インフィニット・ストラトス 全てを超越する力を持った少女 作:ぬっく~
これは、全ての歴史の中で知られることのなかった物語。
一人の少年と七人の少女があの子に出会った事によって始まった物語。
七月の後半。世間ではもう直、夏休みに入る為と気温が徐々に上がる。
同時に梅雨に入る為、雨が良く降る。そして、今日は雨が降っていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
雨の降る山の中を一人の少女が走っていた。何度も転び、身体中傷らけになりながらも、その子は走り続ける。
その後を複数の人影が後を追う。
「いたか?」
「駄目だ! この雨せいで足跡が追跡できない」
「ちっ! いいかお前ら、なるべく穏便に事を済ませるぞ」
『はっ!!』
人数にして五人と少ないが、世間が見たらそれは大騒ぎになる物を彼女ら纏っていたのだ。
IS、インフィニット・ストラトス。
一機にして一個小隊を潰せる程の戦力を持った物を五人は纏っており、世ほどのことではないだろう。
(センサー系に反応しない体質って言うのは面倒だな……)
ISにはハイパーセンサーが搭載されているが、今彼女らが追っている子は何故かそのセンサーに反応しない体質を持っていた。そして、天候も雨で視界が悪く、足音も察知することが出来ていなかった。
(何が簡単な仕事だ……)
彼女らはあの子の体質以外では何も聞かせていないが、IS操者を五人も付ける時点で何かがあると察していた。
護送中、あの子から目を離した瞬間、あの子は外へと飛び出したのだ。そして近くに在った森へと逃げられ今にあたる。
「クソッたれが……」
その後、IS操者たちは撤収する事になった。そう結局、あの子を見つけることが出来ずに……
一方、あの子はある少年と出会っていた。
それは、偶然だったのだろうか。久々に我が家に戻って、スーパーで買い物を済ませた帰りに俺はその子に目が止まった。
身体中に傷らけにの上に、白いワンピースは血と泥で汚れた上に傘すら差しておらず、歩いているのだから。
俺が声を掛けようとした瞬間、その子は倒れたのだ。
「お、おい!」
俺はすぐさま、その子に駆け寄る。
息も弱弱しく、熱もある。このままではまずいと思い俺はその子を抱え家へと駆出した。
家に着く頃には俺自身も雨でずぶ濡れになっていたが、そんな事よりこの子が先だと言う事で頭が一杯だった。
数時間が経っただろうか……あの子の呼吸も落ち着き、熱もある程度引いた。俺は一安心し、そのまま壁に寄りかかる。
「これで、大丈夫だな」
客席用の布団類は家には無かったので、取り敢えず俺の部屋で寝かす事にした。と言うよりそれしかない。
その日は部屋の掃除とかやろうと思っていたのだが、結局出来じまいな上に余計に散らかってしまった。
「……っ」
俺も何だか眠気に襲われ、その子の寝る自分のベット付近で眠りについてしまった。
次の日、思い寄らぬ入客により俺は目覚めることになった。
「おかしいね……」
「家にはいないのか?」
晴天かの中、七人の少女たちが一夏の家の前に集まっていた。彼女たちは一夏が実家に戻っていると言う事で再び来るも、途中で偶然にも遭遇する。
しかも一夏の家に着く頃には、箒、鈴、セシリア、ラウラ、シャルロット、楯無、簪と軽く戦争が出来るレベルのIS持ちが集まっていたのだ。
「こうなったら!」
鈴は一夏の家には何度も来ていたので、一夏の部屋が何処にあるのかを知っている。
裏手に周り、猫のように木々を登って一夏の部屋を覗き込む。
「やっぱいt……」
部屋では一夏がベットに寄りかかる形でねていたのだが……
それを見た鈴は困惑し、木から落ちた。下で待機していたラウラ、シャルロットに抱き止められる。
「い……い……い……」
鈴は口をパクパクさせ、有り得ない物を見たような顔していた。
「一夏が知らない女と寝てた……」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
鈴の口から放た言葉に箒たちは一瞬、フリーズする。
あの一夏が……女と寝ていた?
「「「「「「はぁあああ?」」」」」」
有り得ない真実に彼女らは叫ぶ。
そんな中で逸早く行動したのは、ラウラだった。
裏手から正面玄関に行くやシュヴァルツェア・レーゲンを部分展開し、ドアを突き破る。
その後を追う様に全員が室内に突入し、一夏の居る部屋へと。
ラウラが一夏の部屋の扉を蹴り破るとその音で起きた一夏が目を擦り乍ら彼女たちを見た。
「……皆どうしたんだ?」
今一状況が分かっていなかった一夏は箒たちに聞くが彼女らの目からはハイライトが消えており、各自ISを部分展開していた。
「い……」
「い?」
「「「「「「「一夏ぁああああああ!!!!」」」」」」」
晴天かの住宅地に唐変木の少年の悲鳴が響き渡った。
突き破られた玄関口はそのままにされたまま、箒、鈴、セシリア、ラウラ、シャルロット、楯無、簪はリビングでフルボッコされた一夏を囲んで睨み付けている。単純明快、一夏の部屋で寝ている少女についてだ。
「「「「「「「(嫁よ)一夏(さん)(くん)、あの女は誰だぁ!!(ですの!?)」」」」」」」
全員の言葉がハモる。
一夏は慌てて事情を説明する。
数十分後……
一通り説明し、何とか全員納得する。
状況が状況だった為とはいえ、見知らぬ少女を連れ帰ったのは悪かったが、それで一つの命が救われたのはいいことだ。それを知らなかったとはいえ、ボロ殴りにしてしまった事を後悔する彼女らは一夏に会わせる顔がない。
「はぁ……取り敢えず、その子は私たちの方で預かるわ」
「あ、はい……」
楯無もこの件に関しては申し訳ないと言う事と実家の方であの子の里親を探す事にした。
一夏も楯無の家のことは知っていたので素直に了承する。
しかし、この後思いにもよらぬ事態が発生する。
突如、リビングの窓が割れたのだ。
「!! 皆、耳を塞いで!!」
ラウラと楯無はすぐさま、一夏、箒、鈴、セシリア、シャルロット、簪をソファーの後ろへと隠す。
直後、缶が鳴る音がし、発光する。同時に何か強烈な音が鳴り響いた。
(スタングレネード!?)
スタングレネードの効果が終わる数秒前に数人の武装した者たちが入って来る。
しかし、そいつらは途中で動きを止める。
「!?」
ラウラがシュヴァルツェア・レーゲンを部分展開し、AICで動きを止めたのだ。
その直後、後方で待機していた部隊が姿を現す。
ラウラは予想通りと言う顔をしていた。
「シャルロット!!」
「任せて!」
ラウラの後ろからシャルロットがラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡを部分展開し、アサルトカノン「ガルム」と重機関銃「デザート・フォックス」を構える。
一瞬に織斑邸は戦場化とし、楯無は残りのメンバーに指示を送る。
「凰さんと篠ノ之さんは通路の確保を一夏と簪ちゃんはあの子を回収して」
四人はそれぞれ頷き、行動に移る。
楯無もミステリアス・レイディを呼び出し、参戦する。
一夏は楯無の指示に従い、二階にある自分の部屋へと向かう。
ドアは元々壊されていたのでそのまま入る。
こんな戦闘が起こっている中、その子はすやすやと寝ている。
「簪、撤収するぞ!」
「うん」
一夏は少女を抱え、出ようとした瞬間、窓を割って武装した者が入って来る。
その者は手持ちの銃を構える。簪は打鉄二式を展開しよとするが間に合わない。この時、誰もが死んだと思われた時、一夏に異変が起こった。
『《オーバーロード》……起動……』
一夏のISが展開と同時に銃が発射されるが、一夏に当たる事は無く、白式の左腕にエネルギーで出来たシールドが展開されていた。