

 

アインハルト「『さまよう人体模型』の正体見たり、ですね」

 

穹「もしかして他の七不思議も全部?」

 

警備員「ああ、『夜中のキリコさん』は、当時の風紀委員が夜まで居残る生徒に腹を立てて夜生徒を感知して驚かせに来る幻覚魔法、しかもカーテンを靡かせたりと芸が細かくしかも解除方法もわからない厄介なものさ。それで生徒一人病院送りになってるしね」

 

コロナ「じゃあ『プールの底に居る生徒』や『講堂の悪魔』も?」

 

警備員「夜のプールほど危ないって事で例の死亡事故の後でそれとなく流したのが尾ひれが付いたんだ。『講堂の悪魔』は、ちょっと危険な召喚魔法の未遂事件の名残だな」

 

穹「七不思議も、蓋を開ければそんなものだろうな・・・・・・じゃあ『禁忌の言葉』は?」

 

警備員「それがわからないんだ、いつの間にかそんなものが流れてね」

 

穹「・・・・・・・・初等部2階の開かずの教室」

 

 

 

 

 

ーーーーーーー学院初等部2階

 

穹達は警備員に付き添ってもらい開かずの教室の前に来た。開けて見るが開く気配が無い。

 

穹「ホルク」

 

ホルク『厳重に閉ざされているが、術式は新しいな。・・・・・・解析完了、術式は解除したが鍵はかかったままだ』

 

穹「問題無い、ホルク」

 

ホルク『なるほど、心得た。『強印(ブースト)』』

 

穹の背中に強印が浮かぶと体を捻って回し蹴りで扉を蹴破った。扉が吹き飛び、中から小さい悲鳴が聞こえる。

中にいたのは初等部の穹達のクラスとは違うクラスの担任だった。

 

「な、なんだ君達は!」

 

穹「・・・・・・・・警備員さん以外入らない方がいい、なんだこれ」

 

部屋には壁一面に初等部女子生徒の盗撮写真が貼ってあった。その中にはヴィヴィオやリオ達もいる。

 

穹「なるほど、随分な趣味をお持ちで。これを隠す為の禁忌の言葉か・・・・・・・」

 

「くっ・・・・・・・だが子供一人で私を止められると思ってるのか!!」

 

教師はナイフ片手に穹に襲いかかる。警備員が急いで止めに入ろうとした。

 

穹「ホルク、セットオン」

 

ホルク『心得た。set on』

 

穹は動じず、バリアジャケットを身に纏い、ハンドガンを向けて発砲、教師は防護魔法を展開するが、魔力弾は防護魔法をすり抜けてナイフに着弾する。

するとナイフに六角の重石が打ち込まれ重くなりナイフごと手が床にめり込む。

そして悲鳴をあげるより早く、穹の踵落としが教師の頭を捉えて勢いのある一撃は教師の意識を刈り取った。

 

穹「七不思議最後の謎・・・・・・・それがこんなものとはな」

 

 

そして、その後教師は管理局に引き渡され、盗撮写真は全て焼却処分された。

なお、夜の学院に無断で入った穹達は親にきついお叱りを受けたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

そして知る事は無いだろう・・・・・・・・偽りの七不思議の裏に隠された"本物の七不思議"がある事は・・・・・・・

世の中には知らなくていい事もある。

 

 

 

 

ーーーーーーー講堂に存在する秘密の地下室、丑三つ時に微笑む肖像画、中庭を踊る人形、"真夜中"の奏者、図書室の亡霊、渡り廊下の足音、神を呪うシスター

 

 

学校は様々なものが集まる、生徒、教師、書物、そしてーーーーー

 




夏特別編はこれで終わりです

皆さんの通ってた学校にはどんな怪談がありましたか?

もしかしたらそれは・・・・・・

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