戦艦・巡洋艦のエリアを後にすると、ラウンジから奥に行った所……食堂の前に来た。
「ここではまぁ文字通り、食事ができます。一部の時間は開いてないので、深夜とか午前と午後の一部とかは気をつけて下さいね。」
「ほう……いい匂いがするな。」
「……カレーの匂い。」
「お腹すいた!」
「後でまた来ましょう。」
丁度締まっている時間だったので、食堂を後にして更に奥へ。
「ここは、空母と潜水艦、それから駆逐艦の寮になります。」
すると、こちら側のラウンジでは、スク水の少女らがトランプをしていた。
なんか見たら申し訳無いので、そそくさと通り過ぎようとすると……。
「あ!周防なの!?」
巨乳のスク水少女に絡まれた。
……足を。
ソファーを飛び越え見事なスライディングをかましてくる少女……伊19によって、俺は体験したくもない前方宙返り1/2ひねりをする。
俺が思い切り地面に叩きつけられた後、19は言う。
「周防なのね?周防なのね?」
「周防なのと攻撃するのに何の関連性があるんだよ!?」
「いやー失敗しちゃったの☆」
テヘペロ☆みたいに頭に手をやる19。
「テヘペロ☆」
言ったし。
「それが噂の男艦娘?」
「ゴーヤさんが山と間違えた方ですね。」
「まるゆ~それは言わない約束でち~。」
「……これが、潜水艦のみなさん?」
「そうなのミュリエル!」
ミュリエルが反応したことで、絡む19。
物理的に絡む様子を見るのもあれなので(いいぞもっとやry)他三人に挨拶する。
「戦艦周防だ。そこのがミュリエル、こっちのがポベーダだ。」
「よろしくです!」
ビシリと手を上げるポベーダ。
続けて、潜水艦の艦娘らも挨拶をする。
尚この間、ミュリエルは19と格闘していたと後に語った。
何の格闘かは、聞いたら死にそうなのでやめておく。
二階は空母寮。
もっとも、人が居なかったのでスルーした。
んでもって、三階が駆逐艦寮。
上がった時に、遊んでいた駆逐艦がザワザワし出した。
「……まぁ、こうなるよな。」
ボソリを呟いた俺が、一言言って帰ろうとした時。
「静粛にっ!!」
「「「ッ!!」」」
プレッシャーを感じるその言い方に、俺までビクリとする。
すると寝間着姿の茶髪の少女が歩み出てきた。
「おはようなのです。」
「「「おはよう。」」」
「……おはよう?」
「……あ!皆さん楽にしてもらって良いのです!」
そう言われて始めて、周りの駆逐艦らが息をつく。
この子……できる!
茶髪の少女が続ける。
「電なのです。大和さん、こちらの皆さんは……?」
「あ、今日入った艦娘二名と例外の艦娘?一名です。」
……敬語?
「あー……戦艦周防だ。」
「……ミュリエル・ハイデルベルク。」
と、そこでポベーダの声がしないと思ったら。
「……。」
ミュリエルの陰でガタガタ震える彼女がいた。
「はわわ!大丈夫!大丈夫なのです!」
電が慌てて取り繕う。
そうか……こいつ、自分がプレッシャーを放っていたことを自覚してないのか……。
ある意味凄いが。
半ベソ書いてるポベーダはまだミュリエルから離れようとしない。
「……そいつがポベーダだ。よろしくしてやってくれ。」
「はいなのです!」
「では、これより一度司令室に戻ります。皆さん付いてきて下さい。電さん、失礼しました。」
大和に言われて、俺らも下がる。
渡り廊下を渡って、ようやく切り出す。
「……電さんは最古参の艦娘でして。」
「ほほう。」
大和はポツリポツリと言葉を紡ぐ。
「無駄に、プレッシャーと、貫禄があるので。」
「……だから敬語?」
「怒ると、怖いし、恐ろしいんですよ。」
大和曰く、提督がケッコンカッコカリなるものをする際にじっくりした話し合いがあったらしく、それの片鱗を見てから畏怖するようになったらしい。
……電ってすげえんだな。
司令室に戻ると、提督と龍鳳ともう一人いた。
「やーお疲れ。」
「戻った。……その人は?」
そのもう一人……ソファーでゴロゴロとぬいぐるみを抱く女性は俺を見ると無駄に威勢良く言いはなった。
「ビック7の長門だ!」
「嘘吐け!」
自称ビック7(?)の長門とやらはゴロゴロしたまま続ける。
「貴様が周防だな!?」
「そうだが……。」
「今日から貴様は第二艦隊旗艦だ!」
「まじか!?」
「そして私は任を解かれた!」
「え?」
「お前のお陰で休暇をじっくり取ることにした!礼を言おう!」
俺は無言で提督を見る。
「いやー折角だし出撃してもらっちゃおうと思ってね?」
テヘペロ☆みたいに頭に手をやる提督。
「テヘペロ☆」
「男がやるな気色悪い。」
「おーん……。」
しょんぼりした提督を宥めながら、龍鳳が代わりに説明する。
「少々修理ついでに改装をして、その後に出撃してきて貰いたいんですよ。割りと簡単な場所ですから、是非サクサクっと。」
「軽く言うな……。場所と編成は?」
「編成は後程、場所はカスガダマ沖です。」
難易度はそこそこの海域らしいが、俺であれば楽勝だと言う。
「わかった。受けよう。」
「それから……。」
立ち直った提督が声をあげる。
「ちょっとドックに来て欲しい。改装の件で少しあるんだ。」
今俺の艦艇が入っているドックへと来た。
あらためて見ると……デカイ。
そんな感想しか浮かばなかったりする。
「それで、だ。」
提督から資料を受けとる。
「これは……あの中に入ってた設計図か?」
「そ。こんなものが出てきてびっくりだよ。」
"21inchTripretShell"と書かれた資料。
「これを"53.34cm三連装砲"として装備してみるかどうかを聞きたいんだ。ただ、今でさえ大きな主砲を4つ装備してるし、これを装備するなら艦艇自体を若干サイズアップするのと、主砲を3基に減らすので折り合いをつけることになるんだけどさ。」
「53cmか……。」
「現時点で上層部が把握している日本最大の艦娘の主砲は51cm、しかも連装だから2門。これを実用可能か試してみたいんだ。勿論、君が持ってきたものだし、君の自由なんだけど……まぁ、考えてくれないか?」
「……わかった。」
俺が頷くと、提督はニッコリと笑う。
「さて、真面目な話は以上だ。司令室に戻って茶でも飲もう!」
「仕事はどうした。」
「適度にやってるから大丈夫だよ。それに今夜は……。」
提督がハッとして黙る。
「今夜は?」
「……龍鳳と電には言うなよ?酒がしこたま飲める日なんだ。」
「……酒の制限されてんのか。」
そうなんだよ、と苦笑する提督。
「程々にな。」
先に司令室へと歩みを進める提督に、俺は続いた。
一方その頃。
カーン、カーンと音が鳴る。
停泊していた島の土を深くまで掘っている少女がいた。
「周防……あの人を倒せば……私はもっと強くなれます……!」
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これを記念(?)して、次回は番外編です。
本編はあんまり関係無いので気にしないでください。